1章 物語文
物語文の読み方
1-1 物語文1
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学六年生の二郎たちは、引っこすことになった幼なじみの克ちゃんのお別れ会として、多摩川の源流をたどるキャンプに出かけた。
翌朝四時半に、セットした目ざまし時計が鳴った。*四樹だけはまだよく眠っていたが二郎、克ちゃん、和也、久里は起きだした。
きのうの夜、八時半に、四樹といっしょに寝たので、睡眠はじゅうぶんにたりていた。体調が万全なので、二郎はほっとした。今日は、克ちゃんもいっしょに源流の道をたどる最後のチャンスだ。みんなそろって、多摩川のはじまり、水干まで登るのだ。バテてなんかいられない。
かなり冷えこんでいるが、天気は晴れだ。まだ梅雨のさなか、ラッキーだった。
克ちゃんが火をおこして、久里がカレースープを作っている間に、二郎と和也で、寝袋を丸めて袋にしまったり、他の荷物を片づけた。
五時には、四樹を起こして、カレースープとパンの朝ごはんを食べた。食べている間じゅう、四樹は、いつになく無口だった。
「四樹ちゃん、まだ眠いの?」
と、久里が聞いた。
「ううん。眠くない。なんだかここがズキズキするの。」
と、四樹は緊張したようすで心臓のあたりを押おさえた。
食べ終わると、すぐに出発した。今日一日の行程を考えたら、一分もむだにしたくなかった。鍋は水につけておいて、帰ってから洗うことにした。
みな、*デイパックを背負っている。中には、雨具、コップ、水とおやつが少し入っているだけだ。が、その少しの荷物も、①四樹には持たせないほうがいいと考えて、二郎は自分のデイパックに入れてやった。四樹がバテたら、今日のいっさいの予定は、狂ってしまう。
キャンプ場の奥から、森の中を二十分くらい歩いたら、車道に出た。さらに、十五分ほど車道を行くと、笠取山の登り口、作場平に着いた。
そこから、山道がはじまる。「源流の道」と呼ばれているコースだ。
「わたし、先頭を行く。」
といって、地図を持っている久里が、登りはじめた。
「②四樹、久里のあとについていけ。」
と二郎がいうと、四樹は緊張した顔で、うなずいた。二郎と克ちゃんと和也が、そのあとからついていく。
川の流れの音を聞きながら、うっそうとした木立の中の、ゆるやかな坂道を登っていった。朝六時過ぎ。まだすずしい。
「チチチチ……」
と、鳥の鳴く声が聞こえてくる。
久里は、帰りのことを考えているらしく、けっこう早いペースで登っていく。四樹の、ハアハアという息の音が聞こえてくる。じきに、汗ばんできた。
やがて、三十分ほど登ったころ、二本の川が合流している所にぶつかった。久里が地図を見て、
「多摩川の本流は、こっちだよ。」
と、右の支流を指さした。
道は、そこから本流をはなれて、森の中へと続いていく。
「このあとは笠取小屋の近くに行くまで、もう水はないから、ここで飲んでいこう。」
と久里がいって、休けいした。
(三輪裕子『最後の夏休み』)
注
- 四樹
- 二郎の妹で、小学一年生の女の子。二郎は、家の事情で、四樹を連れてキャンプに参加した。
- デイパック
- ハイキングなどに用いる小型のリュックサック。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
きんちょうして心ぞうのこ動が速くなる。
机の上がかたづくと気もちがいい。
よくあさ、父は庭をそうじするために早起きした。
ていねいにあらわないと、よごれが落ちません。
おさないころの思い出がある。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「いつになく」ということばの使い方として誤っているものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア いつになく忙しい一日だったが、すべての仕事を終えることができた。
- イ 彼女はいつになく早起きをして、朝の散歩を楽しんでいる。
- ウ この冬はいつになく寒く、過去数年間の平均気温と同じだった。
- エ その日の夕食はいつになくぜいたくで、家族みんなで楽しい時間を過ごした。
Confirm Testの答え
- 答え
臓
- 答え
片づく
- 答え
翌朝
- 答え
洗わない
- 答え
幼い
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「四樹、久里のあとについていけ」とありますが、このように二郎が言ったのはなぜですか。もっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア これ以上歩かせるのは無理かもしれないと不安になったから。
- イ 久里のあとをついていけば登り切れると思ったから。
- ウ 少しでも緊張をほぐしてあげたかったから。
- エ 四樹のめんどうをみたくなかったから。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「四樹には持たせないほうがいい」と考えたのはだれですか。もっともよいものを次のア〜オから一つ選び、記号で答えなさい。
ア 四樹 イ 二郎 ウ 克ちゃん
エ 和也 オ 久里
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学六年生の二郎たちは、引っこすことになったAおさななじみの克ちゃんのお別れ会として、多摩川の源流をたどるキャンプに出かけた。
Bよく朝四時半に、セットした目ざまし時計が鳴った。*四樹だけはまだよく眠っていたが①二郎、克ちゃん、和也、久里は起きだした。
きのうの夜、八時半に、四樹といっしょに寝たので、睡眠はじゅうぶんにたりていた。体調が万全なので、二郎はほっとした。今日は、克ちゃんもいっしょに源流の道をたどる最後のチャンスだ。みんなそろって、多摩川のはじまり、水干まで登るのだ。バテてなんかいられない。
かなり冷えこんでいるが、天気は晴れだ。まだ梅雨のさなか、ラッキーだった。
克ちゃんが火をおこして、久里がカレースープを作っている間に、二郎と和也で、寝袋を丸めて袋にしまったり、他の荷物をCかたづけた。
五時には、四樹を起こして、カレースープとパンの朝ごはんを食べた。食べている間じゅう、四樹は、いつになく無口だった。
「四樹ちゃん、まだ眠いの?」
と、久里が聞いた。
「ううん。眠くない。なんだかここがズキズキするの。」
と、四樹は緊張したようすで心Dぞうのあたりを押おさえた。
食べ終わると、すぐに出発した。今日一日の行程を考えたら、一分もむだにしたくなかった。鍋は水につけておいて、帰ってからEあらうことにした。
みな、*デイパックを背負っている。中には、雨具、コップ、水とおやつが少し入っているだけだ。が、その少しの荷物も、四樹には持たせないほうがいいと考えて、二郎は自分のデイパックに入れてやった。②四樹がバテたら、今日のいっさいの予定は、狂ってしまう。
キャンプ場の奥から、森の中を二十分くらい歩いたら、車道に出た。さらに、十五分ほど車道を行くと、笠取山の登り口、作場平に着いた。
そこから、山道がはじまる。「源流の道」と呼ばれているコースだ。
「わたし、先頭を行く。」
といって、地図を持っている久里が、登りはじめた。
「四樹、久里のあとについていけ。」
と二郎がいうと、四樹は緊張した顔で、うなずいた。二郎と克ちゃんと和也が、そのあとからついていく。
川の流れの音を聞きながら、うっそうとした木立の中の、ゆるやかな坂道を登っていった。朝六時過ぎ。まだすずしい。
「チチチチ……」
と、鳥の鳴く声が聞こえてくる。
久里は、帰りのことを考えているらしく、けっこう早いペースで登っていく。四樹の、ハアハアという息の音が聞こえてくる。じきに、汗ばんできた。
やがて、三十分ほど登ったころ、二本の川が合流している所にぶつかった。久里が地図を見て、
「多摩川の本流は、こっちだよ。」
と、右の支流を指さした。
道は、そこから本流をはなれて、森の中へと続いていく。
「このあとは笠取小屋の近くに行くまで、もう水はないから、ここで飲んでいこう。」
と久里がいって、休けいした。
(三輪裕子『最後の夏休み』)
注
- 四樹
- 二郎の妹で、小学一年生の女の子。二郎は、家の事情で、四樹を連れてキャンプに参加した。
- デイパック
- ハイキングなどに用いる小型のリュックサック。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
線「いつになく」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 今まで一度もなかったほどに
- イ いつもと何ら異なることがない
- ウ あきていやになる
- エ もう一度挑戦する
Lessonの答え
- 答え
A 幼 B 翌 C 片 D 臓 E 洗 (完答)
- 答え
ア
Practice
小学六年生の二郎たちは、引っこすことになった幼なじみの克ちゃんのお別れ会として、多摩川の源流をたどるキャンプに出かけた。
翌朝四時半に、セットした目ざまし時計が鳴った。*四樹だけはまだよく眠っていたが二郎、克ちゃん、和也、久里は起きだした。
きのうの夜、八時半に、四樹といっしょに寝たので、睡眠はじゅうぶんにたりていた。体調が万全なので、二郎はほっとした。今日は、克ちゃんもいっしょに源流の道をたどる最後のチャンスだ。みんなそろって、多摩川のはじまり、水干まで登るのだ。①バテてなんかいられない。
かなり冷えこんでいるが、天気は晴れだ。まだ梅雨のさなか、ラッキーだった。
克ちゃんが火をおこして、久里がカレースープを作っている間に、二郎と和也で、寝袋を丸めて袋にしまったり、他の荷物を片づけた。
五時には、四樹を起こして、カレースープとパンの朝ごはんを食べた。食べている間じゅう、②四樹は、いつになく無口だった。
「四樹ちゃん、まだ眠いの?」
と、久里が聞いた。
「ううん。眠くない。なんだかここがズキズキするの。」
と、四樹は緊張したようすで心臓のあたりを押おさえた。
食べ終わると、すぐに出発した。今日一日の行程を考えたら、一分もむだにしたくなかった。鍋は水につけておいて、帰ってから洗うことにした。
みな、*デイパックを背負っている。中には、雨具、コップ、水とおやつが少し入っているだけだ。が、その少しの荷物も、四樹には持たせないほうがいいと考えて、二郎は自分のデイパックに入れてやった。四樹がバテたら、今日のいっさいの予定は、狂ってしまう。
キャンプ場の奥から、森の中を二十分くらい歩いたら、車道に出た。さらに、十五分ほど車道を行くと、笠取山の登り口、作場平に着いた。
そこから、山道がはじまる。「源流の道」と呼ばれているコースだ。
「わたし、先頭を行く。」
といって、地図を持っている久里が、登りはじめた。
「四樹、久里のあとについていけ。」
と二郎がいうと、四樹は緊張した顔で、うなずいた。二郎と克ちゃんと和也が、そのあとからついていく。
川の流れの音を聞きながら、うっそうとした木立の中の、ゆるやかな坂道を登っていった。朝六時過ぎ。まだすずしい。
「チチチチ……」
と、鳥の鳴く声が聞こえてくる。
久里は、帰りのことを考えているらしく、けっこう早いペースで登っていく。四樹の、ハアハアという息の音が聞こえてくる。じきに、汗ばんできた。
やがて、三十分ほど登ったころ、二本の川が合流している所にぶつかった。久里が地図を見て、
「多摩川の本流は、こっちだよ。」
と、右の支流を指さした。
道は、そこから本流をはなれて、森の中へと続いていく。
「このあとは笠取小屋の近くに行くまで、もう水はないから、ここで飲んでいこう。」
と久里がいって、休けいした。
(三輪裕子『最後の夏休み』)
注
- 四樹
- 二郎の妹で、小学一年生の女の子。二郎は、家の事情で、四樹を連れてキャンプに参加した。
- デイパック
- ハイキングなどに用いる小型のリュックサック。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
休みの日に自分のくつをあらう。
よくじつには手紙が届く予定です。
おさない子供をつれて電車に乗る。
病院で内ぞうの検査を受ける。
お客さんが来るまでに部屋をかたづけなさい。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「今まで一度もなかったほどに」という意味のことばを五字で書きなさい。
今日の彼は 静かで、何か考えごとをしているようだった。
Practiceの答え
- 答え
洗う
- 答え
翌日
- 答え
幼い
- 答え
臓
- 答え
片づけ
- 答え
いつになく
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「二郎、克ちゃん、和也、久里は起きだした」とありますが、キャンプ場を出発するまでの四人の様子としてもっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア 多摩川のはじまりを見るのが楽しみで、はしゃいでいる。
- イ 時間を有効に使うために、てきぱきと行動している。
- ウ 余裕をもって行動できなくて、いらいらしている。
- エ 計画どおりに行動しなくてはいけないと思い、緊張している。
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「四樹は、いつになく無口だった」とありますが、それはなぜですか。もっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア 自分だけ五時まで寝ていたことを申し訳なく思ったから。
- イ 朝早くに起こされて、きげんがよくなかったから。
- ウ つかれていたため、口をきく元気がなかったから。
- エ 歩き切れるかどうか心配で、緊張していたから。
Practiceの答え
- 答え
エ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「四樹がバテたら、今日のいっさいの予定は、狂ってしまう」とありますが、二郎たちが予定どおりにいくことを強く願っているのはなぜですか。次の にあてはまることばを文中から十五字で書きぬきなさい。
今日は、幼なじみのみんながそろって多摩川の だから。
非表示
Lessonの答え
- 答え
源流の道をたどる最後のチャンス
- 解説
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「バテてなんかいられない」は、だれの思いですか。もっともよいものを次のア~オから選び、記号で答えなさい。
ア 四樹 イ 二郎 ウ 克ちゃん
エ 和也 オ 久里
Practiceの答え
- 答え
イ
1-2 物語文2
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
川は、幅一メートルほどの小さな流れだ。川の縁までおりていくと、空気がひんやりとした。
「すごく水がきれい。」と、久里がいった。
みんなは、澄んだ川の水を飲んだり、顔を洗ったりした。汗をかいていたので、冷たい水が気持ちいい。
和也は水筒を出すと、キャンプ場で入れてきた水を捨てて、川の水を入れた。
「多摩川の子どもだね。」と、四樹はいった。
少し休んで、出発した。再び、森の中の道を登っていく。
一休坂に入ったあたりから、道は急になり、四樹のペースが落ちた。少し登っては、立ちどまるようになった。
「歩くのおそくするからね。四樹ちゃん、とまらないで、ゆっくり歩きつづけなきゃだめだよ。」と、久里がいった。
まだたいして登っていないうちからバテているようなのが、二郎の気にかかった。笠取山は、最後の登りが、急な山なのだ。
しばらく登った所で、小さな流れを横切った。多摩川の支流の沢だ。そこからは、沢沿いの急な坂道を登っていった。
しだいに暑くなってきた。森の木々の葉の間から、日の光がもれてくる。山に太陽が当たりはじめたのだ。四樹の足が、少しふらつくようになった。それを見て久里が、
「少し休もう。」といった。
二郎がコップをわたすと、四樹はチョロチョロの流れから水をくんで、ごくごくと飲んだ。みんなも、次々に飲んだ。
笠取小屋に着いたのは、八時過ぎだった。小屋の前の広場に、テーブルとベンチがいくつか置いてある。
「もう、だめ。」
四樹が、べンチにぺたんと座りこんだ。
「もう、歩けない。」と、情けない声でいう。
先を急ぎたいところだけど、また少し休んでいくことにした。こんな所に、四樹だけ置いていくってわけにはいかない。
「ほら、ぼくら、もうこんなに高く登ったんだぜ。」
と、克ちゃんが遠くの山並みを指さした。
山々は、下のほうに見えた。
「水干までは、もうちょっとだよ。」
「多摩川の赤ちゃん、見にいこう。」
和也と久里の言葉に、①四樹はこくんとうなずいた。
再び登っていくと、木々がまばらになり、クマザサのおいしげる平らな所に出た。真っ白い入道雲が、もくもくとわきでている。正面には、笠取山の山頂が、こんもりと*隆起しているのが見えた。
やがて、笠取山へ行く道と、水干に行く道との*分岐に出た。本当なら、あまり暑くならないうちに、まっすぐ笠取山の頂上をめざしたいところだ。けれど、まだ四樹に力が残っているうちに、②多摩川の最初の一滴を見せてやったほうがいいと、二郎は思った。今のようすじゃ、四樹がどこで力つきるかわからない。
久里も克ちゃんも和也も同じ意見だったので、笠取山に行く*ルートからはずれ、水干に行くわき道に入っていった。
(三輪裕子『最後の夏休み』)
注
- 隆起
- 土地などのある部分が高く盛り上がること。
- 分岐
- (道などの)分かれめになっている所。
- ルート
- 道すじ。経路。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
黒板にざ席表をはる。
三角形のちょう点どうしを線で結ぶ。
ペットボトルはすてずにリサイクルする。
川ぞいのキャンプ場で一日中遊んだ。
遠くの山なみを、望遠鏡を使って見る。
Confirm Testの答え
- 答え
座
- 答え
頂
- 答え
捨て
- 答え
沿い
- 答え
並み
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「四樹はこくんとうなずいた」から感じられる四樹の気持ちとしてもっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア つかれているけれど、もう少しがんばってみよう。
- イ もう少し歩けば水干に着くなんて、うれしい。
- ウ 早く多摩川の赤ちゃんを見てみたい。
- エ 本当にもうちょっとなのか、あやしい。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「多摩川の最初の一滴」とありますが、これと同じ意味で使われていることばを文中からそれぞれ二字と八字で書きぬきなさい。(完答)
Confirm Testの答え
- 答え
水干(二字)、多摩川の赤ちゃん(八字) (完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
川は、幅一メートルほどの小さな流れだ。川の縁までおりていくと、空気がひんやりとした。
「すごく水がきれい。」と、久里がいった。
みんなは、澄んだ川の水を飲んだり、顔を洗ったりした。汗をかいていたので、冷たい水が気持ちいい。
和也は水筒を出すと、キャンプ場で入れてきた水をAすてて、川の水を入れた。
「多摩川の子どもだね。」と、四樹はいった。
少し休んで、出発した。再び、森の中の道を登っていく。
一休坂に入ったあたりから、道は急になり、四樹のペースが落ちた。少し登っては、立ちどまるようになった。
「歩くのおそくするからね。四樹ちゃん、とまらないで、ゆっくり歩きつづけなきゃだめだよ。」と、久里がいった。
まだたいして登っていないうちからバテているようなのが、二郎の気にかかった。笠取山は、最後の登りが、急な山なのだ。
しばらく登った所で、小さな流れを横切った。多摩川の支流の沢だ。そこからは、沢Bぞいの急な坂道を登っていった。
しだいに暑くなってきた。森の木々の葉の間から、日の光がもれてくる。山に太陽が当たりはじめたのだ。四樹の足が、少しふらつくようになった。それを見て久里が、
「少し休もう。」といった。
二郎がコップをわたすと、四樹はチョロチョロの流れから水をくんで、ごくごくと飲んだ。みんなも、次々に飲んだ。
笠取小屋に着いたのは、八時過ぎだった。小屋の前の広場に、テーブルとベンチがいくつか置いてある。
「もう、だめ。」
四樹が、べンチにぺたんとCすわりこんだ。
「もう、歩けない。」と、情けない声でいう。
先を急ぎたいところだけど、また少し休んでいくことにした。こんな所に、四樹だけ置いていくってわけにはいかない。
「①ほら、ぼくら、もうこんなに高く登ったんだぜ。」
と、克ちゃんが遠くの山Dなみを指さした。
山々は、下のほうに見えた。
「水干までは、もうちょっとだよ。」
「多摩川の②赤ちゃん、見にいこう。」
和也と久里の言葉に、四樹はこくんとうなずいた。
再び登っていくと、木々がまばらになり、クマザサのおいしげる平らな所に出た。真っ白い入道雲が、もくもくとわきでている。正面には、笠取山の山Eちょうが、こんもりと
*隆起しているのが見えた。
やがて、笠取山へ行く道と、水干に行く道との*分岐に出た。本当なら、あまり暑くならないうちに、まっすぐ笠取山の頂上をめざしたいところだ。けれど、まだ四樹に力が残っているうちに、多摩川の最初の一滴を見せてやったほうがいいと、二郎は思った。今のようすじゃ、四樹がどこで力つきるかわからない。
久里も克ちゃんも和也も同じ意見だったので、笠取山に行く*ルートからはずれ、水干に行くわき道に入っていった。
(三輪裕子『最後の夏休み』)
注
- 隆起
- 土地などのある部分が高く盛り上がること。
- 分岐
- (道などの)分かれめになっている所。
- ルート
- 道すじ。経路。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
Lessonの答え
- 答え
A 捨 B 沿 C 座 D 並 E 頂 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
川は、幅一メートルほどの小さな流れだ。川の縁までおりていくと、空気がひんやりとした。
「すごく水がきれい。」と、久里がいった。
みんなは、澄んだ川の水を飲んだり、顔を洗ったりした。汗をかいていたので、冷たい水が気持ちいい。
和也は水筒を出すと、キャンプ場で入れてきた水を捨てて、川の水を入れた。
「多摩川の子どもだね。」と、四樹はいった。
少し休んで、出発した。再び、森の中の道を登っていく。
一休坂に入ったあたりから、道は急になり、四樹のペースが落ちた。少し登っては、立ちどまるようになった。
「歩くのおそくするからね。四樹ちゃん、とまらないで、ゆっくり歩きつづけなきゃだめだよ。」と、久里がいった。
まだたいして登っていないうちからバテているようなのが、二郎の気にかかった。笠取山は、最後の登りが、急な山なのだ。
しばらく登った所で、小さな流れを横切った。多摩川の支流の沢だ。そこからは、沢沿いの急な坂道を登っていった。
しだいに暑くなってきた。森の木々の葉の間から、日の光がもれてくる。山に太陽が当たりはじめたのだ。四樹の足が、少しふらつくようになった。それを見て久里が、
「①少し休もう。」といった。
二郎がコップをわたすと、四樹はチョロチョロの流れから水をくんで、ごくごくと飲んだ。みんなも、次々に飲んだ。
笠取小屋に着いたのは、八時過ぎだった。小屋の前の広場に、テーブルとベンチがいくつか置いてある。
「もう、だめ。」
四樹が、べンチにぺたんと座りこんだ。
「もう、歩けない。」と、情けない声でいう。
先を急ぎたいところだけど、また少し休んでいくことにした。こんな所に、四樹だけ置いていくってわけにはいかない。
「ほら、ぼくら、もうこんなに高く登ったんだぜ。」
と、克ちゃんが遠くの山並みを指さした。
山々は、下のほうに見えた。
「水干までは、もうちょっとだよ。」
「多摩川の赤ちゃん、見にいこう。」
和也と久里の言葉に、四樹はこくんとうなずいた。
再び登っていくと、木々がまばらになり、クマザサのおいしげる平らな所に出た。真っ白い入道雲が、もくもくとわきでている。正面には、笠取山の山頂が、こんもりと*隆起しているのが見えた。
やがて、笠取山へ行く道と、水干に行く道との*分岐に出た。本当なら、あまり暑くならないうちに、まっすぐ笠取山の頂上をめざしたいところだ。けれど、まだ四樹に力が残っているうちに、多摩川の最初の一滴を見せてやったほうがいいと、二郎は思った。今のようすじゃ、四樹がどこで力つきるかわからない。
久里も克ちゃんも和也も②同じ意見だったので、笠取山に行く*ルートからはずれ、水干に行くわき道に入っていった。
(三輪裕子『最後の夏休み』)
注
- 隆起
- 土地などのある部分が高く盛り上がること。
- 分岐
- (道などの)分かれめになっている所。
- ルート
- 道すじ。経路。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
道路ぞいにあるコンビニエンスストアに立ちよる。
順序よく列にならぶ。
山のちょう上にある神社におまいりする。
水曜日にもえるごみをすてる。
長い時間すわり続けると体に悪い。
Practiceの答え
- 答え
沿い
- 答え
並ぶ
- 答え
頂
- 答え
捨てる
- 答え
座り
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ほら、ぼくら、もうこんなに高く登ったんだぜ」とありますが、こう言ったときの克ちゃんの気持ちとしてもっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア こんなに高い所まで登ってこられたので、もう十分だと満足する気持ち。
- イ こんなに高い所まで登ってきたんだと、自分たちのペースの速さにおどろく気持ち。
- ウ つかれきってしまった四樹を、少しでもはげましたいという気持ち。
- エ 「もう、歩けない。」と情けない声を出した四樹に、いらいらする気持ち。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「少し休もう」とありますが、こう言ったときの久里の気持ちとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 四樹の歩く速さが遅く、目的地になかなか着けないことにあせる気持ち。
- イ 二郎や和也が四樹をかばうことに、はらだたしい気持ち。
- ウ 休む回数が多くなり、目的地に着くことはむずかしいとあきらめる気持ち。
- エ つかれが見える四樹を心配し、気づかう気持ち。
Practiceの答え
- 答え
エ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「赤ちゃん」とありますが、ここでは「赤ちゃん」は何を指していますか。文中から五字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
最初の一滴
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「同じ意見」とありますが、具体的にはどんな意見ですか。文中から三十七字でさがし、その初めと終わりの四字を書きぬきなさい。
〜
Practiceの答え
- 答え
まだ四樹~うがいい
2章 文法・短歌・俳句
文法(漢字)
2-1 漢字の部首・音と意味を表す部分
Confirm Test
次の漢字の部首名をひらがなで書きなさい。
助
術
兄
病
あとの部首をもつ漢字をア〜コの中から一つずつ選び、記号で答えなさい。
ア 答 イ 店 ウ 思 エ 続 オ 転
カ 顔 キ 苦 ク 近 ケ 妹 コ 国
おんなへん
まだれ
くさかんむり
くるまへん
たけかんむり
Confirm Testの答え
- 答え
ちから
- 答え
ぎょうがまえ(ゆきがまえ)
- 答え
ひとあし(にんにょう)
- 答え
やまいだれ
- 答え
ケ
- 答え
イ
- 答え
キ
- 答え
オ
- 答え
ア
Confirm Test
次の漢字の「音を表す部分」を書きぬきなさい。
省
放
Confirm Testの答え
- 答え
少
- 答え
方
Point
Lesson
Lesson
あとの漢字の部首名を次から選び、記号で答えなさい。
ア りっしんべん イ はつがしら ウ ふるとり
エ がんだれ オ のぎへん カ そうにょう
秋
性
雑
原
起
登
Lessonの答え
- 答え
オ
- 解説
- 答え
ア
- 答え
ウ
- 答え
エ
- 答え
カ
- 答え
イ
Practice
次の漢字の部首名をひらがなで書きなさい。
独
建
別
あとの部首をもつ漢字をア〜コの中から一つずつ選び、記号で答えなさい。
ア 答 イ 店 ウ 思 エ 続 オ 転
カ 顔 キ 苦 ク 近 ケ 妹 コ 国
たけかんむり
おおがい
いとへん
しんにょう
くにがまえ
こころ
Practiceの答え
- 答え
けものへん
- 答え
えんにょう(いんにょう)
- 答え
りっとう
- 答え
ア
- 答え
カ
- 答え
エ
- 答え
ク
- 答え
コ
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の漢字の「音を表す部分」を書きぬきなさい。
精
紙
Lessonの答え
- 答え
青
- 答え
氏
Practice
次の漢字の「音を表す部分」を書きぬきなさい。
坂
積
Practiceの答え
- 答え
反
- 答え
責
短歌・俳句
2-2 短歌1
Confirm Test
短歌と俳句について書かれた次の文章のA〜Dにあてはまることばを書きなさい。
短歌は五・七・ A ・七・七の五句 B 音を基本の形式とする定型詩である。 基本の形式よりも音数が多いものを「 C 」、少ないものを「 D 」という。
Confirm Testの答え
- 答え
A 五 B 三十一 C 字余り D 字足らず
Confirm Test
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
A くれなゐの二尺のびたる薔薇の芽の
針やはらかに春雨の降る正岡子規
-
B 海恋し潮の遠鳴りかぞへては
少女となりし父母の家与謝野晶子
-
C おりたちて今朝の寒さを*おどろきぬ
露しとしとと柿の落ち葉深く伊藤左千夫
注
- おどろきぬ
- おどろいた。
A〜Cの短歌は何句切れですか。もっとも適当なものを、次のア〜オから一つずつ選び、それぞれ記号で答えなさい。(完答)
- ア 初句切れ
- イ 二句切れ
- ウ 三句切れ
- エ 四句切れ
- オ 句切れなし
Confirm Testの答え
- 答え
- A オ
- B ア
- C ウ(完答)
Confirm Test
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
秋*来ぬと目には*さやかに見えねども
風の音にぞ*おどろかれぬる
藤原敏行
注
- 来ぬ
- 来た。
- さやかに
- はっきりと。
- おどろかれぬる
- 気づかされた。
この短歌の鑑賞文として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア 季節の移り変わりを音で感じ取ってよんだ短歌で、作者の感性のするどさを感じさせる。
- イ 季節の移り変わりを視覚でとらえてよんだ短歌で、こい緑の中に白がはえている情景があざやかである。
- ウ 夜明けの、身のひきしまるように美しく雄大な野原の情景がえがかれている。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
短歌について書かれた次の文章の A〜Dにあてはまることばを書きなさい。
短歌は五・七・五・ A ・七の五句 B 音を基本の形式とする定型詩である。 基本の形式よりも音数が多いものを「 C 」、少ないものを「 D 」という。
Lessonの答え
- 答え
A 七 B 三十一 C 字余り D 字足らず
Practice
短歌について書かれた次の文章のA〜Dにあてはまることばを書きなさい。
短歌は五・七・ A ・七・七の五句 B 音を基本の形式とする定型詩である。 基本の形式よりも音数が多いものを「 C 」、少ないものを「 D 」という。
Practiceの答え
- 答え
A 五 B 三十一 C 字余り D 字足らず
Point
Lesson
Lesson
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
- 金色のちひさき鳥のかたちして
いてふちるなり夕日の岡に
与謝野晶子
この短歌に使われている表現技法として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 体言止め イ 擬人法 ウ 倒置法 エ 反復
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
- いつしかに春の名残となりにけり
- 昆布干場のたんぽぽの花
北原白秋
この短歌は何句切れですか。
Practiceの答え
- 答え
三句切れ
Lesson
Lesson
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
春過ぎて夏来るらし白たへの
衣干したり天の香具山
持統天皇
この短歌の鑑賞文として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア 季節の移り変わりを音で感じ取ってよんだ短歌で、作者の感性のするどさを感じさせる。
- イ 季節の移り変わりを視覚でとらえてよんだ短歌で、こい緑の中に白がはえている情景があざやかである。
- ウ 夜明けの、身のひきしまるように美しく雄大な野原の情景がえがかれている。
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
- 東の野に*かぎろひの立つ見えて
- かへり見すれば月*かたぶきぬ
柿本人麻呂
注
- かぎろひ
- 明け方の空の明るみ。
- かたぶきぬ
- かたむいている。
この短歌の鑑賞文として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア 季節の移り変わりを音で感じ取ってよんだ短歌で、作者の感性のするどさを感じさせる。
- イ 季節の移り変わりを視覚でとらえてよんだ短歌で、こい緑の中に白がはえている情景があざやかである。
- ウ 夜明けの、身のひきしまるように美しく雄大な野原の情景がえがかれている。
Practiceの答え
- 答え
ウ
2-3 俳句1
Confirm Test
短歌と俳句について書かれた次の文章のA〜Fにあてはまることばを書きなさい。
俳句は五・七・ A の三句 B 音を基本の形式とする定型詩で、 C を一句に一つ入れるというきまりがある。また、「ぞ・や・かな・けり」などを「 D 」といい、句の切れ目や感動の中心を表す。
短歌・俳句ともに基本の形式よりも音数が多いものを「 E 」、少ないものを「 F 」という。
Confirm Testの答え
- 答え
A 五 B 十七 C 季語
D 切れ字 E 字余り F 字足らず
Confirm Test
次の俳句を読んで、あとの問いに答えなさい。
- うぐいすの身をさかさまに初音かな
宝井其角
この俳句の季語を書きぬき、季節を漢字一字で書きなさい。(完答)
この俳句は何句切れですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 初句切れ イ 二句切れ ウ 句切れなし
Confirm Testの答え
- 答え
季語 うぐいす、 季節 春(完答)
- 答え
ウ
Confirm Test
次の俳句を読んで、あとの問いに答えなさい。
- A五月雨を集めて早し*最上川
松尾芭蕉 - B草枯れて狐の*飛脚通りけり
与謝蕪村 - C雪とけてくりくりしたる月夜かな
小林一茶 - D桐一葉日当りながら落ちにけり
高浜虚子 - E*白牡丹といふといへども紅ほのか
高浜虚子 - F梅一輪一輪ほどのあたたかさ
服部嵐雪 - G朝顔に*釣瓶とられてもらひ水
加賀千代女
注
- 最上川
- 山形県などを流れる川。
- 飛脚
- 江戸時代、手紙などの配達を職業とした人。
- 白牡丹
- 白い大きな花をつけるボタン科の植物。
- 釣瓶
- 縄やさおの先におけを取りつけて、井戸の水をくみ上げるもの。
次の鑑賞文の内容にあてはまる俳句をA〜Gの中から選び、記号で答えなさい。
自然のわずかな変化をとらえて、春が近づいている喜びを表現している。
Confirm Testの答え
- 答え
F
Point
Lesson
Lesson
短歌と俳句について書かれた次の文章のA〜Fにあてはまることばを書きなさい。
俳句は五・七・ A の三句 B 音を基本の形式とする定型詩で、 C を一句に一つ入れるというきまりがある。また、「ぞ・や・かな・けり」などを「 D 」といい、句の切れ目や感動の中心を表す。
短歌・俳句ともに基本の形式よりも音数が多いものを「 E 」、少ないものを「 F 」という。
Lessonの答え
- 答え
A 五 B 十七 C 季語
D 切れ字 E 字余り F 字足らず
Practice
短歌と俳句について書かれた次の文章の A〜Fにあてはまることばを書きなさい。
俳句は五・ A ・五の B 句十七音を基本の形式とする定型詩で、 C を一句に一つ入れるというきまりがある。また、「ぞ・や・かな・けり」などを「 D 」といい、句の切れ目や感動の中心を表す。
短歌・俳句ともに基本の形式よりも音数が多いものを「 E 」、少ないものを「 F 」という。
Practiceの答え
- 答え
A 七 B 三 C 季語
D 切れ字 E 字余り F 字足らず
Point
Lesson
Lesson
次の俳句を読んで、あとの問いに答えなさい。
- 名月や 池をめぐりて* 夜もすがら
松尾芭蕉
注
- 夜もすがら
- ひと晩じゅう。
この俳句の季語を書きぬき、季節を漢字一字で書きなさい。(完答)
この俳句は何句切れですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 初句切れ イ 二句切れ ウ 句切れなし
Lessonの答え
- 答え
季語 名月、季節 秋(完答)
- 答え
ア
Practice
次の俳句を読んで、あとの問いに答えなさい。
- いくたびも雪の深さを尋ねけり
正岡子規
この俳句の季語を書きぬき、季節を漢字一字で書きなさい。(完答)
この俳句は何句切れですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 初句切れ イ 二句切れ ウ 句切れなし
Practiceの答え
- 答え
季語 雪、 季節 冬(完答)
- 答え
ウ
Lesson
Lesson
次の俳句を読んで、あとの問いに答えなさい。
- A五月雨を集めて早し*最上川
松尾芭蕉 - B草枯れて狐の*飛脚通りけり
与謝蕪村 - C雪とけてくりくりしたる月夜かな
小林一茶 - D桐一葉日当りながら落ちにけり
高浜虚子 - E*白牡丹といふといへども紅ほのか
高浜虚子 - F梅一輪一輪ほどのあたたかさ
服部嵐雪 - G朝顔に*釣瓶とられてもらひ水
加賀千代女
注
- 最上川
- 山形県などを流れる川。
- 飛脚
- 江戸時代、手紙などの配達を職業とした人。
- 白牡丹
- 白い大きな花をつけるボタン科の植物。
- 釣瓶
- 縄やさおの先におけを取りつけて、井戸の水をくみ上げるもの。
次の鑑賞文の内容にあてはまる俳句をA〜Gの中から選び、記号で答えなさい。
比喩が使われていて、童話風のほのぼのとした味わいがある。
Lessonの答え
- 答え
B
Practice
次の俳句を読んで、あとの問いに答えなさい。
- A五月雨を集めて早し*最上川
松尾芭蕉 - B草枯れて狐の*飛脚通りけり
与謝蕪村 - C雪とけてくりくりしたる月夜かな
小林一茶 - D桐一葉日当りながら落ちにけり
高浜虚子 - E*白牡丹といふといへども紅ほのか
高浜虚子 - F梅一輪一輪ほどのあたたかさ
服部嵐雪 - G朝顔に*釣瓶とられてもらひ水
加賀千代女
注
- 最上川
- 山形県などを流れる川。
- 飛脚
- 江戸時代、手紙などの配達を職業とした人。
- 白牡丹
- 白い大きな花をつけるボタン科の植物。
- 釣瓶
- 縄やさおの先におけを取りつけて、井戸の水をくみ上げるもの。
次の鑑賞文の内容にあてはまる俳句をA〜Gの中から選び、記号で答えなさい。
暮らしの中のふとしたできごとをえがいた中に、植物への作者のやさしさが感じられる。
Practiceの答え
- 答え
G
3章 詩
詩の表現技法と鑑賞
3-1 詩1
Confirm Test
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
からたちの花 北原白秋
- からたちの花が咲いたよ。
- 白い白い花が咲いたよ。
- からたちのとげはいたいよ。
- 青い青い針のとげだよ。
- からたちは畑の垣根よ。
- いつもいつもとおる道だよ。
- からたちも秋はみのるよ。
- まろいまろい金のたまだよ。
- からたちのそばで泣いたよ。
- みんなみんなやさしかったよ。
- からたちの花が咲いたよ。
- 白い白い花が咲いたよ。
この詩の種類として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 口語自由詩 イ 口語定型詩
ウ 文語自由詩 エ 文語定型詩
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Confirm Test
次のそれぞれの文にもちいられている表現技法としてもっとも適するものを、あとのア〜ケのうちから選び、記号で答えなさい。
ア 直喩 イ 隠喩 ウ 擬人法 エ 倒置法
オ 対句 カ 反復 キ 体言止め
ク 省略 ケ 擬音語・擬態語
鳥は西にしずむ夕日に向かう
僕は東にのぼる月を眺める
海はすべての生き物の母だ。
行こう、ぼくたちが目指していた場所へ。
Confirm Testの答え
- 答え
オ
- 答え
イ
- 答え
エ
Confirm Test
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
虹の足 吉野弘
- 雨があがって
- 雲間から
- *乾麵みたいに真直な
- 陽射しがたくさん地上に刺さり
- 行手に*榛名山が見えたころ
- 山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。
- 眼下にひろがる田圃の上に
- 虹がそっと足を下ろしたのを!
- *野面にすらりと足を置いて
- 虹のアーチが軽やかに
- すっくと空に立ったのを!
- その虹の足の底に
- 小さな村といくつかの家が
- すっぽり抱かれて染められていたのだ。
- それなのに
- 家から飛び出して虹の足にさわろうとする人影は見えない。
- おーい、君の家が虹の中にあるぞオ
- 乗客たちは頰を火照らせ
- 野面に立った虹の足に見とれた。
- 多分、あれはバスの中の僕らには見えて
- 村の人々には見えないのだ。
- そんなこともあるのだろう
- 他人には見えて
- 自分には見えない幸福の中で
- 格別驚きもせず
- 幸福に生きていることが。
注
- 乾麵
- うどん、そうめんなどをほして固くしたもの。
- 榛名山
- 群馬県にある山。
- 野面
- 野原。
6〜14行目までの表現を説明したものとしてあてはまらないものを次のうちから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 擬人法を使って、虹を人間に見立てて、様子を生き生きとえがいている。
- イ 倒置法を使って、虹の足を見たときのおどろきと感動を強調している。
- ウ 反復を使って、虹が野面から空に長々と立つ様子を表現している。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
ぶらんこ 高田敏子
- 雲をける
- 風をきる
- 光のしまをつきぬける
- ぱっとひらける視野!
- 生けがきのむこうに
- さっきおこったばかりのママが
- ミシンをふんでいる
- 鶏小屋のうしろに
- タンポポが咲いている
- 空の手に抱かれるたびに
- 少女の眼はステキなものを
- とらえる
- 子どもの背たけが
- すくっと のびるのは
- こんなときではないかしら
この詩の種類として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 口語自由詩 イ 口語定型詩
ウ 文語自由詩 エ 文語定型詩
Lessonの答え
- 答え
ア
Practice
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
虹の足 吉野弘
- 雨があがって
- 雲間から
- *乾麵みたいに真直な
- 陽射しがたくさん地上に刺さり
- 行手に*榛名山が見えたころ
- 山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。
- 眼下にひろがる田圃の上に
- 虹がそっと足を下ろしたのを!
- *野面にすらりと足を置いて
- 虹のアーチが軽やかに
- すっくと空に立ったのを!
- その虹の足の底に
- 小さな村といくつかの家が
- すっぽり抱かれて染められていたのだ。
- それなのに
- 家から飛び出して虹の足にさわろうとする人影は見えない。
- おーい、君の家が虹の中にあるぞオ
- 乗客たちは頰を火照らせ
- 野面に立った虹の足に見とれた。
- 多分、あれはバスの中の僕らには見えて
- 村の人々には見えないのだ。
- そんなこともあるのだろう
- 他人には見えて
- 自分には見えない幸福の中で
- 格別驚きもせず
- 幸福に生きていることが。
注
- 乾麵
- うどん、そうめんなどをほして固くしたもの。
- 榛名山
- 群馬県にある山。
- 野面
- 野原。
この詩の種類として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 文語自由詩 イ 文語定型詩
ウ 口語自由詩 エ 口語定型詩
Practiceの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次のそれぞれの文にもちいられている表現技法としてもっとも適するものを、あとのア〜ケのうちから選び、記号で答えなさい。
ア 直喩 イ 隠喩 ウ 擬人法 エ 倒置法
オ 対句 カ 反復 キ 体言止め
ク 省略 ケ 擬音語・擬態語
たくさんの木々が嬉しそうにゆれている。
走れ走れ あの山に向かって もっと走れ。
あいかわらず風はビュービューと吹きつける。
Lessonの答え
- 答え
ウ
- 答え
カ
- 答え
ケ
Practice
次のそれぞれの文にもちいられている表現技法としてもっとも適するものを、あとのア〜ケのうちから選び、記号で答えなさい。
ア 直喩 イ 隠喩 ウ 擬人法 エ 倒置法
オ 対句 カ 反復 キ 体言止め
ク 省略 ケ 擬音語・擬態語
まるでボールのような大きな芋を掘り出した。
まだ降りつづいている、昨日からの雨が。
クラスみんなで行った修学旅行。
Practiceの答え
- 答え
ア
- 答え
エ
- 答え
キ
Lesson
Lesson
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
ぶらんこ 高田敏子
- 雲をける
- 風をきる
- 光のしまをつきぬける
- ぱっとひらける視野!
- 生けがきのむこうに
- さっきおこったばかりのママが
- ミシンをふんでいる
- 鶏小屋のうしろに
- タンポポが咲いている
- 空の手に抱かれるたびに
- 少女の眼はステキなものを
- とらえる
- 子どもの背たけが
- すくっと のびるのは
- こんなときではないかしら
擬人法が使われている行を、行番号で答えなさい。
Lessonの答え
- 答え
10
Practice
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
ぶらんこ 高田敏子
- 雲をける
- 風をきる
- 光のしまをつきぬける
- ぱっとひらける視野!
- 生けがきのむこうに
- さっきおこったばかりのママが
- ミシンをふんでいる
- 鶏小屋のうしろに
- タンポポが咲いている
- 空の手に抱かれるたびに
- 少女の眼はステキなものを
- とらえる
- 子どもの背たけが
- すくっと のびるのは
- こんなときではないかしら
1〜3行目に使われている表現技法としてもっとも適当なものを次のうちから一つ選び、記号で答えなさい。
ア 倒置法 イ 対句 ウ 体言止め エ 直喩
Practiceの答え
- 答え
イ
4章 説明文
説明文の読み方
4-1 説明文1
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
植物には、幹を硬くして大きくなる「木」になるものと、茎がやわらかい「草」があります。
大きく育つ「木」の方が進化した形のように思えるかもしれませんが、そうではありません。じつは「草」の方が、より進化をした形です。
もちろん、植物が最初から巨大な木だったかと言えば、そうではありません。植物は最初、水の中を漂う植物プランクトンでしたし、その後も海藻や水草のような存在でした。そして、植物が陸上に進出した後も、コケ植物のような水辺を離れられないか弱い存在でした。しかし、本格的に内陸部に進出するようになると、光を浴びるためには背が高い方が有利です。そのため、シダ植物に進化した頃には、植物は巨大な木として繁栄していたのです。
しかし、すでに紹介したように、もっとも進化した形である*単子葉植物は、「草」という新たなスタイルに進化をしました。そのため、単子葉植物はほとんどが草です。
その後、「草」というスタイルがなかなか優れているということになったのか、*双子葉植物からも、木ではなく草として進化をする種類が次々に現われます。そのため、双子葉植物には木に成長する種類と、草になる種類とがあるのです。
何だか複雑ですね。
たとえば、かつてお寿司屋さんの中から、ロボットがご飯を握り、アルバイトがお寿司を作る、安くて早い画期的な回転寿司のお店が誕生しました。
元々のお寿司屋さんは何も変化していませんが、「回転寿司」と区別するために、ふつうのお寿司屋さんを「回らないお寿司」というようになりました。まさに、画期的な単子葉植物が誕生して、それまでのふつうの植物を双子葉植物と区別したのと同じです。
しかし、回らないお寿司屋さんの中からも、職人が作る高級な寿司もいいけれど、安くて早いお寿司もいいなと考えて、ロボットやアルバイトを導入してファミリーレストランのような寿司屋が登場してきます。この安くて早い回らないお寿司屋さんが、双子葉植物の中に、草となる種類が登場してきたようなものなのです。
このたとえ、かえってわかりにくかったですか?
それにしても、①複雑な木から単純な草が誕生したことは、「進化」というより「退化」した印象があるかもしれません。
何も、大きく複雑になることばかりが進化ではありません。より小さく、より単純になるという進化もあります。
たとえば、ヘビは、もともと四本足の動物でしたが、狭いところや土の中で自在に動けるように余分な足をなくしました。これも進化です。また、人間の祖先はサルでした。その昔はしっぽを持っていましたが、要らないしっぽはなくなりました。②これも進化なのです。
(稲垣栄洋『植物たちのフシギすぎる進化』)
注
- 単子葉植物
- イネのように、種から最初に出る葉が一枚の植物。
- 双子葉植物
- アサガオのように、種から最初に出る葉が二枚の植物。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
事件がおこったはいけいを考える。
こうして世界初の自動車がたんじょうした。
たんじゅんなしくみだが、新幹線にも使われている。
すぐれた作品には、賞がおくられます。
チームの中でそんざい感をしめす。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「退化」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 新しい技術によって、今までのものづくりが大きく退化し、生産性が向上した。
- イ 社会が急速に発展し、伝統文化が退化していると言われている。
- ウ デジタルの普及により、人々の手紙を書く能力が退化してきた。
- エ 最新のスマートフォンが発売されて、前のモデルは退化してしまった。
Confirm Testの答え
- 答え
背景
- 答え
誕生
- 答え
単純
- 答え
優れた
- 答え
存在
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「これ」とは、何を指していますか。次の にあてはまることばを文中からそれぞれ書きぬきなさい。 (完答)
人間の祖先は だったが、要らない はなくなったこと。
Confirm Testの答え
- 答え
サル・しっぽ (完答)
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「複雑な木から単純な草が誕生したことは、『進化』というより『退化』した印象があるかもしれません」とありますが、なぜそういう印象を持ってしまうのですか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 木から草でなく、草から木に進化したと思いこんでしまっているから。
- イ 進化とは、大きく複雑になることだと思いこんでしまっているから。
- ウ 複雑な木から単純な草が誕生するはずがないと思いこんでしまっているから。
- エ 生物は年月を経ると進化していくものだと思いこんでしまっているから。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
植物には、幹を硬くして大きくなる「木」になるものと、茎がやわらかい「草」があります。
大きく育つ「木」の方が進化した形のように思えるかもしれませんが、①そうではありません。じつは「草」の方が、より進化をした形です。
もちろん、植物が最初から巨大な木だったかと言えば、そうではありません。植物は最初、水の中を漂う植物プランクトンでしたし、その後も海藻や水草のようなAそんざいでした。そして、植物が陸上に進出した後も、コケ植物のような水辺を離れられないか弱いそんざいでした。しかし、本格的に内陸部に進出するようになると、光を浴びるためにはBせが高い方が有利です。そのため、シダ植物に進化した頃には、植物は巨大な木として繁栄していたのです。
しかし、すでに紹介したように、もっとも進化した形である*単子葉植物は、「草」という新たなスタイルに進化をしました。そのため、単子葉植物はほとんどが草です。
その後、「草」というスタイルがなかなかCすぐれているということになったのか、*双子葉植物からも、②木ではなく草として進化をする種類が次々に現われます。そのため、双子葉植物には木に成長する種類と、草になる種類とがあるのです。
何だか複雑ですね。
たとえば、かつてお寿司屋さんの中から、ロボットがご飯を握り、アルバイトがお寿司を作る、安くて早い画期的な回転寿司のお店がDたんじょうしました。
元々のお寿司屋さんは何も変化していませんが、「回転寿司」と区別するために、ふつうのお寿司屋さんを「回らないお寿司」というようになりました。まさに、画期的な単子葉植物がたんじょうして、それまでのふつうの植物を双子葉植物と区別したのと同じです。
しかし、回らないお寿司屋さんの中からも、職人が作る高級な寿司もいいけれど、安くて早いお寿司もいいなと考えて、ロボットやアルバイトを導入してファミリーレストランのような寿司屋が登場してきます。この安くて早い回らないお寿司屋さんが、双子葉植物の中に、草となる種類が登場してきたようなものなのです。
このたとえ、かえってわかりにくかったですか?
それにしても、複雑な木からEたんじゅんな草が誕生したことは、「進化」というより「退化」した印象があるかもしれません。
何も、大きく複雑になることばかりが進化ではありません。より小さく、より単純になるという進化もあります。
たとえば、ヘビは、もともと四本足の動物でしたが、狭いところや土の中で自在に動けるように余分な足をなくしました。これも進化です。また、人間の祖先はサルでした。その昔はしっぽを持っていましたが、要らないしっぽはなくなりました。これも進化なのです。
(稲垣栄洋『植物たちのフシギすぎる進化』)
注
- 単子葉植物
- イネのように、種から最初に出る葉が一枚の植物。
- 双子葉植物
- アサガオのように、種から最初に出る葉が二枚の植物。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
線「退化」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ものごとが以前よりも進歩や発展を遂げること
- イ 進歩が止まって、前の状態に逆もどりすること
- ウ 物事がしだいに衰えていくこと
- エ 環境や状況が以前のより良い状態にもどること
Lessonの答え
- 答え
A 存在 B 背 C 優 D 誕生 E 単純 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
植物には、幹を硬くして大きくなる「木」になるものと、茎がやわらかい「草」があります。
大きく育つ「木」の方が進化した形のように思えるかもしれませんが、そうではありません。じつは「草」の方が、より進化をした形です。
もちろん、植物が最初から巨大な木だったかと言えば、①そうではありません。植物は最初、水の中を漂う植物プランクトンでしたし、その後も海藻や水草のような存在でした。そして、植物が陸上に進出した後も、コケ植物のような水辺を離れられないか弱い存在でした。しかし、本格的に内陸部に進出するようになると、光を浴びるためには背が高い方が有利です。そのため、②シダ植物に進化した頃には、植物は巨大な木として繁栄していたのです。
しかし、すでに紹介したように、もっとも進化した形である*単子葉植物は、「草」という新たなスタイルに進化をしました。そのため、単子葉植物はほとんどが草です。
その後、「草」というスタイルがなかなか優れているということになったのか、*双子葉植物からも、木ではなく草として進化をする種類が次々に現われます。そのため、双子葉植物には木に成長する種類と、草になる種類とがあるのです。
何だか複雑ですね。
たとえば、かつてお寿司屋さんの中から、ロボットがご飯を握り、アルバイトがお寿司を作る、安くて早い画期的な回転寿司のお店が誕生しました。
元々のお寿司屋さんは何も変化していませんが、「回転寿司」と区別するために、ふつうのお寿司屋さんを「回らないお寿司」というようになりました。まさに、画期的な単子葉植物が誕生して、それまでのふつうの植物を双子葉植物と区別したのと同じです。
しかし、回らないお寿司屋さんの中からも、職人が作る高級な寿司もいいけれど、安くて早いお寿司もいいなと考えて、ロボットやアルバイトを導入してファミリーレストランのような寿司屋が登場してきます。この安くて早い回らないお寿司屋さんが、双子葉植物の中に、草となる種類が登場してきたようなものなのです。
このたとえ、かえってわかりにくかったですか?
それにしても、複雑な木から単純な草が誕生したことは、「進化」というより「退化」した印象があるかもしれません。
何も、大きく複雑になることばかりが進化ではありません。より小さく、より単純になるという進化もあります。
たとえば、ヘビは、もともと四本足の動物でしたが、狭いところや土の中で自在に動けるように余分な足をなくしました。これも進化です。また、人間の祖先はサルでした。その昔はしっぽを持っていましたが、要らないしっぽはなくなりました。これも進化なのです。
(稲垣栄洋『植物たちのフシギすぎる進化』)
注
- 単子葉植物
- イネのように、種から最初に出る葉が一枚の植物。
- 双子葉植物
- アサガオのように、種から最初に出る葉が二枚の植物。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
六年間でせがのびた。
わたしにとって、彼のそんざいはとても大きかった。
プロ野球のゆうしょうパレードを見に行く。
子どものようなじゅんすいなまなざし。
みんなで彼女のたんじょうびを祝った。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「進歩が止まって、前の状態に逆もどりする」という意味のことばを二字で書きなさい。
人間の頭脳は少しずつ していき、記憶力は下がっていく。
Practiceの答え
- 答え
背
- 答え
存在
- 答え
優勝
- 答え
純粋
- 答え
誕生日
- 答え
退化
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「そうではありません」とは、どういうことですか。
次の A 、 B にあてはまることばを文中からそれぞれ書きぬきなさい。(完答)
大きく育つ「 A 」のほうがより B した形というわけではないということ。
Lessonの答え
- 答え
A 木 B 進化(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「そうではありません」とは、どういうことですか。
次の にあてはまることばを文中からそれぞれ書きぬきなさい。(完答)
が最初から だったわけではないということ。
Practiceの答え
- 答え
植物・巨大な木 (完答)
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
②「木ではなく草として進化をする種類が次々に現われます」とありますが、それはなぜですか。「可能性があったから」につながることばを文中から二十一字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
「草」というスタイルがなかなかすぐれている(可能性があったから。)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「シダ植物に進化した頃には、植物は巨大な木として繁栄していた」とありますが、それはなぜですか。「だから。」につながることばを文中から十七字で書きぬきなさい。
非表示
Practiceの答え
- 答え
光を浴びるためには背が高い方が有利(だから。)
4-2 説明文2
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
皆さんは、トリケラトプスという恐竜を知っていますか?
トリケラトプスは、まるでウシやサイのような姿をしていて、地面に生える草を食べます。トリケラトプスは、恐竜時代の後半である白亜紀に出現しました。
じつは、トリケラトプスのような恐竜の登場は、地球に「草」が出現したことによって引き起こされました。この出現した「草」が単子葉植物です。
草が出現する以前は、植物は巨大化し、森を形成していました。( a )、植物をエサにする草食動物も、木の葉を食べるように長い首に進化をしたのです。そして、首の長い大型の恐竜たちが地球を支配していました。
( b )、単子葉植物の草が出現すると、トリケラトプスのように、地面の草を食べる首の短い恐竜が、次々に出現するようになったのです。
このように「双子葉植物である木」から、「単子葉植物である草」が進化をしました。草と木とは、見た目がまったく違います。単子葉植物の出現は、画期的な大発明でした。さらにそれは、恐竜の進化にまで影響を与えるような革命的なできごとだったのです。
このような革命的な進化は、どのように実現したのでしょう。
恐竜の繁栄した時代は、*中生代ジュラ紀とその後の中生代白亜紀です。ティラノサウルスやトリケラトプスなど進化した恐竜が見られるのは白亜紀です。単子葉植物は、この白亜紀に誕生したと考えられています。
しかし、それよりも前のジュラ紀に、植物の進化を加速させる画期的な進化が起きていました。
①それが、「裸子植物」から、「被子植物」への進化です。
裸子植物と被子植物は、漢字一文字しか違いません。( c )、その漢字もよく似ていますね。
「裸子植物、裸子植物、裸子植物、被子植物、裸子植物、裸子植物、裸子植物、裸子植物」と書くと、どこに被子植物があるのか見つけるのが大変です。それくらい、よく似ています。
しかし、「裸」という字は、何も着ていない「はだか」を意味するのに対して、「被」という字は、服を着ているという意味ですから、漢字一文字の違いだけでも、意味するところは、相当ちがいます。
学校の理科の教科書では、裸子植物は「*胚珠がむき出しになっている」のに対して、被子植物は「胚珠が*子房に包まれ、むき出しになっていない」と書かれています。
裸子植物は胚珠がむき出しになっているから「裸」の文字が使われて「裸子」と名付けられました。一方、被子植物は胚珠が包まれているから、「被る」の文字が使われて「被子」と名付けられました。
胚珠がむき出しになっているかどうかという違いは、ささいなことのように思えます。ところが、この胚珠を守るしくみは、植物の進化のスピードにとっては、とても重要な発明だったのです。
(稲垣栄洋『植物たちのフシギすぎる進化』)
注
- 中生代
- 今から約二億四千七百万年前から約六千五百万年前の時代。古い方から、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀に分けられる。
- 胚珠
- 花の中の、種になる部分。
- 子房
- めしべの下の方の、ふくらんだ部分。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
かつて王が国をしはいしていた時代がある。
そのキーホルダーはかわで作られている。
げんざいの時刻は、午後十時三十分です。
友人にに顔絵をかいてもらう。
努力するすがたを見せないようにしている。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「ささいな」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア その映画は、人生のささいな喜びをえがいており、心温まる作品だった。
- イ 彼はささいな遅刻を理由に、厳しい罰金を科された。
- ウ 目上の人とのささいな約束を忘れてしまい、大きなトラブルに発展した。
- エ ノーベル賞の授賞式で、博士はささいな発見についてあつく語った。
Confirm Testの答え
- 答え
支配
- 答え
革
- 答え
現在
- 答え
似
- 答え
姿
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「それ」の指していることばを文中から十七字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
植物の進化を加速させる画期的な進化
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
( c )にあてはまることばとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア しかも
- イ ところが
- ウ そのため
- エ ところで
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
皆さんは、トリケラトプスという恐竜を知っていますか?
トリケラトプスは、まるでウシやサイのようなAすがたをしていて、地面に生える草を食べます。トリケラトプスは、恐竜時代の後半である白亜紀にBしゅつげんしました。
じつは、トリケラトプスのような恐竜の登場は、地球に「草」がしゅつげんしたことによって引き起こされました。この出現した「草」が単子葉植物です。
草が出現する以前は、植物は巨大化し、森を形成していました。( a )、植物をエサにする草食動物も、木の葉を食べるように長い首に進化をしたのです。そして、首の長い大型の恐竜たちが地球をCしはいしていました。
( b )、単子葉植物の草が出現すると、トリケラトプスのように、地面の草を食べる首の短い恐竜が、次々に出現するようになったのです。
このように「双子葉植物である木」から、「単子葉植物である草」が進化をしました。草と木とは、見た目がまったく違います。単子葉植物の出現は、画期的な大発明でした。さらに①それは、恐竜の進化にまで影響を与えるようなDかくめい的なできごとだったのです。
このようなかくめい的な進化は、どのように実現したのでしょう。
恐竜の繁栄した時代は、*中生代ジュラ紀とその後の中生代白亜紀です。ティラノサウルスやトリケラトプスなど進化した恐竜が見られるのは白亜紀です。単子葉植物は、この白亜紀に誕生したと考えられています。
しかし、それよりも前のジュラ紀に、植物の進化を加速させる画期的な進化が起きていました。
それが、「裸子植物」から、「被子植物」への進化です。
裸子植物と被子植物は、漢字一文字しか違いません。( c )、その漢字もよくEにていますね。
「裸子植物、裸子植物、裸子植物、被子植物、裸子植物、裸子植物、裸子植物、裸子植物」と書くと、どこに被子植物があるのか見つけるのが大変です。それくらい、よくにています。
しかし、「裸」という字は、何も着ていない「はだか」を意味するのに対して、「被」という字は、服を着ているという意味ですから、漢字一文字の違いだけでも、意味するところは、相当ちがいます。
学校の理科の教科書では、裸子植物は「*胚珠がむき出しになっている」のに対して、被子植物は「胚珠が*子房に包まれ、むき出しになっていない」と書かれています。
裸子植物は胚珠がむき出しになっているから「裸」の文字が使われて「裸子」と名付けられました。一方、被子植物は胚珠が包まれているから、「被る」の文字が使われて「被子」と名付けられました。
胚珠がむき出しになっているかどうかという違いは、ささいなことのように思えます。ところが、この胚珠を守るしくみは、植物の進化のスピードにとっては、とても重要な発明だったのです。
(稲垣栄洋『植物たちのフシギすぎる進化』)
注
- 中生代
- 今から約二億四千七百万年前から約六千五百万年前の時代。古い方から、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀に分けられる。
- 胚珠
- 花の中の、種になる部分。
- 子房
- めしべの下の方の、ふくらんだ部分。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
線「ささいな」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア あまりにも明らかで疑う部分がないこと
- イ ものごとが複雑で理解しにくいこと
- ウ 重要でなく、取るに足らないこと
- エ とても大きな影響をおよぼすこと
Lessonの答え
- 答え
A 姿 B 出現 C 支配 D 革命 E 似 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
皆さんは、トリケラトプスという恐竜を知っていますか?
トリケラトプスは、まるでウシやサイのような姿をしていて、地面に生える草を食べます。トリケラトプスは、恐竜時代の後半である白亜紀に出現しました。
じつは、トリケラトプスのような恐竜の登場は、地球に「草」が出現したことによって引き起こされました。この出現した「草」が単子葉植物です。
草が出現する以前は、植物は巨大化し、森を形成していました。( a )、植物をエサにする草食動物も、木の葉を食べるように長い首に進化をしたのです。そして、首の長い大型の恐竜たちが地球を支配していました。
( b )、単子葉植物の草が出現すると、トリケラトプスのように、地面の草を食べる首の短い恐竜が、次々に出現するようになったのです。
このように「双子葉植物である木」から、「単子葉植物である草」が進化をしました。草と木とは、見た目がまったく違います。単子葉植物の出現は、画期的な大発明でした。さらにそれは、恐竜の進化にまで影響を与えるような革命的なできごとだったのです。
このような革命的な進化は、どのように実現したのでしょう。
恐竜の繁栄した時代は、*中生代ジュラ紀とその後の中生代白亜紀です。ティラノサウルスやトリケラトプスなど進化した恐竜が見られるのは白亜紀です。単子葉植物は、この白亜紀に誕生したと考えられています。
しかし、①それよりも前のジュラ紀に、植物の進化を加速させる画期的な進化が起きていました。
それが、「裸子植物」から、「被子植物」への進化です。
裸子植物と被子植物は、漢字一文字しか違いません。( c )、その漢字もよく似ていますね。
「裸子植物、裸子植物、裸子植物、被子植物、裸子植物、裸子植物、裸子植物、裸子植物」と書くと、どこに被子植物があるのか見つけるのが大変です。それくらい、よく似ています。
しかし、「裸」という字は、何も着ていない「はだか」を意味するのに対して、「被」という字は、服を着ているという意味ですから、漢字一文字の違いだけでも、意味するところは、相当ちがいます。
学校の理科の教科書では、裸子植物は「*胚珠がむき出しになっている」のに対して、被子植物は「胚珠が*子房に包まれ、むき出しになっていない」と書かれています。
裸子植物は胚珠がむき出しになっているから「裸」の文字が使われて「裸子」と名付けられました。一方、被子植物は胚珠が包まれているから、「被る」の文字が使われて「被子」と名付けられました。
胚珠がむき出しになっているかどうかという違いは、ささいなことのように思えます。ところが、この胚珠を守るしくみは、植物の進化のスピードにとっては、とても重要な発明だったのです。
(稲垣栄洋『植物たちのフシギすぎる進化』)
注
- 中生代
- 今から約二億四千七百万年前から約六千五百万年前の時代。古い方から、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀に分けられる。
- 胚珠
- 花の中の、種になる部分。
- 子房
- めしべの下の方の、ふくらんだ部分。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
母親とよくにた顔をしている。
フランスかくめいは、市民によって起こされた。
土台が柱をささえている。
そこの角から急に人があらわれた。
動物のすがたを見るまでは帰れない。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「あまり重要ではなく、取るに足らない」という意味のことばを四字で書きなさい。
昨日友達と ことでけんかしてしまった。
Practiceの答え
- 答え
似た
- 答え
革命
- 答え
支えて
- 答え
現れた
- 答え
姿
- 答え
ささいな
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「それ」の指していることばを文中から八字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
単子葉植物の出現
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「それ」の指していることばを文中から三字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
白亜紀
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
( a )にあてはまることばとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア しかも
- イ ところが
- ウ そのため
- エ ところで
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
( b )にあてはまることばとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
ア しかも イ ところが
ウ そのため エ ところで
Practiceの答え
- 答え
イ
4-3 説明文3
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
あるお城の塔の上に、からすが巣を作っていました。これを見つけた城主は、このからすを生け捕りにしてやろうと考えました。そこでそっとその塔のなかへはいっていきますと、からすはすぐにこれに気がついて巣を飛びたち、城主が塔を出るまでは、どうしても巣に帰ろうとはしませんでした。これをなんどくりかえしてもだめなので、城主はとうとう一つの計略を思いつきました。城主は二人のけらいを呼んで、二人いっぺんに塔のなかにはいり、しばらくしてそのうちの一人が塔を出れば、からすはだまされて巣に帰るだろうから、塔に残っている他のけらいがうまくからすを生け捕るようにと命じたのでした。ところがからすは、この計略にはだまされませんでした。二人のけらいが塔に近づくと巣を飛びたち、二人のうちの一人が塔を出ても巣に帰らず、もう一人のけらいが塔を出るのを見とどけてから、はじめて巣に帰ってきたのでした。
よしそれならばというので、城主は三人のけらいを使って同じ計略を行ってみました。しかしからすは、これにもだまされませんでした。からすは、三人のけらいが塔にはいるのを見るとすぐ巣を飛びたち、そのうちの一人が塔を出ても、もう一人が塔を出ても巣に帰らず、三人ともが塔を出るのを見とどけてはじめて、この巣へ帰ってきました。
城主は、その次には四人のけらいを使って同じ計略を行ってみましたが、からすはこれにもだまされませんでした。
城主はさらに根気よく、こんどは五人のけらいを使って同じ計略を行ってみました。五人のけらいが塔にはいるのを見てからすはその巣を飛びたちました。そのうちの一人が塔を出ても、二人が出ても、三人が出ても、からすは巣に帰ろうとはしませんでした。ところが、そのうちの四人が塔を出ますと、からすはこれでみんな出てしまったと思ったのでしょう、巣に帰ってきましたので、塔のなかに残っていたもう一人のけらいにとうとう生け捕られてしまった、というのです。
もしこのお話がほんとうだとすれば、このからすは、二と一、三と一または三と二、四と一または四と二または四と三、五と一または五と二または五と三の区別はできるが、五と四の区別はできない、ということになります。
以上のお話は、ただの伝え話にすぎませんが、鳥や犬やさるなどに数がわかるかしらという問題はなかなかおもしろい問題ですので、心理学の先生がたがいろいろな実験を行っています。①その結果を簡単にお話してみましょう。
こまどり、からす、はと、にわとり、おうむなどにたいして行われたいろいろの実験の結果を合わせて考えてみますと、これらの鳥類は、二と一、三と一、三と二、四と一、四と二、四と三ぐらいまでの数の区別ができるようです。いうまでもないことですが、これらの鳥はみなさんがするように数を数えることができるのではなく、ただ目で見て、 三と二の区別ができるという意味です。
ねずみ、犬、馬などにたいしても、心理学の先生がたはいろいろな実験を行っています。それらの結果によりますと、これらの動物は、一から三まで、まれには四までの数がわかるといわれています。
さらに、さるとチンパンジーにたいして行われた実験によりますと、さるは一から三ぐらいまでの数を、チンパンジーは一から五までの数を判断することができたといわれております。
(矢野健太郎『動物と数』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
あるけいりゃくを行ってみる。
試合を行うか、中止にするかのはんだんをする。
しろの周りの道を走る。
名前をよばれたら部屋にお入りください。
横だん歩道は手をあげてわたりましょう。
Confirm Testの答え
- 答え
計略
- 答え
判断
- 答え
城
- 答え
呼ばれ
- 答え
断
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまる接続語としてもっとも適当なものを、次のア〜カから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア たとえば
- イ しかも
- ウ ところが
- エ あるいは
- オ つまり
- カ そこで
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「その結果」とありますが、その結果とは何の結果ですか。説明した次の文の A 、 B にあてはまるものを文中からそれぞれ八字、七字で書きぬきなさい。(完答)
A が行った B の結果。
A
B
Confirm Testの答え
- 答え
A 心理学の先生がた B いろいろな実験 (完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
あるおAしろの塔の上に、からすが巣を作っていました。これを見つけた城主は、このからすを生け捕りにしてやろうと考えました。 そっとその塔のなかへはいっていきますと、からすはすぐに①これに気がついて巣を飛びたち、城主が塔を出るまでは、どうしても巣に帰ろうとはしませんでした。これをなんどくりかえしてもだめなので、城主はとうとう一つのBけいりゃくを思いつきました。城主は二人のけらいをCよんで、二人いっぺんに塔のなかにはいり、しばらくしてそのうちの一人が塔を出れば、からすはだまされて巣に帰るだろうから、塔に残っている他のけらいがうまくからすを生け捕るようにと命じたのでした。ところがからすは、このけいりゃくにはだまされませんでした。二人のけらいが塔に近づくと巣を飛びたち、二人のうちの一人が塔を出ても巣に帰らず、もう一人のけらいが塔を出るのを見とどけてから、はじめて巣に帰ってきたのでした。
よしそれならばというので、城主は三人のけらいを使って同じけいりゃくを行ってみました。しかしからすは、これにもだまされませんでした。からすは、三人のけらいが塔にはいるのを見るとすぐ巣を飛びたち、そのうちの一人が塔を出ても、もう一人が塔を出ても巣に帰らず、三人ともが塔を出るのを見とどけてはじめて、この巣へ帰ってきました。
城主は、その次には四人のけらいを使って同じけいりゃくを行ってみましたが、からすはこれにもだまされませんでした。
城主はさらに根気よく、こんどは五人のけらいを使って同じけいりゃくを行ってみました。五人のけらいが塔にはいるのを見てからすはその巣を飛びたちました。そのうちの一人が塔を出ても、二人が出ても、三人が出ても、からすは巣に帰ろうとはしませんでした。ところが、そのうちの四人が塔を出ますと、からすはこれでみんな出てしまったと思ったのでしょう、巣に帰ってきましたので、塔のなかに残っていたもう一人のけらいにとうとう生け捕られてしまった、というのです。
もしこのお話がほんとうだとすれば、このからすは、二と一、三と一または三と二、四と一または四と二または四と三、五と一または五と二または五と三の区別はできるが、五と四の区別はできない、ということになります。
以上のお話は、ただの伝え話にすぎませんが、鳥や犬やさるなどに数がわかるかしらという問題はなかなかおもしろい問題ですので、心理学の先生がたがいろいろな実験を行っています。その結果を簡単にお話してみましょう。
こまどり、からす、はと、にわとり、おうむなどにたいして行われたいろいろの実験の結果を合わせて考えてみますと、これらの鳥類は、二と一、三と一、三と二、四と一、四と二、四と三ぐらいまでの数の区別ができるようです。いうまでもないことですが、これらの鳥はみなさんがするように数を数えることができるのではなく、ただ目で見て、たとえば三と二の区別ができるという意味です。
ねずみ、犬、馬などにたいしても、心理学の先生がたはいろいろな実験を行っています。それらの結果によりますと、これらの動物は、一から三まで、まれには四までの数がわかるといわれています。
さらに、さるとチンパンジーにたいして行われた実験によりますと、さるは一から三ぐらいまでの数を、チンパンジーは一から五までの数をDはんだんすることができたといわれております。
(矢野健太郎『動物と数』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
文章中の線A〜Dを漢字に直しなさい。 (完答)
Lessonの答え
- 答え
A 城 B 計略 C 呼 D 判断 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
あるお城の塔の上に、からすが巣を作っていました。これを見つけた城主は、このからすを生け捕りにしてやろうと考えました。そこでそっとその塔のなかへはいっていきますと、からすはすぐにこれに気がついて巣を飛びたち、城主が塔を出るまでは、どうしても巣に帰ろうとはしませんでした。これをなんどくりかえしてもだめなので、城主はとうとう一つの計略を思いつきました。城主は二人のけらいを呼んで、二人いっぺんに塔のなかにはいり、しばらくしてそのうちの一人が塔を出れば、からすはだまされて巣に帰るだろうから、塔に残っている他のけらいがうまくからすを生け捕るようにと命じたのでした。 からすは、この計略にはだまされませんでした。二人のけらいが塔に近づくと巣を飛びたち、二人のうちの一人が塔を出ても巣に帰らず、もう一人のけらいが塔を出るのを見とどけてから、はじめて巣に帰ってきたのでした。
よしそれならばというので、城主は三人のけらいを使って同じ計略を行ってみました。しかしからすは、これにもだまされませんでした。からすは、三人のけらいが塔にはいるのを見るとすぐ巣を飛びたち、そのうちの一人が塔を出ても、もう一人が塔を出ても巣に帰らず、三人ともが塔を出るのを見とどけてはじめて、①この巣へ帰ってきました。
城主は、その次には四人のけらいを使って同じ計略を行ってみましたが、からすはこれにもだまされませんでした。
城主はさらに根気よく、こんどは五人のけらいを使って同じ計略を行ってみました。五人のけらいが塔にはいるのを見てからすはその巣を飛びたちました。そのうちの一人が塔を出ても、二人が出ても、三人が出ても、からすは巣に帰ろうとはしませんでした。ところが、そのうちの四人が塔を出ますと、からすはこれでみんな出てしまったと思ったのでしょう、巣に帰ってきましたので、塔のなかに残っていたもう一人のけらいにとうとう生け捕られてしまった、というのです。
もしこのお話がほんとうだとすれば、このからすは、二と一、三と一または三と二、四と一または四と二または四と三、五と一または五と二または五と三の区別はできるが、五と四の区別はできない、ということになります。
以上のお話は、ただの伝え話にすぎませんが、鳥や犬やさるなどに数がわかるかしらという問題はなかなかおもしろい問題ですので、心理学の先生がたがいろいろな実験を行っています。その結果を簡単にお話してみましょう。
こまどり、からす、はと、にわとり、おうむなどにたいして行われたいろいろの実験の結果を合わせて考えてみますと、これらの鳥類は、二と一、三と一、三と二、四と一、四と二、四と三ぐらいまでの数の区別ができるようです。いうまでもないことですが、これらの鳥はみなさんがするように数を数えることができるのではなく、ただ目で見て、たとえば三と二の区別ができるという意味です。
ねずみ、犬、馬などにたいしても、心理学の先生がたはいろいろな実験を行っています。それらの結果によりますと、これらの動物は、一から三まで、まれには四までの数がわかるといわれています。
さらに、さるとチンパンジーにたいして行われた実験によりますと、さるは一から三ぐらいまでの数を、チンパンジーは一から五までの数を判断することができたといわれております。
(矢野健太郎『動物と数』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
午前七時のてんこに間に合うように起きる。
文字が小さすぎてはんべつができない。
何度もたのんだが、ことわられてしまった。
スマートフォンをりゃくしてスマホと言います。
世界遺産の姫路じょうを見学する。
Practiceの答え
- 答え
点呼
- 答え
判別
- 答え
断られて
- 答え
略して
- 答え
城
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまる接続語としてもっとも適当なものを、次のア〜カから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア たとえば
- イ しかも
- ウ ところが
- エ あるいは
- オ つまり
- カ そこで
Lessonの答え
- 答え
カ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまる接続語としてもっとも適当なものを、次のア〜カから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア たとえば
- イ しかも
- ウ ところが
- エ あるいは
- オ つまり
- カ そこで
Practiceの答え
- 答え
ウ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「これ」はどんなことを指していますか。二十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
城主が塔のなかへはいってきたこと。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この巣」はどこにありましたか。文中から十字以内で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
あるお城の塔の上
5章 物語文
物語文の読み方
5-1 物語文3
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
多摩川の最初の一滴は、土からしみだし、岩をつたってポタッ、ポタッと、したたり落ちていた。上には大きな岩が突き出している。何も書いてなければ、見のがしてしまいそうな、ふつうの山の斜面だった。
けれど、そこには、『水干。多摩川の*源頭。最初の一滴。東京湾まで138km』と書かれた杭が、しっかりと立っている。
「多摩川の赤ちゃんだ。」
それまで、むっつりと歩いていた四樹が、はじめて笑った。
「克ちゃん、ほら。」
といって、二郎は、リュックの中からコップを出してわたした。すると、克ちゃんは、
「ううん。」
と首をふって、いった。
「四樹ちゃん、水ためて飲みなよ。」「そうしなよ。」と、和也もいう。
やっと、多摩川の最初の一滴にたどりついたのだ。だれだって、すぐに飲んでみたい。でも、みんなはその役を、四樹にゆずってくれようとしていた。
久里までが、笑ってうなずいたのを見て、二郎はコップを四樹にわたした。
四樹は*神妙な顔で、水が落ちてくる下にコップを置いた。
一滴ずつたまっていく水を見ていた四樹が、突然目をつぶって、両手を合わせた。
「何してんだよ。」と、二郎は聞いた。
「お祈り。」と、四樹が答える。
「神さまってわけじゃないんだぞ。」
と二郎が笑うと、すぐに久里が、
「ううん。ここ水神さまがまつってあるんだって。」
といって、大きな岩の上のほうを指さした。そこには、『水神社』と書かれた石板がある。それから、久里は、
「四樹ちゃん、何をお祈りしてるの?」と聞いた。
「またいつか、克ちゃんに会えますように……。」
ちょっとの間、だれも口をきかなかった。やがて、克ちゃんが、
「*ぼくが引っこすとこ、この一滴が、ずっと流れていく東京湾のもっと先の、太平洋の海の真ん中にあるんだ。船に乗って、遊びにおいでよ。」
といった。
「うん。」
と四樹はうなずくと、コップに少したまった水を、ごくっと飲んだ。
「おいしい。」
四樹はそういって、笑った。
(三輪裕子『最後の夏休み』)
注
- 源頭
- 川の最初の一滴が始まる所。
- 神妙
- すなおで、おとなしい様子。
- ぼくが引っこすとこ
- 克ちゃんは、東京から南に約百八十キロメートルはなれた所にある伊豆諸島の三宅島に引っこすことになっている。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
せんたく物を外にほしておく。
腹をかかえてわらいころげた。
あそんで帰ってきたら、手を洗いなさい。
あなたの力のみなもとは何ですか。
この中でもっとも古い本は、江戸時代に書かれたものです。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「したたる」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 話し合いでの彼の発言は、説明がしたたるように整然としていた。
- イ 電車の窓から見る景色は、どこかしたたるような重苦しさがあった。
- ウ 運動会の徒競走で一位になるという熱意は、クラス全体にしたたるように伝わってきた。
- エ 朝露にぬれた葉から、太陽の光をあびてしたたるように光るしずくが美しい。
Confirm Testの答え
- 答え
干して
- 答え
笑い
- 答え
遊んで
- 答え
源
- 答え
最も
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
「水干」にたどりついて、四樹の心情が変化したことが態度に表れていることがわかる一文を文中からさがし、その初めの五字を書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
それまで、
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
「水干」は、どんな場所ですか。次の にあてはまるものを、文中からそれぞれ書きぬきなさい。(完答)
一見ふつうの だが、土からしみだした水は、岩をつたって 落ちていて、この水が多摩川の水となる。また、その上には と書かれた があり、水神がまつられている。
Confirm Testの答え
- 答え
山の斜面・したたり・水神社・石板(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
多摩川の最初の一滴は、土からしみだし、岩をつたってポタッ、ポタッと、したたり落ちていた。上には大きな岩が突き出している。何も書いてなければ、見のがしてしまいそうな、ふつうの山の斜面だった。
けれど、そこには、『水Aひ。多摩川の*Bげん頭。Cさいしょの一滴。東京湾まで138km』と書かれた杭が、しっかりと立っている。
「多摩川の赤ちゃんだ。」
それまで、むっつりと歩いていた四樹が、はじめてわらった。
「克ちゃん、ほら。」
といって、二郎は、リュックの中からコップを出してわたした。すると、克ちゃんは、
「ううん。」
と首をふって、いった。
「四樹ちゃん、水ためて飲みなよ。」「そうしなよ。」と、和也もいう。
①やっと、多摩川の最初の一滴にたどりついたのだ。だれだって、すぐに飲んでみたい。でも、みんなはその役を、四樹にゆずってくれようとしていた。
久里までが、Dわらってうなずいたのを見て、二郎はコップを四樹にわたした。
四樹は*神妙な顔で、水が落ちてくる下にコップを置いた。
一滴ずつたまっていく水を見ていた四樹が、突然目をつぶって、両手を合わせた。
「何してんだよ。」と、二郎は聞いた。
「お祈り。」と、四樹が答える。
「神さまってわけじゃないんだぞ。」
と二郎がわらうと、すぐに久里が、
「ううん。ここ水神さまがまつってあるんだって。」
といって、大きな岩の上のほうを指さした。そこには、『水神社』と書かれた石板がある。それから、久里は、
「四樹ちゃん、何をお祈りしてるの?」と聞いた。
「またいつか、克ちゃんに会えますように……。」
ちょっとの間、だれも口をきかなかった。やがて、克ちゃんが、
「②*ぼくが引っこすとこ、この一滴が、ずっと流れていく東京湾のもっと先の、太平洋の海の真ん中にあるんだ。船に乗って、Eあそびにおいでよ。」
といった。
「うん。」
と四樹はうなずくと、コップに少したまった水を、ごくっと飲んだ。
「おいしい。」
四樹はそういって、笑った。
(三輪裕子『最後の夏休み』)
注
- げん頭
- 川の最初の一滴が始まる所。
- 神妙
- すなおで、おとなしい様子。
- ぼくが引っこすとこ
- 克ちゃんは、東京から南に約百八十キロメートルはなれた所にある伊豆諸島の三宅島に引っこすことになっている。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「したたり」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ゆるやかで静かな様子
- イ しずくとなって垂れる様子
- ウ 音をたてて流れ出る様子
- エ 美しさや鮮やかさがあふれる様子
Lessonの答え
- 答え
A 干 B 源 C 最初 D 笑 E 遊 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
多摩川の最初の一滴は、土からしみだし、岩をつたってポタッ、ポタッと、したたり落ちていた。上には大きな岩が突き出している。何も書いてなければ、見のがしてしまいそうな、ふつうの山の斜面だった。
けれど、そこには、『水干。多摩川の*源頭。最初の一滴。東京湾まで138km』と書かれた杭が、しっかりと立っている。
「多摩川の赤ちゃんだ。」
それまで、むっつりと歩いていた四樹が、はじめて笑った。
「克ちゃん、ほら。」
といって、二郎は、リュックの中からコップを出してわたした。すると、克ちゃんは、
「ううん。」
と首をふって、いった。
「四樹ちゃん、水ためて飲みなよ。」「そうしなよ。」と、和也もいう。
やっと、多摩川の最初の一滴にたどりついたのだ。だれだって、すぐに飲んでみたい。でも、みんなはその役を、四樹にゆずってくれようとしていた。
久里までが、笑ってうなずいたのを見て、二郎はコップを四樹にわたした。
四樹は*神妙な顔で、水が落ちてくる下にコップを置いた。
一滴ずつたまっていく水を見ていた四樹が、突然目をつぶって、両手を合わせた。
「何してんだよ。」と、二郎は聞いた。
「お祈り。」と、四樹が答える。
「神さまってわけじゃないんだぞ。」
と二郎が笑うと、すぐに久里が、
「ううん。ここ水神さまがまつってあるんだって。」
といって、大きな岩の上のほうを指さした。そこには、『水神社』と書かれた石板がある。それから、久里は、
「四樹ちゃん、何をお祈りしてるの?」と聞いた。
「またいつか、克ちゃんに会えますように……。」
①ちょっとの間、だれも口をきかなかった。やがて、克ちゃんが、
「*ぼくが引っこすとこ、この一滴が、ずっと流れていく東京湾のもっと先の、太平洋の海の真ん中にあるんだ。船に乗って、遊びにおいでよ。」
といった。
「うん。」
と四樹はうなずくと、コップに少したまった水を、ごくっと飲んだ。
「おいしい。」
四樹はそういって、笑った。
(三輪裕子『最後の夏休み』)
注
- 源頭
- 川の最初の一滴が始まる所。
- 神妙
- すなおで、おとなしい様子。
- ぼくが引っこすとこ
- 克ちゃんは、東京から南に約百八十キロメートルはなれた所にある伊豆諸島の三宅島に引っこすことになっている。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
ごはんは体を動かすエネルギーげんになる。
さいだいの敵は自分じしんだ。
彼女はいつも大きな声でわらう。
放置していた野菜がひからびる。
日がくれるまで公園であそんだ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、次のにあてはまる「水などが、しずくになって垂れ落ちる」という意味のことばを後に続く形で四字で書きなさい。
じゃ口を閉めなかったので、ずっと水が 落ちていた。
Practiceの答え
- 答え
源
- 答え
最大
- 答え
笑う
- 答え
干からびる
- 答え
遊んだ
- 答え
したたり
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「やっと、多摩川の最初の一滴にたどりついたのだ。だれだって、すぐに飲んでみたい」とありますが、「多摩川の最初の一滴」をだれがいちばん先に飲むかについて、適当でないものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 二郎は、もうすぐ引っこしてしまう克ちゃんに飲ませてあげたいと思った。
- イ 克ちゃんは、がんばって歩いてきた四樹に飲ませてあげたいと思った。
- ウ 和也は、克ちゃんの意見に賛成して、四樹に飲ませてあげたいと思った。
- エ 久里は、みんなががまんしてまで、四樹に飲ませてあげるのはおかしいと思った。
Lessonの答え
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ちょっとの間、だれも口をきかなかった」とありますが、それはなぜだと考えられますか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア いくらお祈りをしても、もう二度と克ちゃんには会えないと思い、悲しくなったから。
- イ 四樹のお祈りの内容を聞いて、改めて克ちゃんと別れることを思い、さびしくなったから。
- ウ 四樹のお祈りによって、多摩川の源頭に着いた喜びがうすれてしまい、腹立たしかったから。
- エ 神さまがまつってあるかどうかも知らずにお祈りしている四樹が、かわいそうだったから。
Practiceの答え
- 答え
イ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「ぼくが引っこすとこ、この一滴が、ずっと流れていく東京湾のもっと先の、太平洋の海の真ん中にあるんだ」とありますが、克ちゃんは、みんなにどんなことを伝えたいのだと考えられますか。次の にあてはまることばを文中から九字で書きぬきなさい。
が流れていく先の太平洋の真ん中に、自分がこれから住む島があるのだから、またみんなに会えるということ。
Lessonの答え
- 答え
多摩川の最初の一滴
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
「水干」は、どんな場所ですか。次の にあてはまるものを、文中からそれぞれ書きぬきなさい。(完答)
一見ふつうの だが、 からしみだした水は、岩をつたってしたたり落ちていて、この水が多摩川の水となる。また、その上には と書かれた石板があり、 がまつられている。
Practiceの答え
- 答え
山の斜面・土・水神社・水神(完答)
5-2 物語文4
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「私(アユコ)」が家の一階に下りていくと、おとうさんがビデオを見ていた。おとうさんにすすめられて、「私」もビデオを見ることになった。
おとうさんがしゃべりだした。
「この電車なあ、とうさん乗ったんだ。蒸気機関車なんだ。窓を開けて顔を出していると、すごく気持ちがいいんだけど顔じゅうすすでまっ黒になるんだ。ずうっと海沿いに走っていく。海が見えなくなるころには国境を越えてる。乗務員が車内を歩きまわって、みんなのパスポートを集めて、スタンプを押されて戻ってきたらもう列車はべつの国を走ってる。とうさんは窓ぎわでずっと外を見てて、海を見てるうちにたまらなくなって途中下車したんだ。だってあんなきれいな海で、泳いでみたいと思うだろ」
おとうさんはしゃべりつづけた。私に、というより画面にむかって、びっくりするほどよくしゃべった。おとうさんが結婚するまえ、あちこち旅行して歩いたという話は何度か聞いたことがある。おとうさんの部屋の本棚にあるアルバムにも、そのころの写真がたくさんあることは知っている。
私の知らない町で、今よりやせているおとうさんが笑ったりポーズをつけたりしている。だけど、知らない場所のことは聞いてもよくわからないから私はいつも聞き流しているし、写真もちゃんと見たことがない。それになんだか、私はそういう話があんまり好きじゃないのだ。つまり、結婚するまえ、とか、アユコが生まれるまえ、とかいう話が。どうしてだかはわからないけれど。
テーブルの上には缶ビールが二本置いてあった。一本はつぶされていて、一本は水滴をびっしりつけていた。町の中や山あいや、雪景色や砂漠の中を走っていく電車と、横でビールをすするおとうさんをかわりばんこにながめた。
いつも①新聞のむこうにいるし、帰りはすごくおそいことが多くて、おとうさんと私はあんまりしゃべらない。昔はよくいっしょに遊びにいって、いろんな話をしたような気がする。いつからこうなってしまったのか覚えていない。でも覚えていないくらい昔からだ。おとうさんはいつのまにか新聞の向こうにいたし、新聞のないところで目が合うとぎこちなく目をそらして話しかけたり、言葉をひねりだすようにして話しかけてくるようになった。そんなふうにされるからなおのこと、私はおとうさんと話しにくくなったのだ。
ビデオはぷつりと終わり、画面は灰色になった。おとうさんは画面をそのままにしてじっとだまっている。どこかのおかあさんが子供をよぶ声が聞こえてくる。だまっているのが息苦しくて、②私は言葉をえらんで押しだした。
「おとうさん、もしさっきの海で泳ぐのが楽しくて、帰りたくなくなっちゃってたら、どうなってたかなあ」
「どうなってたかなあ」
おとうさんは私のまねをして言い、灰色の画面をじっと見すえた。まるでざらざらの灰色の中に、何か宝物があるかのように目を細めて。
(角田光代 『ぼくはきみのおにいさん』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
まどの外に見える景色。
黒色と白色をまぜると、はいいろができる。
犬がほえる場所をほると、財ほうが出てきた。
世界最大のさ漠はアフリカにあります。
埼玉県でじょうき機関車に乗る。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「息苦しい」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア わたしはすばらしい景色を見て、息苦しいほど美しいと思った。
- イ 友達との再会で、母たちは息苦しいほど楽しい時間をすごした。
- ウ 新しいスマートフォンを手に入れて、彼女は息苦しいほど興奮した。
- エ 突然テストをやることになり、息苦しい雰囲気包まれた。
Confirm Testの答え
- 答え
窓
- 答え
灰色
- 答え
宝
- 答え
砂
- 答え
蒸気
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「私は言葉をえらんで押しだした」とありますが、このときの「私」の気持ちとして最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア おとうさんの若いころの思い出話を、もっとくわしく聞きたいと期待する気持ち。
- イ ビデオが終わってもじっとしているおとうさんに対して、いらいらする気持ち。
- ウ これからはおとうさんの気持ちも考えるようにしようと思い、これまでの自分を反省する気持ち。
- エ だまっているのは気まずいので、とりあえず何か聞いてみようという気持ち。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「新聞のむこうにいる」とはどのような意味ですか。次の A 、 B にあてはまることばを、それぞれ十五字、六字で文中から書きぬきなさい。
私とおとうさんは昔はいっしょに A が、いつからか B 話しかけるなど、関係に距離ができてしまったということ。
A
B
Confirm Testの答え
- 答え
- A 遊びにいって、いろんな話をした
- B 目をそらして
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「私(アユコ)」が家の一階に下りていくと、おとうさんがビデオを見ていた。おとうさんにすすめられて、「私」もビデオを見ることになった。
おとうさんがしゃべりだした。
「この電車なあ、とうさん乗ったんだ。Aじょうき機関車なんだ。Bまどを開けて顔を出していると、すごく気持ちがいいんだけど顔じゅうすすでまっ黒になるんだ。ずうっと海沿いに走っていく。海が見えなくなるころには国境を越えてる。乗務員が車内を歩きまわって、みんなのパスポートを集めて、スタンプを押されて戻ってきたらもう列車はべつの国を走ってる。とうさんは窓ぎわでずっと外を見てて、海を見てるうちにたまらなくなって途中下車したんだ。だってあんなきれいな海で、泳いでみたいと思うだろ」
おとうさんはしゃべりつづけた。①私に、というより画面にむかって、びっくりするほどよくしゃべった。おとうさんが結婚するまえ、あちこち旅行して歩いたという話は何度か聞いたことがある。おとうさんの部屋の本棚にあるアルバムにも、そのころの写真がたくさんあることは知っている。
私の知らない町で、今よりやせているおとうさんが笑ったりポーズをつけたりしている。だけど、知らない場所のことは聞いてもよくわからないから私はいつも聞き流しているし、写真もちゃんと見たことがない。それになんだか、私はそういう話があんまり好きじゃないのだ。つまり、結婚するまえ、とか、アユコが生まれるまえ、とかいう話が。どうしてだかはわからないけれど。
テーブルの上には缶ビールが二本置いてあった。一本はつぶされていて、一本は水滴をびっしりつけていた。町の中や山あいや、雪景色やCさ漠の中を走っていく電車と、横でビールをすするおとうさんをかわりばんこにながめた。
いつも新聞のむこうにいるし、帰りはすごくおそいことが多くて、おとうさんと私はあんまりしゃべらない。昔はよくいっしょに遊びにいって、いろんな話をしたような気がする。いつからこうなってしまったのか覚えていない。でも覚えていないくらい昔からだ。おとうさんはいつのまにか新聞の向こうにいたし、新聞のないところで目が合うとぎこちなく目をそらして話しかけたり、言葉をひねりだすようにして話しかけてくるようになった。そんなふうにされるからなおのこと、私はおとうさんと話しにくくなったのだ。
ビデオはぷつりと終わり、画面はDはいいろになった。おとうさんは画面をそのままにしてじっとだまっている。どこかのおかあさんが子供をよぶ声が聞こえてくる。だまっているのが息苦しくて、私は言葉をえらんで押しだした。
「おとうさん、もし②さっきの海で泳ぐのが楽しくて、帰りたくなくなっちゃってたら、どうなってたかなあ」
「どうなってたかなあ」
おとうさんは私のまねをして言い、灰色の画面をじっと見すえた。まるでざらざらの灰色の中に、何かEたからものがあるかのように目を細めて。
(角田光代 『ぼくはきみのおにいさん』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
線「息苦しくて」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 胸が圧迫されるようで苦しい様子
- イ 緊張感や圧迫感から、息がつまる様子
- ウ 落ちついていて威厳が感じられる様子
- エ よく考えずにものごとを進めようとする様子
Lessonの答え
- 答え
A 蒸気 B 窓 C 砂 D 灰色 E 宝物 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「私(アユコ)」が家の一階に下りていくと、おとうさんがビデオを見ていた。おとうさんにすすめられて、「私」もビデオを見ることになった。
おとうさんがしゃべりだした。
「この電車なあ、とうさん乗ったんだ。蒸気機関車なんだ。窓を開けて顔を出していると、すごく気持ちがいいんだけど顔じゅうすすでまっ黒になるんだ。ずうっと海沿いに走っていく。海が見えなくなるころには国境を越えてる。乗務員が車内を歩きまわって、みんなのパスポートを集めて、スタンプを押されて戻ってきたらもう列車はべつの国を走ってる。とうさんは窓ぎわでずっと外を見てて、海を見てるうちにたまらなくなって途中下車したんだ。だってあんなきれいな海で、泳いでみたいと思うだろ」
おとうさんはしゃべりつづけた。①私に、というより画面にむかって、びっくりするほどよくしゃべった。おとうさんが結婚するまえ、あちこち旅行して歩いたという話は何度か聞いたことがある。おとうさんの部屋の本棚にあるアルバムにも、そのころの写真がたくさんあることは知っている。
私の知らない町で、今よりやせているおとうさんが笑ったりポーズをつけたりしている。だけど、知らない場所のことは聞いてもよくわからないから私はいつも聞き流しているし、写真もちゃんと見たことがない。それになんだか、私はそういう話があんまり好きじゃないのだ。つまり、結婚するまえ、とか、アユコが生まれるまえ、とかいう話が。どうしてだかはわからないけれど。
テーブルの上には缶ビールが二本置いてあった。一本はつぶされていて、一本は水滴をびっしりつけていた。町の中や山あいや、雪景色や砂漠の中を走っていく電車と、横でビールをすするおとうさんをかわりばんこにながめた。
いつも新聞のむこうにいるし、帰りはすごくおそいことが多くて、おとうさんと私はあんまりしゃべらない。昔はよくいっしょに遊びにいって、いろんな話をしたような気がする。いつからこうなってしまったのか覚えていない。でも覚えていないくらい昔からだ。おとうさんはいつのまにか新聞の向こうにいたし、新聞のないところで目が合うとぎこちなく目をそらして話しかけたり、言葉をひねりだすようにして話しかけてくるようになった。そんなふうにされるからなおのこと、私はおとうさんと話しにくくなったのだ。
ビデオはぷつりと終わり、画面は灰色になった。おとうさんは画面をそのままにしてじっとだまっている。どこかのおかあさんが子供をよぶ声が聞こえてくる。だまっているのが息苦しくて、私は言葉をえらんで押しだした。
「おとうさん、もしさっきの海で泳ぐのが楽しくて、帰りたくなくなっちゃってたら、どうなってたかなあ」
「どうなってたかなあ」
おとうさんは私のまねをして言い、灰色の画面をじっと見すえた。まるでざらざらの灰色の中に、何か②宝物があるかのように目を細めて。
(角田光代 『ぼくはきみのおにいさん』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
小さい子どもがすな場で遊んでいる。
火山の噴火で屋根にはいがつもった。
ぼくのたからものは机のひき出しにしまっている。
野菜をむして食べる。
雨がふってきたのでまどを閉めた。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、次の にあてはまる「緊張感や圧迫感から、息がつまる様子」という意味のことばを後に続く形で四字で書きなさい。
たくさんの人がいる場所で発言するのは、 て苦手だ。
Practiceの答え
- 答え
砂
- 答え
灰
- 答え
宝物
- 答え
蒸して
- 答え
窓
- 答え
息苦しく
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「私に、というより画面にむかって、びっくりするほどよくしゃべった」について、「私」は、おとうさんの話をどんなふうに感じていますか。文中から十字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
あんまり好きじゃない
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「私に、というより画面にむかって、びっくりするほどよくしゃべった」について、このときのおとうさんの気持ちとして最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア 若い頃の旅の思い出を、娘と分かち合いたいと思っている。
- イ 娘のことはあまり意識になく、自分の思い出にひたっている。
- ウ 娘と話す楽しさから、ふだんよりうかれて陽気になっている。
- エ 娘には自分の気持ちは理解されないと思い、あきらめている。
Practiceの答え
- 答え
イ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「さっきの海」とは、どんな海のことですか。説明した次の文の にあてはまるものを、文中からそれぞれ書きぬきなさい。(完答)
おとうさんが するまえ、外国を旅行しているときに乗った蒸気機関車の窓から見た、思わず途中下車してしまうほどきれいで、 と思った海。
Lessonの答え
- 答え
結婚・泳いでみたい (完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「宝物」とは、どのようなものを指していると考えられますか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア 青春時代の自由できままな生き方。
- イ 蒸気機関車が走っていた古きよき時代。
- ウ 海外旅行で身につけた語学力と社会性。
- エ 日本ではなかなか見られない美しい大自然。
Practiceの答え
- 答え
ア
5-3 物語文5
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学六年生の大地は、小学校生活最後の卓球の市大会で、五年生の純とダブルスを組むことになった。おどろいた大地は、次の日、卓球部の先生のところに行き、「納得できません」と言った。
先生は質問を静かに聞いてから、かすかに笑って、そして答えた。
「そうか、大地にならわかると思ったんだがな。先生の考えていること、伝わらなかったか」
え、どういうことだろう。大地はあせった。急いで考えてみた。でもやっぱりわからない。キャプテンのぼくと純を組み合わせた理由なんて。
先生が聞く。
「本当は誰と組みたかったんだ? 誠か」
「そうです」
「誠もそう思ってたのかい」
大地はうなずいた。昨日、練習が終わって家に帰る途中、*ハセッチが先にいなくなったあとで、ぽつんと誠が言ったのだ。
「大地と組みたかったなー、おれ」
だから、やっぱり誠に変えてほしい。今日は、最終的に、先生にそういう相談をしたいと大地は思っている。
先生は言った。
「じゃあ、長谷川はどう思っているかな。あと純も」
う。大地は言葉に詰まった。
ハセッチは「誰でもいいよ」とはいっていたものの、純よりも誠のほうがうれしいのは確実だろう。もともと①ふたりは、卓球部に入るはるか前からの、気の合う幼なじみだったのだから。
そして純は……そういえば純は何を考えているのか、あまり想像したことがなかった。あいつは、静かで主張しないやつだから。
返事ができない大地を見て、先生が言う。
「今回のダブルスで、先生が一番考えたのは、悪いが、おまえら六年のことじゃないんだ」
「え」
「②誰よりも、純のことを考えた」
なんで。大地にとって、納得できないことがまた一つ増えた。だって、純には来年の市大会だってある。ぼくら六年はこれが最後なのに。
「大地、よく考えてみろ。純は、市大会が終わったらキャプテンだ」
「わかってます」
「ひとりぼっちなんだぞ」
「それも、わかってます」
「来年の市大会では、今の四年と組むしかないんだ」
「あ……」
それは、わかってなかった。
「なあ、大地。シングルスで強くなるには、強い相手と練習すればいい。それはなんとかなる。おまえたちが引退してからも、純はオレと打ち合えば、まだ強くなれる」
「はい」
「じゃあダブルスで強くなるには、どうしたらいいと思う? それはな、強い相手と組むことだ。でも純は来年になったら、誰と組むにしろ、自分より弱いやつしかいないんだ。今年がラストチャンスだよ。だったら、一番強いおまえと組ませてやるのが、純にとっては最高に成長できることなんだ」
一番強い、という言葉を聞いて、大地は口元をゆるめた。先生はそうやってほめるのが上手だ。でも、今回はにっこり笑顔で素直にうなずくことなどできない。だって、純にとっても大切な大会だろうが、ぼくにだって、本当に本当に大事な最後の大会なのだから。
(吉野万理子 『チームふたり』)
注
- ハセッチ
- 長谷川のこと。長谷川と誠がダブルスを組むことになった。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
すなおな気持ちで表現する。
世界の人口はふえつづけています。
競技が終わって、選手がたいじょうする。
なっとくした表情で部屋を出ていった。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「口元をゆるめる」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 緊張の中、彼は質問を受けた瞬間、不安で口元をゆるめた。
- イ 長時間の作業の後、完成した作品を前にして口元をゆるめた。
- ウ 大声でさけんだ後、彼は疲れからか口元をゆるめた。
- エ 寒い朝、外に出た瞬間に冷気に触れて口元をゆるめた。
Confirm Testの答え
- 答え
素直
- 答え
増え
- 答え
退場
- 答え
納得
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「誰よりも、純のことを考えた」とありますが、先生はなぜそのように考えたのですか。次の
( a )・( b )にあてはまることばを、( a )は十一字、( b )は二字で文中から書きぬきなさい。 (完答)
純はたったひとりの五年生なので、来年の市大会ではダブルスで( a )。そのため、自分より強い人と組んで出場するラストチャンスを生かして、純に( b )してほしいから。
a
b
Confirm Testの答え
- 答え
a 今の四年と組むしかない b 成長 (完答)
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ふたり」について、「ふたり」の関係を表すことばを、文中から四字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
幼なじみ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学六年生の大地は、小学校生活最後の卓球の市大会で、五年生の純とダブルスを組むことになった。おどろいた大地は、次の日、卓球部の先生のところに行き、「Aなっとくできません」と言った。
先生は質問を静かに聞いてから、かすかに笑って、そして答えた。
「そうか、大地にならわかると思ったんだがな。先生の考えていること、伝わらなかったか」
え、どういうことだろう。大地はあせった。急いで考えてみた。でもやっぱりわからない。キャプテンのぼくと純を組み合わせた理由なんて。
先生が聞く。
「本当は誰と組みたかったんだ? 誠か」
「そうです」
「誠もそう思ってたのかい」
大地はうなずいた。昨日、練習が終わって家に帰る途中、*ハセッチが先にいなくなったあとで、ぽつんと誠が言ったのだ。
「大地と組みたかったなー、おれ」
だから、やっぱり誠に変えてほしい。今日は、最終的に、先生にそういう相談をしたいと大地は思っている。
先生は言った。
「じゃあ、長谷川はどう思っているかな。あと純も」
う。大地は言葉に詰まった。
ハセッチは「誰でもいいよ」とはいっていたものの、純よりも誠のほうがうれしいのは確実だろう。もともとふたりは、卓球部に入るはるか前からの、気の合う幼なじみだったのだから。
そして純は……そういえば純は何を考えているのか、あまり想像したことがなかった。あいつは、静かで主張しないやつだから。
返事ができない大地を見て、先生が言う。
「今回のダブルスで、先生が一番考えたのは、悪いが、おまえら六年のことじゃないんだ」
「え」
「誰よりも、純のことを考えた」
なんで。大地にとって、なっとくできないことがまた一つBふえた。だって、純には来年の市大会だってある。ぼくら六年はこれが最後なのに。
「大地、よく考えてみろ。純は、市大会が終わったらキャプテンだ」
「わかってます」
「ひとりぼっちなんだぞ」
「それも、わかってます」
「来年の市大会では、今の四年と組むしかないんだ」
「あ……」
それは、わかってなかった。
「なあ、大地。シングルスで強くなるには、強い相手と練習すればいい。それはなんとかなる。おまえたちがCいんたいしてからも、純はオレと打ち合えば、まだ強くなれる」
「はい」
「じゃあダブルスで強くなるには、どうしたらいいと思う? それはな、強い相手と組むことだ。でも純は来年になったら、誰と組むにしろ、自分より弱いやつしかいないんだ。今年がラストチャンスだよ。だったら、一番強いおまえと組ませてやるのが、純にとっては最高に成長できることなんだ」
一番強い、という言葉を聞いて、大地は口元をゆるめた。先生はそうやってほめるのが上手だ。でも、今回はにっこり笑顔でDすなおにうなずくことなどできない。だって、純にとっても大切な大会だろうが、ぼくにだって、本当に本当に大事な最後の大会なのだから。
(吉野万理子 『チームふたり』)
注
- ハセッチ
- 長谷川のこと。長谷川と誠がダブルスを組むことになった。
文章中の線A〜Dを漢字に直しなさい。 (完答)
線「口元をゆるめた」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 喜びをかくしきれずほほ笑むこと、笑顔になること
- イ 開いた口がふさがらないほどあきれていること
- ウ おしゃべりで、言ってはいけないことまで話してしまうこと
- エ いろいろなものを食べて、味のよしあしがよくわかるようになること
Lessonの答え
- 答え
A 納得 B 増 C 引退 D 素直 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学六年生の大地は、小学校生活最後の卓球の市大会で、五年生の純とダブルスを組むことになった。おどろいた大地は、次の日、卓球部の先生のところに行き、「納得できません」と言った。
先生は質問を静かに聞いてから、かすかに笑って、そして答えた。
「そうか、大地にならわかると思ったんだがな。先生の考えていること、伝わらなかったか」
え、どういうことだろう。大地はあせった。急いで考えてみた。でもやっぱりわからない。キャプテンのぼくと純を組み合わせた理由なんて。
先生が聞く。
「本当は誰と組みたかったんだ? 誠か」
「そうです」
「誠もそう思ってたのかい」
大地はうなずいた。昨日、練習が終わって家に帰る途中、*ハセッチが先にいなくなったあとで、ぽつんと誠が言ったのだ。
「大地と組みたかったなー、おれ」
だから、やっぱり誠に変えてほしい。今日は、最終的に、先生にそういう相談をしたいと大地は思っている。
先生は言った。
「じゃあ、長谷川はどう思っているかな。あと純も」
①う。大地は言葉に詰まった。
ハセッチは「誰でもいいよ」とはいっていたものの、純よりも誠のほうがうれしいのは確実だろう。もともと②ふたりは、卓球部に入るはるか前からの、気の合う幼なじみだったのだから。
そして純は……そういえば純は何を考えているのか、あまり想像したことがなかった。あいつは、静かで主張しないやつだから。
返事ができない大地を見て、先生が言う。
「今回のダブルスで、先生が一番考えたのは、悪いが、おまえら六年のことじゃないんだ」
「え」
「誰よりも、純のことを考えた」
なんで。大地にとって、納得できないことがまた一つ増えた。だって、純には来年の市大会だってある。ぼくら六年はこれが最後なのに。
「大地、よく考えてみろ。純は、市大会が終わったらキャプテンだ」
「わかってます」
「ひとりぼっちなんだぞ」
「それも、わかってます」
「来年の市大会では、今の四年と組むしかないんだ」
「あ……」
それは、わかってなかった。
「なあ、大地。シングルスで強くなるには、強い相手と練習すればいい。それはなんとかなる。おまえたちが引退してからも、純はオレと打ち合えば、まだ強くなれる」
「はい」
「じゃあダブルスで強くなるには、どうしたらいいと思う? それはな、強い相手と組むことだ。でも純は来年になったら、誰と組むにしろ、自分より弱いやつしかいないんだ。今年がラストチャンスだよ。だったら、一番強いおまえと組ませてやるのが、純にとっては最高に成長できることなんだ」
一番強い、という言葉を聞いて、大地は口元をゆるめた。先生はそうやってほめるのが上手だ。でも、今回はにっこり笑顔で素直にうなずくことなどできない。だって、純にとっても大切な大会だろうが、ぼくにだって、本当に本当に大事な最後の大会なのだから。
(吉野万理子 『チームふたり』)
注
- ハセッチ
- 長谷川のこと。長谷川と誠がダブルスを組むことになった。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
説明を受けて、なっとくして準備することができた。
準決勝でヨーロッパのチームをしりぞけた。
酸そは空気中に約五分の一の割合で含まれています。
図書館の本の貸出数がぞうかした。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、 にあてはまる「喜びをかくしきれずほほ笑むこと、笑顔になること」という意味のことばを後に続く形で六字で書きなさい。
ニュースで予想外のよい結果を聞き、彼女は思わず た。
Practiceの答え
- 答え
納得
- 答え
退けた
- 答え
素
- 答え
増加
- 答え
口元をゆるめ
Point
Lesson
Lesson
Lesson1または理解度テスト1の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
文章中の登場人物の関係について説明したものとして、適当でないものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 誠とハセッチは幼なじみで、先生からペアを組むように言われた。
- イ 大地は、ハセッチが純よりも誠とペアを組みたいのではないかと考えている。
- ウ 大地は誠とペアを組みたかったが、先生から純とペアを組むように言われた。
- エ 誠は大地とペアを組みたいので、ハセッチと純がペアを組むべきだと主張している。
Lessonの答え
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「ふたり」について、「ふたり」とは、だれとだれのことですか。文中から書きぬきなさい。(順不同・完答)
Practiceの答え
- 答え
誠と長谷川(ハセッチ) (順不同・完答)
Point
Lesson
Lesson
Lesson1または理解度テスト1の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
先生の話を聞き終えたときの大地の気持ちとして最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア 先生の考えは変わりそうもないので、誠とダブルスを組むのはあきらめよう。
- イ 誠とダブルスを組めないのは少し残念だが、自分の実力を先生に認めてもらえたので満足だ。
- ウ 先生にほめられたのはうれしいが、自分が誠とダブルスを組めないのは納得できない。
- エ 誰とダブルスを組むことになっても、小学校生活最後の大会を全力で戦おう。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「う。大地は言葉に詰まった」とありますが、先生の質問に大地がすぐに答えられなかったのはなぜですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア どのように答えれば先生が納得してくれるのかを、少し考えたかったから。
- イ これまで長谷川や純の気持ちをあまり考えたことがなかったので、とまどったから。
- ウ キャプテンなのに自分勝手なことを言ってしまったことに気づき、はずかしかったから。
- エ 先生が言いたいことがわかったので、これ以上、何も言わないほうがよいと思ったから。
Practiceの答え
- 答え
イ
6章 説明文
説明文の読み方
6-1 説明文4
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
みなさんは、海の水が増える、ということがどんなことだか考えたことがあるでしょうか。たとえば海の水が増えて海面が一メートル上がったとしましょう。すると、日本でいえば、日本全体が一メートルしずむのと同じことです。世界中の陸地全体が一メートル低くなるのです。
-
南太平洋にツバルという、総面積二六平方キロ、人口一万人足らずの小さな国があります。テレビで見た人もあるでしょう。この国は、いくつかの小さくて平べったい島からできていて、多くはサンゴ礁の島々です。海はきれいで、島にはヤシの木が茂り、熱帯の楽園のようなところです。そこで人々は、漁業と観光で生活しています。
-
でも、島のいちばん高いところでも海面から約四メートル、つまり二階建ての建物より低いのです。このように土地が低いために、これから海の水が増えてくると、これらの島には住めなくなってしまう、つまり国がなくなってしまうのでは、と恐れられているのです。
-
問題はツバルだけにはかぎりません。太平洋やインド洋には似たようなサンゴ礁の島がたくさんあります。また、バングラデシュでは、海面が一メートル上がっただけで、国の水田の半分がなくなってしまうといわれています。
-
日本でも、海岸沿いに、東京や大阪などの大都市や、工場地帯がひろがっています。一メートル海面が上がると、満潮時に海面より低いところに住むことになってしまう人は四〇〇万人をこえるのです。
-
また、世界でも、米国のニューヨークなど、海岸沿いに大都市がある国が多いのです。中国で最大の都市である上海も、海面が一メートル上がっただけで、市街地の三分の一が水につかってしまいます。
-
海の水が増える原因は地球が温暖化することです。温暖化すると、南極や北極の陸地の上にある雪や氷が溶けて、海の水が増えるのです。
-
南極のまわりや北極海に浮いている氷山も溶けます。しかし、コップに水と氷を入れて溶かしてみればわかるように、水に浮いている氷が溶けても、その水の体積は水中に沈んでいた氷の体積と同じなので、水面の高さは変わりません。つまり氷山が溶けても、海水面が高くなるわけではありません。
-
では、なぜ、どうやって、二酸化炭素のせいで地球が温暖化するのでしょう。
-
花や野菜を作る温室は、屋根がガラスや透明なビニールになっていて、太陽のエネルギーを温室の中に取りこむのですが、一方、ガラスやビニールが温室から外へ逃げようとする温まった空気をとじこめてしまうので、温室の中の温度が上がるしくみです。
-
地球の場合には、二酸化炭素というガスと水蒸気が温室のガラスやビニールの役目をして、太陽から来たエネルギーによって地球にできた熱を閉じこめてしまいます。こうして、地球の温度が上がるのです。
-
やかんやなべがだんだん冷えていくのと同じように、地球からも、どんどん熱が逃げていっています。でも、このときに、二酸化炭素と水蒸気が地表から逃げていく熱(赤外線)を吸収したり、吸収した熱をふたたび放出して地表にもどすのです。
-
こうしてみると、温室のビニールやガラスは、温まった空気と冷たい空気がまざるのをふせいでいるのですから、この地球に起こっていることとは、厳密にいえばちがう現象です。しかし、熱の逃げるのをふせぐという意味で、地球温暖化はよく、温室にたとえられるのです。
-
いま、地球全体の二酸化炭素が増えてきています。工場や、発電所や、自動車からはき出されている二酸化炭素は年々、増えつづけています。
(島村英紀『地球環境のしくみ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
植物は根から水をきゅうしゅうして成長する。
あたたかい風が吹いて、桜の花びらが舞い落ちた。
春のちょう流に乗って、海中を泳ぐ魚たちを見るのが楽しい。
みつ林の中を探検するのはわくわくする冒険だ。
ドアを開けっ放しにせず、必ず部屋のドアをしめてください。
Confirm Testの答え
- 答え
吸収
- 答え
暖かい
- 答え
潮
- 答え
密
- 答え
閉めて
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章を、内容のうえから次のように二つの意味段落に分けるとすると、後半はどこからになりますか。後半の初めの段落を段落番号で答えなさい。
- 前半…海の水が増えることによる影響と、海の水が増える原因。
- 後半…二酸化炭素による地球の温暖化。
Confirm Testの答え
- 答え
9段落
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
みなさんは、海の水が増える、ということがどんなことだか考えたことがあるでしょうか。たとえば海の水が増えて海面が一メートル上がったとしましょう。すると、日本でいえば、日本全体が一メートルしずむのと同じことです。世界中の陸地全体が一メートル低くなるのです。
-
南太平洋にツバルという、総面積二六平方キロ、人口一万人足らずの小さな国があります。テレビで見た人もあるでしょう。この国は、いくつかの小さくて平べったい島からできていて、多くはサンゴ礁の島々です。海はきれいで、島にはヤシの木が茂り、熱帯の楽園のようなところです。そこで人々は、漁業と観光で生活しています。
-
でも、島のいちばん高いところでも海面から約四メートル、つまり二階建ての建物より低いのです。このように土地が低いために、これから海の水が増えてくると、これらの島には住めなくなってしまう、つまり国がなくなってしまうのでは、と恐れられているのです。
-
問題はツバルだけにはかぎりません。太平洋やインド洋には似たようなサンゴ礁の島がたくさんあります。また、バングラデシュでは、海面が一メートル上がっただけで、国の水田の半分がなくなってしまうといわれています。
-
日本でも、海岸沿いに、東京や大阪などの大都市や、工場地帯がひろがっています。一メートル海面が上がると、満Aちょう時に海面より低いところに住むことになってしまう人は四〇〇万人をこえるのです。
-
また、世界でも、米国のニューヨークなど、海岸沿いに大都市がある国が多いのです。中国で最大の都市である上海も、海面が一メートル上がっただけで、市街地の三分の一が水につかってしまいます。
-
海の水が増える原因は地球が温Bだん化することです。温だん化すると、南極や北極の陸地の上にある雪や氷が溶けて、海の水が増えるのです。
-
南極のまわりや北極海に浮いている氷山も溶けます。しかし、コップに水と氷を入れて溶かしてみればわかるように、水に浮いている氷が溶けても、その水の体積は水中に沈んでいた氷の体積と同じなので、水面の高さは変わりません。つまり氷山が溶けても、海水面が高くなるわけではありません。
-
では、なぜ、どうやって、二酸化炭素のせいで地球が温だん化するのでしょう。
-
花や野菜を作る温室は、屋根がガラスや透明なビニールになっていて、太陽のエネルギーを温室の中に取りこむのですが、一方、ガラスやビニールが温室から外へ逃げようとする温まった空気をとじこめてしまうので、温室の中の温度が上がるしくみです。
-
地球の場合には、二酸化炭素というガスと水蒸気が温室のガラスやビニールの役目をして、太陽から来たエネルギーによって地球にできた熱をCとじこめてしまいます。こうして、地球の温度が上がるのです。
-
やかんやなべがだんだん冷えていくのと同じように、地球からも、どんどん熱が逃げていっています。でも、このときに、二酸化炭素と水蒸気が地表から逃げていく熱(赤外線)をDきゅうしゅうしたり、きゅうしゅうした熱をふたたび放出して地表にもどすのです。
-
こうしてみると、温室のビニールやガラスは、温まった空気と冷たい空気がまざるのをふせいでいるのですから、この地球に起こっていることとは、厳Eみつにいえばちがう現象です。しかし、熱の逃げるのをふせぐという意味で、地球温だん化はよく、温室にたとえられるのです。
-
いま、地球全体の二酸化炭素が増えてきています。工場や、発電所や、自動車からはき出されている二酸化炭素は年々、増えつづけています。
(島村英紀『地球環境のしくみ』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 潮 B 暖 C 閉 D 吸収 E 密 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
みなさんは、海の水が増える、ということがどんなことだか考えたことがあるでしょうか。たとえば海の水が増えて海面が一メートル上がったとしましょう。すると、日本でいえば、日本全体が一メートルしずむのと同じことです。世界中の陸地全体が一メートル低くなるのです。
-
①南太平洋にツバルという、総面積二六平方キロ、人口一万人足らずの小さな国があります。テレビで見た人もあるでしょう。この国は、いくつかの小さくて平べったい島からできていて、多くはサンゴ礁の島々です。海はきれいで、島にはヤシの木が茂り、熱帯の楽園のようなところです。そこで人々は、漁業と観光で生活しています。
-
でも、島のいちばん高いところでも海面から約四メートル、つまり二階建ての建物より低いのです。このように土地が低いために、これから海の水が増えてくると、これらの島には住めなくなってしまう、つまり国がなくなってしまうのでは、と恐れられているのです。
-
問題はツバルだけにはかぎりません。太平洋やインド洋には似たようなサンゴ礁の島がたくさんあります。また、バングラデシュでは、海面が一メートル上がっただけで、国の水田の半分がなくなってしまうといわれています。
-
日本でも、海岸沿いに、東京や大阪などの大都市や、工場地帯がひろがっています。一メートル海面が上がると、満潮時に海面より低いところに住むことになってしまう人は四〇〇万人をこえるのです。
-
また、世界でも、米国のニューヨークなど、海岸沿いに大都市がある国が多いのです。中国で最大の都市である上海も、海面が一メートル上がっただけで、市街地の三分の一が水につかってしまいます。
-
海の水が増える原因は地球が温暖化することです。温暖化すると、南極や北極の陸地の上にある雪や氷が溶けて、海の水が増えるのです。
-
南極のまわりや北極海に浮いている氷山も溶けます。しかし、コップに水と氷を入れて溶かしてみればわかるように、水に浮いている氷が溶けても、その水の体積は水中に沈んでいた氷の体積と同じなので、水面の高さは変わりません。つまり氷山が溶けても、海水面が高くなるわけではありません。
-
では、なぜ、どうやって、二酸化炭素のせいで地球が温暖化するのでしょう。
-
花や野菜を作る温室は、屋根がガラスや透明なビニールになっていて、太陽のエネルギーを温室の中に取りこむのですが、一方、ガラスやビニールが温室から外へ逃げようとする温まった空気をとじこめてしまうので、温室の中の温度が上がるしくみです。
-
地球の場合には、二酸化炭素というガスと水蒸気が温室のガラスやビニールの役目をして、太陽から来たエネルギーによって地球にできた熱を閉じこめてしまいます。こうして、地球の温度が上がるのです。
-
やかんやなべがだんだん冷えていくのと同じように、地球からも、どんどん熱が逃げていっています。でも、このときに、二酸化炭素と水蒸気が地表から逃げていく熱(赤外線)を吸収したり、吸収した熱をふたたび放出して地表にもどすのです。
-
こうしてみると、温室のビニールやガラスは、温まった空気と冷たい空気がまざるのをふせいでいるのですから、この地球に起こっていることとは、厳密にいえばちがう現象です。しかし、熱の逃げるのをふせぐという意味で、地球温暖化はよく、温室にたとえられるのです。
-
いま、地球全体の二酸化炭素が増えてきています。工場や、発電所や、自動車からはき出されている二酸化炭素は年々、増えつづけています。
(島村英紀『地球環境のしくみ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
しお干狩りで、友達と楽しく貝を探した。
寒いので、だん房器具のスイッチを入れた。
門がとざされていると、外から中がよく見えません。
海面から太陽の光をきゅうしゅうして、海水が温まる。
その小さな町では、ひそかに噂が広まっていた。
Practiceの答え
- 答え
潮
- 答え
暖
- 答え
閉
- 答え
吸収
- 答え
密
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章の内容と合っているものを次のア~エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 海の水が増えて海面が一メートル上がったとしても、世界中の陸地のすべてが一メートル低くなるわけではない。
- イ ニューヨークや上海は海岸沿いの都市だが、海の水が増えても街にあまり影響はない。
- ウ 花や野菜を作る温室のしくみは、地球が温暖化するしくみとまったく同じである。
- エ 地球の温暖化の原因である二酸化炭素の増加は、人間の活動と関係がある。
Lessonの答え
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「南太平洋にツバルという……小さな国があります」とありますが、ツバル以外で、海の水が増えることによって深刻な影響を受ける国や地域について、具体的に説明している段落は何段落から何段落までですか。段落番号で答えなさい。
Practiceの答え
- 答え
4段落 〜 6段落
6-2 説明文5
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
調査の結果、地球の平均気温はこの一〇〇年間で約〇・六℃上がったことがわかった。このあとの一〇〇年間では、高ければ六℃も上がると予測されている。
-
じつは、六℃もあがると、たいへんなことになるのです。毎日の気温ならば、上がった日があれば下がる日もあります。また暑い夏、とか寒い冬、があっても、何年かのうちには平均的な気温になります。
-
しかし、地球温暖化による気温の上昇は、平均的な気温そのものが上がっていくので、影響がずっと大きいのです。つまり、気温が上がったままになって、動物や植物が生きていく環境を変えてしまうからです。
-
もちろん、暑かったり寒かったり、というばらつきは、これからもつづきます。しかし、地球全体の平均気温が数度上がるとなると、いろいろなところに大きな影響が出てきます。
-
前にお話ししたように、二酸化炭素などの温室効果ガスは地表から逃げていく熱を上空で吸収したり、放出して、地表にもどします。
-
そうすると、まず、地表の温度が上がり、地表の近くの空気が暖められて軽くなり、*上昇気流が強くなります。海水の温度も上がり、蒸発する水の量も増えます。
-
すると、*低気圧が大型になったり、強い台風がたくさん生まれるのです。低気圧も台風も、空気の上昇気流が作ったものです。そして生まれた強い台風は、海流とともに、赤道付近の熱を、赤道から温帯へ運びます。
-
これまでだったら、たとえば①日本付近に近づいた台風は、やがて弱まっていって*温帯低気圧になり、さらに弱くなって消えていくのが普通でした。
-
これは、台風のエネルギー源は暖かい海水から出る水蒸気をふくむ上昇気流ですから、海水の温度が低くなるにつれて台風が弱まっていくからなのです。また、台風が上陸したあと、急速に弱まるのは、水蒸気が上がらなくなることと、陸地との*摩擦のためです。
-
しかし、温帯での海水の温度が高いと、台風が強いまま、陸地を襲うことになるのです。
-
エルニーニョ現象というのを聞いたことがありますか。これは太平洋の中央部を流れている海流の異変で、この現象が起きると、日本の近くの台風が増えるだけではなく、世界の広い範囲で気候が変わったり、魚の数や種類が変わったりするのです。いままでもときどき起きていましたが、地球が温暖化すれば、もっと増えるといわれています。
-
また、海水の温度が上がると、海からの水の蒸発量が増えます。これによって、いままで雨が多かったところでは、雨がさらに増えることになります。多雨地域といわれるところほど大雨が降ることになるし、*豪雪地域といわれる雪の多いところほど降雪量は増えるでしょう。そして、海水が増えて土地が低くなるでしょうから、洪水などの水害がいままで以上に増えることになるのです。
(島村英紀『地球環境のしくみ』)
注
- 上昇気流
- 上空に上っていく空気の流れ。雨や雪の原因となる。
- 低気圧
- 周りに比べて、大気の圧力が低いところ。中心付近では雨が降ることが多い。
- 温帯低気圧
- 温帯地方でできた低気圧。台風が温帯地方に入り、力が弱くなったときなどにいう。
- 摩擦
- 二つのものがすれ合って、その動きが弱まること。
- 豪雪地域
- 非常にたくさんの雪が降る地域。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
地面を平らにするために、土をならす作業が必要です。
雨がふると、学校の運動場はぬかるんでしまいます。
学校の近くは安全な地いきですので、放課後も安心して遊べます。
ことなる考え方を持つ人との意見交換は、自分の視野を広げる良い機会だ。
購入した製品が不具合がないか、検さをする必要がある。
Confirm Testの答え
- 答え
均す
- 答え
降る
- 答え
域
- 答え
異なる
- 答え
査
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「日本付近に近づいた台風は……さらに弱くなって消えていく」とありますが、地球の平均気温が数度上がると、台風はどのような状態で日本に上陸することになりますか。そのことが説明されている一文を文中からさがし、その初めの五字を書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
しかし、温
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
調Aさの結果、地球の平Bきん気温はこの一〇〇年間で約〇・六℃上がったことがわかった。このあとの一〇〇年間では、高ければ六℃も上がると予測されている。
-
じつは、六℃もあがると、たいへんなことになるのです。毎日の気温ならば、上がった日があれば下がる日もあります。また暑い夏、とか寒い冬、があっても、何年かのうちには平きん的な気温になります。
-
しかし、地球温暖化による気温の上昇は、平きん的な気温そのものが上がっていくので、影響がずっと大きいのです。つまり、気温が上がったままになって、動物や植物が生きていく環境を変えてしまうからです。
-
もちろん、暑かったり寒かったり、というばらつきは、これからもつづきます。しかし、地球全体の平きん気温が数度上がるとなると、いろいろなところに大きな影響が出てきます。
-
前にお話ししたように、①二酸化炭素などの温室効果ガスは地表から逃げていく熱を上空で吸収したり、放出して、地表にもどします。
-
そうすると、まず、地表の温度が上がり、地表の近くの空気が暖められて軽くなり、*上昇気流が強くなります。海水の温度も上がり、蒸発する水の量も増えます。
-
すると、*低気圧が大型になったり、強い台風がたくさん生まれるのです。低気圧も台風も、空気の上昇気流が作ったものです。そして生まれた強い台風は、海流とともに、赤道付近の熱を、赤道から温帯へ運びます。
-
これまでだったら、たとえば日本付近に近づいた台風は、やがて弱まっていって*温帯低気圧になり、さらに弱くなって消えていくのが普通でした。
-
これは、台風のエネルギー源は暖かい海水から出る水蒸気をふくむ上昇気流ですから、海水の温度が低くなるにつれて台風が弱まっていくからなのです。また、台風が上陸したあと、急速に弱まるのは、水蒸気が上がらなくなることと、陸地との*摩擦のためです。
-
しかし、温帯での海水の温度が高いと、台風が強いまま、陸地を襲うことになるのです。
-
エルニーニョ現象というのを聞いたことがありますか。これは太平洋の中央部を流れている海流のCい変で、この現象が起きると、日本の近くの台風が増えるだけではなく、世界の広い範囲で気候が変わったり、魚の数や種類が変わったりするのです。いままでもときどき起きていましたが、地球が温暖化すれば、もっと増えるといわれています。
-
また、海水の温度が上がると、海からの水の蒸発量が増えます。これによって、いままで雨が多かったところでは、雨がさらに増えることになります。多雨地Dいきといわれるところほど大雨がEふることになるし、*豪雪地いきといわれる雪の多いところほどこう雪量は増えるでしょう。そして、海水が増えて土地が低くなるでしょうから、洪水などの水害がいままで以上に増えることになるのです。
(島村英紀『地球環境のしくみ』)
注
- 上昇気流
- 上空に上っていく空気の流れ。雨や雪の原因となる。
- 低気圧
- 周りに比べて、大気の圧力が低いところ。中心付近では雨が降ることが多い。
- 温帯低気圧
- 温帯地方でできた低気圧。台風が温帯地方に入り、力が弱くなったときなどにいう。
- 摩擦
- 二つのものがすれ合って、その動きが弱まること。
- 豪雪地いき
- 非常にたくさんの雪が降る地域。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 査 B 均 C 異 D 域 E 降 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
調査の結果、地球の平均気温はこの一〇〇年間で約〇・六℃上がったことがわかった。このあとの一〇〇年間では、高ければ六℃も上がると予測されている。
-
じつは、六℃もあがると、たいへんなことになるのです。毎日の気温ならば、上がった日があれば下がる日もあります。また暑い夏、とか寒い冬、があっても、何年かのうちには平均的な気温になります。
-
しかし、地球温暖化による気温の上昇は、平均的な気温そのものが上がっていくので、影響がずっと大きいのです。つまり、気温が上がったままになって、動物や植物が生きていく環境を変えてしまうからです。
-
もちろん、暑かったり寒かったり、というばらつきは、これからもつづきます。しかし、地球全体の平均気温が数度上がるとなると、いろいろなところに大きな影響が出てきます。
-
前にお話ししたように、二酸化炭素などの温室効果ガスは地表から逃げていく熱を上空で吸収したり、放出して、地表にもどします。
-
そうすると、まず、地表の温度が上がり、地表の近くの空気が暖められて軽くなり、①*上昇気流が強くなります。海水の温度も上がり、蒸発する水の量も増えます。
-
すると、*低気圧が大型になったり、強い台風がたくさん生まれるのです。低気圧も台風も、空気の上昇気流が作ったものです。そして生まれた強い台風は、海流とともに、赤道付近の熱を、赤道から温帯へ運びます。
-
これまでだったら、たとえば日本付近に近づいた台風は、やがて弱まっていって*温帯低気圧になり、さらに弱くなって消えていくのが普通でした。
-
これは、台風のエネルギー源は暖かい海水から出る水蒸気をふくむ上昇気流ですから、海水の温度が低くなるにつれて台風が弱まっていくからなのです。また、台風が上陸したあと、急速に弱まるのは、水蒸気が上がらなくなることと、陸地との*摩擦のためです。
-
しかし、温帯での海水の温度が高いと、台風が強いまま、陸地を襲うことになるのです。
-
エルニーニョ現象というのを聞いたことがありますか。これは太平洋の中央部を流れている海流の異変で、この現象が起きると、日本の近くの台風が増えるだけではなく、世界の広い範囲で気候が変わったり、魚の数や種類が変わったりするのです。いままでもときどき起きていましたが、地球が温暖化すれば、もっと増えるといわれています。
-
また、海水の温度が上がると、海からの水の蒸発量が増えます。これによって、いままで雨が多かったところでは、雨がさらに増えることになります。多雨地域といわれるところほど大雨が降ることになるし、*豪雪地域といわれる雪の多いところほど降雪量は増えるでしょう。そして、海水が増えて土地が低くなるでしょうから、洪水などの水害がいままで以上に増えることになるのです。
(島村英紀『地球環境のしくみ』)
注
- 上昇気流
- 上空に上っていく空気の流れ。雨や雪の原因となる。
- 低気圧
- 周りに比べて、大気の圧力が低いところ。中心付近では雨が降ることが多い。
- 温帯低気圧
- 温帯地方でできた低気圧。台風が温帯地方に入り、力が弱くなったときなどにいう。
- 摩擦
- 二つのものがすれ合って、その動きが弱まること。
- 豪雪地域
- 非常にたくさんの雪が降る地域。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
資料を集めた後、教師が生徒の提出物をさ定する。
野菜を切る時には、大きさをきん等にするように気をつけてください。
その道はい次元へ続いていると信じられている。
その動物は自分の生息いきを守るために、他の動物と争うことがあります。
山頂では標高が高いため、こう雪がよく見られます。
Practiceの答え
- 答え
査
- 答え
均
- 答え
異
- 答え
域
- 答え
降
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「二酸化炭素などの温室効果ガスは地表から逃げていく熱を上空で吸収したり、放出して、地表にもどします」とありますが、この結果起きている現象は何とよばれていますか。文中から五字のことばを書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
地球温暖化
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「上昇気流が強くなります」とありますが、上昇気流によって発生するものを二つ、文中からそれぞれ三字以内で書きぬきなさい。(順不同・完答)
Practiceの答え
- 答え
低気圧・台風 (順不同・完答)
6-3 説明文6
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
世界の各地の気温が上がると、まず、それぞれの場所で育つことができる植物がちがってきます。
-
たとえば日本でいえば、寒い北海道よりも、暖かい九州の方が、一般に、植物の発育がよいので、温暖化するのは、悪いことではないと思うかもしれません。しかし、そうではないのです。現在は、その土地の気温に適した、たくさんの動物や植物が、おたがいに助け合いながら、バランスよく育っているのです。これが生態系というものです。
-
それが、急に温度が変わると、生態系がくずれてしまい、大半の植物や動物は、減ってしまいます。ごく一部の、もっと高い温度をほしがっていた植物や動物だけが、増えることになります。
-
たとえば気温が二℃上がることは、その土地が一五〇キロから五五〇キロほど、赤道のほうにずれたのと同じことになるといわれています。また、山地ならば、一五〇メートルから五五〇メートルもふもとのほうに下がったことになります。植物は育つのに適した気温のほうに、だんだん移住していくのですが、成長が遅い植物では、この気温の移動に追いつかないことがあります。つまり、その植物は枯れて、その場所では絶えてしまうのです。
-
生態系が変わると、特定の植物しか食べない動物や昆虫は、生きのびられないかもしれません。たとえば、蝶の多くは幼虫が食べる食草というものがきまっていて、それ以外は食べません。本州の里山に住むギフチョウという美しい蝶は、近ごろは数が減って心配されていますが、この幼虫はカンアオイという草の葉しか食べません。
-
漁業はずいぶん変わります。プランクトンの種類や量が変わり、寒流の魚はずいぶんと減ることでしょう。農業も、作物の種類や収穫量がずいぶん変わります。これまでとれていた米がとれなくなってしまう地域が出てくるでしょう。
-
また、気候が変わることによって病害虫が発生しやすくなります。これも、農作物の生産を減らしてしまいます。
-
つまり、温暖化によって、ごく一部の場所では、農業生産が増えるでしょうが、ほかの大部分では、農業生産が減ります。つまり、地球全体の食糧生産が減ってしまうと考えられているのです。
-
動物たちの餌にも影響が出るでしょう。餌が不足して、ニワトリやウシ・ブタを飼いにくくなるかもしれません。また、乳牛はもともと夏は食欲がなくなり、牛乳を出す量が減るので、地球温暖化が進むと、肉や乳製品の値段も上がることでしょう。
-
そのほか、気温が上がることによって、川や海から蒸発する水分が増えます。そして、川や湖の水の量が減ったり、水の温度が上がることもあって、水質が悪くなったり、*微生物が増えて、湖や池の富栄養化が進みます。いまでも、あちこちの湖や池に、アオコのような緑色の藻が増えて、魚などの生物が減ることがあるのを聞いたことがあるでしょう。あれが富栄養化なのです。
-
また富栄養化は、窒素化合物やリンなどの農業で使う肥料分や家庭で洗濯に使う洗剤の成分が水中に増えることも大きな原因です。つまり人間の活動の影響による富栄養化も大きいのです。
-
それだけではありません。地球が温暖化すると伝染病も増えるのではないかと心配されています。伝染病はもともと熱帯地方に多い病気です。温帯地方にひろがる伝染病もありますが、熱帯地方の伝染病のほうがずっと多いのです。
(島村英紀『地球環境のしくみ』)
注
- 微生物
- けんび鏡でなければ見えないような小さな生物。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
この食品のねだんが上がりました。
彼女はほしい服を見つけて、友達と一緒に買いに行きました。
体力づくりには、栄養価の高いにゅう製品が欠かせません。
日本の武道は、古代からの武士のけい統を引き継いでいます。
このひ料は、野菜が大きく育つためには欠かせません。
Confirm Testの答え
- 答え
値段
- 答え
欲しい
- 答え
乳
- 答え
系
- 答え
肥
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
9段落について説明したものとしてもっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア 筆者の意見や感想を述べている段落。
- イ すでに起こったことを、事実として示している段落。
- ウ 事実に基づいて、今後考えられることを予測している段落。
- エ 現在考えられていることが正しいかどうか、疑問を投げかけている段落。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
世界の各地の気温が上がると、まず、それぞれの場所で育つことができる植物がちがってきます。
-
たとえば日本でいえば、寒い北海道よりも、暖かい九州の方が、一般に、植物の発育がよいので、温暖化するのは、悪いことではないと思うかもしれません。しかし、そうではないのです。現在は、その土地の気温に適した、たくさんの動物や植物が、おたがいに助け合いながら、バランスよく育っているのです。これが生態Aけいというものです。
-
それが、急に温度が変わると、生態けいがくずれてしまい、大半の植物や動物は、減ってしまいます。ごく一部の、もっと高い温度をほしがっていた植物や動物だけが、増えることになります。
-
たとえば気温が二℃上がることは、その土地が一五〇キロから五五〇キロほど、赤道のほうにずれたのと同じことになるといわれています。また、山地ならば、一五〇メートルから五五〇メートルもふもとのほうに下がったことになります。植物は育つのに適した気温のほうに、だんだん移住していくのですが、成長が遅い植物では、この気温の移動に追いつかないことがあります。つまり、その植物は枯れて、その場所では絶えてしまうのです。
-
生態けいが変わると、特定の植物しか食べない動物や昆虫は、生きのびられないかもしれません。たとえば、蝶の多くは幼虫が食べる食草というものがきまっていて、それ以外は食べません。本州の里山に住むギフチョウという美しい蝶は、近ごろは数が減って心配されていますが、この幼虫はカンアオイという草の葉しか食べません。
-
漁業はずいぶん変わります。プランクトンの種類や量が変わり、寒流の魚はずいぶんと減ることでしょう。農業も、作物の種類や収穫量がずいぶん変わります。これまでとれていた米がとれなくなってしまう地域が出てくるでしょう。
-
また、気候が変わることによって病害虫が発生しやすくなります。これも、農作物の生産を減らしてしまいます。
-
つまり、温暖化によって、ごく一部の場所では、農業生産が増えるでしょうが、ほかの大部分では、農業生産が減ります。つまり、地球全体の食糧生産が減ってしまうと考えられているのです。
-
動物たちの餌にも影響が出るでしょう。餌が不足して、ニワトリやウシ・ブタを飼いにくくなるかもしれません。また、Bにゅう牛はもともと夏は食Cよくがなくなり、牛にゅうを出す量が減るので、地球温暖化が進むと、肉やにゅう製品のDねだんも上がることでしょう。
-
そのほか、気温が上がることによって、川や海から蒸発する水分が増えます。そして、川や湖の水の量が減ったり、水の温度が上がることもあって、水質が悪くなったり、*微生物が増えて、湖や池の富栄養化が進みます。いまでも、あちこちの湖や池に、アオコのような緑色の藻が増えて、魚などの生物が減ることがあるのを聞いたことがあるでしょう。あれが富栄養化なのです。
-
また富栄養化は、窒素化合物やリンなどの農業で使うEひ料分や家庭で洗濯に使う洗剤の成分が水中に増えることも大きな原因です。つまり人間の活動の影響による富栄養化も大きいのです。
-
それだけではありません。地球が温暖化すると伝染病も増えるのではないかと心配されています。伝染病はもともと熱帯地方に多い病気です。温帯地方にひろがる伝染病もありますが、熱帯地方の伝染病のほうがずっと多いのです。
(島村英紀『地球環境のしくみ』)
注
- 微生物
- けんび鏡でなければ見えないような小さな生物。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 系 B 乳 C 欲 D 値段 E 肥 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
世界の各地の気温が上がると、まず、それぞれの場所で育つことができる植物がちがってきます。
-
たとえば日本でいえば、寒い北海道よりも、暖かい九州の方が、一般に、植物の発育がよいので、温暖化するのは、悪いことではないと思うかもしれません。しかし、そうではないのです。現在は、その土地の気温に適した、たくさんの動物や植物が、おたがいに助け合いながら、バランスよく育っているのです。これが生態系というものです。
-
それが、急に温度が変わると、生態系がくずれてしまい、大半の植物や動物は、減ってしまいます。ごく一部の、もっと高い温度をほしがっていた植物や動物だけが、増えることになります。
-
たとえば気温が二℃上がることは、その土地が一五〇キロから五五〇キロほど、赤道のほうにずれたのと同じことになるといわれています。また、山地ならば、一五〇メートルから五五〇メートルもふもとのほうに下がったことになります。植物は育つのに適した気温のほうに、だんだん移住していくのですが、成長が遅い植物では、この気温の移動に追いつかないことがあります。つまり、その植物は枯れて、その場所では絶えてしまうのです。
-
生態系が変わると、特定の植物しか食べない動物や昆虫は、生きのびられないかもしれません。たとえば、蝶の多くは幼虫が食べる食草というものがきまっていて、それ以外は食べません。本州の里山に住むギフチョウという美しい蝶は、近ごろは数が減って心配されていますが、この幼虫はカンアオイという草の葉しか食べません。
-
漁業はずいぶん変わります。プランクトンの種類や量が変わり、寒流の魚はずいぶんと減ることでしょう。農業も、作物の種類や収穫量がずいぶん変わります。これまでとれていた米がとれなくなってしまう地域が出てくるでしょう。
-
また、気候が変わることによって病害虫が発生しやすくなります。これも、農作物の生産を減らしてしまいます。
-
つまり、温暖化によって、ごく一部の場所では、農業生産が増えるでしょうが、ほかの大部分では、農業生産が減ります。つまり、地球全体の食糧生産が減ってしまうと考えられているのです。
-
動物たちの餌にも影響が出るでしょう。餌が不足して、ニワトリやウシ・ブタを飼いにくくなるかもしれません。また、乳牛はもともと夏は食欲がなくなり、牛乳を出す量が減るので、地球温暖化が進むと、肉や乳製品の値段も上がることでしょう。
-
そのほか、気温が上がることによって、川や海から蒸発する水分が増えます。そして、川や湖の水の量が減ったり、水の温度が上がることもあって、水質が悪くなったり、*微生物が増えて、湖や池の富栄養化が進みます。いまでも、あちこちの湖や池に、アオコのような緑色の藻が増えて、魚などの生物が減ることがあるのを聞いたことがあるでしょう。あれが富栄養化なのです。
-
また富栄養化は、窒素化合物やリンなどの農業で使う肥料分や家庭で洗濯に使う洗剤の成分が水中に増えることも大きな原因です。つまり人間の活動の影響による富栄養化も大きいのです。
-
それだけではありません。地球が温暖化すると伝染病も増えるのではないかと心配されています。伝染病はもともと熱帯地方に多い病気です。温帯地方にひろがる伝染病もありますが、熱帯地方の伝染病のほうがずっと多いのです。
(島村英紀『地球環境のしくみ』)
注
- 微生物
- けんび鏡でなければ見えないような小さな生物。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
彼は海洋けいの研究者として、世界中で活躍しています。
赤ちゃんが泣いていたので、母親がちちを与えてあやしました。
寒くなる時期、暖かい物を身に着けるよっ求が強くなります。
このおもちゃのねだんは高いです。
野菜の成長にはこえが必要です。
Practiceの答え
- 答え
系
- 答え
乳
- 答え
欲
- 答え
値段
- 答え
肥
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章を次の 内の四つの意味段落に分けるとしたら、どうなりますか。もっともよいものをあとのア~エから選び、記号で答えなさい。
- ・ 第一段落 温暖化すると、生態系が変わる。
- ・ 第二段落 温暖化すると、漁業や農業、らく農に影響が出る。
- ・ 第三段落 温暖化すると、湖や池の富栄養化が進む。
- ・ 第四段落 温暖化すると、伝染病が増える。
-
ア
/
/
/
-
イ
/
/
/
-
ウ
/
/
/
-
エ
/
/
/
Lessonの答え
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
4段落の役割を述べたものとしてもっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア 3段落の説明にあてはまらない具体例を示している。
- イ 3段落の内容について、さらにくわしく説明している。
- ウ 3段落の内容について、筆者独自の考えを示している。
- エ 3段落とは別の新しい話題を示している。
Practiceの答え
- 答え
イ
7章 文法
漢字の音と訓・二字熟語の読み方・三字以上の熟語
7-1 漢字の音と訓・二字熟語の読み方
Confirm Test
次の線部の漢字の読みをそれぞれ答えなさい。(完答)
ア たえがたい苦痛を感じる。
イ かぜをひいたので苦い薬を飲む。
ア 東京駅に着いた。
イ とう着してすぐ、バスに乗りかえた。
ア 背後に立ってはいけない。
イ 後ろの正面だあれ。
Confirm Testの答え
- 答え
ア く イ にが (完答)
- 答え
ア つ イ ちゃく (完答)
- 答え
ア ご イ うし (完答)
Confirm Test
次の線部のかたかなをそれぞれ漢字で答えなさい。(完答)
Confirm Testの答え
- 答え
ア 追 イ 負 (完答)
- 答え
ア 降 イ 下 (完答)
- 答え
ア 現 イ 表 (完答)
Confirm Test
あとの熟語の説明にあてはまるものを、次のア~エから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
- ア 上下とも音で読む熟語
- イ 上下とも訓で読む熟語
- ウ 重箱読みをする熟語
- エ 湯桶読みをする熟語
荷物
台所
雨具
Confirm Testの答え
- 答え
エ
- 答え
ウ
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の線部の漢字の読みをそれぞれ答えなさい。(完答)
ア 日本に生まれる。
イ 全力で生きる。
ア 重い石。
イ 板を重ねる。
ア 冷たい水。
イ 氷で冷やす。
Lessonの答え
- 答え
ア う イ い (完答)
- 答え
ア おも イ かさ (完答)
- 答え
ア つめ イ ひ (完答)
Practice
次の線部の漢字の読みをそれぞれ答えなさい。(完答)
ア 富士山に登る。
イ 今夜が山場だろう。
ア 野原にたくさんの花がさく。
イ 原生林を探検する。
ア 今日は青空が広がっている。
イ 山の頂上は空気がうすい。
Practiceの答え
- 答え
ア さん イ やま (完答)
- 答え
ア はら イ げん (完答)
- 答え
ア ぞら イ くう (完答)
Lesson
Lesson
次の線部のかたかなをそれぞれ漢字で答えなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
ア 公 イ 効 (完答)
- 答え
ア 織 イ 識 (完答)
- 答え
ア 招 イ 証 (完答)
Practice
次の線部のかたかなをそれぞれ漢字で答えなさい。(完答)
Practiceの答え
- 答え
ア 官 イ 管 (完答)
- 答え
ア 版 イ 判 (完答)
- 答え
ア 往 イ 応 (完答)
Point
Lesson
Lesson
あとの熟語の説明にあてはまるものを、次のア~エから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
- ア 上下とも音で読む熟語
- イ 上下とも訓で読む熟語
- ウ 重箱読みをする熟語
- エ 湯桶読みをする熟語
学習
駅前
台所
Lessonの答え
- 答え
ア
- 答え
ウ
- 答え
ウ
Practice
あとの熟語の説明にあてはまるものを、次のア~エから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
- ア 上下とも音で読む熟語
- イ 上下とも訓で読む熟語
- ウ 重箱読みをする熟語
- エ 湯桶読みをする熟語
花火
研究
手紙
Practiceの答え
- 答え
イ
- 答え
ア
- 答え
イ
7-2 三字以上の熟語
Confirm Test
あとの構成にあてはまる三字熟語を、次のア~カからすべて選び、それぞれ記号で答えなさい。(順不同・完答)
- ア 通学路
- イ 表面的
- ウ 雪月花
- エ 国際化
- オ 有名人
- カ 不可能
「◯+◯◯」二字熟語の上に新しい意味をそえる字がついたもの
「◯◯+◯」二字熟語の下に新しい意味をそえる字がついたもの
「◯+◯+◯」三字がそれぞれ対等の関係で並んでいるもの
Confirm Testの答え
- 答え
カ
- 答え
ア、イ、エ、オ (順不同・完答)
- 答え
ウ
Confirm Test
あとのに漢字を一字ずつ入れて、四字熟語を完成させなさい。また、その意味を次のア〜コから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。(完答)
- ア 多数の人が、同じことを言うこと。
- イ 評判ばかりで中身がともなわないこと。
- ウ やましいところがなく、正しくりっぱであること。
- エ 一日が千年にも思われるほど、待ちどおしいこと。
- オ 人の好みや考えは、さまざまであるということ。
- カ あっちへ行ったりこっちへ来たりと、混乱すること。
- キ 半分くらい信じ、半分くらい疑うこと。
- ク とても短い時間。転じて、行動がすばやいこと。
- ケ のがれられない困難な立場にあること。
- コ たいへん苦しむこと。
有名実
一日秋
四苦苦
Confirm Testの答え
- 答え
無・イ(完答)
- 答え
千・エ(完答)
- 答え
八・コ(完答)
Point
Lesson
Lesson
あとの構成にあてはまる三字熟語を、次のア~クからすべて選び、それぞれ記号で答えなさい。(順不同・完答)
- ア 天地人
- イ 新発見
- ウ 日本人
- エ 可能性
- オ 松竹梅
- カ 無関心
- キ 合理的
- ク 大勝利
「◯+◯◯」二字熟語の上に新しい意味をそえる字がついたもの
「◯◯+◯」二字熟語の下に新しい意味をそえる字がついたもの
「◯+◯+◯」三字がそれぞれ対等の関係で並んでいるもの
Lessonの答え
- 答え
イ、カ、ク (順不同・完答)
- 答え
ウ、エ、キ (順不同・完答)
- 答え
ア、オ (順不同・完答)
Practice
あとの構成にあてはまる三字熟語を、次のア~カからすべて選び、それぞれ記号で答えなさい。(順不同・完答)
- ア 逆効果
- イ 衣食住
- ウ 非常識
- エ 貯水池
- オ 試写会
- カ 大中小
「◯+◯◯」二字熟語の上に新しい意味をそえる字がついたもの
「◯◯+◯」二字熟語の下に新しい意味をそえる字がついたもの
「◯+◯+◯」三字がそれぞれ対等の関係で並んでいるもの
Practiceの答え
- 答え
ア、ウ (順不同・完答)
- 答え
エ、オ (順不同・完答)
- 答え
イ、カ (順不同・完答)
Point
Lesson
Lesson
あとのに漢字を一字ずつ入れて、四字熟語を完成させなさい。また、その意味を次のア〜コから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。(完答)
- ア 多数の人が、同じことを言うこと。
- イ 評判ばかりで中身がともなわないこと。
- ウ やましいところがなく、正しくりっぱであること。
- エ 一日が千年にも思われるほど、待ちどおしいこと。
- オ 人の好みや考えは、さまざまであるということ。
- カ あっちへ行ったりこっちへ来たりと、混乱すること。
- キ 半分くらい信じ、半分くらい疑うこと。
- ク とても短い時間。転じて、行動がすばやいこと。
- ケ のがれられない困難な立場にあること。
- コ たいへん苦しむこと。
右往往
半半疑
異同音
Lessonの答え
- 答え
左・カ(完答)
- 答え
信・キ(完答)
- 答え
口・ア(完答)
Practice
あとのに漢字を一字ずつ入れて、四字熟語を完成させなさい。また、その意味を次のア〜コから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。(完答)
- ア 多数の人が、同じことを言うこと。
- イ 評判ばかりで中身がともなわないこと。
- ウ やましいところがなく、正しくりっぱであること。
- エ 一日が千年にも思われるほど、待ちどおしいこと。
- オ 人の好みや考えは、さまざまであるということ。
- カ あっちへ行ったりこっちへ来たりと、混乱すること。
- キ 半分くらい信じ、半分くらい疑うこと。
- ク とても短い時間。転じて、行動がすばやいこと。
- ケ のがれられない困難な立場にあること。
- コ たいへん苦しむこと。
公明大
十人色
電光火
Practiceの答え
- 答え
正・ウ(完答)
- 答え
十・オ(完答)
- 答え
石・ク(完答)
8章 物語
物語文の読み方
8-1 物語文6
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
なんであんなことを言っちゃったんだろう……。
二月のカレンダーをにらむように見つめながら、ぼくは何度もため息をついた。
今日は二月十二日あと一カ月ちょっとで、*マコトは転校してしまう。マコトと一緒に過ごせる時間は、カウントダウンのように一日ずつ減っていく。
でも、ぼくとマコトは口をきいていない。一週間前*ガムガム団をやっつけたあと、マコトに「転校するな!」と言った。その日以来、ずっと。
あんなこと言わなければよかった。
マコトが一瞬浮かべた泣きだしそうな顔が、いまも頭の中から離れない。
あんなこと言わなければよかった。
教室でマコトの顔をちらっと見かけただけで、胸がドキドキして、頰が熱くなって、うつむいたり、そっぽを向いたり、廊下に駆け出したりしてしまう。
あんなこと言わなければよかった。
庭に出て、ワンの犬小屋を見つめた。ワンはもういなくなったのに、からっぽの犬小屋の前に立つと、どこからかワンの鳴き声が聞こえてくるような気がする。
犬小屋の前にしゃがみこんだ。また、ため息をついた。
「どうしたの? ツヨシ」
ママに声をかけられた。
「……なんでもない」
ぼくは薄暗い犬小屋の中をじっと見つめたままだった。振り向いてママの顔を見たらなんだか、泣きだしてしまいそうだったから。
「最近、元気ないけど」
「……そんなことないって」
「ワンのこと思いだしてるの?」
「うん……まあ……」
ママはクスッと笑って、「犬小屋もそろそろ処分しないとね」と言った。
「捨てちゃうの?」
①びっくりして、思わず振り向いた。
②ママは笑顔のまま、「だって、いつまでも庭にあってもしょうがないでしょ?」と言った。「ワンだって、天国でおうちがないと困ってるかもしれないし」
「それはそうだけど……」
急に悲しくなってしまった。ママがそんなことを言い出すのって意外だった。ママはぼくが学校に行っている間もずっとワンと一緒にいて、家族の中でいちばんワンのことをかわいがっていて……なのに、ママは、もう、ワンのこと忘れてしまったんだろうか……。
(重松清『くちぶえ番長』)
注
- マコト
- 「ぼく(ツヨシ)」と同じクラスの女の子。弱い者いじめがきらいな、男まさりな子。小学四年生。
- ガムガム団
- 下級生をいじめる、六年生三人組の男の子。マコトをいじめようとして、逆にマコトにやっつけられてしまったことがある。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
その絵を見て感動し、むねいっぱいになった。
彼は今回のあやまちから学びました。
地図がないと、道に迷ってこまるかもしれない。
新しい歌の歌詞をわすれないように、何度も練習した。
救急隊がケガをした人にしょ置を施しました。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「そっぽを向く」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 兄は友達の話に興味がなくて、そっぽを向いた。
- イ わたしは宿題をしている最中に、テレビにそっぽを向いた。
- ウ チームが負けた後、彼は悲しくてそっぽを向いた。
- エ 母は料理がうまくいかないと、いつもそっぽを向いてキッチンから出た。
Confirm Testの答え
- 答え
胸
- 答え
過ち
- 答え
困る
- 答え
忘れ
- 答え
処
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「ママは笑顔のまま……『ワンだって、天国でおうちがないと困ってるかもしれないし』」とありますが、この様子やことばから、ママのどんなことがわかりますか。もっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア ワンの死の悲しみを、どうにかこらえていること。
- イ 犬小屋を処分することに関して、決意がかたいこと。
- ウ 犬小屋を処分したがらないパパに腹を立てていること。
- エ 犬小屋の話は、もうこれ以上したくないと不満げなこと。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「びっくりして」とありますが、「ぼく」がびっくりしたのは、なぜですか。次のにあてはまることばを文中から書きぬきなさい。
「犬小屋もそろそろ処分しないとね」というママのことばが、「ぼく」にとってはから。
Confirm Testの答え
- 答え
意外だった
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
なんで①あんなことを言っちゃったんだろう……。
二月のカレンダーをにらむように見つめながら、ぼくは何度もため息をついた。
今日は二月十二日あと一カ月ちょっとで、*マコトは転校してしまう。マコトと一緒にAすごせる時間は、カウントダウンのように一日ずつ減っていく。
でも、ぼくとマコトは口をきいていない。一週間前*ガムガム団をやっつけたあと、マコトに「転校するな!」と言った。その日以来、ずっと。
あんなこと言わなければよかった。
マコトが一瞬浮かべた泣きだしそうな顔が、いまも頭の中から離れない。
あんなこと言わなければよかった。
教室でマコトの顔をちらっと見かけただけで、Bむねがドキドキして、頰が熱くなって、うつむいたり、そっぽを向いたり、廊下に駆け出したりしてしまう。
あんなこと言わなければよかった。
庭に出て、ワンの犬小屋を見つめた。ワンはもういなくなったのに、からっぽの犬小屋の前に立つと、どこからかワンの鳴き声が聞こえてくるような気がする。
犬小屋の前にしゃがみこんだ。また、ため息をついた。
「どうしたの? ツヨシ」
ママに声をかけられた。
「②……なんでもない」
ぼくは薄暗い犬小屋の中をじっと見つめたままだった。振り向いてママの顔を見たらなんだか、泣きだしてしまいそうだったから。
「最近、元気ないけど」
「……そんなことないって」
「ワンのこと思いだしてるの?」
「うん……まあ……」
ママはクスッと笑って、「犬小屋もそろそろCしょ分しないとね」と言った。
「捨てちゃうの?」
びっくりして、思わず振り向いた。
ママは笑顔のまま、「だって、いつまでも庭にあってもしょうがないでしょ?」と言った。「ワンだって、天国でおうちがないとDこまってるかもしれないし」
「それはそうだけど……」
急に悲しくなってしまった。ママがそんなことを言い出すのって意外だった。ママはぼくが学校に行っている間もずっとワンと一緒にいて、家族の中でいちばんワンのことをかわいがっていて……なのに、ママは、もう、ワンのことEわすれてしまったんだろうか……。
(重松清『くちぶえ番長』)
注
- マコト
- 「ぼく(ツヨシ)」と同じクラスの女の子。弱い者いじめがきらいな、男まさりな子。小学四年生。
- ガムガム団
- 下級生をいじめる、六年生三人組の男の子。マコトをいじめようとして、逆にマコトにやっつけられてしまったことがある。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「そっぽを向い」について、「そっぽを向く」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア とても興味を持って、じっと見つめること
- イ 興味や関心がないことを示すために、わざと顔や視線を別の方向に向けること
- ウ 積極的に話し合いに参加すること
- エ 何かを強く願って、心からいのること
Lessonの答え
- 答え
A 過 B 胸 C 処 D 困 E 忘 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
『なんであんなことを言っちゃったんだろう……。
二月のカレンダーをにらむように見つめながら、ぼくは何度もため息をついた。
今日は二月十二日あと一カ月ちょっとで、*マコトは転校してしまう。マコトと一緒に過ごせる時間は、カウントダウンのように一日ずつ減っていく。
でも、①ぼくとマコトは口をきいていない。一週間前*ガムガム団をやっつけたあと、マコトに「転校するな!」と言った。その日以来、ずっと。
あんなこと言わなければよかった。
マコトが一瞬浮かべた泣きだしそうな顔が、いまも頭の中から離れない。
あんなこと言わなければよかった。
教室でマコトの顔をちらっと見かけただけで、胸がドキドキして、頰が熱くなって、うつむいたり、そっぽを向いたり、廊下に駆け出したりしてしまう。
あんなこと言わなければよかった。』
庭に出て、ワンの犬小屋を見つめた。ワンはもういなくなったのに、からっぽの犬小屋の前に立つと、どこからかワンの鳴き声が聞こえてくるような気がする。
犬小屋の前にしゃがみこんだ。また、ため息をついた。
「どうしたの? ツヨシ」
ママに声をかけられた。
「……なんでもない」
ぼくは薄暗い犬小屋の中をじっと見つめたままだった。振り向いてママの顔を見たらなんだか、泣きだしてしまいそうだったから。
「最近、元気ないけど」
「……そんなことないって」
「ワンのこと思いだしてるの?」
「うん……まあ……」
ママはクスッと笑って、「犬小屋もそろそろ処分しないとね」と言った。
「捨てちゃうの?」
びっくりして、思わず振り向いた。
ママは笑顔のまま、「だって、いつまでも庭にあってもしょうがないでしょ?」と言った。「ワンだって、天国でおうちがないと困ってるかもしれないし」
「それはそうだけど……」
急に悲しくなってしまった。ママがそんなことを言い出すのって意外だった。ママはぼくが学校に行っている間もずっとワンと一緒にいて、家族の中でいちばんワンのことをかわいがっていて……なのに、ママは、もう、ワンのこと忘れてしまったんだろうか……。
(重松清『くちぶえ番長』)
注
- マコト
- 「ぼく(ツヨシ)」と同じクラスの女の子。弱い者いじめがきらいな、男まさりな子。小学四年生。
- ガムガム団
- 下級生をいじめる、六年生三人組の男の子。マコトをいじめようとして、逆にマコトにやっつけられてしまったことがある。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
それはか去の出来事です。
身体測定で、きょう囲を測った。
このプログラムは、高速でしょ理を行います。
世界中には貧こんの問題を解決するための団体がたくさんあります。
大事なイベントの日付を備ぼう録に書き留めておきました。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「興味や関心がないことを示すために、わざと顔や視線を別の方向に向けること」を表すことばをひらがな七字で書きなさい。
彼女が話し始めると、彼は明らかにしまった。
Practiceの答え
- 答え
過
- 答え
胸
- 答え
処
- 答え
困
- 答え
忘
- 答え
そっぽをむいて
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「あんなこと」について、だれに何と言ったことを指していますか。次のにあてはまることばを文中から書きぬきなさい。
と言ったこと。
線①「あんなこと」について、「あんなこと」を言われた相手の様子がわかる一文を文中からさがし、その初めの六字を書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
マコトに「転校するな!」
- 答え
マコトが一瞬
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ぼくとマコトは口をきいていない」とありますが、「ぼく」がマコトに口をきけない様子がよくわかる一文を文中からさがし、その初めの六字を書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
教室でマコト
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「……なんでもない」とありますが、このとき、「ぼく」はどんな気持ちでしたか。次のにあてはまることばを文中から書きぬきなさい。
ママの顔を見たらなので、そっとしておいてほしい。
Lessonの答え
- 答え
泣きだしてしまいそう
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
『 』で囲まれた場面での「ぼく」の気持ちとして、もっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
ア あきらめ イ 不安 ウ 後悔 エ 怒り
Practiceの答え
- 答え
ウ
8-2 物語文7
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
次の日も、マコトに話しかけることはできなかった。マコトのほうも、わざわざぼくに声をかけたり、こっちを見たりしなかった。友だちといつもどおりにおしゃべりして、いつもどおりに笑って、いたずらをする*ジャンボやタッチにいつもどおり輪ゴムをぶつけて……。
みんな知らないんだ、なにも。マコトはまだ、転校のことをぼく以外の誰にも話していない。
最初は、ほんのちょっとだけ、それがうれしかった。ヒミツを知っているのはぼくだけだ、なんて。
でも、いまは違う。マコトがクラスでぼくにだけ転校の話を打ち明けたってことは、ほかの友だちより早く「バイバイ」を言いたかったってわけで、それって、誰よりも先にぼくとお別れしたいってことでもあって……つまり、マコトはぼくのことなんて大嫌いで……だからさっさと「バイバイ」しちゃって、ほかの友だちとは一日でも長く友だちでいたいから、まだなにも打ち明けてないのかもしれない。
胸がドキドキする。緊張するドキドキよりも、もっと痛い。ズキズキ、だ。
べつにいいけど。そんなの、べつにいいけど。ぼくだってマコトのこと、なんとも思ってないし。あいつ乱暴だし、そっけないし。そうだよ、*転校したての頃はもっと無愛想で、「友だちなんていらない」みたいな態度だったのに、なんだよあいつ、みんなと笑っちゃって、楽しそうで、*チョンマゲをさわらせたりして……。
昼休みが終わって教室に入るとき、外に出ようとしたマコトとドアの前でぶつかりそうになった。
もちろんぼくは、無視。そっぽを向いてマコトの横をすり抜けようとしたら、「ちょっと」と呼び止められた。しかたなく立ち止まって、しかたなく振り向いて、しかたなく「なんだよ」と言った。
「ツヨシ、このまえからなに怒ってんの?」
①頰がカッと熱くなった。あわてて目をそらして、「べつにぃ」と言った。
「怒ってるじゃない、やっぱり」
「怒ってないよ」
「怒ってるっ」
「怒ってないっ……そんなこと言うんだったら、マコトだって……」
「わたしがどうかした?」
「……どうもしてないけど」
そうなんだ。マコトはずーっと、いつものマコトで、クラスのみんなもずーっと、いつものみんなで、ぼくだけ、ぼく一人だけ、面白くなくて、つまらなくて、イライラして、機嫌が悪くて……悲しくて、寂しくて……。
目をそらしたままなにも言えなくなったぼくに、マコトは、ヒューウッとくちぶえを鳴らした。「ま、いいけどね」と軽く笑って、歩きだして、それっきりだった。
(重松清『くちぶえ番長』)
注
- ジャンボやタッチ
- 「ぼく(ツヨシ)」やマコトと同じクラスの男の子。
- 転校したての頃
- マコトは、四年生の四月に「ぼく」が通う小学校に転校してきた。
- チョンマゲ
- マコトは、かみの毛を頭のてっぺんでチョンマゲのように結んでいる。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
頭がいたいときは、早く寝ることが大切だ。
公園でらんぼうな遊びをすると、怪我をすることがありますので、注意してください。
試合に負けたが、選手たちは立派なたい度を見せた。
研究者はデータをみて分析した。
わたしは両手を腰に当てひじをはって立っていた
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「そっけない」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア わたしは日記にその日の出来事をそっけない言葉で書いた。
- イ 弟は自転車をそっけない速さでこいだ。
- ウ 彼女があいさつをしたとき、彼はそっけない返事をした。
- エ 父ははそっけない量のご飯を食べた。
Confirm Testの答え
- 答え
痛い
- 答え
乱暴
- 答え
態
- 答え
視て(見て)
- 答え
張って
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「頰がカッと熱くなった」とありますが、このとき、「ぼく」の「頰がカッと熱くなった」のはなぜですか。もっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア マコトが「ぼく」のことを気にしていたことがわかって、照れくさかったから。
- イ ぶつかりそうになったのにもかかわらず、あやまらなかったマコトの失礼な態度に腹が立ったから。
- ウ 怒っていることをマコトに気づかれていたことが、はずかしかったから。
- エ 「ぼく」が怒っている理由をマコトがわかっていないことを知って、あきれたから。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
次の日も、マコトに話しかけることはできなかった。マコトのほうも、わざわざぼくに声をかけたり、こっちを見たりしなかった。友だちといつもどおりにおしゃべりして、いつもどおりに笑って、いたずらをする*ジャンボやタッチにいつもどおり輪ゴムをぶつけて……。
みんな知らないんだ、なにも。マコトはまだ、転校のことをぼく以外の誰にも話していない。
最初は、ほんのちょっとだけ、それがうれしかった。①ヒミツを知っているのはぼくだけだ、なんて。
でも、いまは違う。マコトがクラスでぼくにだけ転校の話を打ち明けたってことは、ほかの友だちより早く「バイバイ」を言いたかったってわけで、それって、誰よりも先にぼくとお別れしたいってことでもあって……つまり、マコトはぼくのことなんて大嫌いで……だからさっさと「バイバイ」しちゃって、ほかの友だちとは一日でも長く友だちでいたいから、まだなにも打ち明けてないのかもしれない。
胸がドキドキする。緊Aちょうするドキドキよりも、もっとBいたい。ズキズキ、だ。
べつにいいけど。そんなの、べつにいいけど。ぼくだってマコトのこと、なんとも思ってないし。あいつCらんぼうだし、そっけないし。そうだよ、*転校したての頃はもっと無愛想で、「友だちなんていらない」みたいなDたい度だったのに、なんだよあいつ、みんなと笑っちゃって、楽しそうで、*チョンマゲをさわらせたりして……。
昼休みが終わって教室に入るとき、外に出ようとしたマコトとドアの前でぶつかりそうになった。
もちろんぼくは、無Eし。そっぽを向いてマコトの横をすり抜けようとしたら、「ちょっと」と呼び止められた。しかたなく立ち止まって、しかたなく振り向いて、しかたなく「なんだよ」と言った。
「ツヨシ、このまえからなに怒ってんの?」
頰がカッと熱くなった。あわてて目をそらして、「べつにぃ」と言った。
「怒ってるじゃない、やっぱり」
「怒ってないよ」
「怒ってるっ」
「怒ってないっ……そんなこと言うんだったら、マコトだって……」
「わたしがどうかした?」
「……どうもしてないけど」
そうなんだ。マコトはずーっと、いつものマコトで、クラスのみんなもずーっと、いつものみんなで、ぼくだけ、ぼく一人だけ、面白くなくて、つまらなくて、イライラして、機嫌が悪くて……悲しくて、寂しくて……。
目をそらしたままなにも言えなくなったぼくに、マコトは、ヒューウッとくちぶえを鳴らした。「ま、いいけどね」と軽く笑って、歩きだして、それっきりだった。
(重松清『くちぶえ番長』)
注
- ジャンボやタッチ
- 「ぼく(ツヨシ)」やマコトと同じクラスの男の子。
- 転校したての頃
- マコトは、四年生の四月に「ぼく」が通う小学校に転校してきた。
- チョンマゲ
- マコトは、かみの毛を頭のてっぺんでチョンマゲのように結んでいる。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「そっけない」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 他人に対して冷たく、あまり感情を示さない態度を取ること
- イ 話をするときに、いつも笑顔で接すること
- ウ ある事象に対して非常に熱心になること
- エ どこに行っても元気よく挨拶すること
Lessonの答え
- 答え
A 張 B 痛 C 乱暴 D 態 E 視 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
次の日も、マコトに話しかけることはできなかった。マコトのほうも、わざわざぼくに声をかけたり、こっちを見たりしなかった。友だちといつもどおりにおしゃべりして、いつもどおりに笑って、いたずらをする*ジャンボやタッチにいつもどおり輪ゴムをぶつけて……。
みんな知らないんだ、なにも。マコトはまだ、転校のことをぼく以外の誰にも話していない。
最初は、ほんのちょっとだけ、それがうれしかった。ヒミツを知っているのはぼくだけだ、なんて。
でも、いまは違う。マコトがクラスでぼくにだけ転校の話を打ち明けたってことは、ほかの友だちより早く「バイバイ」を言いたかったってわけで、それって、誰よりも先にぼくとお別れしたいってことでもあって……つまり、マコトはぼくのことなんて大嫌いで……だからさっさと「バイバイ」しちゃって、ほかの友だちとは一日でも長く友だちでいたいから、まだなにも打ち明けてないのかもしれない。
胸がドキドキする。緊張するドキドキよりも、もっと痛い。ズキズキ、だ。
べつにいいけど。そんなの、べつにいいけど。ぼくだってマコトのこと、なんとも思ってないし。あいつ乱暴だし、そっけないし。そうだよ、*転校したての頃はもっと無愛想で、「友だちなんていらない」みたいな態度だったのに、なんだよあいつ、みんなと笑っちゃって、楽しそうで、*チョンマゲをさわらせたりして……。
昼休みが終わって教室に入るとき、外に出ようとしたマコトとドアの前でぶつかりそうになった。
もちろんぼくは、無視。そっぽを向いてマコトの横をすり抜けようとしたら、①「ちょっと」と呼び止められた。しかたなく立ち止まって、しかたなく振り向いて、しかたなく「なんだよ」と言った。
「ツヨシ、このまえからなに怒ってんの?」
頰がカッと熱くなった。あわてて目をそらして、「べつにぃ」と言った。
「怒ってるじゃない、やっぱり」
「怒ってないよ」
「怒ってるっ」
「怒ってないっ……そんなこと言うんだったら、マコトだって……」
「わたしがどうかした?」
「……どうもしてないけど」
そうなんだ。マコトはずーっと、いつものマコトで、クラスのみんなもずーっと、いつものみんなで、ぼくだけ、ぼく一人だけ、面白くなくて、つまらなくて、イライラして、機嫌が悪くて……悲しくて、寂しくて……。
目をそらしたままなにも言えなくなったぼくに、マコトは、ヒューウッとくちぶえを鳴らした。「ま、いいけどね」と軽く笑って、歩きだして、それっきりだった。
(重松清『くちぶえ番長』)
注
- ジャンボやタッチ
- 「ぼく(ツヨシ)」やマコトと同じクラスの男の子。
- 転校したての頃
- マコトは、四年生の四月に「ぼく」が通う小学校に転校してきた。
- チョンマゲ
- マコトは、かみの毛を頭のてっぺんでチョンマゲのように結んでいる。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
友達は自分の意見を主ちょうして、みんなに聞かせました。
スポーツをして足を怪我したら、歩くのが苦つうです。
騒いでいると、先生にらんぼうな言葉で叱られた。
科学の実験で水の三つの状たいを学ぶ。
交通安全の授業で、車からのし界を学ぶ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「他人に対して冷たく、あまり感情を示さないたい度を取ること」を表すことばを五字で書きなさい。
会話中、彼の反応に少しさびしさを感じた。
Practiceの答え
- 答え
張
- 答え
痛
- 答え
乱暴
- 答え
態
- 答え
視
- 答え
そっけない
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ヒミツを知っているのはぼくだけだ」とありますが、転校することをマコトから聞いたときの「ぼく」の気持ちとしてもっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア 「ぼく」は口がかたいから、クラスのみんなに信らいされているのだと、いばりたい気持ち。
- イ マコトは「ぼく」のことをいちばん大切な友だちだと思っているのだと、得意に思う気持ち。
- ウ マコトが転校することをクラスの友だちに早く教えてあげたいと、そわそわする気持ち。
- エ 乱暴なマコトが転校すれば、このクラスは静かになるはずだと、ほっとした気持ち。
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「『ちょっと』と呼び止められた」とありますが、このときの「ぼく」の気持ちとしてもっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア マコトに話しかけられたことが、内心うれしかった。
- イ マコトとは話をしないと決めていたので、どうでもよかった。
- ウ 無視しようとしたのに呼び止められたので、ふゆかいだった。
- エ 「ちょっと」という呼び止め方に腹が立った。
Practiceの答え
- 答え
ア
8-3 物語文8
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
①その日、ママは日が暮れても帰ってこなかった。
ぼくは宿題を終えると庭に出た。テレビもマンガも、つまらない。なにをやってもつまらない。ワンの小屋の前にしゃがみこんで、ヒュウッ、ヒュウッ、とくちぶえを吹いた。そうでなくてもくちぶえはヘタなのに、特に調子が悪い。すぐにかすれて、しぼんでしまう。
だめだよ、ツヨシ、もっと勢いよく吹かないと。
マコトの声がよみがえる。
ワンワンワンワンッ、とワンも思い出の中で励ますように吠えた。
パパが会社から帰ってきた。家の中に戻ろうかと思ったけど、なんだかそれも面倒くさくて、しゃがんだままでいたら、パパは*ガレージから直接庭に回って、「やっぱり、ここにいたのか」と笑った。
「ママ、まだ帰ってこないんだよね……なにやってんだろう」
「いろいろ忙しいんだよ、今日は」
パパはやっぱり、ママの外出の理由を知ってるんだ。
それを訊く前に、パパはぼくと並んでワンの小屋の前にしゃがみこんで、「ワンが死んでいちばん悲しかったのはママなんだよ」と言った。
「パパやツヨシはときどき散歩に連れて行くだけだったけど、ママはずーっと、ワンが子犬だった頃からおじいちゃんになるまで、いちばんそばにいたんだもんな」
「でも……犬小屋、もういらないって」
「うん、言ってたなあ」
「ほんとうにワンのことが好きだったら、そんなこと言わないんじゃないの? 犬小屋がなくなったら、ワンのことも思いだせなくなっちゃうじゃない」
パパはうなずきながら笑って、「でもな」と言った。「犬小屋がどんどん汚れて、ボロボロになっていくのを見るのって、つらいだろ」
「それは、まあ……そうだけど……」
「たとえ犬小屋がなくなっても、ワンのことはいつでも思いだせるんだ。ママも、パパも、ツヨシも」
だってそうだろう、とパパは人差し指で犬小屋を指して、それからその指を自分の胸にぴたっと当てた。
「思い出っていうのは、ここにあるんだ。犬小屋がなくなっても、この家からいつか引っ越しちゃっても、ワンはずっと、みんなのここにいるんだよ」
ツン、ツン、ツン、と人差し指で自分の胸をつついて、「ママは②それをツヨシに教えたかったんじゃないのかな」と笑う。
そして、もっとにっこり笑って、もう一言。
「ワンのことだけじゃなくて、さ」
思わず「え?」と聞き返したぼくに、パパはつづけて言った。
「パパは*ヒロカズにはもう会えないけど、あいつは、ずーっと、ここにいるんだ。パパの胸の中で、わんぱくな子どもの頃のまま、笑ってる」
「うん……」
「マコトくんだって同じだよ。ここにいるんだ、これからも、ずーっと」
パパに胸を軽くつつかれて、たまらなく恥ずかしくなって、ダッシュで家の中に戻ったとき、ママが帰ってきた。
(重松清『くちぶえ番長』)
注
- ガレージ
- 車をしまっておくところ。車庫。
- ヒロカズ
- マコトの父親。「ぼく(ツヨシ)」の父親の小学校時代の親友。すでに病気で亡くなっている。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
川の水が増えて、流れのいきおいが強くなった。
冬になると、風邪をひきやすいので、とくに手洗いをしっかりとする。
毎朝、公園でさん歩をするのが日課だ。
木々の影が長くなり、公園はすっかりくれてきた。
映画館で見たコメディ映画で、わらい声が絶えなかった。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「わんぱく」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 姉はわんぱくなので、いつも一人で本を読んでいます。
- イ わんぱくな彼は、ピアノの練習に毎日数時間を費やしています。
- ウ あの子はわんぱくで、試験勉強に一生懸命に取り組んでいます。
- エ 学校の休み時間に、彼女はいつも友達とおにごっこをするわんぱくな子です。
Confirm Testの答え
- 答え
勢い
- 答え
特に
- 答え
散
- 答え
暮れて
- 答え
笑い
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「その日、ママは日が暮れても帰ってこなかった」とありますが、家で一人で過ごしていた「ぼく」の気持ちを表していることばを文中から五字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
つまらない
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「それ」が指しているのはどんなことですか。次の にあてはまることばを、 a は三字、 b は十五字で文中から書きぬきなさい。(完答)
思い出は、ずっと a にあるので、犬小屋がなくなったとしても、 b のだということ。
Confirm Testの答え
- 答え
a 胸の中 b ワンのことはいつでも思いだせる (完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
その日、ママは日がAくれても帰ってこなかった。
ぼくは宿題を終えると庭に出た。テレビもマンガも、つまらない。なにをやってもつまらない。ワンの小屋の前にしゃがみこんで、ヒュウッ、ヒュウッ、とくちぶえを吹いた。そうでなくてもくちぶえはヘタなのに、Bとくに調子が悪い。すぐにかすれて、しぼんでしまう。
だめだよ、ツヨシ、もっとCいきおいよく吹かないと。
マコトの声がよみがえる。
ワンワンワンワンッ、とワンも思い出の中で励ますように吠えた。
パパが会社から帰ってきた。家の中に戻ろうかと思ったけど、なんだかそれも面倒くさくて、しゃがんだままでいたら、①パパは*ガレージから直接庭に回って、「やっぱり、ここにいたのか」とDわらった。
「ママ、まだ帰ってこないんだよね……なにやってんだろう」
「いろいろ忙しいんだよ、今日は」
パパはやっぱり、ママの外出の理由を知ってるんだ。
それを訊く前に、パパはぼくと並んでワンの小屋の前にしゃがみこんで、「ワンが死んでいちばん悲しかったのはママなんだよ」と言った。
「パパやツヨシはときどきEさん歩に連れて行くだけだったけど、ママはずーっと、ワンが子犬だった頃からおじいちゃんになるまで、いちばんそばにいたんだもんな」
「でも……犬小屋、もういらないって」
「うん、言ってたなあ」
「ほんとうにワンのことが好きだったら、そんなこと言わないんじゃないの? 犬小屋がなくなったら、ワンのことも思いだせなくなっちゃうじゃない」
パパはうなずきながらわらって、「でもな」と言った。「犬小屋がどんどん汚れて、ボロボロになっていくのを見るのって、つらいだろ」
「それは、まあ……そうだけど……」
「たとえ犬小屋がなくなっても、ワンのことはいつでも思いだせるんだ。ママも、パパも、ツヨシも」
だってそうだろう、とパパは人差し指で犬小屋を指して、それからその指を自分の胸にぴたっと当てた。
「思い出っていうのは、ここにあるんだ。犬小屋がなくなっても、この家からいつか引っ越しちゃっても、ワンはずっと、みんなのここにいるんだよ」
ツン、ツン、ツン、と人差し指で自分の胸をつついて、「ママはそれをツヨシに教えたかったんじゃないのかな」とわらう。
そして、もっとにっこりわらって、もう一言。
「ワンのことだけじゃなくて、さ」
思わず「え?」と聞き返したぼくに、パパはつづけて言った。
「パパは*ヒロカズにはもう会えないけど、あいつは、ずーっと、ここにいるんだ。パパの胸の中で、わんぱくな子どもの頃のまま、わらってる」
「うん……」
「マコトくんだって同じだよ。ここにいるんだ、これからも、ずーっと」
パパに胸を軽くつつかれて、②たまらなく恥ずかしくなって、ダッシュで家の中に戻ったとき、ママが帰ってきた。
(重松清『くちぶえ番長』)
注
- ガレージ
- 車をしまっておくところ。車庫。
- ヒロカズ
- マコトの父親。「ぼく(ツヨシ)」の父親の小学校時代の親友。すでに病気で亡くなっている。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「わんぱく」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 活動的で、時には手を焼くほど元気なこと
- イ 非常に静かで、あまり話さないこと
- ウ 物事に対して深く考え、慎重に行動すること
- エ 常に新しいアイデアを考え出し創造的であること
Lessonの答え
- 答え
A 暮 B 特 C 勢 D 笑 E 散 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
その日、ママは日が暮れても帰ってこなかった。
ぼくは宿題を終えると庭に出た。テレビもマンガも、つまらない。なにをやってもつまらない。ワンの小屋の前にしゃがみこんで、ヒュウッ、ヒュウッ、とくちぶえを吹いた。そうでなくてもくちぶえはヘタなのに、特に調子が悪い。すぐにかすれて、しぼんでしまう。
だめだよ、ツヨシ、もっと勢いよく吹かないと。
マコトの声がよみがえる。
ワンワンワンワンッ、とワンも思い出の中で励ますように吠えた。
パパが会社から帰ってきた。家の中に戻ろうかと思ったけど、なんだかそれも面倒くさくて、しゃがんだままでいたら、パパは*ガレージから直接庭に回って、「やっぱり、ここにいたのか」と笑った。
「ママ、まだ帰ってこないんだよね……なにやってんだろう」
「いろいろ忙しいんだよ、今日は」
パパはやっぱり、ママの外出の理由を知ってるんだ。
それを訊く前に、パパはぼくと並んでワンの小屋の前にしゃがみこんで、「①ワンが死んでいちばん悲しかったのはママなんだよ」と言った。
「パパやツヨシはときどき散歩に連れて行くだけだったけど、ママはずーっと、ワンが子犬だった頃からおじいちゃんになるまで、いちばんそばにいたんだもんな」
「でも……犬小屋、もういらないって」
「うん、言ってたなあ」
「ほんとうにワンのことが好きだったら、②そんなこと言わないんじゃないの? 犬小屋がなくなったら、ワンのことも思いだせなくなっちゃうじゃない」
パパはうなずきながら笑って、「でもな」と言った。「犬小屋がどんどん汚れて、ボロボロになっていくのを見るのって、つらいだろ」
「それは、まあ……そうだけど……」
「たとえ犬小屋がなくなっても、ワンのことはいつでも思いだせるんだ。ママも、パパも、ツヨシも」
だってそうだろう、とパパは人差し指で犬小屋を指して、それからその指を自分の胸にぴたっと当てた。
「思い出っていうのは、ここにあるんだ。犬小屋がなくなっても、この家からいつか引っ越しちゃっても、ワンはずっと、みんなのここにいるんだよ」
ツン、ツン、ツン、と人差し指で自分の胸をつついて、「ママはそれをツヨシに教えたかったんじゃないのかな」と笑う。
そして、もっとにっこり笑って、もう一言。
「ワンのことだけじゃなくて、さ」
思わず「え?」と聞き返したぼくに、パパはつづけて言った。
「パパは*ヒロカズにはもう会えないけど、あいつは、ずーっと、ここにいるんだ。パパの胸の中で、わんぱくな子どもの頃のまま、笑ってる」
「うん……」
「マコトくんだって同じだよ。ここにいるんだ、これからも、ずーっと」
パパに胸を軽くつつかれて、たまらなく恥ずかしくなって、ダッシュで家の中に戻ったとき、ママが帰ってきた。
(重松清『くちぶえ番長』)
注
- ガレージ
- 車をしまっておくところ。車庫。
- ヒロカズ
- マコトの父親。「ぼく(ツヨシ)」の父親の小学校時代の親友。すでに病気で亡くなっている。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
田舎でくらしていると、自然と触れ合う時間が多い。
科学展で、とく別賞をもらった。
地球温暖化の影響で、台風のせい力が強くなっている。
おもしろい本を読んで、ひとりでわらってしまった。
学校の校庭で、黄色いイチョウの葉がちる秋が好きだ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「活動的で、時には手を焼くほど元気なこと」を表すことばを四字で書きなさい。
妹は小さいころからで、よく木に登っては落ちていた。
Practiceの答え
- 答え
暮らして
- 答え
特
- 答え
勢
- 答え
笑って
- 答え
散る
- 答え
わんぱく
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「たまらなく恥ずかしくなって、ダッシュで家の中に戻った」とありますが、このとき、「ぼく」が恥ずかしくなった理由としてもっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア ワンやマコトのことで、ずっと落ちこんでいる自分が情けなかったから。
- イ 「ぼく」の胸の中に、マコトはずっといるんだと言われて、うれしかったから。
- ウ 「ぼく」がマコトを好きなことを、パパに気づかれているとわかったから。
- エ パパのことばや動作が、しばいがかっていて、照れくさかったから。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ワンが死んでいちばん悲しかったのはママなんだよ」とありますが、パパがこのような話を「ぼく」にしたのは、どのような気持ちからですか。もっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア 元気のない「ぼく」にいらいらする気持ち。
- イ 元気のない「ぼく」をしかりたい気持ち。
- ウ 元気のない「ぼく」を励ましたい気持ち。
- エ 元気のない「ぼく」をからかう気持ち。
Practiceの答え
- 答え
ウ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「パパはガレージから直接庭に回って」とありますが、パパがこうしたのは、なぜだと考えられますか。次のにあてはまることばを文中から七字で書きぬきなさい。
最近元気がなくさびしそうなので、ツヨシはにいるのではないかと思ったから。
Lessonの答え
- 答え
ワンの小屋の前
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「そんなこと」とありますが、具体的にはどういうことですか。次のにあてはまることばを文中からそれぞれ三字と四字で書きぬきなさい。(完答)
ママがをもうと言っていること。
Practiceの答え
- 答え
犬小屋・いらない(完答)
9章 文法
文の成分・文節相互の関係
9-1 文の成分
Confirm Test
あとの(1)〜(5)は、どんな文の成分について説明していますか。次のア~オから選び、それぞれ記号で答えなさい。
ア 主語 イ 述語 ウ 修飾語
エ 接続語 オ 独立語
文と文、ことばとことばをつなぐはたらきをすることば。
「春が来る。」の「春が」のように、「何が(だれが)」を表すことば。
感動や呼びかけ、話題を示すはたらきをすることば。
他のことばをくわしく説明することば。
「月がきれいだ。」の「きれいだ」のように、「どうする」「どんなだ」「何だ」「ある・いる・ない」を表すことば。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
- 答え
ア
- 答え
オ
- 答え
ウ
- 答え
イ
Confirm Test
あとの各文の線部のはたらきを次のア〜オから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
ア 主語 イ 述語 ウ 修飾語
エ 接続語 オ 独立語
雨はやんだ。だが、風は ますます 強く なってきた。
これは 今 できたばかりの パンです。
もしもし、田中さんの おたくですか。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
- 答え
イ
- 答え
オ
Point
Lesson
Lesson
あとの(1)〜(5)は、どんな文の成分について説明していますか。次のア~オから選び、それぞれ記号で答えなさい。
ア 主語 イ 述語 ウ 修飾語
エ 接続語 オ 独立語
「春が来る。」の「春が」のように、「何が(だれが)」を表すことば。
他のことばをくわしく説明することば。
文と文、ことばとことばをつなぐはたらきをすることば。
「月がきれいだ。」の「きれいだ」のように、「どうする」「どんなだ」「何だ」「ある・いる・ない」を表すことば。
感動や呼びかけ、話題を示すはたらきをすることば。
Lessonの答え
- 答え
ア
- 答え
ウ
- 答え
エ
- 答え
イ
- 答え
オ
Practice
あとの(1)〜(5)は、どんな文の成分について説明していますか。次のア~オから選び、それぞれ記号で答えなさい。
ア 主語 イ 述語 ウ 修飾語
エ 接続語 オ 独立語
感動や呼びかけ、話題を示すはたらきをすることば。
文と文、ことばとことばをつなぐはたらきをすることば。
他のことばをくわしく説明することば。
「月がきれいだ。」の「きれいだ」のように、「どうする」「どんなだ」「何だ」「ある・いる・ない」を表すことば。
「春が来る。」の「春が」のように、「何が(だれが)」を表すことば。
Practiceの答え
- 答え
オ
- 答え
エ
- 答え
ウ
- 答え
イ
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
あとの各文の線部のはたらきを次のア〜オから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
ア 主語 イ 述語 ウ 修飾語
エ 接続語 オ 独立語
ぼくは ゆっくりと 山道を 歩いた。
いつのまにか 町は 静かに なった。
まあ、なんて すてきな 絵でしょう。
Lessonの答え
- 答え
イ
- 答え
ア
- 答え
オ
Practice
あとの各文の線部のはたらきを次のア〜オから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
ア 主語 イ 述語 ウ 修飾語
エ 接続語 オ 独立語
紅茶に しますか。それとも ジュースに しますか。
弟は いつまでも 公園で 遊びたがった。
それは たしかに いいね。
Practiceの答え
- 答え
エ
- 答え
ウ
- 答え
ア
9-2 文節と文節の関係
Confirm Test
あとの各文の線部の文節と文節はどのような関係にありますか。次のア~エから選び、それぞれ記号で答えなさい。
ア 主語・述語の関係 イ 修飾・被修飾の関係
ウ 並立の関係 エ 補助の関係
とても美しい 花が庭にたくさん咲いた。
友だちの学校が全国大会で大活躍して、たくさんの賞を受賞した。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
- 答え
ア
Confirm Test
次の線部の文節は、どの文節を修飾していますか。それぞれ記号で答えなさい。
姉から アクッキーを イ五枚 ウもらう。
日曜日に、ア家ぞくで イショッピングセンターへ ウ買い物に エ行く。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
あとの各文の線部の文節と文節はどのような関係にありますか。次のア~エから選び、それぞれ記号で答えなさい。
ア 主語・述語の関係 イ 修飾・被修飾の関係
ウ 並立の関係 エ 補助の関係
公園で子どもたちが遊んで いる。
野球の試合が市民グラウンドで行われた。
Lessonの答え
- 答え
エ
- 答え
ア
Practice
あとの各文の線部の文節と文節はどのような関係にありますか。次のア~エから選び、それぞれ記号で答えなさい。
ア 主語・述語の関係 イ 修飾・被修飾の関係
ウ 並立の関係 エ 補助の関係
出かけていた父と 母がもどってきた。
湖の上をきれいな遊覧船がゆっくりと 進む。
Practiceの答え
- 答え
ウ
- 答え
イ
Lesson
Lesson
次の線部の文節は、どの文節を修飾していますか。それぞれ記号で答えなさい。
小さな ア虫が イ部屋に ウ入って エきた。
もっと ア落ち着きなよ、イあせる ウ必要は エないから。
Lessonの答え
- 答え
ア
- 答え
ア
Practice
次の線部の文節は、どの文節を修飾していますか。それぞれ記号で答えなさい。
あらゆる ア国の イ人が ウ集まる。
ぜひ、アかれの イ記録を ウ破りたい。
Practiceの答え
- 答え
ア
- 答え
ウ
10章 説明文
説明文の読み方
10-1 説明文7
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
生まれたばかりの赤ん坊は、視力も運動能力も未発達ですが、聴覚だけはほぼ完全に発達しています。母親の胎内にいるときからすでに、胎児は母親の聞いている音を聞いているといわれるほどです。たとえば、母親がテレビを見れば、その音声に、胎児が反応しているといわれます。
こうしたことを考えれば、耳からの教育は、生まれたときから行わなくてはならないことがわかります。できるだけ早く*インプリンティングを始めなくてはいけません。ところが、ほかの能力が未発達のために、つい、聴覚もそうかと思い無頓着になり、しっかりとしたことばの教育をしないまま、すごしてしまいがちです。
こどもにとって、生まれてはじめてのことばは、母親のことばです。もちろん、文字を教えても意味がありません。ただ、ことばを聞かせるだけでよいのです。生まれたらなるべく早く、その日のうちに、母親の声を聞かせるのが望ましいといわれています。
母親は、こどもにとってはじめてのことばの先生です。その先生が、もしもことばをきちんと話さなければ、どうなるでしょうか。人間のことばの文化が、世代を超えて伝わらないことになってしまいます。これは、たいへんなことです。
そして母親はことばを教えるのに適しています。不思議なことに、古今東西を問わず、女性は男性にくらべてよくしゃべるといわれています。近ごろの説によれば、エストロゲンという女性ホルモンの影響で、女性は男性よりも言語能力がすぐれているのだそうです。つまり、自然の*摂理によって、こどもを産むことと、赤ん坊にことばを伝えていくことが、結びついているのです。
耳からことばを覚えていく赤ん坊にとって、先生である母親のことばはとても大切です。こどもにことばを刷り込むために、おかあさんは、とにかくたくさんしゃべらなければなりません。こどもは、それを何度も何度も、くりかえし聞いているうちに、やがて、すこしずつことばを覚えていくのです。
①この、はじめのことばのことを、私は、「母乳語」と呼んでいます。赤ん坊が母乳だけで、体がどんどん成長していくのと同じように、こどもの内面は、母乳語だけで育っていきます。母乳が体の糧なら、母乳語はこころの糧というわけです。母親のことばだけで、こどものこころは、どんどん発達していきます。
アメリカでは、生まれたばかりのこどもに話す母親のことばを、「マザーリーズ」といいます。マザーリーズとなることばは、次のような特徴をそなえているといわれます。
- ・ 普通より、すこし高い調子の声で話す
- ・ *抑揚を大きくする
- ・ くりかえし言う
- ・ おだやかに、できれば、ほほえみを浮かべて話す
このなかでとくに注目したいのは、「 A 」ということです。というのも、母乳語はインプリンティングのことばだからです。どんなに優秀な子でも、はじめて聞いたことばを、一度や二度では覚えられません。何度も何度もくりかえし聞いているうちに、自然にことばがわかってくるのです。これが、はじめのことばを習得する基本です。
このため、母乳語では、 B という行為が、どうしても必要なのです。
(外山滋比古『わが子に伝える「絶対語感」』)
注
- インプリンティング
- 親がやってみせ、子がまねするというのをくりかえすことで覚えていく、動物によく見られる学習形態。
- 摂理
- この世のいろいろなことを支配している法則。
- 抑揚
- 声やことばの調子を上げたり下げたりすること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
実験で使った薬品が色を変え、面白い反のうを見せた。
新しいパソコンは処理のう力が高い。
兄は仕事と家庭の公しのバランスを大切にしている。
この話は実際の出来事にもとづいている。
友達とせい格がとても似ている。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「糧」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 彼は毎日の歯みがきを糧としている。
- イ 学生にとって放課後のバス待ち時間が糧になっている。
- ウ 父は毎日の電車通勤を生活の糧としている。
- エ 失敗を糧にして、彼は大きな成功をおさめた。
Confirm Testの答え
- 答え
応
- 答え
能
- 答え
私
- 答え
基づいて
- 答え
性
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この、はじめのことばのことを、私は、『母乳語』と呼んでいます」とありますが、筆者は「母乳語」をどういうものだと考えていますか。次の にあてはまることばを文中から七字で書きぬきなさい。
母乳が赤ん坊の体を成長させるように、母乳語は を発達させていく。
Confirm Testの答え
- 答え
こどものこころ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
A ・ B に共通してあてはまることばとしてもっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア 普通より、すこし高い調子の声で話す
- イ 抑揚を大きくする
- ウ くりかえし言う
- エ おだやかに、できれば、ほほえみを浮かべて話す
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
生まれたばかりの赤ん坊は、視力も運動Aのう力も未発達ですが、聴覚だけはほぼ完全に発達しています。母親の胎内にいるときからすでに、胎児は母親の聞いている音を聞いているといわれるほどです。たとえば、母親がテレビを見れば、その音声に、胎児が反Bのうしているといわれます。
こうしたことを考えれば、①耳からの教育は、生まれたときから行わなくてはならないことがわかります。できるだけ早く*インプリンティングを始めなくてはいけません。ところが、ほかののう力が未発達のために、つい、聴覚もそうかと思い無頓着になり、しっかりとしたことばの教育をしないまま、すごしてしまいがちです。
こどもにとって、生まれてはじめてのことばは、母親のことばです。もちろん、文字を教えても意味がありません。ただ、ことばを聞かせるだけでよいのです。生まれたらなるべく早く、その日のうちに、母親の声を聞かせるのが望ましいといわれています。
母親は、こどもにとってはじめてのことばの先生です。その先生が、もしもことばをきちんと話さなければ、どうなるでしょうか。人間のことばの文化が、世代を超えて伝わらないことになってしまいます。これは、たいへんなことです。
そして②母親はことばを教えるのに適しています。不思議なことに、古今東西を問わず、女Cせいは男せいにくらべてよくしゃべるといわれています。近ごろの説によれば、エストロゲンという女せいホルモンの影響で、女せいは男せいよりも言語のう力がすぐれているのだそうです。つまり、自然の*摂理によって、こどもを産むことと、赤ん坊にことばを伝えていくことが、結びついているのです。
耳からことばを覚えていく赤ん坊にとって、先生である母親のことばはとても大切です。こどもにことばを刷り込むために、おかあさんは、とにかくたくさんしゃべらなければなりません。こどもは、それを何度も何度も、くりかえし聞いているうちに、やがて、すこしずつことばを覚えていくのです。
この、はじめのことばのことを、Dわたくしは、「母乳語」と呼んでいます。赤ん坊が母乳だけで、体がどんどん成長していくのと同じように、こどもの内面は、母乳語だけで育っていきます。母乳が体の糧なら、母乳語はこころの糧というわけです。母親のことばだけで、こどものこころは、どんどん発達していきます。
アメリカでは、生まれたばかりのこどもに話す母親のことばを、「マザーリーズ」といいます。マザーリーズとなることばは、次のような特徴をそなえているといわれます。
- ・ 普通より、すこし高い調子の声で話す
- ・ *抑揚を大きくする
- ・ くりかえし言う
- ・ おだやかに、できれば、ほほえみを浮かべて話す
このなかでとくに注目したいのは、「くりかえし言う」ということです。というのも、母乳語はインプリンティングのことばだからです。どんなに優秀な子でも、はじめて聞いたことばを、一度や二度では覚えられません。何度も何度もくりかえし聞いているうちに、自然にことばがわかってくるのです。これが、はじめのことばを習得するEき本です。
このため、母乳語では、くりかえし言うという行為が、どうしても必要なのです。
(外山滋比古『わが子に伝える「絶対語感」』)
注
- インプリンティング
- 親がやってみせ、子がまねするというのをくりかえすことで覚えていく、動物によく見られる学習形態。
- 摂理
- この世のいろいろなことを支配している法則。
- 抑揚
- 声やことばの調子を上げたり下げたりすること。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「糧」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 物事を行う際の具体的な計画や方法
- イ 目標を達成するための直接的な手段
- ウ 人生や活動を支え、力になるものや経験
- エ 環境や状況を改善するための具体的な措置
Lessonの答え
- 答え
A 能 B 応 C 性 D 私 E 基 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
『生まれたばかりの赤ん坊は、視力も運動能力も未発達ですが、聴覚だけはほぼ完全に発達しています。母親の胎内にいるときからすでに、胎児は母親の聞いている音を聞いているといわれるほどです。たとえば、母親がテレビを見れば、その音声に、胎児が反応しているといわれます。
こうしたことを考えれば、耳からの教育は、生まれたときから行わなくてはならないことがわかります。できるだけ早く*インプリンティングを始めなくてはいけません。ところが、ほかの能力が未発達のために、つい、聴覚もそうかと思い無頓着になり、しっかりとした①ことばの教育をしないまま、すごしてしまいがちです。
こどもにとって、生まれてはじめてのことばは、母親のことばです。もちろん、文字を教えても意味がありません。ただ、ことばを聞かせるだけでよいのです。生まれたらなるべく早く、その日のうちに、母親の声を聞かせるのが望ましいといわれています。』
母親は、こどもにとってはじめてのことばの先生です。その先生が、もしもことばをきちんと話さなければ、どうなるでしょうか。人間のことばの文化が、世代を超えて伝わらないことになってしまいます。これは、たいへんなことです。
そして母親はことばを教えるのに適しています。不思議なことに、古今東西を問わず、女性は男性にくらべてよくしゃべるといわれています。近ごろの説によれば、エストロゲンという女性ホルモンの影響で、女性は男性よりも言語能力がすぐれているのだそうです。つまり、自然の*摂理によって、こどもを産むことと、赤ん坊にことばを伝えていくことが、結びついているのです。
耳からことばを覚えていく赤ん坊にとって、先生である母親のことばはとても大切です。こどもにことばを刷り込むために、おかあさんは、②とにかくたくさんしゃべらなければなりません。こどもは、それを何度も何度も、くりかえし聞いているうちに、やがて、すこしずつことばを覚えていくのです。
この、はじめのことばのことを、私は、「母乳語」と呼んでいます。赤ん坊が母乳だけで、体がどんどん成長していくのと同じように、こどもの内面は、母乳語だけで育っていきます。母乳が体の糧なら、母乳語はこころの糧というわけです。母親のことばだけで、こどものこころは、どんどん発達していきます。
アメリカでは、生まれたばかりのこどもに話す母親のことばを、「マザーリーズ」といいます。マザーリーズとなることばは、次のような特徴をそなえているといわれます。
- ・ 普通より、すこし高い調子の声で話す
- ・ *抑揚を大きくする
- ・ くりかえし言う
- ・ おだやかに、できれば、ほほえみを浮かべて話す
このなかでとくに注目したいのは、「くりかえし言う」ということです。というのも、母乳語はインプリンティングのことばだからです。どんなに優秀な子でも、はじめて聞いたことばを、一度や二度では覚えられません。何度も何度もくりかえし聞いているうちに、自然にことばがわかってくるのです。これが、はじめのことばを習得する基本です。
このため、母乳語では、くりかえし言うという行為が、どうしても必要なのです。
(外山滋比古『わが子に伝える「絶対語感」』)
注
- インプリンティング
- 親がやってみせ、子がまねするというのをくりかえすことで覚えていく、動物によく見られる学習形態。
- 摂理
- この世のいろいろなことを支配している法則。
- 抑揚
- 声やことばの調子を上げたり下げたりすること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
学校でのう楽の授業があった。
道でアンケートにおうじ、真剣に質問に答えた。
水のせい質についての実験を科学の授業で行った。
わたしは毎朝、7時に家を出る。
このテストは全国の平均点をき準にしている。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「人生や活動を支え、力になるものや経験」を表すことばをひらがな二字で書きなさい。
苦しい時期を乗りこえたことが、わたしの人生の大きなになっている。
Practiceの答え
- 答え
能
- 答え
応
- 答え
性
- 答え
私
- 答え
基
- 答え
かて
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「耳からの教育は、生まれたときから行わなくてはならないことがわかります」とありますが、筆者がこう述べるのは、どのような事実があるからですか。次の にあてはまることばを文中から十四字で書きぬきなさい。
赤ん坊は生まれたばかりでも いるという事実。
Lessonの答え
- 答え
聴覚だけはほぼ完全に発達して
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ことばの教育」とありますが、「ことばの教育」をするとは、どうすることですか。次の にあてはまることばを本文の『 』で囲まれた部分から八字で書きぬきなさい。
こどもに こと。
Practiceの答え
- 答え
ことばを聞かせる
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「母親はことばを教えるのに適しています」とありますが、それはなぜですか。もっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア こどもがはじめて耳にすることばは、母親のことばだから。
- イ 母親はいつもこどものそばについていることができるから。
- ウ こどもの内面は、母親のことばだけで発達していくから。
- エ 女性の言語能力は男性よりもすぐれているから。
Lessonの答え
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「とにかくたくさんしゃべらなければなりません」とありますが、それはなぜですか。もっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア ホルモンの影響により、こどもを産む女性の言語能力は男性よりも低いため。
- イ 聴覚からことばを覚えるこどもにとって、母親からことばをたくさん刷り込まれる必要があるため。
- ウ 母乳語はこどもの糧であり、母乳語によってこどもの体が成長していくため。
- エ 赤ん坊は視力が未発達であり、文字と合わせて聴覚からもことばを覚える必要があるため。
Practiceの答え
- 答え
イ
10-2 説明文8
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ことばとは、一種の記号です。言い換えれば、ものごとをことばに結びつける約束が、ことばの体系をつくり上げているのです。国によって、その結びつきの約束が異なるために、日本の「水」が、英語圏では「ウォーター」、ドイツ語なら「ワッサー」、フランス語なら「オー」になるわけです。
母乳語は、まず、この結びつきの約束を覚えることから始まります。たとえば母親が、イヌを見るたびに「ワンワン」ということばを語りかければ、こどもの脳には、ワンワンということばが刷り込まれます。そして、そのうちに、イヌという動物と、ワンワンということばが結びつくようになります。これが、ことばを覚えるということです。
もちろん、一度や二度ではだめです。どうしても、刷り込みが必要なのです。ものを学び、覚えるために、くりかえすということは、もっとも大切な方法ですが、ことばも例外ではありません。
このようなやり方で、充分に母乳語を与えられた子は、ものとことばの結びつきを自然な形で体得することができます。この過程に必要な期間は、およそ三十カ月。すくなくとも二年半程度は、母乳語の習得に時間をかける必要があります。
さて、人間のことばが、イヌという動物をワンワンと結びつけるだけのものなら、ことばの習得はそれでおしまいということになります。けれども、人間にとって、ことばとはそれほど単純なものではありません。自らをホモ・サピエンス(知恵ある人)と称する私たち人間は、母乳語とは別の、より高度で複雑な、もうひとつのことばを身につけているのです。
母乳語が表すことができるのは、具体的なものごとに限られます。つまり、ことばは、ひとつひとつ、ものごとに、ぴったり結びつくようになるという約束が、母乳語の基本です。
これに対して、私たちのもっているもうひとつのことばは、ものごととかならずしも一致はしません。母乳語のように、目に見えたり、触ったりすることのできる〝何か〟を指し示すのではなく、目に見えない、抽象的な〝ものごと〟を表すことばなのです。このとき、ことばは、ものとの関係が断ち切られています。母乳語で結びつけた、ものとことばとの関係を、こんどは再び切り離さなくてはいけないわけです。
せっかく結びつけた、ものごととことばの間を切り離すのですから、こどもにとっては、じつにたいへんなことです。このため、母乳語については、ほとんどのこどもがうまく身につけられるのに対して、こちらの抽象的なことばについては、うまく習得できないこどもも、すくなくありません。この段階を、私はことばの「離乳期」と考えています。
母乳を飲んでいた子がやがて離乳するように、母乳語を与えられていたこどもは、やがて、抽象的なことばの使い方をする離乳語へ切り換わらなくてはなりません。もちろん、ことばの離乳は、実際の離乳と違って、離乳したあとも、母乳語と離乳語の二つの種類の言語をともに使い続けるという特徴があります。具体的なものと結びついた母乳語と、抽象的なものを表す離乳語。この二つの言語の*併用で、人間は高度な文化をつくりあげてきたわけです。
ところが、こうした二種類の言語を意識しながら、子育てをしている母親は、あまりいないのではないでしょうか。多くの場合、母乳語だけで子育てが終わってしまい、離乳語への移行が、きちんと行われていないように思われます。①あいまいなことばの教育は、やがて、こどもの言語能力の形成に、大きな影響を及ぼすことになります。
(外山滋比古『わが子に伝える「絶対語感」』)
注
- 併用
- 二つ以上のものをいっしょに用いること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
本から多くの知識をえる。
人間ののうは思考や感情を司っている。
私たちにできることは、力のかぎりを尽くすことだ。
ゲームのルールがふく雑で理解するのが難しい。
会社で新しいチラシを大量にする必要があった。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「抽象的」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 姉は自分の将来について抽象的に考えがちです。
- イ 今日の朝食は抽象的に美味しかった。
- ウ わたしは抽象的な風邪をひいた。
- エ 彼は抽象的な速さで走った。
Confirm Testの答え
- 答え
得る
- 答え
脳
- 答え
限り
- 答え
複
- 答え
刷る
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「あいまいなことばの教育」とは、どんなことを指していますか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア こどもに母乳語を教えても、離乳語はきちんと教えないこと。
- イ 母乳語と離乳語の二種類の言語があることを教えないこと。
- ウ 抽象的なことばをこどもに教えること。
- エ 母乳語と離乳語をいっしょにこどもに教えること。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章では、「母乳語」と「離乳語」について説明されていますが、「母乳語」と「離乳語」の両方にあてはまるものを次のア〜カから選び、記号で答えなさい。
- ア 習得するうえで、すくなくとも二年半程度の時間をかける必要があることばである。
- イ 人間が高度な文化をつくりあげるために用いられてきたことばである。
- ウ 表すことができるのは、具体的なものごとに限られることばである。
- エ 目に見えない、抽象的な〝ものごと〟を表すことばである。
- オ ほとんどのこどもがうまく身につけられることばである。
- カ ものとの関係が断ち切られていて、ものごととかならずしも一致しないことばである。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ことばとは、一種の記号です。言い換えれば、ものごとをことばに結びつける約束が、ことばの体系をつくり上げているのです。国によって、その結びつきの約束が異なるために、日本の「水」が、英語圏では「ウォーター」、ドイツ語なら「ワッサー」、フランス語なら「オー」になるわけです。
母乳語は、まず、この結びつきの約束を覚えることから始まります。たとえば母親が、イヌを見るたびに「ワンワン」ということばを語りかければ、こどものAのうには、ワンワンということばがBすり込まれます。そして、そのうちに、イヌという動物と、ワンワンということばが結びつくようになります。これが、ことばを覚えるということです。
もちろん、一度や二度ではだめです。どうしても、すり込みが必要なのです。ものを学び、覚えるために、くりかえすということは、もっとも大切な方法ですが、ことばも例外ではありません。
このようなやり方で、充分に母乳語を与えられた子は、ものとことばの結びつきを自然な形で体Cとくすることができます。①この過程に必要な期間は、およそ三十カ月。すくなくとも二年半程度は、母乳語の習とくに時間をかける必要があります。
さて、人間のことばが、イヌという動物をワンワンと結びつけるだけのものなら、ことばの習とくはそれでおしまいということになります。けれども、人間にとって、ことばとはそれほど単純なものではありません。自らをホモ・サピエンス(知恵ある人)と称する私たち人間は、母乳語とは別の、より高度でDふく雑な、もうひとつのことばを身につけているのです。
母乳語が表すことができるのは、具体的なものごとにEかぎられます。つまり、ことばは、ひとつひとつ、ものごとに、ぴったり結びつくようになるという約束が、母乳語の基本です。
これに対して、私たちのもっているもうひとつのことばは、ものごととかならずしも一致はしません。母乳語のように、目に見えたり、触ったりすることのできる〝何か〟を指し示すのではなく、目に見えない、抽象的な〝ものごと〟を表すことばなのです。このとき、ことばは、ものとの関係が断ち切られています。母乳語で結びつけた、ものとことばとの関係を、こんどは再び切り離さなくてはいけないわけです。
せっかく結びつけた、ものごととことばの間を切り離すのですから、こどもにとっては、じつにたいへんなことです。このため、母乳語については、ほとんどのこどもがうまく身につけられるのに対して、こちらの抽象的なことばについては、うまく習とくできないこどもも、すくなくありません。この段階を、私はことばの「離乳期」と考えています。
母乳を飲んでいた子がやがて離乳するように、母乳語を与えられていたこどもは、やがて、抽象的なことばの使い方をする離乳語へ切り換わらなくてはなりません。もちろん、ことばの離乳は、実際の離乳と違って、離乳したあとも、母乳語と離乳語の二つの種類の言語をともに使い続けるという特徴があります。具体的なものと結びついた母乳語と、抽象的なものを表す離乳語。この二つの言語の*併用で、人間は高度な文化をつくりあげてきたわけです。
ところが、こうした二種類の言語を意識しながら、子育てをしている母親は、あまりいないのではないでしょうか。多くの場合、母乳語だけで子育てが終わってしまい、離乳語への移行が、きちんと行われていないように思われます。あいまいなことばの教育は、やがて、こどもの言語能力の形成に、大きな影響を及ぼすことになります。
(外山滋比古『わが子に伝える「絶対語感」』)
注
- 併用
- 二つ以上のものをいっしょに用いること。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「抽象的」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 詳細にわたって物事を説明すること
- イ 具体的な事例や形にはっきりと現れない、概念的なこと
- ウ 一つ一つの段階を細かく追うこと
- エ 物事を実際にふれることができること
Lessonの答え
- 答え
A 脳 B 刷 C 得 D 複 E 限 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ことばとは、一種の記号です。言い換えれば、ものごとをことばに結びつける約束が、ことばの体系をつくり上げているのです。国によって、その結びつきの約束が異なるために、日本の「水」が、英語圏では「ウォーター」、ドイツ語なら「ワッサー」、フランス語なら「オー」になるわけです。
母乳語は、まず、この結びつきの約束を覚えることから始まります。たとえば母親が、イヌを見るたびに「ワンワン」ということばを語りかければ、こどもの脳には、ワンワンということばが刷り込まれます。そして、そのうちに、イヌという動物と、ワンワンということばが結びつくようになります。これが、ことばを覚えるということです。
もちろん、一度や二度ではだめです。どうしても、刷り込みが必要なのです。ものを学び、覚えるために、くりかえすということは、もっとも大切な方法ですが、ことばも例外ではありません。
このようなやり方で、充分に母乳語を与えられた子は、ものとことばの結びつきを自然な形で体得することができます。この過程に必要な期間は、およそ三十カ月。すくなくとも二年半程度は、母乳語の習得に時間をかける必要があります。
さて、人間のことばが、イヌという動物をワンワンと結びつけるだけのものなら、ことばの習得はそれでおしまいということになります。けれども、人間にとって、ことばとはそれほど単純なものではありません。自らをホモ・サピエンス(知恵ある人)と称する私たち人間は、母乳語とは別の、より高度で複雑な、もうひとつのことばを身につけているのです。
母乳語が表すことができるのは、具体的なものごとに限られます。つまり、ことばは、ひとつひとつ、ものごとに、ぴったり結びつくようになるという約束が、母乳語の基本です。
これに対して、私たちのもっているもうひとつのことばは、ものごととかならずしも一致はしません。母乳語のように、目に見えたり、触ったりすることのできる〝何か〟を指し示すのではなく、目に見えない、抽象的な〝ものごと〟を表すことばなのです。このとき、ことばは、ものとの関係が断ち切られています。母乳語で結びつけた、ものとことばとの関係を、こんどは再び切り離さなくてはいけないわけです。
せっかく結びつけた、ものごととことばの間を切り離すのですから、こどもにとっては、じつにたいへんなことです。このため、①母乳語については、ほとんどのこどもがうまく身につけられるのに対して、こちらの抽象的なことばについては、うまく習得できないこどもも、すくなくありません。この段階を、私はことばの「離乳期」と考えています。
母乳を飲んでいた子がやがて離乳するように、母乳語を与えられていたこどもは、やがて、抽象的なことばの使い方をする離乳語へ切り換わらなくてはなりません。もちろん、ことばの離乳は、実際の離乳と違って、離乳したあとも、母乳語と離乳語の二つの種類の言語をともに使い続けるという特徴があります。具体的なものと結びついた母乳語と、抽象的なものを表す離乳語。この二つの言語の*併用で、人間は高度な文化をつくりあげてきたわけです。
ところが、こうした二種類の言語を意識しながら、子育てをしている母親は、あまりいないのではないでしょうか。多くの場合、母乳語だけで子育てが終わってしまい、離乳語への移行が、きちんと行われていないように思われます。あいまいなことばの教育は、やがて、こどもの言語能力の形成に、大きな影響を及ぼすことになります。
(外山滋比古『わが子に伝える「絶対語感」』)
注
- 併用
- 二つ以上のものをいっしょに用いること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
パズルはのうを活性化させるのに良いと言われている。
クラスで使う資料を自宅で印さつしてきた。
料理がとく意な友達は、いつも美味しいケーキを焼いてくれる。
ふく数の問題を同時に解くのが得意だ。
このチケットは数量げん定で発売される。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「具体的な事例や形にはっきりと現れない、概念的なこと」を表すことばをひらがな八字で書きなさい。
彼の話はいつもで、理解できない。
Practiceの答え
- 答え
脳
- 答え
刷
- 答え
得
- 答え
複
- 答え
限
- 答え
ちゅうしょうてき
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この過程」とありますが、どういう過程ですか。「~過程」につながる二十字以上二十五字以内のことばを文中から書きぬきなさい。
過程。
Lessonの答え
- 答え
ものとことばの結びつきを自然な形で体とくする(過程。)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「母乳語については、ほとんどのこどもがうまく身につけられる」のは、母乳語がどんなことばだからですか。「〜ことば。」につながる二十五字以上三十字以内のことばを文中からさがし、その初めと終わりの四字を書きぬきなさい。
〜 ことば。
Practiceの答え
- 答え
目に見え〜指し示す(ことば。)
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章では、「母乳語」と「離乳語」について説明されていますが、「母乳語」にあてはまるものを次のア〜カからすべて選び、記号で答えなさい。(順不同・完答)
- ア 習得するうえで、すくなくとも二年半程度の時間をかける必要があることばである。
- イ 人間が高度な文化をつくりあげるために用いられてきたことばである。
- ウ 表すことができるのは、具体的なものごとに限られることばである。
- エ 目に見えない、抽象的な〝ものごと〟を表すことばである。
- オ ほとんどのこどもがうまく身につけられることばである。
- カ ものとの関係が断ち切られていて、ものごととかならずしも一致しないことばである。
Lessonの答え
- 答え
ア、ウ、オ (順不同・完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章では、「母乳語」と「離乳語」について説明されていますが、「離乳語」にあてはまるものを次のア〜カからすべて選び、記号で答えなさい。(順不同・完答)
- ア 習得するうえで、すくなくとも二年半程度の時間をかける必要があることばである。
- イ 人間が高度な文化をつくりあげるために用いられてきたことばである。
- ウ 表すことができるのは、具体的なものごとに限られることばである。
- エ 目に見えない、抽象的な〝ものごと〟を表すことばである。
- オ ほとんどのこどもがうまく身につけられることばである。
- カ ものとの関係が断ち切られていて、ものごととかならずしも一致しないことばである。
Practiceの答え
- 答え
エ、カ (順不同・完答)
10-3 説明文9
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
母乳語は、具体的なことばです。イヌといえば、本当のイヌ、あるいは、イヌの絵がなくてはいけません。イヌを見たことのない子に、イヌということばを教えることはできないのです。
これにたいして離乳語では、ことばはかならずしも、ものごとと結びついていなくてもよいのです。そのものが実在していなくても、あるかのように、ことばを使うことができるわけです。
たとえば、イソップ*寓話にある、オオカミ少年の話を例にあげてみましょう。
少年が、村人たちに、
「オオカミが来た」
と言ったとき、このことばは、事実とは結びついていませんでした。つまり、ウソだったのです。村人は、このことばを本当だと思い、大騒ぎをしました。少年は何度もウソをつき、村人はそのたびにだまされました。これが何度もくりかえされると、村人はようやく、このことばが事実の裏づけのない、ウソだと悟るのです。
このオオカミ少年のことばが、離乳語のひとつです。つまり少年は、離乳語を悪用して、村人をおどろかせたのです。
このように、離乳語の特徴のひとつは、ウソがつけるということです。そんなふうに言うと、ウソなどつけなくてもよいではないかという人も、いるかもしれません。けれども、ウソというのは、人間の文化のなかで、とても大切な役割をはたしているのです。
*フィクション、創作、発見、発明など、人間が新たにつくりだすものはみな、ウソから生まれたマコトといっても過言ではありません。人間は、価値のあるウソをつぎつぎとつくり出しながら、文化を築いてきたのです。ウソは他人の迷惑になることがあるために、*モラルとして*抑制されて、いけないことになっていますが、一方で、人間がウソをつくことができなければ、これまでのような文化は生まれなかったかもしれません。これが、文化のむずかしいところでもあるのです。
こどもが母乳語から離乳語の段階に入り、離乳語の習得がすすんでくると、つくり話やホラ話を喜ぶようになります。だからといって、①この時期に、正直が大切だというのでいっさいウソを認めないようなしつけをしてしまうと、こどもの想像力が*萎縮してしまうおそれがあります。子育てをしている母親を見ていると、そのようなことが、しばしば起こっていることに気づかされます。
ウソは、人の迷惑にならない限りは、許容することも必要です。離乳語は、豊かなウソをつくり出しながら、想像力を広げ、頭のはたらきをよくする作用があるのです。母乳語と調和しながら離乳語が発達するこの時期は、こどもごころ、つまり三つ子の魂が、つくりあげられる時期に重なります。はじめにことばありき、ということばは、三つ子の魂にもいえることなのです。
(外山滋比古『わが子に伝える「絶対語感」』)
注
- 寓話
- いろいろな教えをふくんだたとえ話。
- フィクション
- 想像によってことがらや話をつくり出すこと。
- モラル
- 道徳。人間として守らなければならない決まり。
- 抑制
- 物事の動きや勢いをおさえてとめること。
- 萎縮
- 元気がなくなり、ちぢこまっておくびょうになってしまうこと。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
私たちのアイデアが未来をつくる力になると信じている。
私たちは環境問題に対するにん識を深める必要がある。
洗濯後にセーターがちぢんでしまった。
彼の言動には常に表りがあるので、信じるのが難しい。
データを複数のファイルに分かつして保存すると、管理がしやすくなる。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「三つ子の魂百まで」ということわざの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 「三つ子の魂百まで」のとおり、昔きらいだった野菜が今は大好きだ。
- イ 小さいころは動物が苦手だった人が、獣医になるなんて「三つ子の魂百まで」だ。
- ウ 昔は運動嫌いだった兄が野球選手になったのは、まさに「三つ子の魂百まで」と言える。
- エ 「三つ子の魂百まで」と言うように、幼いころの好奇心は今も彼の特徴だ。
Confirm Testの答え
- 答え
創る
- 答え
認
- 答え
縮んで
- 答え
裏
- 答え
割
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この時期」とありますが、どういう時期ですか。次の a ・ b にあてはまることばを、 a は六字、 b は八字で文中から書きぬきなさい。(完答)
a がすすみ、こどもが b を喜ぶようになる時期。
a
b
Confirm Testの答え
- 答え
a 離乳語の習得 b つくり話やホラ話 (完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
母乳語は、具体的なことばです。イヌといえば、本当のイヌ、あるいは、イヌの絵がなくてはいけません。イヌを見たことのない子に、イヌということばを教えることはできないのです。
これにたいして離乳語では、ことばはかならずしも、ものごとと結びついていなくてもよいのです。そのものが実在していなくても、あるかのように、ことばを使うことができるわけです。
たとえば、イソップ*寓話にある、オオカミ少年の話を例にあげてみましょう。
少年が、村人たちに、
「オオカミが来た」
と言ったとき、このことばは、事実とは結びついていませんでした。つまり、ウソだったのです。村人は、このことばを本当だと思い、大騒ぎをしました。少年は何度もウソをつき、村人はそのたびにだまされました。これが何度もくりかえされると、村人はようやく、このことばが事実のAうらづけのない、ウソだと悟るのです。
このオオカミ少年のことばが、離乳語のひとつです。つまり少年は、離乳語を悪用して、村人をおどろかせたのです。
このように、離乳語の特徴のひとつは、ウソがつけるということです。そんなふうに言うと、ウソなどつけなくてもよいではないかという人も、いるかもしれません。けれども、ウソというのは、人間の文化のなかで、とても大切な役Bわりをはたしているのです。
*フィクション、Cそう作、発見、発明など、人間が新たにつくりだすものはみな、ウソから生まれたマコトといっても過言ではありません。人間は、価値のあるウソをつぎつぎとつくり出しながら、文化を築いてきたのです。ウソは他人の迷惑になることがあるために、*モラルとして*抑制されて、いけないことになっていますが、一方で、人間がウソをつくことができなければ、これまでのような文化は生まれなかったかもしれません。これが、文化のむずかしいところでもあるのです。
こどもが母乳語から離乳語の段階に入り、離乳語の習得がすすんでくると、つくり話やホラ話を喜ぶようになります。だからといって、この時期に、正直が大切だというのでいっさいウソをDみとめないようなしつけをしてしまうと、こどもの想像力が*萎Eしゅくしてしまうおそれがあります。子育てをしている母親を見ていると、そのようなことが、しばしば起こっていることに気づかされます。
①ウソは、人の迷惑にならない限りは、許容することも必要です。離乳語は、豊かなウソをつくり出しながら、想像力を広げ、頭のはたらきをよくする作用があるのです。母乳語と調和しながら離乳語が発達するこの時期は、こどもごころ、つまり三つ子の魂が、つくりあげられる時期に重なります。はじめにことばありき、ということばは、三つ子の魂にもいえることなのです。
(外山滋比古『わが子に伝える「絶対語感」』)
注
- 寓話
- いろいろな教えをふくんだたとえ話。
- フィクション
- 想像によってことがらや話をつくり出すこと。
- モラル
- 道徳。人間として守らなければならない決まり。
- 抑制
- 物事の動きや勢いをおさえてとめること。
- 萎しゅく
- 元気がなくなり、ちぢこまっておくびょうになってしまうこと。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「三つ子の魂」について、「三つ子の魂百まで」ということわざの意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 幼いころからより多くの技能を学ぶこと
- イ 大人になっても三つ子であること
- ウ 幼いころの性格や習慣が、大人になっても変わらないこと
- エ 三つ子の兄弟が長生きすること
Lessonの答え
- 答え
A 裏 B 割 C 創 D 認 E 縮 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
母乳語は、具体的なことばです。イヌといえば、本当のイヌ、あるいは、イヌの絵がなくてはいけません。イヌを見たことのない子に、イヌということばを教えることはできないのです。
これにたいして離乳語では、ことばはかならずしも、ものごとと結びついていなくてもよいのです。そのものが実在していなくても、あるかのように、ことばを使うことができるわけです。
①たとえば、イソップ寓話にある、オオカミ少年の話を例にあげてみましょう。
少年が、村人たちに、
「オオカミが来た」
と言ったとき、このことばは、事実とは結びついていませんでした。つまり、ウソだったのです。村人は、このことばを本当だと思い、大騒ぎをしました。少年は何度もウソをつき、村人はそのたびにだまされました。これが何度もくりかえされると、村人はようやく、このことばが事実の裏づけのない、ウソだと悟るのです。
このオオカミ少年のことばが、離乳語のひとつです。つまり少年は、離乳語を悪用して、村人をおどろかせたのです。
このように、離乳語の特徴のひとつは、ウソがつけるということです。そんなふうに言うと、ウソなどつけなくてもよいではないかという人も、いるかもしれません。けれども、ウソというのは、人間の文化のなかで、とても大切な役割をはたしているのです。
*フィクション、創作、発見、発明など、人間が新たにつくりだすものはみな、ウソから生まれたマコトといっても過言ではありません。人間は、価値のあるウソをつぎつぎとつくり出しながら、文化を築いてきたのです。ウソは他人の迷惑になることがあるために、*モラルとして*抑制されて、いけないことになっていますが、一方で、人間がウソをつくことができなければ、これまでのような文化は生まれなかったかもしれません。これが、文化のむずかしいところでもあるのです。
こどもが母乳語から離乳語の段階に入り、離乳語の習得がすすんでくると、つくり話やホラ話を喜ぶようになります。だからといって、この時期に、正直が大切だというのでいっさいウソを認めないようなしつけをしてしまうと、こどもの想像力が*萎縮してしまうおそれがあります。子育てをしている母親を見ていると、そのようなことが、しばしば起こっていることに気づかされます。
ウソは、人の迷惑にならない限りは、許容することも必要です。離乳語は、豊かなウソをつくり出しながら、想像力を広げ、頭のはたらきをよくする作用があるのです。母乳語と調和しながら離乳語が発達するこの時期は、こどもごころ、つまり三つ子の魂が、つくりあげられる時期に重なります。はじめにことばありき、ということばは、三つ子の魂にもいえることなのです。
(外山滋比古『わが子に伝える「絶対語感」』)
注
- 寓話
- いろいろな教えをふくんだたとえ話。
- フィクション
- 想像によってことがらや話をつくり出すこと。
- モラル
- 道徳。人間として守らなければならない決まり。
- 抑制
- 物事の動きや勢いをおさえてとめること。
- 萎縮
- 元気がなくなり、ちぢこまっておくびょうになってしまうこと。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
手紙のうらにメッセージを書いた。
石をわると、中から化石が出てきた。
新しい会社をそう立する計画を立てた。
彼は自分の間違いを素直にみとめた。
写真をしゅく小してアルバムに貼った。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまることばを三字で書きなさい。
幼いころの性格や習慣が、大人になっても変わらないことを、の魂百までという。
Practiceの答え
- 答え
裏
- 答え
割る
- 答え
創
- 答え
認め
- 答え
縮
- 答え
三つ子
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ウソは、人の迷惑にならない限りは、許容することも必要です」と筆者が考えるのはなぜですか。次の a ・ b にあてはまることばを、 a は三十三字、 b は十七字で文中からさがし、それぞれその初めと終わりの四字を書きぬきなさい。(完答)
離乳語には a というはたらきがあるので、いっさいのウソを認めないようなしつけをしてしまうと、 b おそれがあるから。
a 〜
b 〜
Lessonの答え
- 答え
a 豊かなウ〜よくする b こどもの〜てしまう (完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「たとえば、イソップ寓話にある、オオカミ少年の話を例にあげてみましょう」とありますが、「イソップ寓話にある、オオカミ少年の話」は、どういうことを述べるための例としてあげられているのですか。次の a ・ b にあてはまることばを、 a は四字、 b は六字で文中から書きぬきなさい。(完答)
離乳語は、 a とかならずしも結びついていなくてもよいので、 b という特徴があるということ。
a
b
Practiceの答え
- 答え
a ものごと b ウソがつける (完答)
11章 随筆
随筆文の読み方
11-1 随筆文1
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
筆者は、小学校六年生の時、家庭科の調理実習で「目玉焼き」を習った。
私は、小さい時から手先がほんとうに不器用で、①この日は朝から憂鬱だった。うまく焼けるだろうか、という以前の大問題うまく割れるだろうか、という不安を胸に抱きつつ、登校した。
すき焼きなどで生卵を割るとき、私はよくぐちゃっと黄味をつぶしてしまう。もちろん、すき焼きなら支障はないのだが、目玉焼きの場合はちょっとまずい。ちょっとどころか、*致命的である。ぐちゃっとなったらどうしよう……そればっかり気にしていたら、昨日は卵の夢を見てしまった。
不幸なことに私のグループは人数がやや多く、最後の私がもじもじとフライパンの前に立つころには、他グループからの冷やかし組も集まってきて、すごい*ギャラリーになってしまった。
卵を割りそこねた子はまだいないらしいことが、さらに*プレッシャーをかける。すっかり舞いあがってしまった私。ええいとばかり卵をフライパンのふちに打ちつけ、そのままぐしゃっと握りつぶすような格好になってしまった。
わあっと湧きあがる声。こういう時、子どもは残酷である。ピーピーと口笛を吹く子もいれば、手を打ってはやす子もいる。その後どんな目玉焼きができあがったのか全く覚えていない。見届ける前に私の目玉がうるんでしまっていた。
家に帰ってこの「事件」のことを母に話していると、また涙が出てくる。
「落ち着いてやれば何でもないことなのに、ばかね、ほら、やってごらん」
笑いながらフライパンと卵を出してくる母。うわっもう見たくもないと思いながら、一緒にコンロの前に立った。おそるおそる卵をフライパンのふちにぶつける。ぺちっと殻にひびが入るだけで割れなかった。ぺちっぺちっぺちっ……うーん。もどかしくなっていきなり力をこめた瞬間、ぐしゃっまたやってしまった。流れだす黄味を、絶望的な思いで見ている私に、明るく母が言う。
「さあ、おいしい炒り卵を作ろう」
フライ返しを菜箸に持ちかえさせられて、ほら、ほら、早くかきまぜて、と急かされる。
「このへんでおしょう油を入れると、いい香りがするのよ」
できたての、ほわほわの、炒り卵。おいしかった。負け惜しみではなく、目玉焼きよりもずっと。なんだか元気が出てきて、もう一度やってみようかな、と思う。
「フライパンを火にかけているとあせっちゃうから、まずお茶碗に割ってごらん」
不思議なほど、楽な気持ち。今度は、うまくいった。
「もしここで失敗したら、オムレツにしちゃえばいいの」
ありあわせのハムとミックスベジタブルを混ぜてその場で母が焼いてくれたオムレツ。これがまたおいしかった。夢のように。
思えばあれが、母と一緒に台所に立って何かを習った最初のことだった。今でも生卵を割るときは、家庭科室での光景がふっと頭をよぎる。幼い心にうけた傷は深い。が、一方でこのできごとは、料理に興味を持つきっかけにもなった。②卵一個で母が見せてくれた魔法。
(俵万智 『りんごの涙』)
注
- 致命的
- ここでは、取り返しのつかない失敗。
- ギャラリー
- 見物人。
- プレッシャー
- 気持ちのうえでおしつけられること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
スーパーでたまごを一パック買った。
彼は読み始めた小説にむ中で、夜遅くまでページをめくった。
サッカーの試合中に転んで膝を負しょうしてしまった。
先生に感謝の気持ちを手紙でとどけた。
足を怪我したことが運動にししょうをきたした。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「負け惜しみ」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 彼女は試験で良い点数を取ったが、「もっとできたはず」と負け惜しみを言った。
- イ クラス代表に選ばれた弟が、「他にもっといい人がいた」と負け惜しみを言った。
- ウ 試合で負けた後、彼は「ボールが古いからだ」と負け惜しみを言った。
- エ 兄がおすすめしてくれた本を読んだ後で「つまらなかった」と負け惜しみを言った。
Confirm Testの答え
- 答え
卵
- 答え
夢
- 答え
傷
- 答え
届け
- 答え
支障
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この日は朝から憂鬱だった」とありますが、どのような気持ちがあったから「私」は憂鬱だったのですか。次の にあてはまることばを、文中から十六字で書きぬきなさい。
家庭科の調理実習で目玉焼きを作るときに、生卵を があったから。
Confirm Testの答え
- 答え
うまく割れるだろうか、という不安
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「卵一個で母が見せてくれた魔法」とありますが、どのようなことを「私」は「魔法」といっているのですか。もっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア 生卵を割るのが苦手だった「私」に、生卵を割るこつを短時間で教えてくれたこと。
- イ 卵料理だけは失敗してもだいじょうぶだということを、「私」に楽しく教えてくれたこと。
- ウ 卵なんてもう見たくもないと思っていた「私」に、料理に興味を持つきっかけを作ってくれたこと。
- エ 調理実習で失敗して傷ついたことなどたいしたことではないと、「私」に思わせてくれたこと。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
筆者は、小学校六年生の時、家庭科の調理実習で「目玉焼き」を習った。
私は、小さい時から手先がほんとうに不器用で、この日は朝から憂鬱だった。うまく焼けるだろうか、という以前の大問題うまく割れるだろうか、という不安を胸に抱きつつ、登校した。
すき焼きなどで生Aたまごを割るとき、私はよくぐちゃっと黄味をつぶしてしまう。もちろん、すき焼きならBししょうはないのだが、目玉焼きの場合はちょっとまずい。ちょっとどころか、*致命的である。ぐちゃっとなったらどうしよう……そればっかり気にしていたら、昨日はたまごのCゆめを見てしまった。
不幸なことに私のグループは人数がやや多く、最後の私がもじもじとフライパンの前に立つころには、他グループからの冷やかし組も集まってきて、すごい*ギャラリーになってしまった。
たまごを割りそこねた子はまだいないらしいことが、さらに*プレッシャーをかける。すっかり舞いあがってしまった私。①ええいとばかりたまごをフライパンのふちに打ちつけ、そのままぐしゃっと握りつぶすような格好になってしまった。
わあっと湧きあがる声。こういう時、子どもは残酷である。ピーピーと口笛を吹く子もいれば、手を打ってはやす子もいる。その後どんな目玉焼きができあがったのか全く覚えていない。見Dとどける前に私の目玉がうるんでしまっていた。
家に帰ってこの「事件」のことを母に話していると、また涙が出てくる。
「落ち着いてやれば何でもないことなのに、ばかね、ほら、やってごらん」
笑いながらフライパンとたまごを出してくる母。うわっもう見たくもないと思いながら、一緒にコンロの前に立った。おそるおそるたまごをフライパンのふちにぶつける。ぺちっと殻にひびが入るだけで割れなかった。ぺちっぺちっぺちっ……うーん。もどかしくなっていきなり力をこめた瞬間、ぐしゃっまたやってしまった。流れだす黄味を、絶望的な思いで見ている私に、明るく母が言う。
「さあ、おいしい炒りたまごを作ろう」
フライ返しを菜箸に持ちかえさせられて、ほら、ほら、早くかきまぜて、と急かされる。
「このへんでおしょう油を入れると、いい香りがするのよ」
できたての、ほわほわの、炒りたまご。おいしかった。負け惜しみではなく、目玉焼きよりもずっと。なんだか元気が出てきて、もう一度やってみようかな、と思う。
「フライパンを火にかけているとあせっちゃうから、まずお茶碗に割ってごらん」
不思議なほど、楽な気持ち。今度は、うまくいった。
「もしここで失敗したら、オムレツにしちゃえばいいの」
ありあわせのハムとミックスベジタブルを混ぜてその場で母が焼いてくれたオムレツ。これがまたおいしかった。ゆめのように。
思えばあれが、母と一緒に台所に立って何かを習った最初のことだった。今でも生たまごを割るときは、家庭科室での光景がふっと頭をよぎる。幼い心にうけたEきずは深い。が、一方でこのできごとは、料理に興味を持つきっかけにもなった。たまご一個で母が見せてくれた魔法。
(俵万智 『りんごの涙』)
注
- 致命的
- ここでは、取り返しのつかない失敗。
- ギャラリー
- 見物人。
- プレッシャー
- 気持ちのうえでおしつけられること。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「負け惜しみ」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 勝利を目前にして、最後に力をふりしぼること
- イ 競争相手を心から賞賛すること
- ウ 敗北を認めたくなくて、言い訳や弁解をすること
- エ 自分の失敗から多くを学び取ること
Lessonの答え
- 答え
A 卵 B 支障 C 夢 D 届 E 傷 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
筆者は、小学校六年生の時、家庭科の調理実習で「目玉焼き」を習った。
私は、小さい時から手先がほんとうに不器用で、この日は朝から憂鬱だった。うまく焼けるだろうか、という以前の大問題うまく割れるだろうか、という不安を胸に抱きつつ、登校した。
すき焼きなどで生卵を割るとき、私はよくぐちゃっと黄味をつぶしてしまう。もちろん、すき焼きなら支障はないのだが、目玉焼きの場合はちょっとまずい。ちょっとどころか、*致命的である。ぐちゃっとなったらどうしよう……そればっかり気にしていたら、昨日は卵の夢を見てしまった。
不幸なことに私のグループは人数がやや多く、最後の私がもじもじとフライパンの前に立つころには、他グループからの冷やかし組も集まってきて、すごい*ギャラリーになってしまった。
卵を割りそこねた子はまだいないらしいことが、さらに*プレッシャーをかける。すっかり舞いあがってしまった私。ええいとばかり卵をフライパンのふちに打ちつけ、そのままぐしゃっと握りつぶすような格好になってしまった。
わあっと湧きあがる声。こういう時、子どもは残酷である。ピーピーと口笛を吹く子もいれば、手を打ってはやす子もいる。その後どんな目玉焼きができあがったのか全く覚えていない。見届ける前に私の目玉がうるんでしまっていた。
家に帰ってこの「事件」のことを母に話していると、また涙が出てくる。
「落ち着いてやれば何でもないことなのに、①ばかね、ほら、やってごらん」
笑いながらフライパンと卵を出してくる母。うわっもう見たくもないと思いながら、一緒にコンロの前に立った。おそるおそる卵をフライパンのふちにぶつける。ぺちっと殻にひびが入るだけで割れなかった。ぺちっぺちっぺちっ……うーん。もどかしくなっていきなり力をこめた瞬間、ぐしゃっまたやってしまった。流れだす黄味を、絶望的な思いで見ている私に、明るく母が言う。
「さあ、おいしい炒り卵を作ろう」
フライ返しを菜箸に持ちかえさせられて、ほら、ほら、早くかきまぜて、と急かされる。
「このへんでおしょう油を入れると、いい香りがするのよ」
できたての、ほわほわの、炒り卵。おいしかった。負け惜しみではなく、目玉焼きよりもずっと。なんだか元気が出てきて、もう一度やってみようかな、と思う。
「フライパンを火にかけているとあせっちゃうから、まずお茶碗に割ってごらん」
不思議なほど、楽な気持ち。今度は、うまくいった。
「もしここで失敗したら、オムレツにしちゃえばいいの」
ありあわせのハムとミックスベジタブルを混ぜてその場で母が焼いてくれたオムレツ。これがまたおいしかった。夢のように。
思えばあれが、母と一緒に台所に立って何かを習った最初のことだった。今でも生卵を割るときは、家庭科室での光景がふっと頭をよぎる。幼い心にうけた傷は深い。が、一方でこのできごとは、料理に興味を持つきっかけにもなった。卵一個で母が見せてくれた魔法。
(俵万智 『りんごの涙』)
注
- 致命的
- ここでは、取り返しのつかない失敗。
- ギャラリー
- 見物人。
- プレッシャー
- 気持ちのうえでおしつけられること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
鳥のたまごを見つけて、大切に育てた。
雨が降ってきたが、遠足にししょうはなかった。
将来のゆめは科学者になることだ。
新しい本が家にとどくのが楽しみだ。
木に登るときは、手にきずをつけないように気をつける。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「敗北を認めたくなくて、言い訳や弁解をすること」を表すことばをひらがな五字で書きなさい。
勝負事の後でを聞くのは、もううんざりだ。
Practiceの答え
- 答え
卵
- 答え
支障
- 答え
夢
- 答え
届く
- 答え
傷
- 答え
まけおしみ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章を内容や時間のうえから大きく三つに分けるとすると、二つ目と三つ目のまとまりはどこから始まりますか。それぞれの初めの五字を書きぬきなさい。(完答)
二つ目
三つ目
Lessonの答え
- 答え
- 二つ目 家に帰って
- 三つ目 思えばあれ (完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
調理実習で目玉焼きを習った日に、「私」が泣いたことが書かれている一文を文中から二つさがし、それぞれの初めの五字を書きぬきなさい。
(順不同・完答)
Practiceの答え
- 答え
- 見届ける前
- 家に帰って (順不同・完答)
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ええいとばかり卵をフライパンのふちに打ちつけ」とありますが、これとは対照的な様子を文中から一文でさがし、その初めの六字を書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
おそるおそる
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ばかね、ほら、やってごらん」とありますが、母はどのような気持ちでこう言ったのですか。もっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア 失敗した理由がわからず、あきれる気持ち。
- イ そんなこともできないのかと、腹立たしい気持ち。
- ウ むすめの悲しみを理解して、一緒に悲しむ気持ち。
- エ だいじょうぶだと、むすめをはげます気持ち。
Practiceの答え
- 答え
エ
11-2 随筆文2
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
青森県でりんごを栽培しているという女性と、ある会合でご一緒した。その日は東京にお泊りになるとのこと。宿がたまたま私の住んでいる町と同じ方向だったので、帰りも一緒に地下鉄に乗った。
自分のことを「りんご園のおかみ」とその人は言う。小柄で、どこか少女を思わせる二重まぶたの目。おっとりとした話し方なので、その「りんご園のおかみ」という言葉も、なにか素敵な絵本の中の言葉のように、*ロマンチックに響いた。
今年は天候が不順で心配だというような話をしながら、ふとその人は何かを思いついたらしく、いたずらっぽい目で私を見る。
「そうだ、あなたに質問してみよう」
「えっ、何ですか」
「りんごの花で布を染めると、どんな色になると思います?」
本物のりんごの花を、私は見たことがない。写真か何かで、たしか白っぽい花だったように記憶している。まるで*根拠はないが、なんとなく淡いピンクかなという気がして、そう答えた。
「うふふ、正解はこれ」
ハンドバッグの中から取り出された一枚の木綿のハンカチ。広げると、うすい黄色にうすいきみどり色を混ぜてやわらかくしたような色だった。幼いころ、風邪をひくと必ず母が食べさせてくれた、すりおろしたりんごの色にも似ている。そんな記憶も*あいまって、私はしばらく、うっとりとそのハンカチに見入ってしまった。りんごの浴びた陽ざしがハンカチにも吸収されて、それが内側からやさしく光っているような感じである。
「きれいですねえ」
やや間の抜けたタイミングで私がそう言うと、その人は嬉しそうにほほえんで、①またきちんとたたみなおす。その手つきのやさしさは、りんごへの愛情をごく自然に感じさせた。
「私ね、これ、りんごのなみだ色って呼んでいるの」
「えっ、なみだ色?」
「そう。なみだ色」
その時、はかりしれない苦労がちらりと、「りんご園のおかみ」の顔を横ぎったように思われた。花の咲くよろこび、収穫のよろこび。けれどそこに至るまでには、数えきれない涙が流されているそういう意味だろうか、と思った。が、そういう意味ですか、とは聞けなかった。具体的にどういう涙ですか、とも問えなかった。それを表面に出さないところが、その女性の魅力のように思われたから。そういう涙は木綿にしっかり吸わせて、美しいハンカチにして、ハンドバッグにしのばせておく。涙の意味は、決して言葉にはならないだろう。
私には、なみだ色のハンカチがあるだろうか、とふと思った。
りんごの花の咲く季節には、まだ遠い。
(俵万智 『りんごの涙』)
注
- ロマンチック
- 現実的な世界をはなれていて、うっとりとするような美しい様子。空想的。
- 根拠
- もとになる理由。
- あいまって
- たがいに作用し合って。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
体調はいたって良好で、何の問題もありません。
彼はいつも人になさけをかける優しい人だ。
あの歌手は声がとても独特で、他の誰にもにることがない。
プリントを配る前に、クラスの生徒の人数に合わせてまい数を確認した。
公園で見た花火がとてもすてきだった。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「はかりしれない」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 彼ははかりしれない速さで走った。
- イ 母が持つ愛情の深さははかりしれない。
- ウ 明日の天気の良さははかりしれない。
- エ この絵の色ははかりしれない明るさだ。
Confirm Testの答え
- 答え
至って
- 答え
情け
- 答え
似る
- 答え
枚
- 答え
素敵
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「またきちんとたたみなおす」とありますが、この様子を見ていた「私」は、「りんご園のおかみ」から何を感じ取りましたか。文中から七字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
りんごへの愛情
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
「りんご園のおかみ」が言ったことばのうち、「私」にとってもっとも印象的だったものを文中から八字でさがし、書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
りんごのなみだ色
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
青森県でりんごを栽培しているという女性と、ある会合でご一緒した。その日は東京にお泊りになるとのこと。宿がたまたま私の住んでいる町と同じ方向だったので、帰りも一緒に地下鉄に乗った。
自分のことを「りんご園のおかみ」とその人は言う。小柄で、どこか少女を思わせる二重まぶたの目。おっとりとした話し方なので、その「りんご園のおかみ」という言葉も、なにかAすてきな絵本の中の言葉のように、*ロマンチックに響いた。
今年は天候が不順で心配だというような話をしながら、ふとその人は何かを思いついたらしく、いたずらっぽい目で私を見る。
「そうだ、あなたに質問してみよう」
「えっ、何ですか」
「①りんごの花で布を染めると、どんな色になると思います?」
本物のりんごの花を、私は見たことがない。写真か何かで、たしか白っぽい花だったように記憶している。まるで*根拠はないが、なんとなく淡いピンクかなという気がして、そう答えた。
「うふふ、正解はこれ」
ハンドバッグの中から取り出された一Bまいの木綿のハンカチ。広げると、うすい黄色にうすいきみどり色を混ぜてやわらかくしたような色だった。幼いころ、風邪をひくと必ず母が食べさせてくれた、すりおろしたりんごの色にもCにている。そんな記憶も*あいまって、私はしばらく、うっとりとそのハンカチに見入ってしまった。りんごの浴びた陽ざしがハンカチにも吸収されて、それが内側からやさしく光っているような感じである。
「きれいですねえ」
やや間の抜けたタイミングで私がそう言うと、その人は嬉しそうにほほえんで、またきちんとたたみなおす。その手つきのやさしさは、りんごへの愛Dじょうをごく自然に感じさせた。
「私ね、これ、りんごのなみだ色って呼んでいるの」
「えっ、なみだ色?」
「そう。なみだ色」
その時、はかりしれない苦労がちらりと、「りんご園のおかみ」の顔を横ぎったように思われた。花の咲くよろこび、収穫のよろこび。けれどそこにEいたるまでには、数えきれない涙が流されているそういう意味だろうか、と思った。が、そういう意味ですか、とは聞けなかった。具体的にどういう涙ですか、とも問えなかった。それを表面に出さないところが、その女性の魅力のように思われたから。そういう涙は木綿にしっかり吸わせて、美しいハンカチにして、ハンドバッグにしのばせておく。②涙の意味は、決して言葉にはならないだろう。
私には、なみだ色のハンカチがあるだろうか、とふと思った。
りんごの花の咲く季節には、まだ遠い。
(俵万智 『りんごの涙』)
注
- ロマンチック
- 現実的な世界をはなれていて、うっとりとするような美しい様子。空想的。
- 根拠
- もとになる理由。
- あいまって
- たがいに作用し合って。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「はかりしれない」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 量や程度が非常に大きくて、計ることや理解することが困難であること
- イ 正確な数値を計ること
- ウ 物事が計画通りに進むこと
- エ すぐに結果が出ること
Lessonの答え
- 答え
A 素敵 B 枚 C 似 D 情 E 至 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
青森県でりんごを栽培しているという女性と、ある会合でご一緒した。その日は東京にお泊りになるとのこと。宿がたまたま私の住んでいる町と同じ方向だったので、帰りも一緒に地下鉄に乗った。
自分のことを「りんご園のおかみ」とその人は言う。小柄で、どこか少女を思わせる二重まぶたの目。おっとりとした話し方なので、その「りんご園のおかみ」という言葉も、なにか素敵な絵本の中の言葉のように、*ロマンチックに響いた。
今年は天候が不順で心配だというような話をしながら、ふとその人は何かを思いついたらしく、いたずらっぽい目で私を見る。
「そうだ、あなたに質問してみよう」
「えっ、何ですか」
「りんごの花で布を染めると、どんな色になると思います?」
本物のりんごの花を、私は見たことがない。写真か何かで、たしか白っぽい花だったように記憶している。まるで*根拠はないが、なんとなく淡いピンクかなという気がして、そう答えた。
「うふふ、正解はこれ」
ハンドバッグの中から取り出された一枚の木綿のハンカチ。広げると、①うすい黄色にうすいきみどり色を混ぜてやわらかくしたような色だった。幼いころ、風邪をひくと必ず母が食べさせてくれた、すりおろしたりんごの色にも似ている。そんな記憶も*あいまって、私はしばらく、うっとりとそのハンカチに見入ってしまった。りんごの浴びた陽ざしがハンカチにも吸収されて、それが内側からやさしく光っているような感じである。
「きれいですねえ」
やや間の抜けたタイミングで私がそう言うと、その人は嬉しそうにほほえんで、またきちんとたたみなおす。その手つきのやさしさは、りんごへの愛情をごく自然に感じさせた。
「私ね、これ、りんごのなみだ色って呼んでいるの」
「えっ、なみだ色?」
「そう。なみだ色」
その時、はかりしれない苦労がちらりと、「りんご園のおかみ」の顔を横ぎったように思われた。花の咲くよろこび、収穫のよろこび。けれどそこに至るまでには、数えきれない涙が流されている②そういう意味だろうか、と思った。が、そういう意味ですか、とは聞けなかった。具体的にどういう涙ですか、とも問えなかった。それを表面に出さないところが、その女性の魅力のように思われたから。そういう涙は木綿にしっかり吸わせて、美しいハンカチにして、ハンドバッグにしのばせておく。涙の意味は、決して言葉にはならないだろう。
私には、なみだ色のハンカチがあるだろうか、とふと思った。
りんごの花の咲く季節には、まだ遠い。
(俵万智 『りんごの涙』)
注
- ロマンチック
- 現実的な世界をはなれていて、うっとりとするような美しい様子。空想的。
- 根拠
- もとになる理由。
- あいまって
- たがいに作用し合って。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
祖父がくれた時計は古いけれど、とてもすてきだ。
宿題で絵をかくため、画用紙を十まい用意した。
彼女の絵は本物の花によくにている。
感じょうのコントロールを学ぶことは大切だ。
努力の結果、目標達成にいたる。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「量や程度が非常に大きくて、計ることや理解することが困難であること」を表すことばをひらがな七字で書きなさい。
自然災害がもたらす影響は、ほど深刻だ。
Practiceの答え
- 答え
素敵
- 答え
枚
- 答え
似て
- 答え
情
- 答え
至る
- 答え
はかりしれない
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「りんごの花で布を染めると、どんな色になると思います?」とありますが、「りんご園のおかみ」はこの質問の答えとして「私」に何を見せましたか。文中から十一字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
一まいの木綿のハンカチ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「うすい黄色にうすいきみどり色を混ぜてやわらかくしたような色」とありますが、このハンカチの色について「私」がさらにくわしく説明している一文を文中から二つさがし、それぞれの初めの五字を書きぬきなさい。
(完答)
Practiceの答え
- 答え
幼いころ、・りんごの浴 (完答)
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「涙の意味は、決して言葉にはならないだろう」を言いかえたものとしてもっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア 涙の意味は本人にもよくわからないだろう。
- イ 涙の意味を他人に説明することはないだろう。
- ウ 涙の意味を説明しようとしても、つらくて言えないだろう。
- エ 涙の意味は単純ではなく、言葉では表現しきれないだろう。
Lessonの答え
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「そういう意味」が指し示している内容を次のようにまとめました。 にあてはまることばを、 A は九字、 B は十四字で文中から書きぬきなさい。(完答)
りんごの花が咲くよろこびやりんごを収穫するよろこびを感じるまでには A があり、 B という意味。
Practiceの答え
- 答え
A はかりしれない苦労
B 数えきれない涙が流されている
(完答)
11-3 随筆文3
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
四万十川で漁をして暮らしているおじさんに話を聞いた。舟の上で、日本最後といわれる清流に浮かびながら。
「柴づけ漁」というその漁法は、実に*素朴なものである。柴をたばねたものを川に沈め、一週間から十日たったところでひきあげる。すると、そこに住みついた川エビやウナギがとれるというしくみだ。「住む」というのがミソで、だから囲いをしなくても逃げられることはない。時間とともに獲物が増えてゆくことはあっても、決して減りはしない。
柴は、おじさんが山で刈ってくるという。「だから、半分は山の仕事」だそうだ。川エビとウナギでは住まいの好みが違うらしく、ウナギのほうは葉っぱを多くしてやらないとだめ、とのこと。そのあたりは、長年の経験がものをいう。
目の前で私のために、ウナギをさばいてくれた。自然に川に*棲息しているウナギは、とてもスマートだ。まず、*キリのようなもので首のあたりをトンとついて、まな板の上に固定する。スーッと背中から包丁を入れ、ひらく。*肝をとって骨をとってできあがり。三等分にしたものを、その場でかば焼にしてもらった。舟の上に、ちゃんとコンロが積んであるのだ。私はふだん、魚をさばく時には、なんとなく背中のあたりがすーすーしてしまう。活け造りの魚の目玉なども気になってしまうほうである。
が、おじさんがウナギをさばいてゆく一部始終を見ていて、そんな感じは全くなかった。むしろ「美しいな」と思った。ほんとうにおいしくいただいた。
「ただ、ちょっとかわいそうな気もしますね……」私がそう言ったとき、ぴっと一瞬、おじさんの顔がこわばった。
「それはしかたのないことじゃろ。人間に食べられるが、こいつらの運命よ」
終始なごやかな笑顔で話してくれていたので、厳しい表情が、逆に鮮やかに印象に残っている。まこと*安易に言ってしまった「かわいそう」を、後悔した。ふだん、自分が魚をさばいたり、活け造りの目玉を見たりして思う「気持ち悪い」という感覚も、同じ安易さからきているのではないかと思った。
おじさんにさばかれるウナギは、ちっとも気持ち悪くない。その違いは何だろう。
その違いは、魚とのつながり方ではないかと思う。同じ自然の中で生きているものとして、おじさんと魚はつながっている。都市で生活している私たちは、自然から離れた位置にあって、魚と関わりをもつ。だからいとも簡単に「かわいそう」と言えるし、無責任に「気持ち悪い」と感じてしまう。
①おじさんは漁をしながら、魚たちにどんな気持ちを抱いているのだろう。「かわいそう」ではなくて……。
ごちそうさま、と言いながらさりげなく聞いてみた。しばらくの沈黙ののちに返ってきた答えは、「ありがとう」だった。
(俵万智 『りんごの涙』)
注
- 素朴
- ここでは、しくみが単純なこと。
- 棲息
- 生物が生きて、住んでいること。
- キリ
- 材木などに小さな穴をあける、先のとがった道具。
- 肝
- ここでは内蔵のこと。
- 安易
- 深く考えることのない、気軽な様子。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
階段から落ちて足をこっ折し、数週間松葉杖を使った。
敵の城を包いして、出口を塞いだ。
かん易なアンケートにご協力ください。
数多くの試練をへることで、彼は強い人間になった。
先生はいつもきびしい目で私たちを見ている。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「スマート」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア お母さんは朝ごはんにスマートな色合いのサラダを作ってくれた。
- イ 夏休みに彼は毎日スマートに川で泳いでいた。
- ウ 立ち姿がスマートな彼は、クラスで一番背が高い。
- エ 冬の朝、彼はスマートに息を白くしていた。
Confirm Testの答え
- 答え
骨
- 答え
囲
- 答え
簡
- 答え
経る
- 答え
厳しい
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
おじさんの表情が大きく変わったことを表している七字のことばを文中から書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
顔がこわばった
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「おじさんは漁をしながら、魚たちにどんな気持ちを抱いているのだろう」とありますが、「私」のこの疑問に対する答えとしてもっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
ア ほこらしい気持ち。 イ 感謝の気持ち。
ウ 申し訳ない気持ち。 エ あきらめの気持ち。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
四万十川で漁をして暮らしているおじさんに話を聞いた。舟の上で、日本最後といわれる清流に浮かびながら。
「柴づけ漁」というその漁法は、実に*素朴なものである。柴をたばねたものを川に沈め、一週間から十日たったところでひきあげる。すると、そこに住みついた川エビやウナギがとれるというしくみだ。「住む」というのがミソで、だからAかこいをしなくても逃げられることはない。時間とともに獲物が増えてゆくことはあっても、決して減りはしない。
柴は、おじさんが山で刈ってくるという。「だから、半分は山の仕事」だそうだ。川エビとウナギでは住まいの好みが違うらしく、ウナギのほうは葉っぱを多くしてやらないとだめ、とのこと。そのあたりは、長年のBけい験がものをいう。
目の前で私のために、ウナギをさばいてくれた。自然に川に*棲息しているウナギは、とてもスマートだ。まず、*キリのようなもので首のあたりをトンとついて、まな板の上に固定する。スーッと背中から包丁を入れ、ひらく。*肝をとってCほねをとってできあがり。三等分にしたものを、その場でかば焼にしてもらった。舟の上に、ちゃんとコンロが積んであるのだ。私はふだん、魚をさばく時には、なんとなく背中のあたりがすーすーしてしまう。①活け造りの魚の目玉なども気になってしまうほうである。
が、②おじさんがウナギをさばいてゆく一部始終を見ていて、そんな感じは全くなかった。むしろ「美しいな」と思った。ほんとうにおいしくいただいた。
「ただ、ちょっとかわいそうな気もしますね……」私がそう言ったとき、ぴっと一瞬、おじさんの顔がこわばった。
「それはしかたのないことじゃろ。人間に食べられるが、こいつらの運命よ」
終始なごやかな笑顔で話してくれていたので、Dきびしい表情が、逆に鮮やかに印象に残っている。まこと*安易に言ってしまった「かわいそう」を、後悔した。ふだん、自分が魚をさばいたり、活け造りの目玉を見たりして思う「気持ち悪い」という感覚も、同じ安易さからきているのではないかと思った。
おじさんにさばかれるウナギは、ちっとも気持ち悪くない。その違いは何だろう。
その違いは、魚とのつながり方ではないかと思う。同じ自然の中で生きているものとして、おじさんと魚はつながっている。都市で生活している私たちは、自然から離れた位置にあって、魚と関わりをもつ。だからいともEかん単に「かわいそう」と言えるし、無責任に「気持ち悪い」と感じてしまう。
おじさんは漁をしながら、魚たちにどんな気持ちを抱いているのだろう。「かわいそう」ではなくて……。
ごちそうさま、と言いながらさりげなく聞いてみた。しばらくの沈黙ののちに返ってきた答えは、「ありがとう」だった。
(俵万智 『りんごの涙』)
注
- 素朴
- ここでは、しくみが単純なこと。
- 棲息
- 生物が生きて、住んでいること。
- キリ
- 材木などに小さな穴をあける、先のとがった道具。
- 肝
- ここでは内蔵のこと。
- 安易
- 深く考えることのない、気軽な様子。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「スマート」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 出かける時に限って雨が降ってくる様子
- イ 体つきがすらりとしている様子
- ウ 誕生日にアルバムを作る様子
- エ 情報が豊富で教養がある様子
Lessonの答え
- 答え
A 囲 B 経 C 骨 D 厳 E 簡 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
①四万十川で漁をして暮らしているおじさんに話を聞いた。舟の上で、日本最後といわれる清流に浮かびながら。
「柴づけ漁」というその漁法は、実に*素朴なものである。柴をたばねたものを川に沈め、一週間から十日たったところでひきあげる。すると、そこに住みついた川エビやウナギがとれるというしくみだ。「住む」というのがミソで、だから囲いをしなくても逃げられることはない。時間とともに獲物が増えてゆくことはあっても、決して減りはしない。
柴は、おじさんが山で刈ってくるという。「だから、半分は山の仕事」だそうだ。川エビとウナギでは住まいの好みが違うらしく、ウナギのほうは葉っぱを多くしてやらないとだめ、とのこと。そのあたりは、長年の経験がものをいう。
目の前で私のために、ウナギをさばいてくれた。自然に川に*棲息しているウナギは、とてもスマートだ。まず、*キリのようなもので首のあたりをトンとついて、まな板の上に固定する。スーッと背中から包丁を入れ、ひらく。*肝をとって骨をとってできあがり。三等分にしたものを、その場でかば焼にしてもらった。舟の上に、ちゃんとコンロが積んであるのだ。私はふだん、魚をさばく時には、なんとなく背中のあたりがすーすーしてしまう。活け造りの魚の目玉なども気になってしまうほうである。
が、おじさんがウナギをさばいてゆく一部始終を見ていて、そんな感じは全くなかった。むしろ「美しいな」と思った。ほんとうにおいしくいただいた。
「ただ、ちょっとかわいそうな気もしますね……」私がそう言ったとき、ぴっと一瞬、おじさんの顔がこわばった。
「それはしかたのないことじゃろ。人間に食べられるが、こいつらの運命よ」
終始なごやかな笑顔で話してくれていたので、厳しい表情が、逆に鮮やかに印象に残っている。まこと*安易に言ってしまった「かわいそう」を、後悔した。ふだん、自分が魚をさばいたり、活け造りの目玉を見たりして思う「気持ち悪い」という感覚も、同じ安易さからきているのではないかと思った。
②おじさんにさばかれるウナギは、ちっとも気持ち悪くない。その違いは何だろう。
その違いは、魚とのつながり方ではないかと思う。同じ自然の中で生きているものとして、おじさんと魚はつながっている。都市で生活している私たちは、自然から離れた位置にあって、魚と関わりをもつ。だからいとも簡単に「かわいそう」と言えるし、無責任に「気持ち悪い」と感じてしまう。
おじさんは漁をしながら、魚たちにどんな気持ちを抱いているのだろう。「かわいそう」ではなくて……。
ごちそうさま、と言いながらさりげなく聞いてみた。しばらくの沈黙ののちに返ってきた答えは、「ありがとう」だった。
(俵万智 『りんごの涙』)
注
- 素朴
- ここでは、しくみが単純なこと。
- 棲息
- 生物が生きて、住んでいること。
- キリ
- 材木などに小さな穴をあける、先のとがった道具。
- 肝
- ここでは内蔵のこと。
- 安易
- 深く考えることのない、気軽な様子。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
冬になると、家族みんなでこたつをかこむ。
新しい仕事で多くのけい験を積んだ。
父は魚のほねを上手に取ることができる。
規則はげん守されるべきだ。
問題を解く方法をもっとかん単に説明してください。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「体つきがすらりとしている様子」を表すことばをカタカナ四字で書きなさい。
その力士は小柄でな体つきなのに、横綱から勝ち星をとった。
Practiceの答え
- 答え
囲む
- 答え
経
- 答え
骨
- 答え
厳
- 答え
簡
- 答え
スマート
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「活け造りの魚の目玉なども気になってしまう」とは、どういうことを表していますか。もっともよいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
- ア 魚の目玉につい目がいってしまうということ。
- イ 魚の目玉を気持ち悪いと感じるということ。
- ウ 魚の目玉の色や形に興味があるということ。
- エ 魚が新せんかどうかを目玉で確認するということ。
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「おじさんにさばかれるウナギは、ちっとも気持ち悪くない」とありますが、「私」は、自分で魚をさばくときに魚を「気持ち悪い」と感じるのはなぜだと考えましたか。次のにあてはまることばを文中から書きぬきなさい。
自然と離れて、都市で生活している自分は、魚と直接いないから。
Practiceの答え
- 答え
つながって
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「おじさんがウナギをさばいてゆく一部始終」とありますが、その様子が具体的に書かれているひと続きの三文を文中からさがし、その初めと終わりの六字を書きぬきなさい。(完答)
初め
終わり
Lessonの答え
- 答え
初め まず、キリの 終わり できあがり。 (完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「四万十川」が水のきれいな川であることを表している十一字の表現を文中から書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
日本最後といわれる清流
12章 短歌・俳句
短歌の鑑賞・俳句の鑑賞
12-1 短歌2
Confirm Test
短歌と俳句について書かれた次の文章の A 〜 H にあてはまることばを書きなさい。(完答)
短歌は五・七・五・ A ・七の五句 B 音を基本の形式とする定型詩である。
俳句は五・七・ C の三句 D 音を基本の形式とする定型詩で、 E を一句に一つ入れるというきまりがある。また、「ぞ・や・かな・けり」などを「 F 」といい、句の切れ目や感動の中心を表す。
短歌・俳句ともに基本の形式よりも音数が多いものを「 G 」、少ないものを「 H 」という。
Confirm Testの答え
- 答え
- A 七 B 三十一 C 五
- D 十七 E 季語 F 切れ字
- G 字余り H 字足らず (完答)
Confirm Test
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
A 海恋し潮の遠鳴りかぞへては少女となりし父母の家
与謝野晶子
-
B おりたちて今朝の寒さを*おどろきぬ露しとしとと柿の落ち葉深く
伊藤左千夫
注
- おどろきぬ
- おどろいた。
A・Bの短歌はそれぞれ何句切れですか。最も適当なものを次のうちから選び、それぞれ記号で答えなさい。(完答)
ア 初句切れ イ 二句切れ ウ 三句切れ
エ 四句切れ オ 句切れなし
Aの短歌に使われている表現技法を次のうちから一つ選び、記号で答えなさい。
ア 擬人法 イ 直喩
ウ 体言止め エ 反復
Confirm Testの答え
- 答え
A ア B ウ (完答)
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
短歌について書かれた次の文章の A 〜 D にあてはまることばを書きなさい。
短歌は五・七・五・ A ・七の五句 B 音を基本の形式とする定型詩である。 基本の形式よりも音数が多いものを「 C 」、少ないものを「 D 」という。
Lessonの答え
- 答え
A 七 B 三十一 C 字余り D 字足らず
Practice
短歌について書かれた次の文章の A 〜 D にあてはまることばを書きなさい。
短歌は五・七・ A ・七・七の五句 B 音を基本の形式とする定型詩である。 基本の形式よりも音数が多いものを「 C 」、少ないものを「 D 」という。
Practiceの答え
- 答え
A 五 B 三十一 C 字余り D 字足らず
Point
Lesson
Lesson
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
A いつしかに春の名残となりにけり
昆布干場のたんぽぽの花北原白秋
-
B 金色のちひさき鳥のかたちして
いてふちるなり夕日の岡に与謝野晶子
Aの短歌は何句切れですか。
Bの短歌に使われている表現技法として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 体言止め イ 擬人法 ウ 倒置法 エ 反復
Lessonの答え
- 答え
三句切れ
- 答え
ウ
Practice
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
A くれなゐの二尺のびたる薔薇の芽の針やはらかに春雨の降る
正岡子規
-
B *垂乳根の母が釣りたる*青蚊帳を*すがしといねつたるみたれども
長塚節
注
- 垂乳根の
- 「母」にかかることばで、このことばそのものに意味はない。
- 青蚊帳
- 蚊にさされないように、部屋につりさげるおおい。
- すがしといねつ
- すがすがしいと感じながらねた。
A・Bの短歌はそれぞれ何句切れですか。最も適当なものを次のうちから選び、それぞれ記号で答えなさい。 (完答)
ア 初句切れ イ 二句切れ ウ 三句切れ
エ 四句切れ オ 句切れなし
Bの短歌に使われている表現技法を次のうちから一つ選び、記号で答えなさい。
ア 擬人法 イ 直喩
ウ 倒置法 エ 反復
Practiceの答え
- 答え
A オ B エ (完答)
- 答え
ウ
12-2 短歌3
Confirm Test
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
C おりたちて今朝の寒さを*おどろきぬ露しとしとと柿の落ち葉深く
伊藤左千夫
注
- おどろきぬ
- おどろいた。
Cの短歌の季節として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 春の終わり。 イ 夏の終わり。
ウ 秋の終わり。 エ 冬の終わり。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Confirm Test
あとの(1)〜(3)の鑑賞文にあたる短歌を次のA〜Fの中から選び、それぞれ記号を答えなさい。
-
A くれなゐの二尺のびたる薔薇の芽の
針やはらかに春雨の降る正岡子規
-
B 海恋し潮の遠鳴りかぞへては少女となりし父母の家
与謝野晶子
-
C おりたちて今朝の寒さを*おどろきぬ
露しとしとと柿の落ち葉深く伊藤左千夫
-
D *垂乳根の母が釣りたる*青蚊帳を
*すがしといねつたるみたれども長塚節
-
E 石がけに子ども七人腰かけて
ふぐをつりをり夕焼小焼北原白秋
-
F 新しき本を買ひ来て読む*夜半の
そのたのしさも長く*わすれぬ石川啄木
注
- おどろきぬ
- おどろいた。
- 垂乳根の
- 「母」にかかることばで、このことばそのものに意味はない。
- 青蚊帳
- 蚊にさされないように、部屋につりさげるおおい。
- すがしといねつ
- すがすがしいと感じながらねた。
- 夜半
- 夜なか。夜ふけ。
- わすれぬ
- わすれてしまった。
直接的な体験だけでなく、その体験をする時間や雰囲気を、身近な行動を通して伝えている。
春の雨がふる庭の様子を写生的に詠んだ歌で、若い芽の初々しさの中にある生命力がまぶしく映る。
親に育てられた思い出や家への想いを自然の風景と重ねることで、より恋しさを際立たせている。
Confirm Testの答え
- 答え
F
- 答え
A
- 答え
B
Point
Lesson
Lesson
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
いつしかに春の名残となりにけり
昆布干場のたんぽぽの花北原白秋
この短歌の季節として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 春の終わり イ 夏の終わり
ウ 秋の終わり エ 冬の終わり
Lessonの答え
- 答え
ア
Practice
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
春過ぎて夏来るらし白たへの衣干したり天の香具山
持統天皇
この短歌で、夏らしい情景をえがいた部分を、短歌の中から十字以内で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
白たへの衣干したり
Lesson
Lesson
あとの(1)〜(3)の鑑賞文にあたる短歌を次のA〜Cの中から選び、それぞれ記号を答えなさい。
-
A 春過ぎて夏来るらし白たへの衣干したり天の香具山
持統天皇
-
B 東の野に*かぎろひの立つ見えて
かへり見すれば月*かたぶきぬ柿本人麻呂
-
C 秋*来ぬと目には*さやかに見えねども
風の音にぞ*おどろかれぬる藤原敏行
注
- かぎろひ
- 明け方の空の明るみ。
- かたぶきぬ
- かたむいている。
- 来ぬ
- 来た。
- さやかに
- はっきりと。
- おどろかれぬる
- 気づかされた。
季節の移り変わりを音で感じ取ってよんだ短歌で、作者の感性のするどさを感じさせる。
季節の移り変わりを視覚でとらえてよんだ短歌で、こい緑の中に白がはえている情景があざやかである。
夜明けの、身のひきしまるように美しく雄大な野原の情景がえがかれている。
Lessonの答え
- 答え
C
- 答え
A
- 答え
B
Practice
あとの(1)〜(3)の鑑賞文にあたる短歌を次のA〜Fの中から選び、それぞれ記号を答えなさい。
-
A くれなゐの二尺のびたる薔薇の芽の
針やはらかに春雨の降る正岡子規
-
B 海恋し潮の遠鳴りかぞへては少女となりし父母の家
与謝野晶子
-
C おりたちて今朝の寒さを*おどろきぬ
露しとしとと柿の落ち葉深く伊藤左千夫
-
D *垂乳根の母が釣りたる*青蚊帳を
*すがしといねつたるみたれども長塚節
-
E 石がけに子ども七人腰かけて
ふぐをつりをり夕焼小焼北原白秋
-
F 新しき本を買ひ来て読む*夜半の
そのたのしさも長く*わすれぬ石川啄木
注
- おどろきぬ
- おどろいた。
- 垂乳根の
- 「母」にかかることばで、このことばそのものに意味はない。
- 青蚊帳
- 蚊にさされないように、部屋につりさげるおおい。
- すがしといねつ
- すがすがしいと感じながらねた。
- 夜半
- 夜なか。夜ふけ。
- わすれぬ
- わすれてしまった。
子どもたちの姿が美しい背景の中にうかびあがって、絵を見ているような味わいがある。
母親の細やかな心づかいと、母親に感謝する作者の思いが感じられる心温まる短歌である。
上の句で移りゆく季節をはだで感じた実感を述べ、下の句で目で見た情景をえがいている。
Practiceの答え
- 答え
E
- 答え
D
- 答え
C
12-3 俳句2
Confirm Test
俳句について書かれた次の文章の A 〜 F にあてはまることばを書きなさい。
俳句は五・七・ A の三句 B 音を基本の形式とする定型詩で、 C を一句に一つ入れるというきまりがある。また、「ぞ・や・かな・けり」などを「 D 」といい、句の切れ目や感動の中心を表す。
短歌・俳句ともに基本の形式よりも音数が多いものを「 E 」、少ないものを「 F 」という。
Confirm Testの答え
- 答え
- A 五 B 十七 C 季語
- D 切れ字 E 字余り F 字足らず
Confirm Test
次の俳句を読んで、あとの問いに答えなさい。
- A草枯れて狐の*飛脚通りけり
与謝蕪村 - B雪とけてくりくりしたる月夜かな
小林一茶 - C桐一葉日当りながら落ちにけり
高浜虚子
注
- 飛脚
- 江戸時代、手紙などの配達を職業とした人。
A〜Cの俳句の季語を書きぬき、季節をそれぞれ漢字一字で書きなさい。(完答)
A〜Cの俳句は何句切れですか。最も適当なものを次のうちから選び、それぞれ記号で答えなさい。(完答)
ア 初句切れ イ 二句切れ ウ 句切れなし
Confirm Testの答え
- 答え
- (季語) 草枯れ (季節) 冬
- (季語) 雪とけて (季節) 春
- (季語) 桐一葉 (季節) 秋
(完答)
- 答え
A ウ B ウ C ウ (完答)
Point
Lesson
Lesson
俳句について書かれた次の文章の A 〜 F にあてはまることばを書きなさい。
俳句は五・七・ A の三句 B 音を基本の形式とする定型詩で、 C を一句に一つ入れるというきまりがある。また、「ぞ・や・かな・けり」などを「 D 」といい、句の切れ目や感動の中心を表す。
短歌・俳句ともに基本の形式よりも音数が多いものを「 E 」、少ないものを「 F 」という。
Lessonの答え
- 答え
- A 五 B 十七 C 季語
- D 切れ字 E 字余り F 字足らず
Practice
俳句について書かれた次の文章の A 〜 F にあてはまることばを書きなさい。
俳句は五・ A ・五の B 句十七音を基本の形式とする定型詩で、 C を一句に一つ入れるというきまりがある。また、「ぞ・や・かな・けり」などを「 D 」といい、句の切れ目や感動の中心を表す。
短歌・俳句ともに基本の形式よりも音数が多いものを「 E 」、少ないものを「 F 」という。
Practiceの答え
- 答え
- A 七 B 三 C 季語
- D 切れ字 E 字余り F 字足らず
Point
Lesson
Lesson
次の俳句を読んで、あとの問いに答えなさい。
- 名月や池をめぐりて*夜もすがら
松尾芭蕉
注
- 夜もすがら
- ひと晩じゅう。
この俳句の季語を書きぬき、季節を漢字一字で書きなさい。(完答)
この俳句は何句切れですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 初句切れ イ 二句切れ ウ 句切れなし
Lessonの答え
- 答え
(季語) 名月 (季節) 秋 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の俳句を読んで、あとの問いに答えなさい。
- A五月雨を集めて早し*最上川
松尾芭蕉 - Bいくたびも雪の深さを尋ねけり
正岡子規 - Cうぐいすの身をさかさまに初音かな
宝井其角
注
- 最上川
- 山形県などを流れる川。
A〜Cの俳句の季語を書きぬき、季節をそれぞれ漢字一字で書きなさい。(完答)
A〜Cの俳句は何句切れですか。最も適当なものを次のうちから選び、それぞれ記号で答えなさい。(完答)
ア 初句切れ イ 二句切れ ウ 句切れなし
Practiceの答え
- 答え
- (季語) 五月雨 (季節) 夏
- (季語) 雪 (季節) 冬
- (季語) うぐいす (季節) 春
(完答)
- 答え
A イ B ウ C ウ (完答)
12-4 俳句3
Confirm Test
次の俳句を読んで、あとの問いに答えなさい。
- ちる芒寒くなるのが目にみゆる
小林一茶
この俳句の鑑賞文としてもっとも適するものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア 目の前の風景から厳しい季節の到来を予感している。
- イ 遠い故郷を思う気持ちを表現している。
- ウ 小さな生命にみなぎるエネルギーが感じられる。
- エ 寒々とした写実に、作者の孤独が感じられる。
- オ あざやかにさいた花の美しさに作者は感動している。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Confirm Test
あとの鑑賞文の内容にあてはまる俳句を次のA〜Gの中から選び、記号で答えなさい。
- A五月雨を集めて早し*最上川
松尾芭蕉 - B草枯れて狐の*飛脚通りけり
与謝蕪村 - C雪とけてくりくりしたる月夜かな
小林一茶 - D桐一葉日当りながら落ちにけり
高浜虚子 - E*白牡丹といふといへども紅ほのか
高浜虚子 - F梅一輪一輪ほどのあたたかさ
服部嵐雪 - G朝顔に*釣瓶とられてもらひ水
加賀千代女
注
- 最上川
- 山形県などを流れる川。
- 飛脚
- 江戸時代、手紙などの配達を職業とした人。
- 白牡丹
- 白い大きな花をつけるボタン科の植物。
- 釣瓶
- 縄やさおの先におけを取りつけて、井戸の水をくみ上げるもの。
自然のわずかな変化をとらえて、春が近づいている喜びを表現している。
Confirm Testの答え
- 答え
F
Point
Lesson
Lesson
次の俳句を読んで、あとの問いに答えなさい。
- 渡り鳥みるみるわれの小さくなり
上田五千石
この俳句について説明した次の文章の a〜dにあてはまることばを、俳句の中から書きぬきなさい。(完答)
空を飛ぶ a と、それを見上げる人間の視点が入れかわるのがおもしろい。空から見ると、地上にいる「 b 」が c うちに d なっていくのである。
Lessonの答え
- 答え
a 鳥(渡り鳥) b われ c みるみる d 小さく (完答)
Practice
次の俳句を読んで、あとの問いに答えなさい。
- 冬の波冬の*波止場に来て返す
加藤郁乎
注
- 波止場
- 港の船着き場。
この俳句の鑑賞文としてもっとも適するものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア 目の前の風景から厳しい季節の到来を予感している。
- イ 遠い故郷を思う気持ちを表現している。
- ウ 小さな生命にみなぎるエネルギーが感じられる。
- エ 寒々とした写実に、作者の孤独が感じられる。
- オ あざやかにさいた花の美しさに作者は感動している。
Practiceの答え
- 答え
エ
Lesson
Lesson
あとの鑑賞文の内容にあてはまる俳句を次のA〜Gの中から選び、記号で答えなさい。
- A五月雨を集めて早し*最上川
松尾芭蕉 - B草枯れて狐の*飛脚通りけり
与謝蕪村 - C雪とけてくりくりしたる月夜かな
小林一茶 - D桐一葉日当りながら落ちにけり
高浜虚子 - E*白牡丹といふといへども紅ほのか
高浜虚子 - F梅一輪一輪ほどのあたたかさ
服部嵐雪 - G朝顔に*釣瓶とられてもらひ水
加賀千代女
注
- 最上川
- 山形県などを流れる川。
- 飛脚
- 江戸時代、手紙などの配達を職業とした人。
- 白牡丹
- 白い大きな花をつけるボタン科の植物。
- 釣瓶
- 縄やさおの先におけを取りつけて、井戸の水をくみ上げるもの。
比喩が使われていて、童話風のほのぼのとした味わいがある。
Lessonの答え
- 答え
B
Practice
あとの鑑賞文の内容にあてはまる俳句を次のA〜Gの中から選び、記号で答えなさい。
- A五月雨を集めて早し*最上川
松尾芭蕉 - B草枯れて狐の*飛脚通りけり
与謝蕪村 - C雪とけてくりくりしたる月夜かな
小林一茶 - D桐一葉日当りながら落ちにけり
高浜虚子 - E*白牡丹といふといへども紅ほのか
高浜虚子 - F梅一輪一輪ほどのあたたかさ
服部嵐雪 - G朝顔に*釣瓶とられてもらひ水
加賀千代女
注
- 最上川
- 山形県などを流れる川。
- 飛脚
- 江戸時代、手紙などの配達を職業とした人。
- 白牡丹
- 白い大きな花をつけるボタン科の植物。
- 釣瓶
- 縄やさおの先におけを取りつけて、井戸の水をくみ上げるもの。
暮らしの中のふとしたできごとをえがいた中に、植物への作者のやさしさが感じられる。
Practiceの答え
- 答え
G
13章 詩
詩の読み方
13-1 詩2
Confirm Test
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
虹の足 吉野弘
- 雨があがって
- 雲間から
- *乾麵みたいに真直な
- 陽射しがたくさん地上に刺さり
- 行手に*榛名山が見えたころ
- 山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。
- 眼下にひろがる田圃の上に
- 虹がそっと足を下ろしたのを!
- *野面にすらりと足を置いて
- 虹のアーチが軽やかに
- すっくと空に立ったのを!
- その虹の足の底に
- 小さな村といくつかの家が
- すっぽり抱かれて染められていたのだ。
- それなのに
- 家から飛び出して虹の足にさわろうとする人影は見えない。
- おーい、君の家が虹の中にあるぞオ
- 乗客たちは頰を火照らせ
- 野面に立った虹の足に見とれた。
- 多分、あれはバスの中の僕らには見えて
- 村の人々には見えないのだ。
- そんなこともあるのだろう
- 他人には見えて
- 自分には見えない の中で
- 格別驚きもせず
- に生きていることが。
注
- 乾麵
- うどん、そうめんなどをほして固くしたもの。
- 榛名山
- 群馬県にある山。
- 野面
- 野原。
この詩はいくつの連(まとまり)からできていますか。漢数字で答えなさい。
この詩で使われている表現技法を次のア〜オからすべて選び、記号で答えなさい。(順不同・完答)
ア 擬人法 イ 倒置法 ウ 反復法
エ 体言止め オ 対句法
Confirm Testの答え
- 答え
一(連)
- 答え
ア、イ、オ (順不同・完答)
Confirm Test
Training1(または確認テスト1)の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
この詩において、作者はどこにいると考えられるか。詩の中から九字で書きぬきなさい。
詩の中の二つの に共通してあてはまることばとして、もっとも適当なものを次のうちから一つ選び、記号で答えなさい。
ア 幸福 イ 自然 ウ 自由 エ 平等
線部「生きていることが」の「」にことばを補うとしたとき、あてはまることばを詩の中から書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
山路を登るバスの中
- 答え
ア
- 答え
あるのだろう
Point
Lesson
Lesson
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
空 菊池敏子
- こんなにもほがらかな空の どこに
- *綻びがあるというのだろう
- いそいで繕いにゆかなくては
- とでもいうふうに
- 白い糸をつけた 銀の針のかたちして
- ヒコーキが飛んでゆく
- 空は きょう
- わたしに気づかせたかったのだ
- *シンプルな演出で
- 思いもかけぬよい光景を目撃させ
- どれほどのあいだ
- わたしがあくせく
- 空を忘れて過ごしていたか を
- のどが渇きそうな 空の
- まっさおな上機嫌に
- 感染してしまったらしい
- わたしの いちにち
注
- 綻び
- 糸でぬった部分がほどけたところ。ほつれ。
- シンプル
- 単純な様子。簡単。
この詩はいくつの連(まとまり)からできていますか。漢数字で答えなさい。
この詩で使われている表現技法を次のア〜オからすべて選び、記号で答えなさい。(順不同・完答)
ア 擬人法 イ 倒置法 ウ 反復法
エ 体言止め オ 対句法
Lessonの答え
- 答え
三(連)
- 答え
ア、イ、エ (順不同・完答)
Practice
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
雑草 大関 松三郎
- おれは雑草になりたくないな
- だれからもきらわれ
- 芽をだしても すぐひっこぬかれてしまう
- やっと なっぱのかげにかくれて 大きくなったと思っても
- ちょこっと こっそり咲かせた花がみつかれば
- すぐ「こいつめ」と ひっこぬかれてしまう
- だれからもきらわれ
- だれからもにくまれ
- *たいひの山につみこまれて くさっていく
- おれは こんな雑草になりたくないな
- ①しかし どこから種がとんでくるんか
- ②取っても 取っても
- よくもまあ たえないものだ
- かわいがられている野菜なんかより
- ③よっぽど丈夫な根っこをはって生えてくる雑草
- 強い雑草
- 強くて にくまれもんの雑草
注
- たいひ
- わらや落ち葉などを積み重ねてくさらせたもの。肥料として使う。
この詩を、用語と形式のうえから分類したものとしてよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
ア 文語定型詩 イ 口語定型詩
ウ 文語自由詩 エ 口語自由詩
線②、③に使われている表現技法を次のア〜オから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。(完答)
ア 擬人法 イ 直喩法 ウ 倒置法
エ 体言止め オ 反復法
Practiceの答え
- 答え
エ
- 答え
② オ ③ エ (完答)
Point
Lesson
Lesson
Lesson1(または理解度テスト1)の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
この詩からわかる作者の思いを説明したものとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア いつもとちがった空の様子を見て心配になっている。
- イ 目を見はるようなきれいな空の様子を見ておどろいている。
- ウ 思いがけず気持ちのよい空の様子を見てうれしくなっている。
- エ 何もなやみのなさそうなすっきりした空の様子を見てうらやましく思っている。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
Practice1の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
線①「しかし」より前とあとでは雑草に対する「おれ」の心情はどのように変化していますか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 前でも雑草に対して悪い印象をもっているが、あとではさらに悪い印象をもつようになっている。
- イ 前では雑草に対して悪い印象をもっているが、あとでは雑草のしぶとさに気づき、少し見直している。
- ウ 前では雑草に対して良い印象をもっているが、あとでは野菜と比べておとると批判する気持ちになっている。
- エ 前では雑草に対して良い印象をもっているが、あとでは雑草をきらうようになっている。
Practiceの答え
- 答え
イ
14章 物語文
物語文の読み方
14-1 物語文12
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学校二年生の信雄の家は、大阪の安治川沿いで食堂をやっていた。あるとき、信雄は、川のほとりで舟を家がわりにして住んでいる同じ年齢の喜一とその姉銀子と仲良くなった。信雄の父晋平は、子供たちを天神祭りに連れていくことになったが、祭りの当日、信雄の母が急に病気になり、晋平は行けなくなった。信雄と喜一は仕方なく自分たちだけで行くことにした。
「銀子ちゃんは行けへんのん?」
信雄が二階に声をかけると、
「うん、うち行けへん」
しばらくして銀子の言葉が返ってきた。
二人は夕暮の道を駈け出した。
近くといっても、信雄の家から浄正橋までは歩いて三十分近くもかかる距離であった。堂島川のほとりを上っていき、堂島大橋を渡って北へ歩いていくうちに、*お囃子の音が大きく聞こえてきた。
大通りを曲がり、*仕舞屋が軒を連ねる筋に入ると、陽の沈むのを待ちあぐねた子供たちが、道にうずくまってもう花火に火をつけている。酒臭いはっぴ姿の男が、同じ柄のはっぴを着た幼な子を肩に乗せて、ぶらりぶらりと神社に向かっている。そのあとを喜一と並んで歩きながら、にわかに大きくうねりだした祭り囃子に耳を傾けていると、信雄はなにやら急に心細くなってきた。
「僕、お金持って遊びに行くのん、初めてや」
ときどき立ち停まると、喜一はそのたびに掌を開いて、晋平からもらった硬貨の数を確かめた。①信雄は自分の金をそっくり喜一の掌に移した。
「僕のんと合わしたら、何でも買えるで」
「そやなあ、あれ買えるかも知れへんなあ」
信雄も喜一も、火薬を詰めて飛ばすロケットのおもちゃが欲しかったのである。恵比須神社の縁日でも売っていたから、きっと今夜も売っている筈であった。
天満宮のような巨大な祭りではなかったが、それでも商店街のはずれから境内への道まで*露店がひしめきあっている。人通りも多くなり、スルメを焼く匂いと、露店の茣蓙の上で白い光を発している*カーバイドの悪臭が、暗くなり始めた道にたちこめて、信雄も喜一もだんだん祭り気分にうかれていった。
喜一は硬貨をポケットにしまい、信雄の手を握った。
「はぐれたらあかんで」
人混みを縫いながら、二人は露店を一軒一軒見て歩いた。
水飴屋の前に立ったとき、
「一杯だけ買うて、半分ずつ飲めへんか?」
と喜一が誘った。ロケットを買ってからにしようという信雄の言葉でしぶしぶその場を離れたが、こんどは焼きイカ屋の前でも同じことをせびった。飲み物や食べ物を売る店の前に来ると、喜一は必ず信雄の肘を引っぱって誘うのだった。
「きっちゃん、ロケット欲しいことないんか?」
喜一の手を振りほどくと、信雄は怒ったように言った。
「ロケットも欲しいけど、僕、いろんなもん食べてみたいわ」
②口をとがらせて、喜一は脛の虫さされのあとを強く搔きむしった。
(宮本輝『泥の河』)
注
- お囃子
- 祭りをもりあげるための笛やたいこの音楽。
- 仕舞屋
- 商売をしていない住宅。
- 露店
- 出店。
- カーバイドの悪臭
- 明かりとして燃やすカーバイドのいやなにおい。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
地元の農家が市場で新鮮な野菜を提きょうする。
こん乱を避けるために、入場時には列を作ってください。
その情報が正しいかをたしかめなければならない。
新しい会社には広くて明るい食どうがある。
毎日のトレーニングで彼のきん肉はより強くなった。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「ひしめく」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 土曜日の公園では、犬を連れた家族やスポーツを楽しむ人たちがひしめいていた。
- イ 彼女は自分の机を見て、散らかったノートや教科書にひしめかれた。
- ウ 学校の図書室では、本にひしめく知識を見つけることができる。
- エ 秋の遠足で、紅葉の美しい山を登るとき、彼らは色とりどりの葉っぱにひしめいた。
Confirm Testの答え
- 答え
供
- 答え
混
- 答え
確か
- 答え
堂
- 答え
筋
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「信雄は自分の金をそっくり喜一の掌に移した」とありますが、このことで喜一の気持ちはどうなりましたか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分の使えるお金が増えたので喜んだ。
- イ 自分の責任が重くなったようで気持ちがしずんでいった。
- ウ 買い物をすることがますます楽しみになってきた。
- エ 信雄の行動の意図がわからず不安になった。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「口をとがらせて、喜一は脛の虫さされのあとを強く搔きむしった」という表現から、喜一のどんな様子がわかりますか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 信雄がいじわるをしていると思い、悲しんでいる。
- イ ロケットにこだわる信雄が正しいと、あきらめている。
- ウ 信雄がおこったので、おどろいている。
- エ 自分の意見が通らないので、不満に思っている。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学校二年生の信雄の家は、大阪の安治川沿いで食Aどうをやっていた。あるとき、信雄は、川のほとりで舟を家がわりにして住んでいる同じ年齢の喜一とその姉銀子と仲良くなった。信雄の父晋平は、子Bどもたちを天神祭りに連れていくことになったが、祭りの当日、信雄の母が急に病気になり、晋平は行けなくなった。信雄と喜一は仕方なく自分たちだけで行くことにした。
「銀子ちゃんは行けへんのん?」
信雄が二階に声をかけると、
「うん、うち行けへん」
しばらくして銀子の言葉が返ってきた。
①二人は夕暮の道を駈け出した。
近くといっても、信雄の家から浄正橋までは歩いて三十分近くもかかる距離であった。どう島川のほとりを上っていき、どう島大橋を渡って北へ歩いていくうちに、*お囃子の音が大きく聞こえてきた。
大通りを曲がり、*仕舞屋が軒を連ねるCすじに入ると、陽の沈むのを待ちあぐねた子どもたちが、道にうずくまってもう花火に火をつけている。酒臭いはっぴ姿の男が、同じ柄のはっぴを着た幼な子を肩に乗せて、ぶらりぶらりと神社に向かっている。そのあとを喜一と並んで歩きながら、にわかに大きくうねりだした祭り囃子に耳を傾けていると、信雄はなにやら急に心細くなってきた。
「僕、お金持って遊びに行くのん、初めてや」
ときどき立ち停まると、喜一はそのたびに掌を開いて、晋平からもらった硬貨の数をDたしかめた。信雄は自分の金をそっくり喜一の掌に移した。
「僕のんと合わしたら、何でも買えるで」
「そやなあ、あれ買えるかも知れへんなあ」
信雄も喜一も、火薬を詰めて飛ばすロケットのおもちゃが欲しかったのである。恵比須神社の縁日でも売っていたから、きっと今夜も売っている筈であった。
天満宮のような巨大な祭りではなかったが、それでも商店街のはずれから境内への道まで*露店がひしめきあっている。人通りも多くなり、スルメを焼く匂いと、露店の茣蓙の上で白い光を発している*カーバイドの悪臭が、暗くなり始めた道にたちこめて、②信雄も喜一もだんだん祭り気分にうかれていった。
喜一は硬貨をポケットにしまい、信雄の手を握った。
「はぐれたらあかんで」
人Eごみを縫いながら、二人は露店を一軒一軒見て歩いた。
水飴屋の前に立ったとき、
「一杯だけ買うて、半分ずつ飲めへんか?」
と喜一が誘った。ロケットを買ってからにしようという信雄の言葉でしぶしぶその場を離れたが、こんどは焼きイカ屋の前でも同じことをせびった。飲み物や食べ物を売る店の前に来ると、喜一は必ず信雄の肘を引っぱって誘うのだった。
「きっちゃん、ロケット欲しいことないんか?」
喜一の手を振りほどくと、信雄は怒ったように言った。
「ロケットも欲しいけど、僕、いろんなもん食べてみたいわ」
口をとがらせて、喜一は脛の虫さされのあとを強く搔きむしった。
(宮本輝『泥の河』)
注
- お囃子
- 祭りをもりあげるための笛やたいこの音楽。
- 仕舞屋
- 商売をしていない住宅。
- 露店
- 出店。
- カーバイドの悪臭
- 明かりとして燃やすカーバイドのいやなにおい。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
線「ひしめく」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 水面が光に反射してきらきらと輝く様子
- イ 軽やかに素早く動き回る様子
- ウ 人々が小さな声でひそひそと話す様子
- エ 人が集まり、押し合ってうごめきどよめく様子
Lessonの答え
- 答え
A 堂 B 供 C 筋 D 確 E 混 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学校二年生の信雄の家は、大阪の安治川沿いで食堂をやっていた。あるとき、信雄は、川のほとりで舟を家がわりにして住んでいる同じ年齢の喜一とその姉銀子と仲良くなった。信雄の父晋平は、子供たちを天神祭りに連れていくことになったが、祭りの当日、信雄の母が急に病気になり、晋平は行けなくなった。信雄と喜一は仕方なく自分たちだけで行くことにした。
「銀子ちゃんは行けへんのん?」
信雄が二階に声をかけると、
「うん、うち行けへん」
しばらくして銀子の言葉が返ってきた。
二人は夕暮の道を駈け出した。
近くといっても、信雄の家から浄正橋までは歩いて三十分近くもかかる距離であった。堂島川のほとりを上っていき、堂島大橋を渡って北へ歩いていくうちに、*お囃子の音が大きく聞こえてきた。
大通りを曲がり、*仕舞屋が軒を連ねる筋に入ると、陽の沈むのを待ちあぐねた子供たちが、道にうずくまってもう花火に火をつけている。酒臭いはっぴ姿の男が、同じ柄のはっぴを着た幼な子を肩に乗せて、ぶらりぶらりと神社に向かっている。そのあとを喜一と並んで歩きながら、にわかに大きくうねりだした祭り囃子に耳を傾けていると、信雄はなにやら急に心細くなってきた。
「①僕、お金持って遊びに行くのん、初めてや」
ときどき立ち停まると、喜一はそのたびに掌を開いて、晋平からもらった硬貨の数を確かめた。信雄は自分の金をそっくり喜一の掌に移した。
「僕のんと合わしたら、何でも買えるで」
「そやなあ、あれ買えるかも知れへんなあ」
信雄も喜一も、火薬を詰めて飛ばすロケットのおもちゃが欲しかったのである。恵比須神社の縁日でも売っていたから、きっと今夜も売っている筈であった。
天満宮のような巨大な祭りではなかったが、それでも商店街のはずれから境内への道まで*露店がひしめきあっている。人通りも多くなり、スルメを焼く匂いと、露店の茣蓙の上で白い光を発している*カーバイドの悪臭が、暗くなり始めた道にたちこめて、②信雄も喜一もだんだん祭り気分にうかれていった。
喜一は硬貨をポケットにしまい、信雄の手を握った。
「はぐれたらあかんで」
人混みを縫いながら、二人は露店を一軒一軒見て歩いた。
水飴屋の前に立ったとき、
「一杯だけ買うて、半分ずつ飲めへんか?」
と喜一が誘った。ロケットを買ってからにしようという信雄の言葉でしぶしぶその場を離れたが、こんどは焼きイカ屋の前でも同じことをせびった。飲み物や食べ物を売る店の前に来ると、喜一は必ず信雄の肘を引っぱって誘うのだった。
「きっちゃん、ロケット欲しいことないんか?」
喜一の手を振りほどくと、信雄は怒ったように言った。
「ロケットも欲しいけど、僕、いろんなもん食べてみたいわ」
口をとがらせて、喜一は脛の虫さされのあとを強く搔きむしった。
(宮本輝『泥の河』)
注
- お囃子
- 祭りをもりあげるための笛やたいこの音楽。
- 仕舞屋
- 商売をしていない住宅。
- 露店
- 出店。
- カーバイドの悪臭
- 明かりとして燃やすカーバイドのいやなにおい。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
昔の寺院には大きな講どうがある。
公園ではたくさんの子どもたちが元気に遊んでいる。
この話のすじがとても面白い。
明日の予定をかく認する。
白いペンキに青を少しまぜると、きれいな空色になる。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「人が集まり、押し合ってうごめきどよめく様子」を表すことばを四字で書きなさい。
祭りで人々がように広場に集まっていた。
Practiceの答え
- 答え
堂
- 答え
供
- 答え
筋
- 答え
確
- 答え
混ぜる
- 答え
ひしめく
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「二人は夕暮の道を駈け出した」とありますが、このときの二人の気持ちとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 暗くなるとこわいので、早く行こうとあせる気持ち。
- イ 銀子が行かないさびしさをふり切ろうとする気持ち。
- ウ 早くお祭りに行って遊びたいと思う気持ち。
- エ 暗い家から早く逃げ出したいという気持ち。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「僕、お金持って遊びに行くのん、初めてや」とありますが、このときの喜一の気持ちの説明として適当でないものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 遊びに行くのが楽しくてどきどきしている。
- イ 少し大人になったような気がして得意になっている。
- ウ お金をなくしはしないかと少し不安を感じている。
- エ もらったお金をどうしていいかわからずとまどっている。
Practiceの答え
- 答え
エ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②について、「だんだん祭り気分にうかれていった」とありますが、信雄はその前はどんな気分だったのですか。文中のことばを使って答えなさい。
Lessonの答え
- 答え
心細い気分だった。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②について、二人を「だんだん祭り気分」にさせていったまわりの様子やことがらを次のア〜クから四つ選び、記号で答えなさい。 (順不同・完答)
- ア スルメを焼く匂い
- イ ひしめきあっている露店
- ウ 商店街のにぎわい
- エ 前を歩くはっぴ姿の親子
- オ カーバイドの悪臭
- カ 掌の中の硬貨
- キ ロケットのおもちゃ
- ク 人通りの多さ
Practiceの答え
- 答え
ア、イ、オ、ク (順不同・完答)
14-2 物語文13
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
天神祭りに行った信雄と喜一は、もらったこづかいをいっしょにしてロケットのおもちゃを買おうと考えた。が、二人分のお金をあずかった喜一は飲み物や食べ物をほしがり、信雄と言い争う。
すねたふりをして一歩も動こうとしない喜一を尻目に、信雄はひとり境内に向かって歩きだした。歩き始めると、人波に押されて立ち停まることもできなくなってしまった。喜一の顔が遠ざかり見えなくなった。
信雄は慌てて引き返そうとした。色とりどりの浴衣や団扇や、汗や化粧の匂いが、大きな流れとなって信雄を押し返す。やっとの思いで元の場所に戻って来たが、喜一の姿はなかった。信雄はぴょんぴょん跳びあがってまわりを見渡した。いつのまにすれちがったのか、人波にもまれている喜一の顔が、神社の入口のところで見え隠れしていた。
「きっちゃん、きっちゃん」
信雄の声は、子供たちの*喚声や祭り囃子に消されてしまった。喜一は小走りで先へ先へと進んでいく。相当*狼狽して信雄を捜しているふうであった。信雄は大人たちの膝元をかきわけ、必死で走った。何人かの足を踏み、ときどき*怒声を浴びて突き飛ばされたりした。境内の手前にある風鈴屋の前でやっと喜一に追いついた。赤や青の短冊が一斉に震え始め、それと一緒に、何やら胸の底に突き立ってくるような冷たい風鈴の音に包みこまれた。信雄は喜一の肩を摑んだ。喜一は泣いていた。泣きながら何かわめいた。
「えっ、なに? どないしたん?」
よく聞きとれなかったので、信雄は喜一の口元に耳を寄せた。
「お金、あらへん。お金、落とした」
風鈴屋の屋台からこぼれ散る夥しい短冊の影が、喜一の歪んだ顔に映っていた。
信雄と喜一はもう一度商店街の端まで行き、地面を睨みながらじぐざぐに歩いた。再び風鈴屋の前に戻って来たが、落とした硬貨は一枚も見つからなかった。喜一のズボンのポケットは、両方とも穴があいていた。
信雄が何を話しかけても、喜一は黙りこくったままだった。①人波に乗って二人は境内に流されていった。
一台の*だんじりが置かれ、その中で数人の男がお囃子を奏でていた。同じ旋律の執拗な繰り返しに*酩酊した男たちは、裸の体から粘りつくような汗を絞り出している。数珠繫ぎに吊るされた裸電球が、だんじりのまわりでびりびり震えていた。
信雄は石段に腰をおろし、ちょうど目の前に佇んで誰かを待っているらしい浴衣姿の少女を見つめた。その少女の持つ廻り灯籠の中で、黒い屋形舟が廻っている。
鈍い破裂音が聞こえ、それと一緒に*硝煙の匂いがたちこめた。信雄と喜一の前にプラスチック製の小さなロケットが落ちてきた。境内の奥に、とりわけ子供たちの集まっている露店があり、おもちゃのロケットが茣蓙に並べられていた。喜一が足元のロケットをすばやく拾いあげ、信雄の手を引いてその露店の所まで走った。
はちまき姿の男は茣蓙に座ったまま喜一の手からロケットを受け取り、
「サンキュー、サンキュー、ご苦労さん」
と潰れた声で言った。
信雄と喜一は顔を見合わせて笑った。
(宮本輝『泥の河』)
注
- 喚声
- 興奮して出す大きな声。
- 狼狽
- あわてふためくこと。
- 怒声
- どなり声。
- だんじり
- 山車。
- 酩酊
- 酒にようこと。
- 硝煙
- 火薬が燃えて出るけむり。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
コンサートホールでピアノの演そう会を開いた。
学校の規りつを守ることはとても大切だ。
夕日が湖面にうつって、とても幻想的だった。
教科書以外にも参考書を二さつ持ってきてください。
古い靴下についにあなが開いた。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「たたずむ」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 彼女は美術館の一角で、一枚の絵に心を奪われてたたずんでいた。
- イ 友達との約束時間に遅れた彼は、速さで自分をたたずんでしまった。
- ウ 新しい年が始まると、多くの人が新たな決意をたたずむ。
- エ 彼は新しいゲームで高得点をたたずむことができた。
Confirm Testの答え
- 答え
奏
- 答え
律
- 答え
映って
- 答え
冊
- 答え
穴
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「人波に乗って二人は境内に流されていった」とありますが、このとき、二人はどんな気持ちになっていたと考えられますか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 信雄はお金を落とした喜一に腹を立て、喜一は一人で責任を感じて悲しい気持ちになっていた。
- イ 二人とも、お祭り気分がふきとんで、お金をなくしたくやしさと情けなさで、重苦しい気持ちになっていた。
- ウ 二人とも、お金をまったく持っていないことを心細く思い、早く家に帰りたいという気持ちになっていた。
- エ 二人とも、境内のほうからもう一度さがして、落としたお金を絶対に見つけるんだと意気ごむ気持ちになっていた。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
天神祭りに行った信雄と喜一は、もらったこづかいをいっしょにしてロケットのおもちゃを買おうと考えた。が、二人分のお金をあずかった喜一は飲み物や食べ物をほしがり、信雄と言い争う。
すねたふりをして一歩も動こうとしない喜一を尻目に、信雄はひとり境内に向かって歩きだした。歩き始めると、人波に押されて立ち停まることもできなくなってしまった。喜一の顔が遠ざかり見えなくなった。
信雄は慌てて引き返そうとした。色とりどりの浴衣や団扇や、汗や化粧の匂いが、大きな流れとなって信雄を押し返す。やっとの思いで元の場所に戻って来たが、喜一の姿はなかった。信雄はぴょんぴょん跳びあがってまわりを見渡した。いつのまにすれちがったのか、人波にもまれている喜一の顔が、神社の入口のところで見え隠れしていた。
「きっちゃん、きっちゃん」
信雄の声は、子供たちの*喚声や祭り囃子に消されてしまった。喜一は小走りで先へ先へと進んでいく。相当*狼狽して信雄を捜しているふうであった。信雄は大人たちの膝元をかきわけ、必死で走った。何人かの足を踏み、ときどき*怒声を浴びて突き飛ばされたりした。境内の手前にある風鈴屋の前でやっと喜一に追いついた。赤や青の短Aざくが一斉に震え始め、それと一緒に、何やら胸の底に突き立ってくるような冷たい風鈴の音に包みこまれた。信雄は喜一の肩を摑んだ。喜一は泣いていた。泣きながら何かわめいた。
「えっ、なに? どないしたん?」
よく聞きとれなかったので、信雄は喜一の口元に耳を寄せた。
「お金、あらへん。お金、落とした」
風鈴屋の屋台からこぼれ散る夥しい短ざくの影が、喜一の歪んだ顔にBうつっていた。
信雄と喜一はもう一度商店街の端まで行き、地面を睨みながらじぐざぐに歩いた。再び風鈴屋の前に戻って来たが、落とした硬貨は一枚も見つからなかった。喜一のズボンのポケットは、両方ともCあながあいていた。
信雄が何を話しかけても、喜一は黙りこくったままだった。人波に乗って二人は境内に流されていった。
一台の*だんじりが置かれ、その中で数人の男がお囃子をDかなでていた。同じ旋Eりつの執拗な繰り返しに*酩酊した男たちは、裸の体から粘りつくような汗を絞り出している。数珠繫ぎに吊るされた裸電球が、だんじりのまわりでびりびり震えていた。
信雄は石段に腰をおろし、ちょうど目の前に佇んで誰かを待っているらしい浴衣姿の少女を見つめた。その少女の持つ廻り灯籠の中で、黒い屋形舟が廻っている。
鈍い破裂音が聞こえ、それと一緒に*硝煙の匂いがたちこめた。信雄と喜一の前にプラスチック製の小さなロケットが落ちてきた。境内の奥に、とりわけ子供たちの集まっている露店があり、おもちゃのロケットが茣蓙に並べられていた。喜一が足元のロケットをすばやく拾いあげ、信雄の手を引いてその露店の所まで走った。
はちまき姿の男は茣蓙に座ったまま喜一の手からロケットを受け取り、
「サンキュー、サンキュー、ご苦労さん」
と潰れた声で言った。
①信雄と喜一は顔を見合わせて笑った。
(宮本輝『泥の河』)
注
- 喚声
- 興奮して出す大きな声。
- 狼狽
- あわてふためくこと。
- 怒声
- どなり声。
- だんじり
- 山車。
- 酩酊
- 酒にようこと。
- 硝煙
- 火薬が燃えて出るけむり。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
線「佇む」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 感情が高ぶり、落ち着かない様子
- イ ゆっくりと時間を過ごす様子
- ウ しばらく一か所に立ちどまる様子
- エ 物思いにふける様子
Lessonの答え
- 答え
A 冊 B 映 C 穴 D 奏 E 律 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
天神祭りに行った信雄と喜一は、もらったこづかいをいっしょにしてロケットのおもちゃを買おうと考えた。が、二人分のお金をあずかった喜一は飲み物や食べ物をほしがり、信雄と言い争う。
すねたふりをして一歩も動こうとしない喜一を尻目に、①信雄はひとり境内に向かって歩きだした。歩き始めると、人波に押されて立ち停まることもできなくなってしまった。喜一の顔が遠ざかり見えなくなった。
信雄は慌てて引き返そうとした。色とりどりの浴衣や団扇や、汗や化粧の匂いが、大きな流れとなって信雄を押し返す。やっとの思いで元の場所に戻って来たが、喜一の姿はなかった。信雄はぴょんぴょん跳びあがってまわりを見渡した。いつのまにすれちがったのか、人波にもまれている喜一の顔が、神社の入口のところで見え隠れしていた。
「きっちゃん、きっちゃん」
信雄の声は、子供たちの*喚声や祭り囃子に消されてしまった。喜一は小走りで先へ先へと進んでいく。相当*狼狽して信雄を捜しているふうであった。信雄は大人たちの膝元をかきわけ、必死で走った。何人かの足を踏み、ときどき*怒声を浴びて突き飛ばされたりした。境内の手前にある風鈴屋の前でやっと喜一に追いついた。赤や青の短冊が一斉に震え始め、それと一緒に、何やら胸の底に突き立ってくるような冷たい風鈴の音に包みこまれた。信雄は喜一の肩を摑んだ。喜一は泣いていた。泣きながら何かわめいた。
「えっ、なに? どないしたん?」
よく聞きとれなかったので、信雄は喜一の口元に耳を寄せた。
「お金、あらへん。お金、落とした」
風鈴屋の屋台からこぼれ散る夥しい短冊の影が、喜一の歪んだ顔に映っていた。
信雄と喜一はもう一度商店街の端まで行き、地面を睨みながらじぐざぐに歩いた。再び風鈴屋の前に戻って来たが、落とした硬貨は一枚も見つからなかった。喜一のズボンのポケットは、両方とも穴があいていた。
信雄が何を話しかけても、喜一は黙りこくったままだった。人波に乗って二人は境内に流されていった。
一台の*だんじりが置かれ、その中で数人の男がお囃子を奏でていた。同じ旋律の執拗な繰り返しに*酩酊した男たちは、裸の体から粘りつくような汗を絞り出している。数珠繫ぎに吊るされた裸電球が、だんじりのまわりでびりびり震えていた。
信雄は石段に腰をおろし、ちょうど目の前に佇んで誰かを待っているらしい浴衣姿の少女を見つめた。その少女の持つ廻り灯籠の中で、黒い屋形舟が廻っている。
鈍い破裂音が聞こえ、それと一緒に*硝煙の匂いがたちこめた。信雄と喜一の前にプラスチック製の小さなロケットが落ちてきた。境内の奥に、とりわけ子供たちの集まっている露店があり、おもちゃのロケットが茣蓙に並べられていた。喜一が足元のロケットをすばやく拾いあげ、信雄の手を引いてその露店の所まで走った。
はちまき姿の男は茣蓙に座ったまま喜一の手からロケットを受け取り、
「サンキュー、サンキュー、ご苦労さん」
と潰れた声で言った。
信雄と喜一は顔を見合わせて笑った。
(宮本輝『泥の河』)
注
- 喚声
- 興奮して出す大きな声。
- 狼狽
- あわてふためくこと。
- 怒声
- どなり声。
- だんじり
- 山車。
- 酩酊
- 酒にようこと。
- 硝煙
- 火薬が燃えて出るけむり。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
新しいノートを五さつ購入した。
えい画を見に行くのが好きだ。
地面に深いあなを掘って、木を植えた。
学校の行事で合そうをすることになった。
法りつを守らなければ、事故が増える。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「しばらく一か所に立ちどまる様子」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
あの家の前で犬は、主人が帰るのを静かに待っている。
Practiceの答え
- 答え
冊
- 答え
映
- 答え
穴
- 答え
奏
- 答え
律
- 答え
たたずむ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「信雄と喜一は顔を見合わせて笑った」とありますが、ここから二人の気持ちが変化していることがわかります。その変化が起きる最初のきっかけになったのは、どんなできごとですか。それが書かれているひと続きの二文をさがし、その初めと終わりの五字を書きぬきなさい。(完答)
初め
終わり
Lessonの答え
- 答え
初め 鈍い破裂音 終わり ちてきた。 (完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「信雄はひとり境内に向かって歩きだした」とありますが、なぜですか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分がひとりで先に行くふりをすれば、すねたふりをしている喜一もあきらめてついてくると思ったから。
- イ すねたふりをしている喜一がにくらしく、もういっしょに行くのはいやだと思ったから。
- ウ ロケットのおもちゃを売っている露店に早く行きたくて、喜一のことはあまり気にしていなかったから。
- エ 歩き始めるつもりはなかったが、人波に押されるうちに立ちどまっていることができなくなったから。
Practiceの答え
- 答え
ア
14-3 物語文14
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
二人分のこづかいを落としてしまったことで、信雄と喜一は落ちこんでしまうが、破裂音とともに二人の前に飛んできたロケットを見て、再びお祭り気分をとりもどす。
「それ、なんぼ?」
「たった八十両、どや安いやろ」
二人はまた顔を見合わせた。二つも買えたうえに、焼きイカが食べられたではないか。
「さあ、もういっぺんやって見せたるさかい、買うていけよ!」
危ないぞォ、月まで飛んでいくロケットじゃあと叫びながら、男は短い導火線に火をつけた。信雄も喜一も慌てて二、三歩とびのくと、固唾を呑んで導火線を見つめた。
大きな破裂音とともに、ロケットは斜めに飛びあがり、銀杏の木に当たって賽銭箱の中に落ちた。慌てて追いかけていく男の姿が、見物人の笑いをかった。信雄も笑った。笑いながら喜一の顔を見た。なぜかあらぬ方に視線を注いでいるa喜一の目が、細くすぼんでいた。
「ちえっ、あんなとこに落ちてしもたら、もう取られへんがな」
走り戻って来て、男は茣蓙の上にあぐらをかき、八ツ当たりぎみに怒鳴った。
「こら*甲斐性なし! こんなおもちゃの一つや二つ、よう買わんのんかい。ひやかしだけの奴はどこぞに行きさらせ」
「のぶちゃん、帰ろ」
喜一が信雄の肩をつつき、足早にだんじりの横をすり抜けて行った。
「早よ行こ、早よ行こ」
喜一は笑って叫んだ。人の波はさらに増して、神社の入口で渦を巻いている。
人混みを避けて露路の奥に駈け入ると、b喜一は服をたくしあげた。おもちゃのロケットがズボンと体の間に挟み込まれていた。
「それ、どないしたん?」
「おっさんがロケット拾いに行きよった時、盗ったんや。これ、のぶちゃんにやるわ」
信雄は驚いて喜一の傍から離れた。
「盗ったん?」
得意そうに頷いている喜一に向かって、信雄は思わず叫んだ。
「そんなんいらん。そんなことするのん、泥棒や」
①信雄の顔を、喜一は不思議そうに覗きこんだ。
「いらんのん?」
「いらん」
口汚なく怒鳴っていた*香具師から、まんまとロケットを盗んできたことは、信雄にも少し痛快なことであった。だが彼は心とはまったく*裏腹な言葉で喜一をなじっていた。喜一の手からロケットを奪い、足元に投げつけた。そして小走りで人混みの中にわけいっていた。喜一はロケットを拾い、追いすがって来て、また言った。
「cほんまにいらんのん?」
自分でもはっとする程激しい言葉が、信雄の口をついてでた。
「泥棒、泥棒、泥棒」
人波をかきわけかきわけ、信雄はむきになって歩いた。d喜一の悲痛な声がうしろで聞こえた。
(宮本輝『泥の河』)
注
- 甲斐性なし
- 意気地のない人。
- 香具師
- 祭りや縁日など人出の多い所で、商品を売る人。
- 裏腹
- 反対なこと。あべこべ。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
金せん管理を学ぶことは、将来自立するために非常に重要だ。
年間の気温変化をぼうグラフにまとめて、気候変動について考えた。
火遊びはあぶないので、絶対にしないように言い聞かせた。
ハイキングの途中で、みんな空ふくになり、おにぎりを分け合って食べた。
この物語は全三かんで構成されている。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「なじる」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 家に遅く帰った息子に対して、父親はなぜそんなに遅かったのかとなじった。
- イ 新しい水彩絵の具セットを使って、彼女は風景画に色をなじませた。
- ウ 本を読み終えた彼は、その物語の中で自分の考えになじる部分を見つけた。
- エ 彼は新しい趣味をなじるために、多くの時間を費やした。
Confirm Testの答え
- 答え
銭
- 答え
棒
- 答え
危ない
- 答え
腹
- 答え
巻
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線a〜dのそれぞれの部分に表れた喜一の気持ちの移り変わりとして、もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 緊張 → 得意 → いら立ち → 悲しみ
- イ 緊張 → 得意 → 不安 → 悲しみ
- ウ 不安 → 安心 → 驚き → いら立ち
- エ 不安 → 得意 → いら立ち → 後悔
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「信雄の顔を、喜一は不思議そうに覗きこんだ」とありますが、その理由として適当でないものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア おもちゃのロケットを盗んだくらいで、どうして「泥棒」などと言われなければならないのか、わからなかったから。
- イ 口汚なく怒鳴っていたロケット売りからロケットを盗んだことを、信雄が少しも喜んでくれなかったから。
- ウ 信雄がほしがっていたロケットをせっかく手に入れたのに、信雄はそれをほしがらないばかりか、「泥棒」と言ったから。
- エ 自分がロケットを手に入れるために苦労したことを信雄も知っているはずなのに、一方的に非難されたから。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
二人分のこづかいを落としてしまったことで、信雄と喜一は落ちこんでしまうが、破裂音とともに二人の前に飛んできたロケットを見て、再びお祭り気分をとりもどす。
「それ、なんぼ?」
「たった八十両、どや安いやろ」
①二人はまた顔を見合わせた。二つも買えたうえに、焼きイカが食べられたではないか。
「さあ、もういっぺんやって見せたるさかい、買うていけよ!」
Aあぶないぞォ、月まで飛んでいくロケットじゃあと叫びながら、男は短い導火線に火をつけた。信雄も喜一も慌てて二、三歩とびのくと、固唾を呑んで導火線を見つめた。
大きな破裂音とともに、ロケットは斜めに飛びあがり、銀杏の木に当たって賽Bせん箱の中に落ちた。慌てて追いかけていく男の姿が、見物人の笑いをかった。信雄も笑った。笑いながら喜一の顔を見た。なぜかあらぬ方に視線を注いでいる喜一の目が、細くすぼんでいた。
「ちえっ、あんなとこに落ちてしもたら、もう取られへんがな」
走り戻って来て、男は茣蓙の上にあぐらをかき、八ツ当たりぎみに怒鳴った。
「こら*甲斐性なし! こんなおもちゃの一つや二つ、よう買わんのんかい。ひやかしだけの奴はどこぞに行きさらせ」
「のぶちゃん、帰ろ」
喜一が信雄の肩をつつき、足早にだんじりの横をすり抜けて行った。
「早よ行こ、早よ行こ」
喜一は笑って叫んだ。人の波はさらに増して、神社の入口で渦をCまいている。
人混みを避けて露路の奥に駈け入ると、喜一は服をたくしあげた。おもちゃのロケットがズボンと体の間に挟み込まれていた。
「それ、どないしたん?」
「おっさんがロケット拾いに行きよった時、盗ったんや。これ、のぶちゃんにやるわ」
信雄は驚いて喜一の傍から離れた。
「盗ったん?」
得意そうに頷いている喜一に向かって、信雄は思わず叫んだ。
「そんなんいらん。そんなことするのん、泥Dぼうや」
信雄の顔を、喜一は不思議そうに覗きこんだ。
「いらんのん?」
「いらん」
口汚なく怒鳴っていた*香具師から、まんまとロケットを盗んできたことは、信雄にも少し なことであった。だが彼は心とはまったく*裏Eはらな言葉で喜一をなじっていた。喜一の手からロケットを奪い、足元に投げつけた。そして小走りで人混みの中にわけいっていた。喜一はロケットを拾い、追いすがって来て、また言った。
「ほんまにいらんのん?」
自分でもはっとする程激しい言葉が、信雄の口をついてでた。
「泥ぼう、泥ぼう、泥ぼう」
人波をかきわけかきわけ、信雄はむきになって歩いた。喜一の悲痛な声がうしろで聞こえた。
(宮本輝『泥の河』)
注
- 甲斐性なし
- 意気地のない人。
- 香具師
- 祭りや縁日など人出の多い所で、商品を売る人。
- 裏はら
- 反対なこと。あべこべ。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
線「なじる」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 悪い点、不満な点をことさら取りたてて責めて問い詰める様子
- イ ある環境や集団に溶け込み、違和感がなくなる様子
- ウ 情けなくて目も合わせられない様子
- エ 強い光が目にさしこむ様子
Lessonの答え
- 答え
A 危 B 銭 C 巻 D 棒 E 腹 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
二人分のこづかいを落としてしまったことで、信雄と喜一は落ちこんでしまうが、破裂音とともに二人の前に飛んできたロケットを見て、再びお祭り気分をとりもどす。
「それ、なんぼ?」
「たった八十両、どや安いやろ」
二人はまた顔を見合わせた。二つも買えたうえに、焼きイカが食べられたではないか。
「さあ、もういっぺんやって見せたるさかい、買うていけよ!」
危ないぞォ、月まで飛んでいくロケットじゃあと叫びながら、男は短い導火線に火をつけた。信雄も喜一も慌てて二、三歩とびのくと、固唾を呑んで導火線を見つめた。
大きな破裂音とともに、ロケットは斜めに飛びあがり、銀杏の木に当たって賽銭箱の中に落ちた。慌てて追いかけていく男の姿が、見物人の笑いをかった。信雄も笑った。笑いながら喜一の顔を見た。なぜかあらぬ方に視線を注いでいるa喜一の目が、細くすぼんでいた。
「ちえっ、あんなとこに落ちてしもたら、もう取られへんがな」
走り戻って来て、男は茣蓙の上にあぐらをかき、八ツ当たりぎみに怒鳴った。
「こら*甲斐性なし! こんなおもちゃの一つや二つ、よう買わんのんかい。ひやかしだけの奴はどこぞに行きさらせ」
「のぶちゃん、帰ろ」
喜一が信雄の肩をつつき、足早にだんじりの横をすり抜けて行った。
「早よ行こ、早よ行こ」
①喜一は笑って叫んだ。人の波はさらに増して、神社の入口で渦を巻いている。
人混みを避けて露路の奥に駈け入ると、b喜一は服をたくしあげた。おもちゃのロケットがズボンと体の間に挟み込まれていた。
「それ、どないしたん?」
「おっさんがロケット拾いに行きよった時、盗ったんや。これ、のぶちゃんにやるわ」
信雄は驚いて喜一の傍から離れた。
「盗ったん?」
得意そうに頷いている喜一に向かって、信雄は思わず叫んだ。
「そんなんいらん。そんなことするのん、泥棒や」
信雄の顔を、喜一は不思議そうに覗きこんだ。
「いらんのん?」
「いらん」
口汚なく怒鳴っていた*香具師から、まんまとロケットを盗んできたことは、信雄にも少し痛快なことであった。だが彼は心とはまったく*裏腹な言葉で喜一をなじっていた。喜一の手からロケットを奪い、足元に投げつけた。そして小走りで人混みの中にわけいっていた。喜一はロケットを拾い、追いすがって来て、また言った。
「cほんまにいらんのん?」
自分でもはっとする程激しい言葉が、信雄の口をついてでた。
「泥棒、泥棒、泥棒」
人波をかきわけかきわけ、信雄はむきになって歩いた。d喜一の悲痛な声がうしろで聞こえた。
(宮本輝『泥の河』)
注
- 甲斐性なし
- 意気地のない人。
- 香具師
- 祭りや縁日など人出の多い所で、商品を売る人。
- 裏腹
- 反対なこと。あべこべ。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
その橋は老朽化により、き険な状態だ。
町には昔ながらのせん湯があり、地元の人々に親しまれている。
寒い日には、首にマフラーをまき付ける。
体操の授業で鉄ぼうに挑戦した。
彼ははらをくくって試験に挑んだ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「悪い点、不満な点をことさら取りたてて責めて問い詰める」を表すことばを三字で書きなさい。
部下がミスを繰り返すたびに、上司は注意し、激しく 。
Practiceの答え
- 答え
危
- 答え
銭
- 答え
巻き
- 答え
棒
- 答え
腹
- 答え
なじる
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「二人はまた顔を見合わせた」とありますが、このときの二人の気持ちとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 思ったよりもロケットが安いので喜んでいる。
- イ お金をなくしたことを思い出し、ぞっとしている。
- ウ ロケット売りの熱心さに困りはてている。
- エ お金をなくしていなければ、とくやしがっている。
Lessonの答え
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線a〜dのそれぞれの部分に表れた喜一の気持ちの移り変わりとして、もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 緊張 → 得意 → いら立ち → 悲しみ
- イ 緊張 → 得意 → 不安 → 悲しみ
- ウ 不安 → 安心 → 驚き → いら立ち
- エ 不安 → 得意 → いら立ち → 後悔
Practiceの答え
- 答え
イ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 心配
- イ 痛快
- ウ 残念
- エ 意外
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「喜一は笑って叫んだ」とありますが、喜一はなぜ笑っているのですか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 信雄が人波に流される様子がおかしかったから。
- イ うまくロケットのおもちゃを盗むことができて、得意になっていたから。
- ウ 口汚なく怒鳴っていたロケット売りの男に仕返しができて、うれしかったから。
- エ ロケット売りが、自分で失敗したのに客に八ツ当たりぎみに怒鳴ったのがおかしかったから。
Practiceの答え
- 答え
イ
15章 説明文
説明文の読み方
15-1 説明文10
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
日本の自然の美しさは、世界的に定評がある。海あり、山あり、河あり、①それらは春夏秋冬という明確な四季によって、いつも異なった表情を見せ、とどまることがない。確かに自然の変化に富んだ美しい国である。
けれども、人間がここに住むとなると、この自然の変化を、美しいとばかりはいっていられない。まず、生活するために、この多彩な変化のひとつひとつに、適応していかなければならないからだ。
たとえば、ひとつの住居で、乾燥した冷たい風が吹く冬に、気温も湿度も高い夏に、あるいは台風や地震にも対応しながら快適に生活するには、どのような建物を造ればいいか。
このテーマだけでも、さまざまな知恵を必要とする。今日では、こうした自然条件に対して、天然の資源を膨大に消費する、いわゆる西洋文明が生んだ科学技術によって対応している。
だが、こうした自然条件というものは、西洋文明が入ってくる以前の私たちの祖先にとっても、まったく同じであって、彼らもまた、それに対応して生きて来なければならなかった。しかも、それに対応するために使える材料は、四方を海に囲まれたこの島の中にしかなかったから、条件はさらに厳しいものだった。
こうした条件の中で、私たちの祖先が、生きていくための知恵の原点としたのは、まず〝自然の力は*征服できない〞ということだった。
自然の力には勝てないが、それでも生きていかなければならない。そこで、彼らがどうしたかというと、自然というものをよく観察して、それにうまく順応していく方法を探すことであった。
私は旅行が好きで、全国をよく歩きまわる。青年時代は汽車の窓の外でつぎつぎに移り変わっていく風景をよく楽しんだが、はじめて、関東以北を旅したときのことである。同じ農村風景なのに、私が育った奈良地方の風景とはどこか微妙に違っていることに気付いた。
よく観察してみると、それはどうやら家の周囲を囲んでいる防風林のせいらしい。
防風林に関西地方とは違う樹木を使っている。それが風景そのものを違って見せているらしいと気付いた。
防風林は文字どおり、風当たりを防ぐためのものである。私の育った関西地方では、防風林には常緑樹や竹を使っているところが多い。
②ところが、関東以北になるとケヤキが多いのだ。ケヤキは落葉高樹である。夏には葉が生い繁るが、冬はすっかり落葉して裸になる。風を防ぐためなら、年中、葉が繁っている常緑樹を使ったほうがいいではないかと私はそのとき思った。なぜ、落葉高樹であるケヤキを使うのか。それが、関東地方を旅行したときの最初の疑問であった。
しかし、私が東京に住むようになってその理由がわかった。風を防ぐ必要があるのは、大体において、夏の台風シーズンである。ケヤキは夏には細かい葉がびっしり繁るから、その役割は十分果たす。問題は冬だ。
関東以北の冬は長い。冬に必要なのは風を防ぐことよりも〝日照〞である。
常緑樹だと、冬も葉が繁っていて、風ばかりか光も十分に通さない。ケヤキはこの時期には枝だけを残して、葉を落とすから、日光をさえぎらない。
南のほうは冬の日射しも強いから常緑樹でもいいが、関東から北は、夏、風を防ぐとともに冬は日射しが欲しい。
それが、防風林に落葉高樹であるケヤキを使った理由である。
(樋口清之『梅干と日本刀』問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 征服
- 打ち負かして支配すること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
今までにないいれいの事態だった。
元気のみなもとは食事と運動だ。
貴重品をげんじゅうに保管する。
自然の中をたんけんするのが大好きだ。
人をうたがったことは一度もない。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「順応」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア うちの犬を順応にしてテレビに出る。
- イ 弟は宿題を順応でやる。
- ウ 彼は新しい環境に順応するのが早い。
- エ 順応にするので金曜日にテストがある。
Confirm Testの答え
- 答え
異例
- 答え
源
- 答え
厳重
- 答え
探検
- 答え
疑
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「それら」は、具体的に何を指していますか。 (完答)
Confirm Testの答え
- 答え
海、山、河(順不同・完答)
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「ところが」のはたらきとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 前の内容と逆になるような関係の内容を述べる。
- イ 前の内容をくわしく説明する。
- ウ 前後の内容を比べる。
- エ 話題を変える。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
日本の自然の美しさは、世界的に定評がある。海あり、山あり、河あり、それらは春夏秋冬という明確な四季によって、いつもAことなった表情を見せ、とどまることがない。確かに自然の変化に富んだ美しい国である。
A 、人間がここに住むとなると、この自然の変化を、美しいとばかりはいっていられない。まず、生活するために、この多彩な変化のひとつひとつに、適応していかなければならないからだ。
B 、ひとつの住居で、乾燥した冷たい風が吹く冬に、気温も湿度も高い夏に、あるいは台風や地震にも対応しながら快適に生活するには、どのような建物を造ればいいか。
このテーマだけでも、さまざまな知恵を必要とする。今日では、こうした自然条件に対して、天然の資Bげんを膨大に消費する、いわゆる西洋文明が生んだ科学技術によって対応している。
だが、こうした自然条件というものは、西洋文明が入ってくる以前の私たちの祖先にとっても、まったく同じであって、彼らもまた、それに対応して生きて来なければならなかった。しかも、それに対応するために使える材料は、四方を海に囲まれたこの島の中にしかなかったから、条件はさらにCきびしいものだった。
こうした条件の中で、私たちの祖先が、生きていくための知恵の原点としたのは、まず〝自然の力は*征服できない〞ということだった。
自然の力には勝てないが、それでも生きていかなければならない。そこで、彼らがどうしたかというと、自然というものをよく観察して、それにうまく順応していく方法をDさがすことであった。
私は旅行が好きで、全国をよく歩きまわる。青年時代は汽車の窓の外でつぎつぎに移り変わっていく風景をよく楽しんだが、はじめて、関東以北を旅したときのことである。同じ農村風景なのに、私が育った奈良地方の風景とはどこか微妙に違っていることに気付いた。
よく観察してみると、それはどうやら家の周囲を囲んでいる防風林のせいらしい。
防風林に関西地方とは違う樹木を使っている。それが風景そのものを違って見せているらしいと気付いた。
防風林は文字どおり、風当たりを防ぐためのものである。私の育った関西地方では、防風林には常緑樹や竹を使っているところが多い。
ところが、関東以北になるとケヤキが多いのだ。ケヤキは落葉高樹である。夏には葉が生い繁るが、冬はすっかり落葉して裸になる。風を防ぐためなら、年中、葉が繁っている常緑樹を使ったほうがいいではないかと私はそのとき思った。なぜ、落葉高樹であるケヤキを使うのか。それが、関東地方を旅行したときの最初のEぎ問であった。
しかし、私が東京に住むようになってその理由がわかった。風を防ぐ必要があるのは、大体において、夏の台風シーズンである。ケヤキは夏には細かい葉がびっしり繁るから、①その役割は十分果たす。問題は冬だ。
関東以北の冬は長い。冬に必要なのは風を防ぐことよりも〝日照〞である。
常緑樹だと、冬も葉が繁っていて、風ばかりか光も十分に通さない。ケヤキはこの時期には枝だけを残して、葉を落とすから、日光をさえぎらない。
南のほうは冬の日射しも強いから常緑樹でもいいが、関東から北は、夏、風を防ぐとともに冬は日射しが欲しい。
それが、防風林に落葉高樹であるケヤキを使った理由である。
(樋口清之『梅干と日本刀』問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 征服
- 打ち負かして支配すること。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「順応」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 環境や境遇の変化に従って性質や行動がそれに合うように変わること。
- イ 失敗したことを引きずって立ち直るのに時間がかかること。
- ウ 遊ぶ日と勉強する日をきちんと分けられること。
- エ 非常にめずらしい事例であること。
Lessonの答え
- 答え
A 異 B 源 C 厳 D 探 E 疑 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
日本の自然の美しさは、世界的に定評がある。海あり、山あり、河あり、それらは春夏秋冬という明確な四季によって、いつも異なったことなった表情を見せ、とどまることがない。確かに自然の変化に富んだ美しい国である。
けれども、人間が①ここに住むとなると、この自然の変化を、美しいとばかりはいっていられない。まず、生活するために、この多彩な変化のひとつひとつに、適応していかなければならないからだ。
たとえば、ひとつの住居で、乾燥した冷たい風が吹く冬に、気温も湿度も高い夏に、②あるいは台風や地震にも対応しながら快適に生活するには、どのような建物を造ればいいか。
このテーマだけでも、さまざまな知恵を必要とする。今日では、こうした自然条件に対して、天然の資源を膨大に消費する、いわゆる西洋文明が生んだ科学技術によって対応している。
だが、こうした自然条件というものは、西洋文明が入ってくる以前の私たちの祖先にとっても、まったく同じであって、彼らもまた、それに対応して生きて来なければならなかった。しかも、それに対応するために使える材料は、四方を海に囲まれたこの島の中にしかなかったから、条件はさらに厳しいものだった。
こうした条件の中で、私たちの祖先が、生きていくための知恵の原点としたのは、まず〝自然の力は*征服できない〞ということだった。
自然の力には勝てないが、それでも生きていかなければならない。そこで、彼らがどうしたかというと、自然というものをよく観察して、それにうまく順応していく方法を探すことであった。
私は旅行が好きで、全国をよく歩きまわる。青年時代は汽車の窓の外でつぎつぎに移り変わっていく風景をよく楽しんだが、はじめて、関東以北を旅したときのことである。同じ農村風景なのに、私が育った奈良地方の風景とはどこか微妙に違っていることに気付いた。
よく観察してみると、それはどうやら家の周囲を囲んでいる防風林のせいらしい。
防風林に関西地方とは違う樹木を使っている。それが風景そのものを違って見せているらしいと気付いた。
防風林は文字どおり、風当たりを防ぐためのものである。私の育った関西地方では、防風林には常緑樹や竹を使っているところが多い。
ところが、関東以北になるとケヤキが多いのだ。ケヤキは落葉高樹である。夏には葉が生い繁るが、冬はすっかり落葉して裸になる。風を防ぐためなら、年中、葉が繁っている常緑樹を使ったほうがいいではないかと私はそのとき思った。なぜ、落葉高樹であるケヤキを使うのか。それが、関東地方を旅行したときの最初の疑問であった。
しかし、私が東京に住むようになってその理由がわかった。風を防ぐ必要があるのは、大体において、夏の台風シーズンである。ケヤキは夏には細かい葉がびっしり繁るから、その役割は十分果たす。問題は冬だ。
関東以北の冬は長い。冬に必要なのは風を防ぐことよりも〝日照〞である。
常緑樹だと、冬も葉が繁っていて、風ばかりか光も十分に通さない。ケヤキはこの時期には枝だけを残して、葉を落とすから、日光をさえぎらない。
南のほうは冬の日射しも強いから常緑樹でもいいが、関東から北は、夏、風を防ぐとともに冬は日射しが欲しい。
それが、防風林に落葉高樹であるケヤキを使った理由である。
(樋口清之『梅干と日本刀』問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 征服
- 打ち負かして支配すること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
ことなる文化を学ぶことはとても楽しい。
地球のしげんを大切に使って過ごす。
今年の冬はきびしい寒さとなる。
宝物をさがす冒険に出かける。
クラスメイトの発言にぎもんを抱いた。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「環境や境遇の変化に従って性質や行動がそれに合うように変わること」を表すことばを漢字二字で書きなさい。
新しい生活にする。
Practiceの答え
- 答え
異なる
- 答え
資源
- 答え
厳しい
- 答え
探す
- 答え
疑問
- 答え
順応
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「その役割」とは、どのような役割を指していますか。「〜役割。」につながることばを、同じ段落の文中から四字で書きぬきなさい。
役割。
Lessonの答え
- 答え
風を防ぐ〈役割。〉
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ここ」は、どこを指していますか。文中から二字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
日本
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
A・Bにあてはまる接続語としてもっとも適当なものを、次のア〜カから一つずつ選び、それぞれ記号で答えなさい。 (完答)
- ア そして
- イ つまり
- ウ なぜなら
- エ けれども
- オ しかも
- カ たとえば
Lessonの答え
- 答え
- A エ
- B カ
(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「あるいは」を、前後のつながりが変わらないように言いかえるとしたら、どのような接続語がもっとも適当ですか。次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ところが
- イ もしくは
- ウ さて
- エ だから
Practiceの答え
- 答え
イ
15-2 説明文11
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
教育程度が高くなればなるほど、そして、頭がいいと言われれば、言われるほど、知識をたくさんもっている。つまり、忘れないでいるものが多い。頭の優秀さは、記憶力の優秀さとしばしば同じ意味をもっている。それで、生き字引というような人間ができる。
ここで、われわれの頭を、どう考えるかが、問題である。
これまでの教育では、人間の頭脳を、倉庫のようなものだと見てきた。知識をどんどん蓄積する。倉庫は大きければ大きいほどよろしい。中にたくさんのものが詰まっていればいるほど結構だとなる。
せっかく蓄積しようとしている一方から、どんどんものがなくなって行ったりしてはことだから、忘れるな、が合言葉になる。ときどき①在庫検査をして、なくなっていないかどうかをチェックする。それがテストである。
倉庫としての頭にとっては、忘却は敵である。博識は学問のある証拠であった。ところが、こういう人間頭脳にとっておそるべき敵があらわれた。コンピューターである。これが倉庫としてはすばらしい機能をもっている。いったん入れたものは決して失わない。必要なときには、さっと、引き出すことができる。整理も完全である。
コンピューターの出現、普及にともなって、人間の頭を倉庫として使うことに、疑問がわいてきた。②コンピューター人間をこしらえていたのでは、本もののコンピューターにかなうわけがない。
そこでようやく創造的人間ということが問題になってきた。コンピューターのできないことをしなくては、というのである。
人間の頭はこれからも、一部は倉庫の役をはたし続けなくてはならないだろうが、それだけではいけない。新しいことを考え出す工場でなくてはならない。倉庫なら、入れたものを紛失しないようにしておけばいいが、ものを作り出すには、そういう保存保管の能力だけではしかたがない。
だいいち、工場にやたらなものが入っていては作業能率が悪い。よけいなものは処分して広々としたスペースをとる必要がある。それかと言って、すべてのものをすててしまっては仕事にならない。整理が大事になる。
倉庫にだって整理は欠かせないが、それはあるものを順序よく並べる整理である。それに対して、工場内の整理は、作業のじゃまになるものをとり除く整理である。
この工場の整理に当たることをするのが、忘却である。人間の頭を倉庫として見れば、危険視される忘却だが、工場として能率をよくしようと思えば、どんどん忘れてやらなくてはいけない。
そのことが、いまの人間にはよくわかっていない。それで工場の中を倉庫のようにして喜んでいる人があらわれる。工場としても、倉庫としてもうまく機能しない頭を育ててしまいかねない。コンピューターには、こういう忘却ができないのである。コンピューターには倉庫に専念させ、人間の頭は、知的工場に重点をおくようにするのが、これからの方向でなくてはならない。
(外山滋比古『思考の整理学』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
スポーツでゆう秀な成績をおさめる。
将来の私の夢はのう科学者だ。
てきの動きを見て作戦を立てる。
お風呂場のカビをじょきょする。
祖父は教育のせんもん家として有名だ。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「生き字引」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 彼は生き字引と呼ばれている。
- イ 今度一緒に生き字引をしようよ。
- ウ 雨が降ってきたら生き字引になってしまう。
- エ 食べたものを片付けるというのは生き字引なことだ。
Confirm Testの答え
- 答え
優
- 答え
脳
- 答え
敵
- 答え
除去
- 答え
専門
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「在庫検査」について、「在庫検査」ともっとも近い意味で使われていることばを、文中から三字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
テスト
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「コンピューター人間」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア コンピューターのように、計算が速い人間。
- イ コンピューターのように、物事を忘れない人間。
- ウ コンピューターのように、規則正しい人間。
- エ コンピューターのように、失敗をしない人間。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
教育程度が高くなればなるほど、そして、頭がいいと言われれば、言われるほど、知識をたくさんもっている。つまり、忘れないでいるものが多い。頭のAゆう秀さは、記憶力のゆう秀さとしばしば同じ意味をもっている。それで、生き字引というような人間ができる。
ここで、われわれの頭を、どう考えるかが、問題である。
これまでの教育では、人間の頭Bのうを、倉庫のようなものだと見てきた。知識をどんどん蓄積する。倉庫は大きければ大きいほどよろしい。中にたくさんのものが詰まっていればいるほど結構だとなる。
せっかく蓄積しようとしている一方から、どんどんものがなくなって行ったりしてはことだから、忘れるな、が合言葉になる。ときどき在庫検査をして、なくなっていないかどうかをチェックする。それがテストである。
倉庫としての頭にとっては、忘却はCてきである。博識は学問のある証拠であった。ところが、こういう人間頭のうにとっておそるべきてきがあらわれた。コンピューターである。これが倉庫としてはすばらしい機能をもっている。いったん入れたものは決して失わない。必要なときには、さっと、引き出すことができる。整理も完全である。
コンピューターの出現、普及にともなって、人間の頭を倉庫として使うことに、疑問がわいてきた。コンピューター人間をこしらえていたのでは、本もののコンピューターにかなうわけがない。
そこでようやく創造的人間ということが問題になってきた。コンピューターのできないことをしなくては、というのである。
人間の頭はこれからも、一部は倉庫の役をはたし続けなくてはならないだろうが、それだけではいけない。①新しいことを考え出す工場でなくてはならない。倉庫なら、入れたものを紛失しないようにしておけばいいが、ものを作り出すには、そういう保存保管の能力だけではしかたがない。
だいいち、工場にやたらなものが入っていては作業能率が悪い。よけいなものは処分して広々としたスペースをとる必要がある。それかと言って、すべてのものをすててしまっては仕事にならない。整理が大事になる。
倉庫にだって整理は欠かせないが、それはあるものを順序よく並べる整理である。それに対して、工場内の整理は、作業のじゃまになるものをとりDのぞく整理である。
この工場の整理に当たることをするのが、忘却である。人間の頭を倉庫として見れば、危険視される忘却だが、工場として能率をよくしようと思えば、どんどん忘れてやらなくてはいけない。
そのことが、いまの人間にはよくわかっていない。それで工場の中を倉庫のようにして喜んでいる人があらわれる。工場としても、倉庫としてもうまく機能しない頭を育ててしまいかねない。コンピューターには、②こういう忘却ができないのである。コンピューターには倉庫にEせん念させ、人間の頭は、知的工場に重点をおくようにするのが、これからの方向でなくてはならない。
(外山滋比古『思考の整理学』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「生き字引」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 多くの人に認められている人。
- イ 過去のできごとや規則などに通じている人。
- ウ 幼い時に習い事をたくさんしていた人。
- エ 会いたくてもなかなか会うことができない人。
Lessonの答え
- 答え
A 優 B 脳 C 敵 D 除 E 専 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
教育程度が高くなればなるほど、そして、頭がいいと言われれば、言われるほど、知識をたくさんもっている。つまり、忘れないでいるものが多い。頭の優秀さは、記憶力の優秀さとしばしば同じ意味をもっている。それで、生き字引というような人間ができる。
ここで、われわれの頭を、どう考えるかが、問題である。
これまでの教育では、人間の頭脳を、倉庫のようなものだと見てきた。知識をどんどん蓄積する。倉庫は大きければ大きいほどよろしい。中にたくさんのものが詰まっていればいるほど結構だとなる。
せっかく蓄積しようとしている一方から、どんどんものがなくなって行ったりしてはことだから、忘れるな、が合言葉になる。ときどき①在庫検査をして、なくなっていないかどうかをチェックする。それがテストである。
倉庫としての頭にとっては、忘却は敵である。博識は学問のある証拠であった。ところが、こういう人間頭脳にとっておそるべき敵があらわれた。コンピューターである。これが倉庫としてはすばらしい機能をもっている。いったん入れたものは決して失わない。必要なときには、さっと、引き出すことができる。整理も完全である。
コンピューターの出現、普及にともなって、人間の頭を倉庫として使うことに、疑問がわいてきた。コンピューター人間をこしらえていたのでは、本もののコンピューターにかなうわけがない。
そこでようやく創造的人間ということが問題になってきた。コンピューターのできないことをしなくては、というのである。
人間の頭はこれからも、一部は倉庫の役をはたし続けなくてはならないだろうが、それだけではいけない。新しいことを考え出す工場でなくてはならない。倉庫なら、入れたものを紛失しないようにしておけばいいが、ものを作り出すには、そういう②保存保管の能力だけではしかたがない。
だいいち、工場にやたらなものが入っていては作業能率が悪い。よけいなものは処分して広々としたスペースをとる必要がある。それかと言って、すべてのものをすててしまっては仕事にならない。整理が大事になる。
倉庫にだって整理は欠かせないが、それはあるものを順序よく並べる整理である。それに対して、工場内の整理は、作業のじゃまになるものをとり除く整理である。
この工場の整理に当たることをするのが、忘却である。人間の頭を倉庫として見れば、危険視される忘却だが、工場として能率をよくしようと思えば、どんどん忘れてやらなくてはいけない。
そのことが、いまの人間にはよくわかっていない。それで工場の中を倉庫のようにして喜んでいる人があらわれる。工場としても、倉庫としてもうまく機能しない頭を育ててしまいかねない。コンピューターには、こういう忘却ができないのである。コンピューターには倉庫に専念させ、人間の頭は、知的工場に重点をおくようにするのが、これからの方向でなくてはならない。
(外山滋比古『思考の整理学』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
祖母のやさしい笑顔を思い出す。
天才的なずのうの持ち主にあこがれる。
ゲームで強いてきに勝つと嬉しい。
部屋の中のほこりを取りのぞく。
勉強にせんねんできる環境を整える。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「博識の人。過去のできごとや規則などに通じている人。」を表すことばをひらがな五字で書きなさい。
わたしたちの先生はである。
Practiceの答え
- 答え
優しい
- 答え
頭脳
- 答え
敵
- 答え
除く
- 答え
専念
- 答え
いきじびき
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「新しいことを考え出す」と同じ意味で使われていることばを、文中から二字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
創造
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「保存保管の能力」と同じ意味で使われていることばを、文中から三字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
記憶力
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「こういう忘却」とはどんなことを指していますか。次のにあてはまることばを、文中から八字で書きぬきなさい。
必要なことだけを頭の中に残し、思考のを忘れること。
Lessonの答え
- 答え
じゃまになるもの
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「在庫検査」について、「在庫検査」はどのような意味で使われていますか。次のにあてはまることばを十字以内で書きなさい。
蓄積した知識を確認すること。
Practiceの答え
- 答え
忘れていないかどうか(覚えているかどうか)
15-3 説明文12
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
現在、環境問題がさまざまに議論されています。一口に環境問題といっても、地球温暖化・オゾン層の破壊・熱帯林の減少・酸性雨・有機化合物や有毒金属による地球汚染など、多くの問題にわたっており、対策も個々の問題に応じて異なっています。逆に、原因はただ一つです。人間の諸活動が、環境問題を引き起こしているからです。地上に人類が現れて以来、地球環境は汚染され続けてきたと極論を言う人もいます。実際、人類の手で多くの種が絶滅させられました。しかし、人類も自然に生まれてきた生物の一つですから、その活動が環境に影響を与えるのは必然なのかもしれません。
-
ただ、人類は生産活動を行うという点で他の生物とは異なった存在であり、自然では作り得ない物質を生産し、その大量消費を行うようになったのも事実です。その結果、人類の活動が地球の環境が許容できる能力と*匹敵するほどのレベルに達しており、自然では*浄化しきれない人工化合物があふれ、新しい生命体を作る試みすらし始めています。人類は、意識しているかどうかは別として、環境を根本的に変えかねない事態を招いているのです。
-
かつては、「環境は無限」と考えられていました。つまり、環境の容量は人類の活動に比べて圧倒的に大きく、すべてを吸収処理してくれると思ってきたのです。だから、廃棄物を平気で海や空に捨て、森林を切り、海や湖を埋め立て、ダムを造ってきました。しかし、環境が無限でないことを、さまざまな公害によって学んできました。 、陸にも海にも砂漠化が進み(海にも砂漠化が進み、海藻が枯れています)、自然の生産力が落ち始めています。確かに、①このままの消費生活を続けると、地球の許容能力を越え、*カタストロフィーが起こるかもしれません。人類の未来は、環境問題の危機をいかに乗り切るかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。二十一世紀は、まさにこの課題に直面する時代となるに違いありません。
-
この環境問題の原因は、無責任に大量生産・大量消費の社会構造にしてしまった私たちの世代の責任であると考えています。自分たちは優雅で便利な生活を送りながら、その「借金」を子孫に押しつけているのですから。借金の最大の*象徴は、原子力発電所から出る大量の*放射性廃棄物でしょう。電気を使って生活を楽しんでいるのは私たちですが、害にしかならない放射性廃棄物を一万年にわたって管理し続けねばならないのは、私たちの子孫なのです。あるいは、熱帯林を切って大量の安い紙を使っているのは私たちであり、表土が流されて不毛の地となってしまった大陸や島に生きねばならないのは子孫たちなのです。環境問題は、すべてこのような構造をもっています。この点を考えれば、せめて子孫たちの負担を少しでも軽くするような手だてを打っていかねばなりません。
(池内了『科学の考え方・学び方』問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 匹敵
- 力がつりあっていること。
- 浄化
- よごれを取り除いてきれいにすること。
- カタストロフィー
- 非常な災害。
- 象徴
- シンボル。
- 放射性廃棄物
- 原子力施設の運転にともなって発生する使用済み核燃料などのこと。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
資料を読んで、ろんてんを考えた。
こうそうビルを建てる技術が進歩した。
日が沈み、空がオレンジ色にそまる。
自然災害に備えて安全さくを考える。
しょ事情により、運動会が延期された。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「許容」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア これは許容範囲内の出来事ですか。
- イ 許容がないなら家にいた方がいい。
- ウ あと一歩で許容したいと思っている。
- エ 学校から帰ったらすぐ許容する。
Confirm Testの答え
- 答え
論点
- 答え
高層
- 答え
染まる
- 答え
策
- 答え
諸
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「このままの消費生活」とありますが、このことばともっとも近い意味で使われていることばを、文中から八字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
優雅で便利な生活
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 逆に
- イ つまり
- ウ たとえば
- エ また
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
現在、環境問題がさまざまに議Aろんされています。一口に環境問題といっても、地球温暖化・オゾンBそうの破壊・熱帯林の減少・酸性雨・有機化合物や有毒金属による地球汚Cせんなど、多くの問題にわたっており、対Dさくも個々の問題に応じて異なっています。 、原因はただ一つです。人間のEしょ活動が、環境問題を引き起こしているからです。地上に人類が現れて以来、地球環境は汚せんされ続けてきたと極ろんを言う人もいます。実際、人類の手で多くの種が絶滅させられました。しかし、人類も自然に生まれてきた生物の一つですから、その活動が環境に影響を与えるのは必然なのかもしれません。
-
ただ、人類は生産活動を行うという点で他の生物とは異なった存在であり、自然では作り得ない物質を生産し、その大量消費を行うようになったのも事実です。その結果、人類の活動が地球の環境が許容できる能力と*匹敵するほどのレベルに達しており、自然では*浄化しきれない人工化合物があふれ、新しい生命体を作る試みすらし始めています。人類は、意識しているかどうかは別として、環境を根本的に変えかねない事態を招いているのです。
-
かつては、「環境は無限」と考えられていました。つまり、環境の容量は人類の活動に比べて圧倒的に大きく、すべてを吸収処理してくれると思ってきたのです。だから、廃棄物を平気で海や空に捨て、森林を切り、海や湖を埋め立て、ダムを造ってきました。しかし、環境が無限でないことを、さまざまな公害によって学んできました。また、陸にも海にも砂漠化が進み(海にも砂漠化が進み、海藻が枯れています)、自然の生産力が落ち始めています。確かに、このままの消費生活を続けると、地球の許容能力を越え、*カタストロフィーが起こるかもしれません。人類の未来は、環境問題の危機をいかに乗り切るかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。二十一世紀は、まさに①この課題に直面する時代となるに違いありません。
-
この環境問題の原因は、無責任に大量生産・大量消費の社会構造にしてしまった私たちの世代の責任であると考えています。自分たちは優雅で便利な生活を送りながら、その「借金」を子孫に押しつけているのですから。借金の最大の*象徴は、原子力発電所から出る大量の*放射性廃棄物でしょう。電気を使って生活を楽しんでいるのは私たちですが、害にしかならない放射性廃棄物を一万年にわたって管理し続けねばならないのは、私たちの子孫なのです。あるいは、熱帯林を切って大量の安い紙を使っているのは私たちであり、表土が流されて不毛の地となってしまった大陸や島に生きねばならないのは子孫たちなのです。環境問題は、すべてこのような構造をもっています。この点を考えれば、せめて子孫たちの負担を少しでも軽くするような手だてを打っていかねばなりません。
(池内了『科学の考え方・学び方』問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 匹敵
- 力がつりあっていること。
- 浄化
- よごれを取り除いてきれいにすること。
- カタストロフィー
- 非常な災害。
- 象徴
- シンボル。
- 放射性廃棄物
- 原子力施設の運転にともなって発生する使用済み核燃料などのこと。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「許容」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 友達と仲直りをすること。
- イ そこまではよいとして認めること。
- ウ ライバルの実力を認めること。
- エ 大変だった思い出を振り返ること。
Lessonの答え
- 答え
A 論 B 層 C 染 D 策 E 諸 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
現在、環境問題がさまざまに議論されています。一口に環境問題といっても、地球温暖化・オゾン層の破壊・熱帯林の減少・酸性雨・有機化合物や有毒金属による地球汚染など、多くの問題にわたっており、対策も個々の問題に応じて異なっています。逆に、原因はただ一つです。人間の諸活動が、環境問題を引き起こしているからです。地上に人類が現れて以来、地球環境は汚染され続けてきたと極論を言う人もいます。実際、人類の手で多くの種が絶滅させられました。しかし、人類も自然に生まれてきた生物の一つですから、その活動が環境に影響を与えるのは必然なのかもしれません。
-
ただ、人類は生産活動を行うという点で他の生物とは異なった存在であり、自然では作り得ない物質を生産し、その大量消費を行うようになったのも事実です。その結果、人類の活動が地球の環境が許容できる能力と*匹敵するほどのレベルに達しており、自然では*浄化しきれない人工化合物があふれ、新しい生命体を作る試みすらし始めています。人類は、意識しているかどうかは別として、環境を根本的に変えかねない事態を招いているのです。
-
かつては、「環境は無限」と考えられていました。つまり、環境の容量は人類の活動に比べて圧倒的に大きく、すべてを吸収処理してくれると思ってきたのです。 、廃棄物を平気で海や空に捨て、森林を切り、海や湖を埋め立て、ダムを造ってきました。しかし、環境が無限でないことを、さまざまな公害によって学んできました。また、陸にも海にも砂漠化が進み(海にも砂漠化が進み、海藻が枯れています)、自然の生産力が落ち始めています。確かに、このままの消費生活を続けると、地球の許容能力を越え、*カタストロフィーが起こるかもしれません。人類の未来は、環境問題の危機をいかに乗り切るかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。二十一世紀は、まさにこの課題に直面する時代となるに違いありません。
-
この環境問題の原因は、無責任に大量生産・大量消費の社会構造にしてしまった私たちの世代の責任であると考えています。自分たちは優雅で便利な生活を送りながら、その「①借金」を子孫に押しつけているのですから。借金の最大の*象徴は、原子力発電所から出る大量の*放射性廃棄物でしょう。電気を使って生活を楽しんでいるのは私たちですが、害にしかならない放射性廃棄物を一万年にわたって管理し続けねばならないのは、私たちの子孫なのです。あるいは、熱帯林を切って大量の安い紙を使っているのは私たちであり、表土が流されて不毛の地となってしまった大陸や島に生きねばならないのは子孫たちなのです。環境問題は、すべてこのような構造をもっています。この点を考えれば、せめて子孫たちの負担を少しでも軽くするような手だてを打っていかねばなりません。
(池内了『科学の考え方・学び方』問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 匹敵
- 力がつりあっていること。
- 浄化
- よごれを取り除いてきれいにすること。
- カタストロフィー
- 非常な災害。
- 象徴
- シンボル。
- 放射性廃棄物
- 原子力施設の運転にともなって発生する使用済み核燃料などのこと。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
この問題は、多くのぎろんを呼んでいる。
化石がちそうの中から発見された。
インフルエンザのかんせんが広まる。
早めにテストたいさくを開始する。
しょ問題を解決するために話し合う。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「そこまではよいとして認めること。大目にみること。」を表すことばを漢字二字で書きなさい。
その意見をできるか考える。
Practiceの答え
- 答え
議論
- 答え
地層
- 答え
感染
- 答え
対策
- 答え
諸
- 答え
許容
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この課題」が指している内容を、文中から書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
環境問題の危機をいかに乗り切るか
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「借金」とありますが、このことばと同じ意味で使われていることばを、4段落から書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
負担
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 逆に
- イ つまり
- ウ たとえば
- エ そこで
Lessonの答え
- 答え
ア
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまる接続語としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア しかも
- イ しかし
- ウ なぜなら
- エ だから
Practiceの答え
- 答え
エ
16章 物語文
物語文の読み方
16-1 物語文15
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「うーん」
彼女は小さな目を見開いて、絵日記をにらみつけた。いくらにらみつけてもページは埋まらない。かといってこれから休みが終わるまで、日記をつけ続けなければならないかと思うと、うんざりした。一年生のときも絵日記の宿題は出たが、ずっとほったらかしにしておいて、いちばん最後の日にまとめてやろうとしたができず、結局、提出しなかった。しかし今度の先生はそんなことをきっと許してくれないだろう。
「それだったら、最初にやっちゃえばいいんだ」
アケミは頭の中に明るく火が灯ったような気がした。日記の内容が本当かどうかなんて、いちいち先生は調べないはずだ。とにかく一冊の絵日記が出来上がっていればいいのだ。何ページあるか調べたら、毎日はやらなくてもよさそうだ。とりあえず朝顔の観察日記はやらないことに決めた。とっても手がまわらないからである。彼女は早速、色鉛筆やクレヨンを手にして絵を描きはじめた。
しばらくして母がやってきた。
「あーら、珍しい。何の勉強?」
にっこりしながら、肩越しに手元をのぞき込んだ母の顔色が変わった。
「ちょっと、何やってんの」
「はあ?」
アケミは紫色の色鉛筆を手にして振り返った。
「はあ、じゃないわよ。何をやってるの」
「絵日記」
「絵日記っていったって……。いつそんなところへ行ったのよ」
アケミが描いていたのは、遊園地の絵だった。メリーゴーランドがあって、白い帽子をかぶったアケミと、麦藁編みのうす茶色の帽子をかぶったタロウが、アイスクリームを手にして、メリーゴーランドの右側に立っている。左側には母が肩の両側に大きなリボンのついた、女優さんが着るような紫色のドレスで立っている。顔も髪型も本人とは似ても似つかない姿だった。家族で行く遊園地には、そんな豪華なメリーゴーランドはない。
「うーん」
うなっているうちに、母が許してくれるのではないかと期待したが、そんなに甘くはなかった。
「うーん、じゃないの。日記はあったことを書くものでしょう。どうしてそんな噓を描くの?」
母は真顔で怒った。
「だって」
「だってじゃないの。明日のことはちゃんと明日書くの。どうして噓を書くのかしらねえ。ちゃんと消しなさい」
「やだ。だって描いちゃったもん」
「じゃあ、それはしようがないから、明日からちゃんと一日ずつ書かないとだめよ。わかったね」
母は小声で、「どうしてああなんだろう」とぶつぶついいながら去っていった。アケミは母が姿を消したのを見届け、ノートの下半分の枡目に、
「きょうはかぞくでゆうえんちに行きました。とってもたのしかったです」
と書いた。父を描くのを忘れていたが、描き足すのが面倒になったので、そのままにしておいた。何度も後ろを振りかえりながら、母が来ないことを確認して、次のページに取りかかった。
(群ようこ『オトナも子供も大嫌い』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
すぐれた成績を取るために努力する。
生徒の礼儀正しいしせいに感心した。
外国からとどいた手紙を読む。
わすれものをしないように気をつける。
環境問題の重要性がにんしきされている。
Confirm Testの答え
- 答え
優れた
- 答え
姿勢
- 答え
届いた
- 答え
忘れ
- 答え
認識
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章から読み取れるアケミの人物像に合わないものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 先生や母親の目を気にしてばかりいる、気の小さい少女。
- イ ごまかす方法をあれこれと考える、ずるがしこい少女。
- ウ 学校の宿題をまじめにやろうとしない、ずぼらな少女。
- エ 母親に注意されても自分の考えを変えない、がんこな少女。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「うーん」
彼女は小さな目を見開いて、絵日記をにらみつけた。いくらにらみつけてもページは埋まらない。かといってこれから休みが終わるまで、日記をつけ続けなければならないかと思うと、うんざりした。一年生のときも絵日記の宿題は出たが、ずっとほったらかしにしておいて、いちばん最後の日にまとめてやろうとしたができず、結局、提出しなかった。しかし今度の先生はそんなことをきっと許してくれないだろう。
「それだったら、最初にやっちゃえばいいんだ」
アケミは頭の中に明るく火が灯ったような気がした。日記の内容が本当かどうかなんて、いちいち先生は調べないはずだ。とにかく一冊の絵日記が出来上がっていればいいのだ。何ページあるか調べたら、毎日はやらなくてもよさそうだ。とりあえず朝顔の観察日記はやらないことに決めた。とっても手がまわらないからである。彼女は早速、色鉛筆やクレヨンを手にして絵を描きはじめた。
しばらくして母がやってきた。
「あーら、珍しい。何の勉強?」
にっこりしながら、肩越しに手元をのぞき込んだ母の顔色が変わった。
「ちょっと、何やってんの」
「はあ?」
アケミは紫色の色鉛筆を手にして振り返った。
「はあ、じゃないわよ。何をやってるの」
「絵日記」
「絵日記っていったって……。いつそんなところへ行ったのよ」
アケミが描いていたのは、遊園地の絵だった。メリーゴーランドがあって、白い帽子をかぶったアケミと、麦藁編みのうす茶色の帽子をかぶったタロウが、アイスクリームを手にして、メリーゴーランドの右側に立っている。左側には母が肩の両側に大きなリボンのついた、女Aゆうさんが着るような紫色のドレスで立っている。顔も髪型も本人とは似ても似つかないBすがただった。家族で行く遊園地には、そんな豪華なメリーゴーランドはない。
「うーん」
うなっているうちに、母が許してくれるのではないかと期待したが、そんなに甘くはなかった。
「うーん、じゃないの。日記はあったことを書くものでしょう。どうしてそんな噓を描くの?」
母は真顔で怒った。
「だって」
「だってじゃないの。明日のことはちゃんと明日書くの。どうして噓を書くのかしらねえ。ちゃんと消しなさい」
「やだ。だって描いちゃったもん」
「じゃあ、それはしようがないから、明日からちゃんと一日ずつ書かないとだめよ。わかったね」
母は小声で、「どうしてああなんだろう」とぶつぶついいながら去っていった。アケミは母がすがたを消したのを見Cとどけ、ノートの下半分の枡目に、
「きょうはかぞくでゆうえんちに行きました。とってもたのしかったです」
と書いた。父を描くのをDわすれていたが、描き足すのが面倒になったので、そのままにしておいた。何度も後ろを振りかえりながら、母が来ないことを確Eにんして、次のページに取りかかった。
(群ようこ『オトナも子供も大嫌い』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 優 B 姿 C 届 D 忘 E 認 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「うーん」
彼女は小さな目を見開いて、絵日記をにらみつけた。いくらにらみつけてもページは埋まらない。かといってこれから休みが終わるまで、日記をつけ続けなければならないかと思うと、うんざりした。一年生のときも絵日記の宿題は出たが、ずっとほったらかしにしておいて、いちばん最後の日にまとめてやろうとしたができず、結局、提出しなかった。しかし今度の先生はそんなことをきっと許してくれないだろう。
「それだったら、最初にやっちゃえばいいんだ」
アケミは頭の中に明るく火が灯ったような気がした。日記の内容が本当かどうかなんて、いちいち先生は調べないはずだ。とにかく一冊の絵日記が出来上がっていればいいのだ。何ページあるか調べたら、毎日はやらなくてもよさそうだ。とりあえず朝顔の観察日記はやらないことに決めた。とっても手がまわらないからである。彼女は早速、色鉛筆やクレヨンを手にして絵を描きはじめた。
しばらくして母がやってきた。
「あーら、珍しい。何の勉強?」
にっこりしながら、肩越しに手元をのぞき込んだ母の顔色が変わった。
「ちょっと、何やってんの」
「はあ?」
アケミは紫色の色鉛筆を手にして振り返った。
「はあ、じゃないわよ。何をやってるの」
「絵日記」
「絵日記っていったって……。いつそんなところへ行ったのよ」
アケミが描いていたのは、遊園地の絵だった。メリーゴーランドがあって、白い帽子をかぶったアケミと、麦藁編みのうす茶色の帽子をかぶったタロウが、アイスクリームを手にして、メリーゴーランドの右側に立っている。左側には母が肩の両側に大きなリボンのついた、女優さんが着るような紫色のドレスで立っている。顔も髪型も本人とは似ても似つかない姿だった。家族で行く遊園地には、そんな豪華なメリーゴーランドはない。
「うーん」
うなっているうちに、母が許してくれるのではないかと期待したが、そんなに甘くはなかった。
「うーん、じゃないの。日記はあったことを書くものでしょう。どうしてそんな噓を描くの?」
母は真顔で怒った。
「だって」
「だってじゃないの。明日のことはちゃんと明日書くの。どうして噓を書くのかしらねえ。ちゃんと消しなさい」
「やだ。だって描いちゃったもん」
「じゃあ、それはしようがないから、明日からちゃんと一日ずつ書かないとだめよ。わかったね」
母は小声で、「どうしてああなんだろう」とぶつぶついいながら去っていった。アケミは母が姿を消したのを見届け、ノートの下半分の枡目に、
「きょうはかぞくでゆうえんちに行きました。とってもたのしかったです」
と書いた。父を描くのを忘れていたが、描き足すのが面倒になったので、そのままにしておいた。何度も後ろを振りかえりながら、母が来ないことを確認して、次のページに取りかかった。
(群ようこ『オトナも子供も大嫌い』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
映画のじょゆうの演技に感動した。
鳥が空を飛ぶすがたは美しい。
鳥のヒナが巣立つのをみとどけることができた。
約束をわすれないようにメモをする。
宿題を提出する前にもう一度かくにんする。
Practiceの答え
- 答え
女優
- 答え
姿
- 答え
見届
- 答え
忘れ
- 答え
確認
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
アケミはあきらめが早い性格であると思われますが、そのことは、どんなことからわかりますか。次のにあてはまることばを、文中から十四字で書きぬきなさい。
手がまわらないので、にしたこと。
Lessonの答え
- 答え
朝顔の観察日記はやらないこと
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章で、母と会話しているときのアケミの態度について説明したものとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 母をごまかすことは絶対にできないと思い、すべて正直に答えている。
- イ 母に見のがしてもらおうと思いながら、母の質問に短いことばで答えている。
- ウ 母におこられないですむように、思いつくままにあれこれと噓を言っている。
- エ 母が噓を許すはずがないと思い、自分が悪かったと反省しながら話している。
Practiceの答え
- 答え
イ
16-2 物語文16
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
塾に行きはじめて半年後、聡子は五年生になった。吉田さんとはクラス替えで、離れることができた。新しいクラスで、聡子が仲良くなったのは、のり子、世津、なおちゃんの三人だった。
なおちゃんの幼なじみがのり子で、のり子と世津が四年のときからのクラスメイト。聡子は自分がどんなきっかけでこの仲間に入ったのか今はもう、覚えてない。きっとクラスがかわったばかりのころに、誰かと席が近かったとか、帰り道にいっしょになったとか、そんなきっかけがあったのだ。
この四人グループの中で、一番特別なのはなおちゃんだ。なおちゃんは、生まれたときに重い病気をしたとかで、いろいろなことがひとりじゃできない。トイレにひとりで行けない。勉強もわからない。だからなおちゃんはどの時間でもクレヨンで絵を描いている。
「なおちゃん、トイレは?」
のり子は一日のうち十回はこのセリフを言う。
のり子は、このグループのリーダーみたいな存在だ。
トイレに行くときも、教室移動のときも、必ずのり子が指示をだして、それにしたがわなきゃならない。
①聡子は正直、このグループというか、のり子にうんざりしている。
同じクラスのかりんちゃんには、「聡子たちのグループって、楽しそうだね」なんて言われるけど、聡子から見ると、かりんちゃんのいるグループのほうが、よっぽど楽しそうに見える。今からでもいれてほしいと思うくらい、聡子はかりんちゃんをうらやましく思ってる。
でも、今さら他のグループにうつるなんて無理。女子のグループというのは結束がかたくて、そうそう移動したりできないものなのだ。
さいわい、のり子は吉田さんほど横暴じゃなかった。むしろ世話好きで、頼るとすごく喜ぶのだ。
たとえば聡子が、塾が忙しくて、学校の宿題が出来なかった日は、
「大丈夫。ほら、まだ時間あるよ。私のノートうつさせてあげる」
なんて、こころよくノートを見せてくれるし、塾の予習をやりたくて早く帰りたいときには、
「まかせて! 私が掃除当番かわりにやってあげる。聡子は今すぐ帰って、予習しなよ」
と、すごくはりきって、掃除当番をかわってくれるのだ。
だから悪いことばかりじゃない、と聡子は思うことにしている。
それに、世津といっしょにいることは、ちっともいやじゃない。
四年生までアメリカに住んでいた世津は、いまだに変な日本語をつかうので、面白い。
「今月、私、おさいふが危ないよ」
これは、世津がお小遣いがピンチと言いたいときにつかった言葉。*霧島くんに話したら、すごく笑ってくれた。
「昨日、私、むずかしい問題の中にいてね」
これは、昨日大変だったんだぁって言いたいときにつかった言葉。
聡子はそんな世津のものまねがうまい。霧島くんにやってみせると、喜んでくれる。世津のことは、霧島くんとおしゃべりするときにとても役に立つ。
「英語がしゃべれる友達がいるなんて、すごいね」
聡子は霧島くんにそう言われたことがある。このグループにいるのは、つまんないなぁって思うたびに、聡子はこの言葉を思い出すことにしている。
(草野たき『ハッピーノート』)
注
- 霧島くん
- 聡子と同じ塾に通っている五年生の男子。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
チョウがよう虫から成虫になるのを観察する。
自然界には多くの動物がせいぞんしている。
学校にはしぶつを持ち込まないようにする。
ようやく台風の警報がかいじょされて安心した。
飛んできたボールをきき一髪でよけた。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「横暴」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ゲームをしたいと思ったら横暴がいい。
- イ 彼の横暴な態度は改めるべきだ。
- ウ 必死に生きていくのは横暴なときだけだ。
- エ 横暴に過ごしていたらお腹が空く。
Confirm Testの答え
- 答え
幼
- 答え
生存
- 答え
私物
- 答え
解除
- 答え
危機
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「聡子は正直、このグループというか、のり子にうんざりしている」について、のり子のことをいやだと思っていない子にとっては、のり子はどのような子に見えると考えられますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 気配りができる、クラスのリーダー的な存在の子。
- イ 友達の世話をよくする、頼りがいのある子。
- ウ 友達に気をつかってばかりいる、おとなしい子。
- エ ときどき変な日本語をつかう、おもしろい子。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
塾に行きはじめて半年後、聡子は五年生になった。吉田さんとはクラス替えで、離れることができた。新しいクラスで、聡子が仲良くなったのは、のり子、世津、なおちゃんの三人だった。
なおちゃんのAおさななじみがのり子で、のり子と世津が四年のときからのクラスメイト。聡子は自分がどんなきっかけでこの仲間に入ったのか今はもう、覚えてない。きっとクラスがかわったばかりのころに、誰かと席が近かったとか、帰り道にいっしょになったとか、そんなきっかけがあったのだ。
この四人グループの中で、一番特別なのはなおちゃんだ。なおちゃんは、生まれたときに重い病気をしたとかで、いろいろなことがひとりじゃできない。トイレにひとりで行けない。勉強もわからない。だからなおちゃんはどの時間でもクレヨンで絵を描いている。
「なおちゃん、トイレは?」
のり子は一日のうち十回はこのセリフを言う。
のり子は、このグループのリーダーみたいなBそん在だ。
トイレに行くときも、教室移動のときも、必ずのり子が指示をだして、それにしたがわなきゃならない。
聡子は正直、このグループというか、のり子にうんざりしている。
同じクラスのかりんちゃんには、「聡子たちのグループって、楽しそうだね」なんて言われるけど、聡子から見ると、かりんちゃんのいるグループのほうが、よっぽど楽しそうに見える。今からでもいれてほしいと思うくらい、聡子はかりんちゃんをうらやましく思ってる。
でも、今さら他のグループにうつるなんて無理。女子のグループというのは結束がかたくて、そうそう移動したりできないものなのだ。
さいわい、のり子は吉田さんほど横暴じゃなかった。むしろ世話好きで、頼るとすごく喜ぶのだ。
たとえば聡子が、塾が忙しくて、学校の宿題が出来なかった日は、
「大丈夫。ほら、まだ時間あるよ。Cわたしのノートうつさせてあげる」
なんて、こころよくノートを見せてくれるし、塾の予習をやりたくて早く帰りたいときには、
「まかせて!わたしが掃Dじ当番かわりにやってあげる。聡子は今すぐ帰って、予習しなよ」
と、すごくはりきって、掃じ当番をかわってくれるのだ。
だから悪いことばかりじゃない、と聡子は思うことにしている。
それに、世津といっしょにいることは、ちっともいやじゃない。
四年生までアメリカに住んでいた世津は、いまだに変な日本語をつかうので、面白い。
「今月、わたし、おさいふがEあぶないよ」
これは、世津がお小遣いがピンチと言いたいときにつかった言葉。*霧島くんに話したら、すごく笑ってくれた。
「昨日、わたし、むずかしい問題の中にいてね」
これは、昨日大変だったんだぁって言いたいときにつかった言葉。
聡子はそんな世津のものまねがうまい。霧島くんにやってみせると、喜んでくれる。世津のことは、霧島くんとおしゃべりするときにとても役に立つ。
「英語がしゃべれる友達がいるなんて、すごいね」
聡子は霧島くんにそう言われたことがある。このグループにいるのは、つまんないなぁって思うたびに、聡子はこの言葉を思い出すことにしている。
(草野たき『ハッピーノート』)
注
- 霧島くん
- 聡子と同じ塾に通っている五年生の男子。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「横暴」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 道に迷って人に尋ねている様子。
- イ 頭を使うよりも体を動かすほうが得意な様子。
- ウ 戦いの前に気合を入れる様子。
- エ 権力や腕力にまかせて無法・乱暴な行いをする様子。
Lessonの答え
- 答え
A 幼 B 存 C 私 D 除 E 危 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
塾に行きはじめて半年後、聡子は五年生になった。吉田さんとはクラス替えで、離れることができた。新しいクラスで、聡子が仲良くなったのは、のり子、世津、なおちゃんの三人だった。
なおちゃんの幼なじみがのり子で、のり子と世津が四年のときからのクラスメイト。聡子は自分がどんなきっかけでこの仲間に入ったのか今はもう、覚えてない。きっとクラスがかわったばかりのころに、誰かと席が近かったとか、帰り道にいっしょになったとか、そんなきっかけがあったのだ。
この四人グループの中で、一番特別なのはなおちゃんだ。なおちゃんは、生まれたときに重い病気をしたとかで、いろいろなことがひとりじゃできない。トイレにひとりで行けない。勉強もわからない。だからなおちゃんはどの時間でもクレヨンで絵を描いている。
「なおちゃん、トイレは?」
のり子は一日のうち十回はこのセリフを言う。
のり子は、このグループのリーダーみたいな存在だ。
トイレに行くときも、教室移動のときも、必ずのり子が指示をだして、それにしたがわなきゃならない。
①聡子は正直、このグループというか、のり子にうんざりしている。
同じクラスのかりんちゃんには、「聡子たちのグループって、楽しそうだね」なんて言われるけど、聡子から見ると、かりんちゃんのいるグループのほうが、よっぽど楽しそうに見える。今からでもいれてほしいと思うくらい、聡子はかりんちゃんをうらやましく思ってる。
でも、今さら他のグループにうつるなんて無理。女子のグループというのは結束がかたくて、そうそう移動したりできないものなのだ。
さいわい、のり子は吉田さんほど横暴じゃなかった。むしろ世話好きで、頼るとすごく喜ぶのだ。
たとえば聡子が、塾が忙しくて、学校の宿題が出来なかった日は、
「大丈夫。ほら、まだ時間あるよ。私のノートうつさせてあげる」
なんて、こころよくノートを見せてくれるし、塾の予習をやりたくて早く帰りたいときには、
「まかせて! 私が掃除当番かわりにやってあげる。聡子は今すぐ帰って、予習しなよ」
と、すごくはりきって、掃除当番をかわってくれるのだ。
だから悪いことばかりじゃない、と聡子は思うことにしている。
それに、世津といっしょにいることは、ちっともいやじゃない。
四年生までアメリカに住んでいた世津は、いまだに変な日本語をつかうので、面白い。
「今月、私、おさいふが危ないよ」
これは、世津がお小遣いがピンチと言いたいときにつかった言葉。*霧島くんに話したら、すごく笑ってくれた。
「昨日、私、むずかしい問題の中にいてね」
これは、昨日大変だったんだぁって言いたいときにつかった言葉。
聡子はそんな世津のものまねがうまい。霧島くんにやってみせると、喜んでくれる。世津のことは、霧島くんとおしゃべりするときにとても役に立つ。
「英語がしゃべれる友達がいるなんて、すごいね」
聡子は霧島くんにそう言われたことがある。このグループにいるのは、つまんないなぁって思うたびに、聡子はこの言葉を思い出すことにしている。
(草野たき『ハッピーノート』)
注
- 霧島くん
- 聡子と同じ塾に通っている五年生の男子。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
小学校から高校までおさななじみと同じ学校に通う。
化石から昔そんざいしていた生物がわかる。
ペットと遊ぶことがわたしの幸せだ。
使っていないパソコンのアプリを削じょする。
勝手にあぶない場所には近づかない。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「権力や腕力にまかせて無法・乱暴な行いをする様子」を表すことばを漢字二字で書きなさい。
わたしに対してなふるまいをする。
Practiceの答え
- 答え
幼
- 答え
存在
- 答え
私
- 答え
除
- 答え
危ない
- 答え
横暴
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章から読み取れる聡子の人物像としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア グループの子全員に不満をかかえているが、何でも前向きに取り組む積極的な子。
- イ 自分の言いたいことを素直に言えず、友達に気をつかってばかりいる子。
- ウ 明るい面もあるが、友達関係を損得で考えるなど、冷めたところもある子。
- エ 友達といっしょにいるのが苦手で、自分のことしか考えていないわがままな子。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「聡子は正直、このグループというか、のり子にうんざりしている」について、聡子は、のり子のどんなところにうんざりしているのですか。「三人」ということばを使って二十五字以内で書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
他の三人に指示をだして、したがわせるところ。
17章 説明文
説明文の読み方
17-1 説明文13
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ある日本人がアメリカの研究所へ行って仕事をすることになった。しばらくすると、なぜか、この研究者は、ひどく評判が悪くなりだした。ほかの日本人が心配して、わけをきいてみると、理由は些細なことであったのである。
その研究所では来た郵便物がオフィスの*一隅の各人ごとの郵便受けに仕分けされていた。所員はそこへ自分の郵便をとりにくる。もちろん、この日本人も毎日のように、そこへあらわれた。
そこに問題のきっかけがあった。オフィスには若い女性が何人も事務をとっている。そこを通るのだからたいていの人は、なにかひとこという。女の子たちもそれに応ずる。ところが、この日本人研究者は仕事をしている人たちの妨げになっては悪い、とでも思ったのであろう。いつも黙って来て、郵便物をもって知らん顔をして黙って帰った。
これが不評の原因であった。あの日本人はわたしたちを無視している。ひどい、けしからん、というので①女性たちが腹を立て、それがほかの人たちにも広まって、彼は変人であるとされてしまったというしだいである。
日本では、こういう場合、あいさつをしなくてもいい、となっているところがすくなくない。へたに女の子に声をかけたりすれば、そのほうがかえって変に思われるということだってありうる。ことばもあまり自由でない異国のことである。緊張していたのであろう。軽口をたたく気持ちのゆとりのあろうはずもない。かりにそれだけの度胸があっても、*ジョークは出てこないだろう。
この日本人は同情される。しかし、*郷に入っては郷に従え。黙っているのは、たいへんな失礼になる。外国人だからといって、大目に見てもらうことはできない。
まったく見ず知らずの人間同士なら、いくら近くをすれちがっても、知らん顔していなくてはいけない。声をかけたりしたら、それこそ危険人物視される。満員電車の中でハナとハナをつき合わせていても、「やあ、こんにちは、ずいぶんこみ合いますな」などといってはいけない。
ハナをつき合わせているのは、人間にして人間にあらず、木石と考える。それがラッシュの乗り物の中のエチケットである。
さきの日本人研究員のしたことは、まさに、それで、オフィスの人たちを、人間として認めないぞ、という意志表示をしたのと同じである。そういうことを毎度くりかえされればおもしろくないのは当然である。
(外山滋比古『新編 かたりべ文化』問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 一隅
- 一方のすみ。かたすみ。
- ジョーク
- しゃれ。じょうだん。
- 郷に入っては郷に従え
- その土地に行ったら、そこの習慣に合った行動をとるべきである。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
ゆうそうされた書類が無事に届いた。
昨日より体調がじゃっかん良くなってきた。
堂々とむねを張って賞状を受け取った。
彼はあぶない橋を渡るのをためらった。
明日の遠足の持ち物をかくにんする。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「軽口をたたく」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア わたしを笑わせるために軽口をたたく。
- イ 軽口をたたいてすごしなさい。
- ウ 雨がふってきたので軽口をたたいて遊ぶ。
- エ せっかく遠出したのだから軽口をたたいてみよう。
Confirm Testの答え
- 答え
郵送
- 答え
若干
- 答え
胸
- 答え
危ない
- 答え
確認
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「女性たちが腹を立て」とありますが、女性たちは日本人の研究者の行動をどのように感じて腹を立てたのですか。線①より前の文中のことばを使って十五字以内で書きなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
自分たちを無視している。
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ある日本人がアメリカの研究所へ行って仕事をすることになった。しばらくすると、なぜか、この研究者は、ひどく評判が悪くなりだした。ほかの日本人が心配して、わけをきいてみると、理由は些細なことであったのである。
その研究所では来たAゆう便物がオフィスの*一隅の各人ごとのゆう便受けに仕分けされていた。所員はそこへ自分のゆう便をとりにくる。もちろん、この日本人も毎日のように、そこへあらわれた。
そこに問題のきっかけがあった。オフィスにはBわかい女性が何人も事務をとっている。そこを通るのだからたいていの人は、なにかひとこという。女の子たちもそれに応ずる。ところが、この日本人研究者は仕事をしている人たちの妨げになっては悪い、とでも思ったのであろう。いつも黙って来て、ゆう便物をもって知らん顔をして黙って帰った。
これが不評の原因であった。あの日本人はわたしたちを無視している。ひどい、けしからん、というので女性たちが腹を立て、それがほかの人たちにも広まって、彼は変人であるとされてしまったというしだいである。
日本では、こういう場合、あいさつをしなくてもいい、となっているところがすくなくない。へたに女の子に声をかけたりすれば、そのほうがかえって変に思われるということだってありうる。ことばもあまり自由でない異国のことである。緊張していたのであろう。軽口をたたく気持ちのゆとりのあろうはずもない。かりにそれだけの度Cきょうがあっても、*ジョークは出てこないだろう。
①この日本人は同情される。しかし、*郷に入っては郷に従え。黙っているのは、たいへんな失礼になる。外国人だからといって、大目に見てもらうことはできない。
まったく見ず知らずの人間同士なら、いくら近くをすれちがっても、知らん顔していなくてはいけない。声をかけたりしたら、それこそDき険人物視される。満員電車の中でハナとハナをつき合わせていても、「やあ、こんにちは、ずいぶんこみ合いますな」などといってはいけない。
ハナをつき合わせているのは、人間にして人間にあらず、木石と考える。それがラッシュの乗り物の中のエチケットである。
さきの日本人研究員のしたことは、まさに、それで、オフィスの人たちを、人間としてEみとめないぞ、という意志表示をしたのと同じである。そういうことを毎度くりかえされればおもしろくないのは当然である。
(外山滋比古『新編 かたりべ文化』問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 一隅
- 一方のすみ。かたすみ。
- ジョーク
- しゃれ。じょうだん。
- 郷に入っては郷に従え
- その土地に行ったら、そこの習慣に合った行動をとるべきである。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「軽口をたたく」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア よくなるようにアドバイスをすること。
- イ 明日の遊びの予定を立てること。
- ウ 頼まれたことに対して文句を言うこと。
- エ 気軽に冗談などを言うこと。
Lessonの答え
- 答え
A 郵 B 若 C 胸 D 危 E 認 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ある日本人がアメリカの研究所へ行って仕事をすることになった。しばらくすると、なぜか、①この研究者は、ひどく評判が悪くなりだした。ほかの日本人が心配して、わけをきいてみると、理由は些細なことであったのである。
その研究所では来た郵便物がオフィスの*一隅の各人ごとの郵便受けに仕分けされていた。所員はそこへ自分の郵便をとりにくる。もちろん、この日本人も毎日のように、そこへあらわれた。
そこに問題のきっかけがあった。オフィスには若い女性が何人も事務をとっている。そこを通るのだからたいていの人は、なにかひとこという。女の子たちもそれに応ずる。ところが、この日本人研究者は仕事をしている人たちの妨げになっては悪い、とでも思ったのであろう。いつも黙って来て、郵便物をもって知らん顔をして黙って帰った。
これが不評の原因であった。あの日本人はわたしたちを無視している。ひどい、けしからん、というので女性たちが腹を立て、それがほかの人たちにも広まって、彼は変人であるとされてしまったというしだいである。
日本では、こういう場合、あいさつをしなくてもいい、となっているところがすくなくない。へたに女の子に声をかけたりすれば、そのほうがかえって変に思われるということだってありうる。ことばもあまり自由でない異国のことである。緊張していたのであろう。軽口をたたく気持ちのゆとりのあろうはずもない。かりにそれだけの度胸があっても、*ジョークは出てこないだろう。
この日本人は同情される。しかし、*郷に入っては郷に従え。黙っているのは、たいへんな失礼になる。外国人だからといって、大目に見てもらうことはできない。
まったく見ず知らずの人間同士なら、いくら近くをすれちがっても、知らん顔していなくてはいけない。声をかけたりしたら、それこそ危険人物視される。満員電車の中でハナとハナをつき合わせていても、「やあ、こんにちは、ずいぶんこみ合いますな」などといってはいけない。
ハナをつき合わせているのは、人間にして人間にあらず、木石と考える。それがラッシュの乗り物の中のエチケットである。
さきの日本人研究員のしたことは、まさに、それで、オフィスの人たちを、人間として認めないぞ、という意志表示をしたのと同じである。そういうことを毎度くりかえされればおもしろくないのは当然である。
(外山滋比古『新編 かたりべ文化』問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 一隅
- 一方のすみ。かたすみ。
- ジョーク
- しゃれ。じょうだん。
- 郷に入っては郷に従え
- その土地に行ったら、そこの習慣に合った行動をとるべきである。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
届いたゆうびん物をハサミで開封する。
わかい世代の意見を聞くことは重要です。
大勢の前で発表をするにはどきょうが必要だ。
登山はきけんがつきものなのでよく準備する。
妹は失敗をみとめないで言い訳をした。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「気軽に冗談などを言うこと」を表すことばを六字で書きなさい。
わたしの母は立ち話をしながら。
Practiceの答え
- 答え
郵便
- 答え
若い
- 答え
度胸
- 答え
危険
- 答え
認め
- 答え
軽口をたたく
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この日本人は同情される」と筆者が考える理由が書かれている部分を文中からさがし、初めと終わりの五字を書きぬきなさい。
〜
Lessonの答え
- 答え
日本では、〈〜〉いだろう。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この研究者は、ひどく評判が悪くなりだした」とありますが、その原因となる事実が説明されているのはどこからどこまでですか。文中から初めと終わりの五字を書きぬきなさい。
〜
Practiceの答え
- 答え
その研究所〈〜〉て帰った。
17-2 説明文14
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ライオンなどは、動物園で見ますとたえずごろごろと寝ている。これは、ライオンが檻の中に入れてあるから寝ていると思うのはまちがいで、ライオンはアフリカでも寝ているわけです。これはなぜか。
ライオンというのは、哺乳動物で、しかも他の哺乳動物を食べて生きている肉食動物です。肉食というのは、日本では、肉を食べることだと誤解していますが、それはまちがいで、肉だけではあまり栄養価値はない。肉食の特徴は、頭・骨・内臓・血、なにからなにまで全部食べてしまうことにあるのです。したがって、肉食動物は、ひじょうに高度な栄養価値のあるものを生で頭からかじるわけですから、そう朝から晩まで食べている必要はない。満腹すると、三、四日くらいは残りをしゃぶる程度、ほとんど食べないで寝ている。
そこで、ライオンの二、三家族の群れがいると、その近くの草原には、シマウマとか野ヤギとか、草食動物が何百という群れをなして草を食べている。かれらは、ライオンが満腹しているということを知っていますから、べつにこわいとも思わないでゆうゆうと遊んでいる。ところが、ライオンが食い気づいて、そろそろ腹がへったといってうなり声をあげる。そうなるとたいへんで、シマウマならシマウマの群れの見張り役が、ライオンが食い気づいたぞと、どういうシグナルかはっきりわかりませんが、ともかく警報を発し、その警報と同時に、シマウマの群れはわっと走り出す。そして、例の①ジグザグ運動をやります。
あの*狂奔するジグザグ運動というのは、ライオンといえども、その群れの中に入ったら、ひづめにかかって逆にやられてしまう。そういう、自分の身を守る運動です。それから、もうひとつには、このジグザグ運動は、*落伍者を出す運動でもあるんです。とんまなやつとか弱いやつが、ジグザグについていけなくて、群れから離れます。ライオンはそれを知っていて、何匹かを群れから離すように追っていって、じゅうぶん離れたとなったら襲いかかって倒す。倒したとたんに、シマウマの群れはジグザグ運動をぴたりとやめて、草を食い始めます。ライオンは、倒した獲物にとりついて、それをみんなして頭から食べるわけです。そして、あと四、五日は食べない。
こうして、ライオンと草食動物は共存共栄しているそうです。といいますのは、ライオンがいることによって、その草原は同族のライオンをはじめ、それ以外のいろんな肉食動物を寄せつけない。自分の餌場を守るために、ほかのけものが来るとたたき出すのです。まあ、昔の王様みたいなもので、シマウマにすれば、自分たちの身を守ってもらうかわりに、一週間に二、三頭のいけにえを差し出さねばならない。 、その分は産んでふやせばいいと、こういうふうになるわけです。
(会田雄次『日本人の生き方』)
注
- 狂奔
- くるったように動きまわること。
- 落伍
- 仲間についていけないで、おくれること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
道をあやまって迷子になってしまった。
芸術家の作品に高いねだんがついた。
運悪く試合中にこっせつしてしまった。
さくばんは夜ふかしをして映画を観た。
父は長年けいさつ官として働いている。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「いけにえ」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 神様にいけにえをささげる。
- イ この話はいけにえとして聞いた方がいい。
- ウ わたしの話はよくいけにえにされる。
- エ 風船はいけにえをともにする。
Confirm Testの答え
- 答え
誤って
- 答え
値段
- 答え
骨折
- 答え
昨晩
- 答え
警察
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ジグザグ運動をやります」とありますが、シマウマがジグザグ運動をする目的は何ですか。「〜ため。」につながるように、文中から七字と六字で書きぬきなさい。(完答)
- ため。
- ため。
Confirm Testの答え
- 答え
- 自分の身を守る〈ため。〉
- 落伍者を出す〈ため。〉
(完答)
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまる接続語としてもっとも適当なものを、次のア〜カから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア つまり
- イ なぜなら
- ウ しかし
- エ そして
- オ たとえば
- カ あるいは
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ライオンなどは、動物園で見ますとたえずごろごろと寝ている。これは、ライオンが檻の中に入れてあるから寝ていると思うのはまちがいで、ライオンはアフリカでも寝ているわけです。これはなぜか。
ライオンというのは、哺乳動物で、しかも他の哺乳動物を食べて生きている肉食動物です。肉食というのは、日本では、肉を食べることだとAご解していますが、それはまちがいで、肉だけではあまり栄養価Bちはない。肉食の特徴は、頭・Cほね・内臓・血、なにからなにまで全部食べてしまうことにあるのです。したがって、肉食動物は、ひじょうに高度な栄養価ちのあるものを生で頭からかじるわけですから、そう朝からDばんまで食べている必要はない。①満腹すると、三、四日くらいは残りをしゃぶる程度、ほとんど食べないで寝ている。
そこで、ライオンの二、三家族の群れがいると、その近くの草原には、シマウマとか野ヤギとか、草食動物が何百という群れをなして草を食べている。かれらは、ライオンが満腹しているということを知っていますから、べつにこわいとも思わないでゆうゆうと遊んでいる。 、ライオンが食い気づいて、そろそろ腹がへったといってうなり声をあげる。そうなるとたいへんで、シマウマならシマウマの群れの見張り役が、ライオンが食い気づいたぞと、どういうシグナルかはっきりわかりませんが、ともかくEけい報を発し、そのけい報と同時に、シマウマの群れはわっと走り出す。そして、例のジグザグ運動をやります。
あの*狂奔するジグザグ運動というのは、ライオンといえども、その群れの中に入ったら、ひづめにかかって逆にやられてしまう。そういう、自分の身を守る運動です。それから、もうひとつには、このジグザグ運動は、*落伍者を出す運動でもあるんです。とんまなやつとか弱いやつが、ジグザグについていけなくて、群れから離れます。ライオンはそれを知っていて、何匹かを群れから離すように追っていって、じゅうぶん離れたとなったら襲いかかって倒す。倒したとたんに、シマウマの群れはジグザグ運動をぴたりとやめて、草を食い始めます。ライオンは、倒した獲物にとりついて、それをみんなして頭から食べるわけです。そして、あと四、五日は食べない。
こうして、ライオンと草食動物は共存共栄しているそうです。といいますのは、ライオンがいることによって、その草原は同族のライオンをはじめ、それ以外のいろんな肉食動物を寄せつけない。自分の餌場を守るために、ほかのけものが来るとたたき出すのです。まあ、昔の王様みたいなもので、シマウマにすれば、自分たちの身を守ってもらうかわりに、一週間に二、三頭のいけにえを差し出さねばならない。しかし、その分は産んでふやせばいいと、こういうふうになるわけです。
(会田雄次『日本人の生き方』)
注
- 狂奔
- くるったように動きまわること。
- 落伍
- 仲間についていけないで、おくれること。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「いけにえ」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分のやりたいことのみをやる人のこと。
- イ ほかの人やある物事のために生命や名誉・利益を投げ捨てること。
- ウ 体が悪く一人で歩けない人のサポートをすること。
- エ あと一歩のところで他の人に利益を譲ること。
Lessonの答え
- 答え
A 誤 B 値 C 骨 D 晩 E 警 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ライオンなどは、動物園で見ますとたえずごろごろと寝ている。これは、ライオンが檻の中に入れてあるから寝ていると思うのはまちがいで、ライオンはアフリカでも寝ているわけです。これはなぜか。
ライオンというのは、哺乳動物で、しかも他の哺乳動物を食べて生きている肉食動物です。肉食というのは、日本では、肉を食べることだと誤解していますが、それはまちがいで、肉だけではあまり栄養価値はない。肉食の特徴は、頭・骨・内臓・血、なにからなにまで全部食べてしまうことにあるのです。したがって、肉食動物は、ひじょうに高度な栄養価値のあるものを生で頭からかじるわけですから、そう朝から晩まで食べている必要はない。満腹すると、三、四日くらいは残りをしゃぶる程度、ほとんど食べないで寝ている。
そこで、ライオンの二、三家族の群れがいると、その近くの草原には、シマウマとか野ヤギとか、草食動物が何百という群れをなして草を食べている。かれらは、ライオンが満腹しているということを知っていますから、べつにこわいとも思わないでゆうゆうと遊んでいる。ところが、ライオンが食い気づいて、そろそろ腹がへったといってうなり声をあげる。そうなるとたいへんで、シマウマならシマウマの群れの見張り役が、ライオンが食い気づいたぞと、どういうシグナルかはっきりわかりませんが、ともかく警報を発し、その警報と同時に、シマウマの群れはわっと走り出す。そして、例のジグザグ運動をやります。
あの*狂奔するジグザグ運動というのは、ライオンといえども、その群れの中に入ったら、ひづめにかかって逆にやられてしまう。そういう、自分の身を守る運動です。それから、もうひとつには、このジグザグ運動は、*落伍者を出す運動でもあるんです。とんまなやつとか弱いやつが、ジグザグについていけなくて、群れから離れます。ライオンはそれを知っていて、何匹かを群れから離すように追っていって、じゅうぶん離れたとなったら襲いかかって倒す。①倒したとたんに、シマウマの群れはジグザグ運動をぴたりとやめて、草を食い始めます。ライオンは、倒した獲物にとりついて、それをみんなして頭から食べるわけです。 、あと四、五日は食べない。
こうして、ライオンと草食動物は共存共栄しているそうです。といいますのは、ライオンがいることによって、その草原は同族のライオンをはじめ、それ以外のいろんな肉食動物を寄せつけない。自分の餌場を守るために、ほかのけものが来るとたたき出すのです。まあ、昔の王様みたいなもので、シマウマにすれば、自分たちの身を守ってもらうかわりに、一週間に二、三頭のいけにえを差し出さねばならない。しかし、その分は産んでふやせばいいと、こういうふうになるわけです。
(会田雄次『日本人の生き方』)
注
- 狂奔
- くるったように動きまわること。
- 落伍
- 仲間についていけないで、おくれること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
冗談をごかいして本気にしてしまった。
こつこつ努力を積み重ねるかちがある。
魚のほねを取り除きながら食べる。
まいばん寝る前に本を読むのが好きだ。
大雨けいほうが出たので家で過ごす。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「ほかの人やある物事のために生命や名誉・利益を投げ捨てること。また、その人。犠牲。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
神に羊をとしてそなえる。
Practiceの答え
- 答え
誤解
- 答え
価値
- 答え
骨
- 答え
毎晩
- 答え
警報
- 答え
いけにえ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「満腹すると、三、四日くらいは残りをしゃぶる程度、ほとんど食べないで寝ている」とありますが、ライオンはなぜ、ほとんど食べないでいても平気なのですか。文中のことばを使って、「〜から。」という形で三十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
ひじょうに高度な栄養価ちのあるものを食べているから。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「倒したとたんに、シマウマの群れはジグザグ運動をぴたりとやめて、草を食い始めます」とありますが、シマウマがジグザグ運動をやめる理由を考えて、「〜から。」という形で二十字以内で書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
ライオンに襲われる心配がなくなったから。
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまる接続語としてもっとも適当なものを、次のア〜カから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア つまり
- イ なぜなら
- ウ ところが
- エ そして
- オ たとえば
- カ あるいは
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまる接続語としてもっとも適当なものを、次のア〜カから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア つまり
- イ なぜなら
- ウ ところが
- エ そして
- オ たとえば
- カ あるいは
Practiceの答え
- 答え
エ
17-3 説明文15
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
巨大な大木となる「木」と道ばたの雑草のような小さな「草」では、進化の過程では、どちらがより進化をした形だろうか。
-
幹を作り、枝葉を茂らせる木の方が、より複雑な構造に進化をしているように思うかも知れないが、じつはより進化をしているのは草の方である。
-
コケのような小さな植物からシダ植物が進化したとき、頑強な茎と仮道管という通水組織を利用して、巨大な木を作り上げた。その後、シダ植物、裸子植物、被子植物の進化を通して、植物はすべて巨木の森を作っていたのである。
-
そして、木から草が進化をした。
-
草が誕生したのは、*白亜紀の終わりごろであると言われている。
-
恐竜映画などを見ると、巨大な植物たちが森を作っている。その時代の植物は、とにかくでかかった。恐竜が*繁栄した時代は、気温も高く、光合成に必要な二酸化炭素濃度も高かった。そのため、植物も成長が*旺盛で、巨大化することができたのである。
-
そして、その大きな木の上の葉を食べるために、恐竜たちもまた巨大化していった。すると、植物も恐竜に食べられないように、さらに巨大化する。そして、恐竜は巨大化した植物を食べるために、巨大化し、さらには首まで長くしていった。こうして植物と恐竜とが競い合って、巨大化を進めていったのである。
-
ところが、白亜紀の終わりごろ、それまで地球上に一つしかなかった大陸は、*マントル対流によって分裂し、移動を始めた。そして、分裂した大陸どうしが衝突すると、ぶつかった歪みが盛り上がって、山脈を作る。すると山脈にぶつかった風は雲となり、雨を降らせる。こうして地殻変動が起こることによって、気候も変動し、不安定になっていったのである。
-
山に降った雨は、川となり、やがて下流で三角州を築いていく。草が誕生をしたのは、まさにこの三角州であったと考えられている。
-
三角州の環境は不安定である。いつ大雨が降り、洪水が起こるかわからない。そんな環境ではゆっくりと大木になっている余裕がない。
-
そこで、短い期間に成長して花を咲かせ、種子を残して世代*更新する「草」が発達していったのである。その後、目まぐるしく変化する環境に対応して、草は、爆発的な進化を遂げた。陸上の哺乳類が、再び海に戻ってクジラになったように、環境に適応して、草から再び木に戻ったものもいる。昆虫の少ない環境では、虫媒花から再び、風が花粉を運ぶ風媒花に進化したものもいる。こうして、地球上のあちらこちらで、多様な植物が進化を遂げていったのである。
(稲垣栄洋『植物はなぜ動かないのか』)
注
- 白亜紀
- 約一億四五〇〇万年前から約六五〇〇万年前までの期間。
- 繁栄
- さかえること。
- 旺盛
- 勢いがとてもさかんなこと。
- マントル対流
- 地球の内部で起こる、きわめてゆるやかな対流。
- 更新
- あたらしく改めること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
動物園でパンダの赤ちゃんがたんじょうした。
テレビにうつる海の風景がとても美しい。
いつもバスをおりるときにお礼を言う。
チーズやヨーグルトはにゅう製品の一つだ。
この商品の大きさはてきかくなサイズである。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「三角州」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 三角州で洋服を洗う。
- イ わたしが一番好きなのは三角州のドアだ。
- ウ 三角州という地形にとても興味がある。
- エ 何事にも三角州を持っていくのが良い。
Confirm Testの答え
- 答え
誕生
- 答え
映る
- 答え
降りる
- 答え
乳
- 答え
適格
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
7段落は何について述べた段落ですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 植物が巨大化することができた理由。
- イ 恐竜と植物が巨大化していった理由。
- ウ 恐竜が栄えた時代の地球の環境。
- エ 首が長い恐竜が誕生した過程。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
巨大な大木となる「木」と道ばたの雑草のような小さな「草」では、進化の過程では、どちらがより進化をした形だろうか。
-
幹を作り、枝葉を茂らせる木の方が、より複雑な構造に進化をしているように思うかも知れないが、じつはより進化をしているのは草の方である。
-
コケのような小さな植物からシダ植物が進化したとき、頑強な茎と仮道管という通水組織を利用して、巨大な木を作り上げた。その後、シダ植物、裸子植物、被子植物の進化を通して、植物はすべて巨木の森を作っていたのである。
-
そして、木から草が進化をした。
-
草がAたん生したのは、*白亜紀の終わりごろであると言われている。
-
恐竜Bえい画などを見ると、巨大な植物たちが森を作っている。その時代の植物は、とにかくでかかった。恐竜が*繁栄した時代は、気温も高く、光合成に必要な二酸化炭素濃度も高かった。そのため、植物も成長が*旺盛で、巨大化することができたのである。
-
そして、その大きな木の上の葉を食べるために、恐竜たちもまた巨大化していった。すると、植物も恐竜に食べられないように、さらに巨大化する。そして、恐竜は巨大化した植物を食べるために、巨大化し、さらには首まで長くしていった。こうして植物と恐竜とが競い合って、巨大化を進めていったのである。
-
ところが、白亜紀の終わりごろ、それまで地球上に一つしかなかった大陸は、*マントル対流によって分裂し、移動を始めた。そして、分裂した大陸どうしが衝突すると、ぶつかった歪みが盛り上がって、山脈を作る。すると山脈にぶつかった風は雲となり、雨をCふらせる。こうして地殻変動が起こることによって、気候も変動し、不安定になっていったのである。
-
山にふった雨は、川となり、やがて下流で三角州を築いていく。草がたん生をしたのは、まさにこの三角州であったと考えられている。
-
三角州の環境は不安定である。いつ大雨がふり、洪水が起こるかわからない。そんな環境ではゆっくりと大木になっている余裕がない。
-
そこで、短い期間に成長して花を咲かせ、種子を残して世代*更新する「草」が発達していったのである。その後、目まぐるしく変化する環境に対おうして、草は、爆発的な進化を遂げた。陸上の哺Dにゅう類が、再び海に戻ってクジラになったように、環境にEてきおうして、草から再び木に戻ったものもいる。昆虫の少ない環境では、虫媒花から再び、風が花粉を運ぶ風媒花に進化したものもいる。こうして、地球上のあちらこちらで、多様な植物が進化を遂げていったのである。
(稲垣栄洋『植物はなぜ動かないのか』)
注
- 白亜紀
- 約一億四五〇〇万年前から約六五〇〇万年前までの期間。
- 繁栄
- さかえること。
- 旺盛
- 勢いがとてもさかんなこと。
- マントル対流
- 地球の内部で起こる、きわめてゆるやかな対流。
- 更新
- あたらしく改めること。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「三角州」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 人間が暮らせないような自然な場所のこと。
- イ 河や海が一緒になっている場所のこと。
- ウ 三角の窓がたくさんある家のこと。
- エ 河川が運搬した土砂が河口付近に堆積 してできた地形のこと。
Lessonの答え
- 答え
A 誕 B 映 C 降 D 乳 E 適応 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
巨大な大木となる「木」と道ばたの雑草のような小さな「草」では、進化の過程では、どちらがより進化をした形だろうか。
-
幹を作り、枝葉を茂らせる木の方が、より複雑な構造に進化をしているように思うかも知れないが、じつはより進化をしているのは草の方である。
-
コケのような小さな植物からシダ植物が進化したとき、頑強な茎と仮道管という通水組織を利用して、巨大な木を作り上げた。その後、シダ植物、裸子植物、被子植物の進化を通して、植物はすべて巨木の森を作っていたのである。
-
そして、木から草が進化をした。
-
草が誕生したのは、*白亜紀の終わりごろであると言われている。
-
恐竜映画などを見ると、巨大な植物たちが森を作っている。その時代の植物は、とにかくでかかった。恐竜が*繁栄した時代は、気温も高く、光合成に必要な二酸化炭素濃度も高かった。そのため、植物も成長が*旺盛で、巨大化することができたのである。
-
そして、その大きな木の上の葉を食べるために、恐竜たちもまた巨大化していった。すると、植物も恐竜に食べられないように、さらに巨大化する。そして、恐竜は巨大化した植物を食べるために、巨大化し、さらには首まで長くしていった。こうして植物と恐竜とが競い合って、巨大化を進めていったのである。
-
ところが、白亜紀の終わりごろ、それまで地球上に一つしかなかった大陸は、*マントル対流によって分裂し、移動を始めた。そして、分裂した大陸どうしが衝突すると、ぶつかった歪みが盛り上がって、山脈を作る。すると山脈にぶつかった風は雲となり、雨を降らせる。こうして地殻変動が起こることによって、気候も変動し、不安定になっていったのである。
-
山に降った雨は、川となり、やがて下流で三角州を築いていく。草が誕生をしたのは、まさにこの三角州であったと考えられている。
-
三角州の環境は不安定である。いつ大雨が降り、洪水が起こるかわからない。そんな環境ではゆっくりと大木になっている余裕がない。
-
そこで、短い期間に成長して花を咲かせ、種子を残して世代*更新する「草」が発達していったのである。その後、目まぐるしく変化する環境に対応して、草は、爆発的な進化を遂げた。陸上の哺乳類が、再び海に戻ってクジラになったように、環境に適応して、草から再び木に戻ったものもいる。昆虫の少ない環境では、虫媒花から再び、風が花粉を運ぶ風媒花に進化したものもいる。こうして、地球上のあちらこちらで、多様な植物が進化を遂げていったのである。
(稲垣栄洋『植物はなぜ動かないのか』)
注
- 白亜紀
- 約一億四五〇〇万年前から約六五〇〇万年前までの期間。
- 繁栄
- さかえること。
- 旺盛
- 勢いがとてもさかんなこと。
- マントル対流
- 地球の内部で起こる、きわめてゆるやかな対流。
- 更新
- あたらしく改めること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
ケーキを囲みたんじょうびのお祝いをする。
感動的なえいがを観て涙がこぼれた。
雪がふる地域に住んでいたことがある。
母猫が産まれた子猫にちちをあげている。
日陰はシダ植物が育つのにてきとうな環境だ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「河川が運搬した土砂が河口付近に堆積 してできた地形のこと」を表すことばをひらがな五字で書きなさい。
ナイル川のを見に行く。
Practiceの答え
- 答え
誕生日
- 答え
映画
- 答え
降る
- 答え
乳
- 答え
適当
- 答え
さんかくす
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
草の誕生と進化について、その原因と過程を順を追って説明しているのは何段落から何段落までですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 3 〜 8段落
- イ 6 〜 9段落
- ウ 7 〜 10段落
- エ 8 〜 11段落
Lessonの答え
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
疑問を示す形で文章全体の話題を提示している段落はどれですか。また、その答えを簡潔に示している段落はどれですか。それぞれ段落番号で答えなさい。(完答)
話題を提示している段落 段落
答えを示してくれている段落 段落
Practiceの答え
- 答え
- 話題を提示している段落 1〈段落〉
- 答えを示してくれている段落 2〈段落〉
- (完答)
18章 文法
複合語・類義語・対義語
18-1 複合語
Confirm Test
次のそれぞれの文の線部が和語ならばア、漢語ならばイ、外来語ならばウを記号で答えなさい。
プレゼントにぬいぐるみを買ってもらった。
私の趣味は、野球観戦です。
十年かけて念願のステージに立った。
次の混種語(和語・漢語・外来語が混ざってできた言葉)は、どのような言葉が組み合わさってできているか。〈例〉を参考にその組み合わせを書きなさい。
- 〈例〉 大型テレビ → 和語 + 外来語
サービス券
Confirm Testの答え
- 答え
ア
- 答え
イ
- 答え
ウ
- 答え
外来語 + 漢語
Confirm Test
次のそれぞれの言葉が、和語と和語の組み合わせならばア、漢語と漢語の組み合わせならばイ、外来語と外来語の組み合わせならばウ、和語・漢語・外来語が混ざってできた言葉ならばエを記号で答えなさい。
落ち葉
観葉植物
炭酸ジュース
走り回る
Confirm Testの答え
- 答え
ア
- 答え
イ
- 答え
エ
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次のそれぞれの文の線部が和語ならばア、漢語ならばイ、外来語ならばウを記号で答えなさい。
熱いコーヒーを飲む。
スカイダイビングの体験ツアーに申し込む。
機械を操作する。
次の混種語(和語・漢語・外来語が混ざってできた言葉)は、どのような言葉が組み合わさってできているか。〈例〉を参考にその組み合わせを書きなさい。
- 〈例〉 大型テレビ → 和語 + 外来語
長ズボン
Lessonの答え
- 答え
ア
- 答え
ウ
- 答え
イ
- 答え
和語 + 外来語
Practice
次のそれぞれの文の線部が和語ならばア、漢語ならばイ、外来語ならばウを記号で答えなさい。
事件の捜査中だ。
かなわぬ夢を追いつづける。
このチームは選手一人ひとりのレベルが高い。
次の混種語(和語・漢語・外来語が混ざってできた言葉)は、どのような言葉が組み合わさってできているか。〈例〉を参考にその組み合わせを書きなさい。
- 〈例〉 大型テレビ → 和語 + 外来語
貸し切りバス
Practiceの答え
- 答え
イ
- 答え
ア
- 答え
ウ
- 答え
和語 + 外来語
Point
Lesson
Lesson
次のそれぞれの言葉が、和語と和語の組み合わせならばア、漢語と漢語の組み合わせならばイ、外来語と外来語の組み合わせならばウ、和語・漢語・外来語が混ざってできた言葉ならばエを記号で答えなさい。
電子レンジ
郵便局
細長い
授業参観
Lessonの答え
- 答え
エ
- 答え
イ
- 答え
ア
- 答え
イ
Practice
次のそれぞれの言葉が、和語と和語の組み合わせならばア、漢語と漢語の組み合わせならばイ、外来語と外来語の組み合わせならばウ、和語・漢語・外来語が混ざってできた言葉ならばエを記号で答えなさい。
目新しい
ワイングラス
国会議事堂
競技選手
Practiceの答え
- 答え
ア
- 答え
ウ
- 答え
イ
- 答え
イ
18-2 類義語
Confirm Test
次の各グループから、類義語の関係にあることばを一組ずつ選び、記号で答えなさい。
ア 区別 イ 地域 ウ 地面 エ 地区 オ 区立
ア 通勤 イ 勤続 ウ 勤勉 エ 勉学 オ 出勤
ア 指名 イ 声明 ウ 任務 エ 使命 オ 指令
Confirm Testの答え
- 答え
イ・エ
- 答え
ア・オ
- 答え
ウ・エ
Confirm Test
次の各組の線部のことばは類義語です。それぞれの文に合うように( )にあてはまる漢字を書きなさい。 (完答)
- ・ 友だちは明( )な性格だ。
- ・ 部屋から快( )な声が聞こえた。
- ・ ( )事な書類をなくしてしまった。
- ・ 人生を左右する重( )な決断だ。
- ・ 旅行の( )備をする。
- ・ 夕食の( )意をする。
- ・ 予( )とはまったくちがうチームが優勝した。
- ・ 明日の雨量を予( )する。
Confirm Testの答え
- 答え
朗・活(完答)
- 答え
大・要(完答)
- 答え
準・用(完答)
- 答え
想・測(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の熟語の類義語を下から選び、記号で答えなさい。
真意(ア 真実 イ 本心 ウ 心情)
音信(ア 消息 イ 信用 ウ 雑音)
賛成(ア 完成 イ 協賛 ウ 同意)
一生(ア 生命 イ 心身 ウ 終身)
Lessonの答え
- 答え
イ
- 答え
ア
- 答え
ウ
- 答え
ウ
Practice
次の各グループから、類義語の関係にあることばを一組ずつ選び、記号で答えなさい。
ア 告白 イ 告示 ウ 注意 エ 忠義 オ 忠告
ア 有名 イ 氏名 ウ 記名 エ 名人 オ 著名
ア 確実 イ 資格 ウ 品格 エ 特別 オ 格別
Practiceの答え
- 答え
ウ・オ
- 答え
ア・オ
- 答え
エ・オ
Lesson
Lesson
あとの熟語の類義語を次から選び、漢字に直して書きなさい。
- しょち
- びてん
- しぜん
- せいい
- ふうけい
- ねつい
処理 =
情熱 =
真心 =
景色 =
天然 =
長所 =
Lessonの答え
- 答え
処置
- 答え
熱意
- 答え
誠意
- 答え
風景
- 答え
自然
- 答え
美点
Practice
次の漢字を組み合わせて、あとの熟語の類義語を作りなさい。
- 便
- 敬
- 当
- 役
- 利
- 割
- 服
- 外
- 厚
- 人
- 情
- 戸
本人 =
役目 =
重宝 =
感心 =
屋外 =
親切 =
Practiceの答え
- 答え
当人
- 答え
役割
- 答え
便利(利便)
- 答え
敬服
- 答え
戸外
- 答え
厚情
18-3 対義語
Confirm Test
次の各グループから、対義語の関係にあることばを一組ずつ選び、記号で答えなさい。
ア 暗黒 イ 照明 ウ 光明 エ 明暗 オ 街頭
ア 熟成 イ 早熟 ウ 成長 エ 上達 オ 晩成
ア 損失 イ 収益 ウ 有益 エ 破損 オ 収入
Confirm Testの答え
- 答え
ア・ウ
- 答え
イ・オ
- 答え
ア・イ
Confirm Test
あとの熟語の対義語を次から選び、漢字に直して書きなさい。
- ひかん
- こうしゃ
- しゅうてん
- ていし
- しっぱい
- たんしゅく
起点 =
延長 =
次のに打ち消しの漢字(不・無・非・未)を入れて対義語を作りなさい。
成熟 ↕︎ 熟
有限 ↕︎ 限
次の各組のが対義語になるように、あてはまる熟語を書きなさい。 (完答)
- ・ 急な話し合いのために、の会議が開かれた。
- ・ 週に一度のの会議に参加する。
Confirm Testの答え
- 答え
終点
- 答え
短縮
- 答え
未
- 答え
無
- 答え
臨時・定例(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の熟語の対義語を下から選び、記号で答えなさい。
冷静(ア 興奮 イ 向上 ウ 雑音)
期待(ア 待望 イ 失望 ウ 期限)
過去(ア 通過 イ 昨年 ウ 未来)
集合(ア 解決 イ 解散 ウ 集中)
Lessonの答え
- 答え
ア
- 答え
イ
- 答え
ウ
- 答え
イ
Practice
次の各グループから、対義語の関係にあることばを一組ずつ選び、記号で答えなさい。
ア 完全 イ 危機 ウ 安心 エ 危険 オ 安全
ア 権利 イ 任務 ウ 規則 エ 義務 オ 自由
ア 建造 イ 人工 ウ 自然 エ 当然 オ 有人
Practiceの答え
- 答え
エ・オ
- 答え
ア・エ
- 答え
イ・ウ
Lesson
Lesson
あとの熟語の対義語を次から選び、漢字に直して書きなさい。
- ひかん
- こうしゃ
- しゅうてん
- ていし
- しっぱい
- たんしゅく
進行 =
乗車 =
次のに打ち消しの漢字(不・無・非・未)を入れて対義語を作りなさい。
好評 ↕︎ 評
平常 ↕︎ 常
次の各組のが対義語になるように、あてはまる熟語を書きなさい。 (完答)
- ・ 都市部の人口がして、大変な混雑だ。
- ・ 地方の人口がし、働き手不足にある。
Lessonの答え
- 答え
停止
- 答え
降車
- 答え
不
- 答え
非
- 答え
増加・減少(完答)
Practice
あとの熟語の対義語を次から選び、漢字に直して書きなさい。
- ひかん
- こうしゃ
- しゅうてん
- ていし
- しっぱい
- たんしゅく
成功 =
楽観 =
次のに打ち消しの漢字(不・無・非・未)を入れて対義語を作りなさい。
有名 ↕︎ 名
完備 ↕︎ 備
次の各組のが対義語になるように、あてはまる熟語を書きなさい。 (完答)
- ・ 帰宅して、今日の授業のをした。
- ・ 明日の授業のをした。
Practiceの答え
- 答え
失敗
- 答え
悲観
- 答え
無
- 答え
不
- 答え
復習・予習(完答)
19章 随筆文
随筆文の読み方
19-1 随筆文4
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
私が五歳頃であったろうか。ある夏の日、明るいうちに母と弟と三人で銭湯に行った。二*丁半ほど離れたその銭湯の庭には、あやめの花がぞっくりと、見事に咲いていたことを覚えている。母より先に風呂から上がった私は、脱衣場で見知らぬ赤ん坊を膝に抱いた。その頃から私は赤ん坊が好きだったのだろう。ところがその子は、*抱かれるや否や、私の着物をウンチで汚してしまった。入浴する前か後かは知らないが、おしめが取られていたのだった。
「よその赤ちゃんを抱いたりするから……」
私は母に叱られた。私の母は賢い人だと思っているが、この時の*叱責は私には納得出来なかった。よその子を抱くことが悪いとは、子供心にも思えなかったのだ。だがそのことは別として、着物を汚してしまったことは、悪かったとも思った。母は私の汚れた着物を持って、
「すぐに迎えに来るから、ここで待っていなさい」
と、弟を連れて行った。夏のことで、浴衣一枚しか着ていなかったから、その一枚を持って帰られると、着るものがなかった。裸で帰るわけにもいかず、私は家人の迎えを待っていた。だが、わが家からはなかなか迎えに来てはくれない。私は子供だったから、待てなかったのかも知れない。短い時間が長く思われたのかも知れない。私は裸でいつまでもその場にいるのが不安になった。私はついに帰ることにした。帰るといっても着るものはない。真っ裸で帰るわけにはいかない。と、どうしたことか、母は私の着物だけを持って、私の*三尺帯を置いて行ったことに気づいた。私はその三尺帯を肩から斜めに体に巻きつけた。か細い子供の体である。幅広い三尺帯である。ゆったりと膝のあたりまで巻きつけることが出来た。あの時の、橙色の*ちりめんの帯の感触は今も私は覚えている。多分その姿は、*珍妙であったにちがいない。
裸ではないのだという気持ちがあって、誇らしい思いもあったような気がする。つまり、三尺帯を巻きつけるとは、われながら名案と言いたいところだったのだろう。
家まで、あと半丁という所まで来た時、風呂敷包みを抱えて、私を迎えに来た姉に出会った。姉は私の奇妙な姿を見て、
「①まあ!」
と、実に何ともいえない優しい笑顔を見せた。そして、ふだんより何倍も優しい語調で私を慰め、太い柳の木の下で、ぐるぐる巻きの帯を取り、風呂敷の中の浴衣を着せてくれた。私はこの時、初めて姉の姉らしさに触れたのである。私がようやく、自分以外の人間を意識する年齢になっていたからであろうか。きょうだい愛をたっぷりと私は浴衣と共に着たのであった。
(三浦綾子『草のうた』)
注
- 丁
- 距離の単位。一丁は約百九メートル。
- 抱かれるや否や
- 抱かれるとすぐに。
- 叱責
- あやまちをしかって、せめること。
- 三尺帯
- ゆかたなどを着るときに用いる帯。ここでは、子供用帯のこと。
- ちりめん
- 絹織物の一つで、表面に細かなしわがある。
- 珍妙
- ひどく変わっていて、おかしい様子。
- 柄杓
- おわんの形の容器に長い柄をつけた、水などをくみ取る道具。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
図書館の本棚に本をきちんとおさめる。
このカフェは毎日おいしい食事をていきょうする。
解く前に問題用紙のまいすうを確認する。
育てた朝顔のツルが支柱にまきついている。
成人式で祖母に晴れすがたを見せる。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「銭湯」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 銭湯するならわたしもついていく。
- イ 家にいないで銭湯で頑張りなさい。
- ウ 銭湯に立ってみんなを引っ張る。
- エ わたしはよく銭湯に行きます。
Confirm Testの答え
- 答え
納める
- 答え
提供
- 答え
枚数
- 答え
巻き
- 答え
姿
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「まあ!」と言ったときの姉の気持ちとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 裸に帯を巻きつけた妹の姿がかわいらしくて、おもしろいと思った。
- イ 幼い妹につらい思いをさせてしまい、姉として申し訳ないと思った。
- ウ 幼いながらに恥ずかしかったであろう妹のことが、かわいそうだった。
- エ とんでもない格好で歩いてくる妹を見ておどろき、恥ずかしかった。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
私が五歳頃であったろうか。ある夏の日、明るいうちに母と弟と三人で銭湯に行った。二*丁半ほど離れたその銭湯の庭には、あやめの花がぞっくりと、見事に咲いていたことを覚えている。母より先に風呂から上がった私は、脱衣場で見知らぬ赤ん坊を膝に抱いた。その頃から私は赤ん坊が好きだったのだろう。ところがその子は、*抱かれるや否や、私の着物をウンチで汚してしまった。入浴する前か後かは知らないが、おしめが取られていたのだった。
「よその赤ちゃんを抱いたりするから……」
私は母に叱られた。私の母は賢い人だと思っているが、この時の*叱責は私にはAなっ得出来なかった。よその子を抱くことが悪いとは、子Bども心にも思えなかったのだ。だがそのことは別として、着物を汚してしまったことは、悪かったとも思った。母は私の汚れた着物を持って、
「すぐに迎えに来るから、ここで待っていなさい」
と、弟を連れて行った。夏のことで、浴衣一Cまいしか着ていなかったから、その一まいを持って帰られると、着るものがなかった。裸で帰るわけにもいかず、私は家人の迎えを待っていた。だが、わが家からはなかなか迎えに来てはくれない。私は子どもだったから、待てなかったのかも知れない。短い時間が長く思われたのかも知れない。私は裸でいつまでもその場にいるのが不安になった。私はついに帰ることにした。帰るといっても着るものはない。真っ裸で帰るわけにはいかない。と、どうしたことか、母は私の着物だけを持って、私の*三尺帯を置いて行ったことに気づいた。私はその三尺帯を肩から斜めに体にDまきつけた。か細い子どもの体である。幅広い三尺帯である。ゆったりと膝のあたりまでまきつけることが出来た。あの時の、橙色の*ちりめんの帯の感触は今も私は覚えている。多分そのEすがたは、*珍妙であったにちがいない。風呂屋にいる人たちが笑っているのを子ども心に感じながら、私はまだ明るい夕方の街に出た。
銭湯のすぐそばで、半裸の男が道路に水を撒いていた。男は驚いて、二メートルほどの長い柄の*柄杓を持ったまま、まじまじと私のすがたをみつめた。私は広い道路の真ん中を、悠々と歩いて帰って行った。恥ずかしい気がした。が、一方、裸ではないのだという気持ちがあって、誇らしい思いもあったような気がする。つまり、三尺帯をまきつけるとは、われながら名案と言いたいところだったのだろう。
家まで、あと半丁という所まで来た時、風呂敷包みを抱えて、私を迎えに来た姉に出会った。姉は私の奇妙なすがたを見て、
「まあ!」
と、実に何ともいえない優しい笑顔を見せた。そして、ふだんより何倍も優しい語調で私を慰め、太い柳の木の下で、ぐるぐるまきの帯を取り、風呂敷の中の浴衣を着せてくれた。私はこの時、初めて姉の姉らしさに触れたのである。私がようやく、自分以外の人間を意識する年齢になっていたからであろうか。きょうだい愛をたっぷりと私は浴衣と共に着たのであった。
(三浦綾子『草のうた』)
注
- 丁
- 距離の単位。一丁は約百九メートル。
- 抱かれるや否や
- 抱かれるとすぐに。
- 叱責
- あやまちをしかって、せめること。
- 三尺帯
- ゆかたなどを着るときに用いる帯。ここでは、子ども用帯のこと。
- ちりめん
- 絹織物の一つで、表面に細かなしわがある。
- 珍妙
- ひどく変わっていて、おかしい様子。
- 柄杓
- おわんの形の容器に長い柄をつけた、水などをくみ取る道具。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「銭湯」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 友達と一緒にお風呂に入ること。
- イ 温泉になりそうな場所を見つけること。
- ウ 料金をとって一般の人を入浴させる浴場。
- エ お金を払って試合を見にいく場所。
Lessonの答え
- 答え
A 納 B 供 C 枚 D 巻 E 姿 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
私が五歳頃であったろうか。ある夏の日、明るいうちに母と弟と三人で銭湯に行った。二*丁半ほど離れたその銭湯の庭には、あやめの花がぞっくりと、見事に咲いていたことを覚えている。母より先に風呂から上がった私は、脱衣場で見知らぬ赤ん坊を膝に抱いた。その頃から私は赤ん坊が好きだったのだろう。ところがその子は、*抱かれるや否や、私の着物をウンチで汚してしまった。入浴する前か後かは知らないが、おしめが取られていたのだった。
「よその赤ちゃんを抱いたりするから……」
私は母に叱られた。私の母は賢い人だと思っているが、この時の*叱責は私には納得出来なかった。よその子を抱くことが悪いとは、子供心にも思えなかったのだ。だがそのことは別として、着物を汚してしまったことは、悪かったとも思った。母は私の汚れた着物を持って、
「すぐに迎えに来るから、ここで待っていなさい」
と、弟を連れて行った。夏のことで、浴衣一枚しか着ていなかったから、その一枚を持って帰られると、着るものがなかった。裸で帰るわけにもいかず、私は家人の迎えを待っていた。だが、わが家からはなかなか迎えに来てはくれない。私は子供だったから、待てなかったのかも知れない。
家まで、あと半丁という所まで来た時、風呂敷包みを抱えて、私を迎えに来た姉に出会った。姉は私の奇妙な姿を見て、
「まあ!」
と、実に何ともいえない優しい笑顔を見せた。そして、①ふだんより何倍も優しい語調で私を慰め、太い柳の木の下で、ぐるぐる巻きの帯を取り、風呂敷の中の浴衣を着せてくれた。私はこの時、初めて姉の姉らしさに触れたのである。私がようやく、自分以外の人間を意識する年齢になっていたからであろうか。きょうだい愛をたっぷりと私は浴衣と共に着たのであった。
(三浦綾子『草のうた』)
注
- 丁
- 距離の単位。一丁は約百九メートル。
- 抱かれるや否や
- 抱かれるとすぐに。
- 叱責
- あやまちをしかって、せめること。
- 三尺帯
- ゆかたなどを着るときに用いる帯。ここでは、子供用帯のこと。
- ちりめん
- 絹織物の一つで、表面に細かなしわがある。
- 珍妙
- ひどく変わっていて、おかしい様子。
- 柄杓
- おわんの形の容器に長い柄をつけた、水などをくみ取る道具。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
大事な大会前になっとくいくまで練習した。
こどもの国語のノートを見る。
先生が全員にいちまいのプリントを配った。
寒い日はマフラーを首にまきつける。
懸命に勉強するはすがたすばらしい。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「料金をとって一般の人を入浴させる浴場。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
わたしは家族でに行ってきた。
Practiceの答え
- 答え
納得
- 答え
子供
- 答え
一枚
- 答え
巻き
- 答え
姿
- 答え
せんとう
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
迎えに来た姉の言動から「私」が優しさを感じ取ったことを、たとえを使って表現している一文を文中からさがし、初めの五字を書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
きょうだい
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ふだんより何倍も……浴衣を着せてくれた」とありますが、姉のこの行動によって、「私」のどんな気持ちがなぐさめられたと考えられますか。「〜気持ち。」につながるように、文中から五字で書きぬきなさい。
気持ち。
Practiceの答え
- 答え
恥ずかしい〈気持ち。〉
19-2 随筆文5
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「あーんって、口をあけて」
そういって、父は白菜の漬け物でごはんをくるんとくるんで、口にいれてくれた。おいしい。自分で作るのとどうして、こうも味が違うのだろう。
「口という字はね、口をあーんとあけた形をしているんだ」
学校にいきかけたころ、父はこうもいった。この時、白菜巻きの特別なおいしさが解ったような気がした。そして口という字が、私の白菜巻きの風景になった。
そんなこともあってか、文字の形が気になる。
二度目にブラジルに行った時、かつての友人、ウェズレイ・デューク・リーに「峰」というたばこをお土産に持っていった。お互い若かった時、彼はまだ無名で、棒を振り上げては、「サムライ」の真似をして、暴れていた。それがこの二十年の間に、驚くほど有名になって、サンパウロの近代美術館に作品が展示されるほどになっていた。たばこの箱には、墨色で「峰」と書かれていた。
絵描きの彼はそのパッケージがとても気にいって、私は文字の説明をすることになった。
「普通、やまは『山』という字を書くのだけど、絵にするとこんな感じのうねうねとした山なのね。でも峰は同じ山でも、険しくとんがっている山をいうの。ほら字を見ただけでもわかるでしょ」
私は鉛筆で絵を描いてみせた。すると、彼はため息をつくようにいった。
「きみたちは言葉の中に絵を持ってるんだね」
「そうなの、日本語はね、形を持ってるのよ。絵みたいに」
私は「木」と一文字書いて、「これは木の総称でね、この文字を二つ並べて書くと『林』になって、その上にもう一つ乗せると、『森』になるのよ」と見せた。彼は感嘆して「すごいね」といった。そこで私は、いい気になってもう一言加えた。「忙しいという言葉はね『心を亡ぼす』って書くのよ。これ、*リアルでしょ」
彼は感心したように一息つくと、「①こんな素晴らしい言葉を持ってるのに、日本人は忙しく働くんだね」と笑った。
そこで思い出したのが、まだ就学前、父がよく口にしていた「いろはにほへと……」だった。体をゆっくり揺らして節をつけて歌う。なんだかわからなかったけど、耳にずっと残り、「ちりぬるを」とか、「おくやまけふこえて」とかを口にすると、葉っぱが散る様子や、遠くの山など、しずかな景色が見えるような気がしていた。その後、一年生になって、習ったのが「あいうえお」だった。いくら読んでも、音は面白いけど、絵を想像できない。いろはの方がいいのにと思った。今でもそう思っている。
(中略)
時々、私は「*練り切り」と呼んでいる上等なお菓子を買って帰る。家の近くには季節限定のお菓子を売る店がある。あじさいだったり、椿だったり、紅葉が散っていたり。それが美しい。しばし楊子を入れるのをためらってしまう。眺めながら、ああ、これは「いろはにほへと」だって思う。小皿にのった一つの甘いもの。その向こうにその時々の美しい風景が見えるのだ。今はもう遠くに行ってしまったデュークに自慢したくなる。
「ほら、これも日本語よ」
(角野栄子『「作家」と「魔女」の集まっちゃった思い出』)
注
- リアル
- 現実味があること。
- 練り切り
- 白あんに色をつけ、さまざまな風物の形を作った菓子。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
体育の時間に校庭でてつぼうの練習をする。
てんぼう台から見える景色がすばらしい。
教室の机をへいれつに配置する。
動物を支える仕事につくのが目標だ。
見失った友人の名前をれんこする。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「感嘆」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 言うことを聞いてくれなくて感嘆する。
- イ 明日結婚式なので感嘆したいと願う。
- ウ 素晴らしいコンサートに思わず感嘆の声をもらした。
- エ 大好きな映画なので感嘆してから見に行った。
Confirm Testの答え
- 答え
鉄棒
- 答え
展望
- 答え
並列
- 答え
就く
- 答え
連呼
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「こんな素晴らしい言葉を持ってるのに、日本人は忙しく働くんだね」とは、どういうことですか。次の にあてはまることばを二十字以内で書きなさい。
日本人は、 とわかっているのに、忙しく働くということ。
Confirm Testの答え
- 答え
忙しくするのは心を亡ぼすことだ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「あーんって、口をあけて」
そういって、父は白菜の漬け物でごはんをくるんとくるんで、口にいれてくれた。おいしい。自分で作るのとどうして、こうも味が違うのだろう。
「口という字はね、口をあーんとあけた形をしているんだ」
学校にいきかけたころ、父はこうもいった。この時、白菜巻きの特別なおいしさが解ったような気がした。そして口という字が、私の白菜巻きの風景になった。
そんなこともあってか、文字の形が気になる。
二度目にブラジルに行った時、かつての友人、ウェズレイ・デューク・リーに「峰」というたばこをお土産に持っていった。お互い若かった時、彼はまだ無名で、Aぼうを振り上げては、「サムライ」の真似をして、暴れていた。それがこの二十年の間に、驚くほど有名になって、サンパウロの近代美術館に作品がBてん示されるほどになっていた。たばこの箱には、墨色で「峰」と書かれていた。
絵描きの彼はそのパッケージがとても気にいって、私は文字の説明をすることになった。
「普通、やまは『山』という字を書くのだけど、絵にするとこんな感じのうねうねとした山なのね。でも峰は同じ山でも、険しくとんがっている山をいうの。ほら字を見ただけでもわかるでしょ」
私は鉛筆で絵を描いてみせた。すると、彼はため息をつくようにいった。
「きみたちは言葉の中に絵を持ってるんだね」
「そうなの、日本語はね、形を持ってるのよ。絵みたいに」
私は「木」と一文字書いて、「これは木の総称でね、この文字を二つCならべて書くと『林』になって、その上にもう一つ乗せると、『森』になるのよ」と見せた。彼は感嘆して「すごいね」といった。そこで私は、いい気になってもう一言加えた。「忙しいという言葉はね『心を亡ぼす』って書くのよ。これ、*リアルでしょ」
彼は感心したように一息つくと、「こんな素晴らしい言葉を持ってるのに、日本人は忙しく働くんだね」と笑った。
そこで思い出したのが、まだDしゅう学前、父がよく口にしていた「いろはにほへと……」だった。体をゆっくり揺らして節をつけて歌う。なんだかわからなかったけど、耳にずっと残り、「ちりぬるを」とか、「おくやまけふこえて」とかを口にすると、葉っぱが散る様子や、遠くの山など、しずかな景色が見えるような気がしていた。その後、一年生になって、習ったのが「あいうえお」だった。いくら読んでも、音は面白いけど、絵を想像できない。①いろはの方がいいのにと思った。今でもそう思っている。
(中略)
時々、私は「*練り切り」とEよんでいる上等なお菓子を買って帰る。家の近くには季節限定のお菓子を売る店がある。あじさいだったり、椿だったり、紅葉が散っていたり。それが美しい。しばし楊子を入れるのをためらってしまう。眺めながら、ああ、これは「いろはにほへと」だって思う。小皿にのった一つの甘いもの。その向こうにその時々の美しい風景が見えるのだ。今はもう遠くに行ってしまったデュークに自慢したくなる。
「ほら、これも日本語よ」
(角野栄子『「作家」と「魔女」の集まっちゃった思い出』)
注
- リアル
- 現実味があること。
- 練り切り
- 白あんに色をつけ、さまざまな風物の形を作った菓子。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「感嘆」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 感心してほめたたえること。
- イ 感情に左右されること。
- ウ 嫌なことを相手に伝えること。
- エ 感動してなみだを流すこと。
Lessonの答え
- 答え
A 棒 B 展 C 並 D 就 E 呼 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「あーんって、口をあけて」
そういって、父は白菜の漬け物でごはんをくるんとくるんで、口にいれてくれた。おいしい。自分で作るのとどうして、こうも味が違うのだろう。
「口という字はね、口をあーんとあけた形をしているんだ」
学校にいきかけたころ、父はこうもいった。この時、白菜巻きの特別なおいしさが解ったような気がした。そして口という字が、私の白菜巻きの風景になった。
そんなこともあってか、文字の形が気になる。
二度目にブラジルに行った時、かつての友人、ウェズレイ・デューク・リーに「峰」というたばこをお土産に持っていった。お互い若かった時、彼はまだ無名で、棒を振り上げては、「サムライ」の真似をして、暴れていた。それがこの二十年の間に、驚くほど有名になって、サンパウロの近代美術館に作品が展示されるほどになっていた。たばこの箱には、墨色で「峰」と書かれていた。
絵描きの彼はそのパッケージがとても気にいって、私は文字の説明をすることになった。
「普通、やまは『山』という字を書くのだけど、絵にするとこんな感じのうねうねとした山なのね。でも峰は同じ山でも、険しくとんがっている山をいうの。ほら字を見ただけでもわかるでしょ」
私は鉛筆で絵を描いてみせた。すると、彼はため息をつくようにいった。
「きみたちは言葉の中に絵を持ってるんだね」
「そうなの、日本語はね、形を持ってるのよ。絵みたいに」
私は「木」と一文字書いて、「これは木の総称でね、この文字を二つ並べて書くと『林』になって、その上にもう一つ乗せると、『森』になるのよ」と見せた。彼は感嘆して「すごいね」といった。そこで私は、いい気になってもう一言加えた。「忙しいという言葉はね『心を亡ぼす』って書くのよ。これ、*リアルでしょ」
彼は感心したように一息つくと、「こんな素晴らしい言葉を持ってるのに、日本人は忙しく働くんだね」と笑った。
そこで思い出したのが、まだ就学前、父がよく口にしていた「いろはにほへと……」だった。体をゆっくり揺らして節をつけて歌う。なんだかわからなかったけど、耳にずっと残り、「ちりぬるを」とか、「おくやまけふこえて」とかを口にすると、葉っぱが散る様子や、遠くの山など、しずかな景色が見えるような気がしていた。その後、一年生になって、習ったのが「あいうえお」だった。いくら読んでも、音は面白いけど、絵を想像できない。いろはの方がいいのにと思った。今でもそう思っている。
(中略)
時々、私は「*練り切り」と呼んでいる上等なお菓子を買って帰る。家の近くには季節限定のお菓子を売る店がある。あじさいだったり、椿だったり、紅葉が散っていたり。それが美しい。しばし楊子を入れるのをためらってしまう。眺めながら、ああ、これは「いろはにほへと」だって思う。小皿にのった一つの甘いもの。その向こうにその時々の美しい風景が見えるのだ。今はもう遠くに行ってしまったデュークに自慢したくなる。
「①ほら、これも日本語よ」
(角野栄子『「作家」と「魔女」の集まっちゃった思い出』)
注
- リアル
- 現実味があること。
- 練り切り
- 白あんに色をつけ、さまざまな風物の形を作った菓子。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
たき火をするために木の枝のぼうを拾い集めた。
教室に習字の作品がてんじされている。
運動会でチームごとにすみやかにならぶ。
しゅうがく祝いにランドセルを買ってもらう。
友達の名前を大きな声でよんだ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「感心してほめたたえること。感じ入ること。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
ミュージカルを見ての声をあげる。
Practiceの答え
- 答え
棒
- 答え
展示
- 答え
並ぶ
- 答え
就学
- 答え
呼んだ
- 答え
かんたん
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「いろはの方がいいのに」とありますが、「あいうえお」と「いろは」はどんなところがちがうのですか。五十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
「あいうえお」は読んでも絵を想像できないが、「いろは」は口にすると景色が見えるような気がするところ。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ほら、これも日本語よ」とありますが、筆者は練り切りのどんなところについて「これも日本語」だと言っているのですか。次のa・bにあてはまることばをそれぞれ文中から十五字以内でさがし、初めと終わりの五字を書きぬきなさい。 (完答)
練り切りは a に過ぎないのに、その向こうに b ところ。
- a 〜
- b 〜
Practiceの答え
- 答え
- a 小皿にのっ〈〜〉の甘いもの
- b その時々の〈〜〉景が見える
- (完成)
20章 説明文
説明文の読み方
20-1 説明文16
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
日本語の間という言葉にはいくつかの意味がある。まずひとつは空間的な間である。「すき間」「間取り」というときの間であるが、基本的には物と物のあいだの何もない空間のことだ。絵画で何も描かれていない部分のことを余白というが、これも空間的な間である。
-
日本の家は本来、床と柱とそれをおおう屋根でできていて、壁というものがない。これは部屋を細かく区分けし、壁で仕切り、そのうえ、鍵のかかる扉で密閉してしまう西洋の家とは異なる。西洋の個人主義はこのような個室で組み立てられた家に住んできたからこそ生まれたというのはよくわかる話である。
-
それでは、壁や扉で仕切る代わりに日本の家はどうするかというと、障子や襖や戸を立てる。「源氏物語絵巻」などに描かれた王朝時代の宮廷や貴族たちの屋敷を見ると、その室内は板戸や蔀戸、襖や几帳などさまざまな間仕切りの建具で仕切られてはいるものの、いたるところすき間だらけである。西洋の重厚な石や煉瓦や木の壁に比べると、何という軽やかさ、はかなさだろうか。
-
しかも、このような建具はすべて季節のめぐりとともに入れたりはずしたりできる。冬になれば寒さを防ぐために立て、夏になれば涼を得るためにとりはずす。それだけでなく、住人の必要に応じて、ふだんは座敷、次の間、居間と分けて使っていても、いざ、大勢の客を迎えて*祝宴を開くという段になると、すべてをつないで大広間にすることもできる。このように日本人は昔から自分たちの家の中の空間を自由自在につないだり切ったりして暮らしてきた。
-
次に時間的な間がある。「間がある」「間を置く」というように、こちらは何もない時間のことである。芝居や音楽では声や音のしない沈黙の時間のことを間という。
-
バッハにしてもモーツアルトにしても西洋のクラシック音楽は次から次に生まれては消えてゆくさまざまな音によって埋め尽くされている。たとえば、モーツアルトの「交響曲二十五番」などを聞いていると、息を継ぐ暇もなく、ときには息苦しい。モーツアルトは沈黙を恐れ、音楽家である以上、一瞬たりとも音のない時間を許すまいとする衝動に駆られているかのように思える。
-
それにひきかえ、日本古来の音曲は琴であれ笛であれ鼓であれ、音の絶え間というものがいたるところにあって長閑なものだ。その音の絶え間では松林を吹く風の音がふとよぎることもあれば、谷川のせせらぎが聞こえてくることもあるだろう。ときには、この絶え間があまりにも長すぎて、一曲終わってしまったかと思っていると、*やおら次の節がはじまるということも珍しくない。そんなふうに、いくつもの絶え間に断ち切られていても日本の音曲は成り立ってしまう。
-
空間的、時間的な間のほかにも、人やものごととのあいだにとる心理的な間というものもある。誰でも自分以外の人とのあいだに、たとえ相手が夫婦や家族や友人であっても長短さまざまな心理的な距離、間をとって暮らしている。このような心理的な間があってはじめて日々の暮らしを*円滑に運ぶことができる。
-
こうして日本人は生活や文化のあらゆる分野で間を使いこなしながら暮らしている。それを上手に使えば「間に合う」「間がいい」ということになり、逆に使い方を誤れば「間違い」、間に締まりがなければ「間延び」、間を読めなければ「間抜け」になってしまう。間の使い方はこの国のもっとも基本的な掟であって、日本文化はまさに間の文化ということができるだろう。
(長谷川櫂『和の思想』)
注
- 祝宴
- めでたいことを祝う宴会。
- やおら
- ゆっくりと。静かに。
- 円滑
- 物事が順調に進む様子。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
袋の口をしっかりみっぺいして捨てましょう。
美術館ではきちょうな作品が展示されている。
飛行機のざせきが予約で全部埋まっている。
教室から見えるゆうぐれ時の景色が美しい。
試合が引き分けになったので、えんちょう戦で決着をつける。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「長閑」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 長閑な暮らしにあこがれを抱く。
- イ 自分と同じ境遇の人を長閑にする。
- ウ 電車に乗っているのは長閑だからだ。
- エ うちの犬は長閑に走るのが速い。
Confirm Testの答え
- 答え
密閉
- 答え
貴重
- 答え
座席
- 答え
夕暮
- 答え
延長
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
6段落の具体例によって、筆者はどういうことを言おうとしているのですか。「間」ということばを使って二十字以内で書きなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
西洋のクラシック音楽には間がないこと。
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
日本語の間という言葉にはいくつかの意味がある。まずひとつは空間的な間である。「すき間」「間取り」というときの間であるが、基本的には物と物のあいだの何もない空間のことだ。絵画で何も描かれていない部分のことを余白というが、これも空間的な間である。
-
日本の家は本来、床と柱とそれをおおう屋根でできていて、壁というものがない。これは部屋を細かく区分けし、壁で仕切り、そのうえ、鍵のかかる扉でAみっぺいしてしまう西洋の家とは異なる。西洋の個人主義はこのような個室で組み立てられた家に住んできたからこそ生まれたというのはよくわかる話である。
-
それでは、壁や扉で仕切る代わりに日本の家はどうするかというと、障子や襖や戸を立てる。「源氏物語絵巻」などに描かれた王朝時代の宮廷やBき族たちの屋敷を見ると、その室内は板戸や蔀戸、襖や几帳などさまざまな間仕切りの建具で仕切られてはいるものの、いたるところすき間だらけである。西洋の重厚な石や煉瓦や木の壁に比べると、何という軽やかさ、はかなさだろうか。
-
しかも、このような建具はすべて季節のめぐりとともに入れたりはずしたりできる。冬になれば寒さを防ぐために立て、夏になれば涼を得るためにとりはずす。それだけでなく、住人の必要に応じて、ふだんはCざ敷、次の間、居間と分けて使っていても、いざ、大勢の客を迎えて*祝宴を開くという段になると、すべてをつないで大広間にすることもできる。このように日本人は昔から自分たちの家の中の空間を自由自在につないだり切ったりしてDくらしてきた。
-
次に時間的な間がある。「間がある」「間を置く」というように、こちらは何もない時間のことである。芝居や音楽では声や音のしない沈黙の時間のことを間という。
-
バッハにしてもモーツアルトにしても西洋のクラシック音楽は次から次に生まれては消えてゆくさまざまな音によって埋め尽くされている。たとえば、モーツアルトの「交響曲二十五番」などを聞いていると、息を継ぐ暇もなく、ときには息苦しい。モーツアルトは沈黙を恐れ、音楽家である以上、一瞬たりとも音のない時間を許すまいとする衝動に駆られているかのように思える。
-
それにひきかえ、日本古来の音曲は琴であれ笛であれ鼓であれ、音の絶え間というものがいたるところにあって長閑なものだ。その音の絶え間では松林を吹く風の音がふとよぎることもあれば、谷川のせせらぎが聞こえてくることもあるだろう。ときには、この絶え間があまりにも長すぎて、一曲終わってしまったかと思っていると、*やおら次の節がはじまるということも珍しくない。そんなふうに、いくつもの絶え間に断ち切られていても日本の音曲は成り立ってしまう。
-
空間的、時間的な間のほかにも、人やものごととのあいだにとる心理的な間というものもある。誰でも自分以外の人とのあいだに、たとえ相手が夫婦や家族や友人であっても長短さまざまな心理的な距離、間をとってくらしている。このような心理的な間があってはじめて日々のくらしを*円滑に運ぶことができる。
-
こうして日本人は生活や文化のあらゆる分野で間を使いこなしながらくらしている。それを上手に使えば「間に合う」「間がいい」ということになり、逆に使い方を誤れば「間違い」、間に締まりがなければ「間Eのび」、間を読めなければ「間抜け」になってしまう。間の使い方はこの国のもっとも基本的な掟であって、日本文化はまさに間の文化ということができるだろう。
(長谷川櫂『和の思想』)
注
- 祝宴
- めでたいことを祝う宴会。
- やおら
- ゆっくりと。静かに。
- 円滑
- 物事が順調に進む様子。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「長閑」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 静かでのんびりとして落ち着いている様子。
- イ 夏休みに家族で出かける様子。
- ウ 海や山など自然が多いところに引っ越す様子。
- エ 人がたくさんいて騒がしい様子。
Lessonの答え
- 答え
A 密閉 B 貴 C 座 D 暮 E 延 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
日本語の間という言葉にはいくつかの意味がある。まずひとつは空間的な間である。「すき間」「間取り」というときの間であるが、基本的には物と物のあいだの何もない空間のことだ。絵画で何も描かれていない部分のことを余白というが、これも空間的な間である。
-
日本の家は本来、床と柱とそれをおおう屋根でできていて、壁というものがない。これは部屋を細かく区分けし、壁で仕切り、そのうえ、鍵のかかる扉で密閉してしまう西洋の家とは異なる。西洋の個人主義はこのような個室で組み立てられた家に住んできたからこそ生まれたというのはよくわかる話である。
-
それでは、壁や扉で仕切る代わりに日本の家はどうするかというと、障子や襖や戸を立てる。「源氏物語絵巻」などに描かれた王朝時代の宮廷や貴族たちの屋敷を見ると、その室内は板戸や蔀戸、襖や几帳などさまざまな間仕切りの建具で仕切られてはいるものの、いたるところすき間だらけである。西洋の重厚な石や煉瓦や木の壁に比べると、何という軽やかさ、はかなさだろうか。
-
しかも、このような建具はすべて季節のめぐりとともに入れたりはずしたりできる。冬になれば寒さを防ぐために立て、夏になれば涼を得るためにとりはずす。それだけでなく、住人の必要に応じて、ふだんは座敷、次の間、居間と分けて使っていても、いざ、大勢の客を迎えて*祝宴を開くという段になると、すべてをつないで大広間にすることもできる。このように日本人は昔から自分たちの家の中の空間を自由自在につないだり切ったりして暮らしてきた。
-
次に時間的な間がある。「間がある」「間を置く」というように、こちらは何もない時間のことである。芝居や音楽では声や音のしない沈黙の時間のことを間という。
-
バッハにしてもモーツアルトにしても西洋のクラシック音楽は次から次に生まれては消えてゆくさまざまな音によって埋め尽くされている。たとえば、モーツアルトの「交響曲二十五番」などを聞いていると、息を継ぐ暇もなく、ときには息苦しい。モーツアルトは沈黙を恐れ、音楽家である以上、一瞬たりとも音のない時間を許すまいとする衝動に駆られているかのように思える。
-
それにひきかえ、日本古来の音曲は琴であれ笛であれ鼓であれ、音の絶え間というものがいたるところにあって長閑なものだ。その音の絶え間では松林を吹く風の音がふとよぎることもあれば、谷川のせせらぎが聞こえてくることもあるだろう。ときには、この絶え間があまりにも長すぎて、一曲終わってしまったかと思っていると、*やおら次の節がはじまるということも珍しくない。そんなふうに、いくつもの絶え間に断ち切られていても日本の音曲は成り立ってしまう。
-
空間的、時間的な間のほかにも、人やものごととのあいだにとる心理的な間というものもある。誰でも自分以外の人とのあいだに、たとえ相手が夫婦や家族や友人であっても長短さまざまな心理的な距離、間をとって暮らしている。このような心理的な間があってはじめて日々の暮らしを*円滑に運ぶことができる。
-
こうして日本人は生活や文化のあらゆる分野で間を使いこなしながら暮らしている。それを上手に使えば「間に合う」「間がいい」ということになり、逆に使い方を誤れば「間違い」、間に締まりがなければ「間延び」、間を読めなければ「間抜け」になってしまう。間の使い方はこの国のもっとも基本的な掟であって、日本文化はまさに間の文化ということができるだろう。
(長谷川櫂『和の思想』)
注
- 祝宴
- めでたいことを祝う宴会。
- やおら
- ゆっくりと。静かに。
- 円滑
- 物事が順調に進む様子。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
食品をみっぺいできる容器に入れて保存する。
登場人物がきぞくのように上品なふるまいをする。
食事の後は家のソファにすわってくつろぐ。
自然豊かな土地でくらしを楽しむ。
激しい大雨によって出発予定時刻がのびた。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「静かでのんびりとして落ち着いている様子」を表すことばをひらがな三字で書きなさい。
家族みんなでな正月を過ごす。
Practiceの答え
- 答え
密閉
- 答え
貴族
- 答え
座って
- 答え
暮らし
- 答え
延びた
- 答え
のどか
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章の構成としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 1
234
56
789
- イ 12
34
567
89
- ウ 1234
56
78
9
- エ 1234
567
8
9
Lessonの答え
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
3段落の役割を説明したものとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 2段落の内容を別の表現で言いかえている。
- イ 2段落の内容について、問題点を挙げている。
- ウ 2段落の内容を受けて、具体例を挙げながら発展させている。
- エ 2段落までの内容についてまとめ、別の話題を挙げている。
Practiceの答え
- 答え
ウ
20-2 説明文17
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
日本の茶の間では、たとえば、主人が経営学の本を読み、主婦は文学全集を、子どもはマンガを、それぞれに黙って読んでいる、といったような風景が出現する。一冊の*グラフ雑誌をかこんで、家族の全員が集団的になにかを見るのでなく、家族のそれぞれが、それぞれの本をつうじて、それぞれの世界に没入している――それが日本の家庭における読書風景なのだ。
-
いささか飛躍するようだが、これはことによると、日本の住居に個室がないことと関係しているのかもしれない。どこにいても、家族と顔をつきあわせていなければならないのだから、せめて本でも読んで、じぶんだけの精神の個室をつくりたい、という欲求がうまれるのである。物理的個室をもった西洋人が、居間のグラフ雑誌を*媒介にして集団的な世界をたのしむのにたいして、もともとがべったりと集団的な日本の家庭では、書物によって、個室的な世界を探究するのだ、といってもよい。いつだったか、三畳ひと間に六人というひどい住居環境のテレビ・ドキュメンタリーを見ていたとき、この六人の家族が、みな肩を寄せあって、それぞれに本を読んでいた情景にわたしは打たれたことがある。物理的に個室が貧困なとき、ひとは、心理的な個室を、読書という方法で用意することができるのである。
-
本を読むことは、よいことだ。たとえ、それが住居の貧困の反映であっても、個人が自由な想像力によって、それぞれの精神の個室をもつのはのぞましいことだ。じっさい、そもそも「個人」というのは、そういうふうにして成長してゆくものだからである。
-
しかし、家庭のなかの書物というものを考えてみると、これはずいぶん、ふしぎな品物のような気がする。なぜなら、本は家庭の備品のひとつではありながら、結局のところ、個人にぞくするものであるからだ。家庭の本棚にならんでいる何十冊、あるいは何百冊の本の背表紙は、家族のみんなが毎日ながめているのに、その中身は、家族共有のものではないのである。その点で、家庭にある他のもろもろの備品と書物とは、性質がちがうのだ。
-
それはそれでよい。ちょうど、個室をのぞきこまないことが礼儀であるように、精神の個室ものぞきこまないほうがよいのかもしれぬ。お互い、好きな本を読んで、それぞれの世界をたのしめば、それでよい、というべきなのかもしれぬ。
-
しかし、本は、いっぽうで個人にぞくするものでありながら、同時に、だれでもが入ることのできる個室、つまり①ホテルの部屋のような社会性ももっている。だれかが使用中であるかぎり、そこにふみこんではならないが、空室になったときには、だれが使ってもかまわない。主婦が買いこんだ文学全集を夫や子どもが読むことはいっこうにさしつかえないことだし、子どものマンガを親が読んだっていい。表題はまったくちんぷんかんぷんであっても、夫の読んでいた経営学の本を、妻がひもといてみてもかまわないはずだ。
-
そして、わたしは、そういう密室の交換がこれからの家庭ではたいへんだいじなことであるような気がする。
(加藤秀俊『暮しの思想』)
注
- グラフ雑誌
- 写真や絵を中心に編集した雑誌。
- 媒介
- 間に入って関係をとりもつもの。なかだち。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
読んだ本のさっすうを記録するのが習慣だ。
もっとたくさん自由な時間がほしいと思う。
早朝からカブトムシをさがした思い出がある。
こまっている様子の友達に声をかける。
成功のはいけいには多くの努力があったことを知る。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「いささか」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ウチの犬は頭がよく、いささか好きだと感心した。
- イ 学校でいささかなものは給食だ。
- ウ かしこまった雰囲気にいささか緊張している。
- エ いささかついていくのが楽しい。
Confirm Testの答え
- 答え
冊数
- 答え
欲しい
- 答え
探した
- 答え
困って
- 答え
背景
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章の要旨としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 家族がお互いの書物を交換して読むことが、これからの家庭では大切だ。
- イ 日本人は、読書によって自分だけの世界に没入したいという意識が強い。
- ウ 家庭のなかの書物は個人にぞくするものだから、他の家族の本は勝手に読むべきではない。
- エ どんな本を読んだかを家族に打ち明けることが、これからの家庭では大切である。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ホテルの部屋のような社会性」とはどのような意味ですか。説明した一文の最初の五字を書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
だれかが使
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
日本の茶の間では、たとえば、主人が経営学の本を読み、主婦は文学全集を、子どもはマンガを、それぞれに黙って読んでいる、といったような風景が出現する。一Aさつの*グラフ雑誌をかこんで、家族の全員が集団的になにかを見るのでなく、家族のそれぞれが、それぞれの本をつうじて、それぞれの世界に没入している――それが日本の家庭における読書風景なのだ。
-
いささか飛躍するようだが、これはことによると、日本の住居に個室がないことと関係しているのかもしれない。どこにいても、家族と顔をつきあわせていなければならないのだから、せめて本でも読んで、じぶんだけの①精神の個室をつくりたい、というBよっ求がうまれるのである。物理的個室をもった西洋人が、居間のグラフ雑誌を*媒介にして集団的な世界をたのしむのにたいして、もともとがべったりと集団的な日本の家庭では、書物によって、個室的な世界をCたん究するのだ、といってもよい。いつだったか、三畳ひと間に六人というひどい住居環境のテレビ・ドキュメンタリーを見ていたとき、この六人の家族が、みな肩を寄せあって、それぞれに本を読んでいた情景にわたしは打たれたことがある。
-
本を読むことは、よいことだ。たとえ、それが住居の貧Dこんの反映であっても、個人が自由な想像力によって、それぞれの精神の個室をもつのはのぞましいことだ。じっさい、そもそも「個人」というのは、そういうふうにして成長してゆくものだからである。
-
しかし、家庭のなかの書物というものを考えてみると、これはずいぶん、ふしぎな品物のような気がする。なぜなら、本は家庭の備品のひとつではありながら、結局のところ、個人にぞくするものであるからだ。家庭の本棚にならんでいる何十さつ、あるいは何百さつの本のEせ表紙は、家族のみんなが毎日ながめているのに、その中身は、家族共有のものではないのである。その点で、家庭にある他のもろもろの備品と書物とは、性質がちがうのだ。
-
それはそれでよい。ちょうど、個室をのぞきこまないことが礼儀であるように、精神の個室ものぞきこまないほうがよいのかもしれぬ。お互い、好きな本を読んで、それぞれの世界をたのしめば、それでよい、というべきなのかもしれぬ。
-
しかし、本は、いっぽうで個人にぞくするものでありながら、同時に、だれでもが入ることのできる個室、つまりホテルの部屋のような社会性ももっている。だれかが使用中であるかぎり、そこにふみこんではならないが、空室になったときには、だれが使ってもかまわない。主婦が買いこんだ文学全集を夫や子どもが読むことはいっこうにさしつかえないことだし、子どものマンガを親が読んだっていい。表題はまったくちんぷんかんぷんであっても、夫の読んでいた経営学の本を、妻がひもといてみてもかまわないはずだ。
-
そして、わたしは、そういう密室の交換がこれからの家庭ではたいへんだいじなことであるような気がする。
(加藤秀俊『暮しの思想』)
注
- グラフ雑誌
- 写真や絵を中心に編集した雑誌。
- 媒介
- 間に入って関係をとりもつもの。なかだち。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「いささか」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア まったく何もないこと。
- イ 二人以上で取り組むこと。
- ウ わずかばかりで、少しであること。
- エ とても多いこと。
Lessonの答え
- 答え
A 冊 B 欲 C 探 D 困 E 背 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
日本の茶の間では、たとえば、主人が経営学の本を読み、主婦は文学全集を、子どもはマンガを、それぞれに黙って読んでいる、といったような風景が出現する。一冊の*グラフ雑誌をかこんで、家族の全員が集団的になにかを見るのでなく、家族のそれぞれが、それぞれの本をつうじて、それぞれの世界に没入している――それが日本の家庭における読書風景なのだ。
-
いささか飛躍するようだが、これはことによると、日本の住居に個室がないことと関係しているのかもしれない。どこにいても、家族と顔をつきあわせていなければならないのだから、せめて本でも読んで、じぶんだけの精神の個室をつくりたい、という欲求がうまれるのである。物理的個室をもった西洋人が、居間のグラフ雑誌を*媒介にして集団的な世界をたのしむのにたいして、もともとがべったりと集団的な日本の家庭では、書物によって、個室的な世界を探究するのだ、といってもよい。いつだったか、三畳ひと間に六人というひどい住居環境のテレビ・ドキュメンタリーを見ていたとき、この六人の家族が、みな肩を寄せあって、それぞれに本を読んでいた情景にわたしは打たれたことがある。物理的に個室が貧困なとき、ひとは、心理的な個室を、読書という方法で用意することができるのである。
-
本を読むことは、よいことだ。たとえ、それが住居の貧困の反映であっても、個人が自由な想像力によって、それぞれの精神の個室をもつのはのぞましいことだ。じっさい、そもそも①「個人」というのは、そういうふうにして成長してゆくものだからである。
-
しかし、家庭のなかの書物というものを考えてみると、これはずいぶん、ふしぎな品物のような気がする。なぜなら、本は家庭の備品のひとつではありながら、結局のところ、個人にぞくするものであるからだ。家庭の本棚にならんでいる何十冊、あるいは何百冊の本の背表紙は、家族のみんなが毎日ながめているのに、その中身は、家族共有のものではないのである。その点で、家庭にある他のもろもろの備品と書物とは、性質がちがうのだ。
-
それはそれでよい。ちょうど、個室をのぞきこまないことが礼儀であるように、精神の個室ものぞきこまないほうがよいのかもしれぬ。お互い、好きな本を読んで、それぞれの世界をたのしめば、それでよい、というべきなのかもしれぬ。
-
しかし、本は、いっぽうで個人にぞくするものでありながら、同時に、だれでもが入ることのできる個室、つまりホテルの部屋のような社会性ももっている。だれかが使用中であるかぎり、そこにふみこんではならないが、空室になったときには、だれが使ってもかまわない。主婦が買いこんだ文学全集を夫や子どもが読むことはいっこうにさしつかえないことだし、子どものマンガを親が読んだっていい。表題はまったくちんぷんかんぷんであっても、夫の読んでいた経営学の本を、妻がひもといてみてもかまわないはずだ。
-
そして、わたしは、そういう密室の交換がこれからの家庭ではたいへんだいじなことであるような気がする。
(加藤秀俊『暮しの思想』)
注
- グラフ雑誌
- 写真や絵を中心に編集した雑誌。
- 媒介
- 間に入って関係をとりもつもの。なかだち。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
週末に図書館でいっさつの本を借りた。
人には知識を得たいというよっきゅうがある。
疑問に思う度に調べることでたんきゅう心を育む。
ひんこんに苦しむ人々を支援する活動がある。
本のせびょうしには題名と筆者の名前が書いてある。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「少し。わずかばかり。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
この問題は難しい。
Practiceの答え
- 答え
一冊
- 答え
欲求
- 答え
探求
- 答え
貧困
- 答え
背表紙
- 答え
いささか
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
次の一文は、この文章にあったものです。もとにもどすとすると、どの段落のあとに入れるのが適当ですか。段落番号で答えなさい。
物理的に個室が貧困なとき、ひとは、心理的な個室を、読書という方法で用意することができるのである。
段落
Lessonの答え
- 答え
2〈段落〉
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
1段落は、どんなことについて説明した段落ですか。文中から十三字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
日本の家庭における読書風景
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「精神の個室」とはどのような意味ですか。次のにあてはまることばを、文中から十字で書きぬきなさい。
家族の一人一人が、読書によってできる環境。
Lessonの答え
- 答え
それぞれの世界に没入
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「『個人』というのは、そういうふうにして成長してゆく」とありますが、筆者は、個人はどうすることで成長すると述べていますか。文中から二十四字でさがし、初めと終わりの五字を書きぬきなさい。
- 〜
Practiceの答え
- 答え
自由な想像〈〜〉個室をもつ
20-3 説明文18
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
薬学部で私が配属された当時、研究室を*統括されていた齋藤洋教授は、*嘔吐の研究で国際的な知名度を誇っていました。理由は「嘔吐する小型動物」を発見したからです。この意味がわかるでしょうか。これはとても画期的なことだったのです。
-
ヒトは乗り物酔いや食中毒などではしばしば吐きます。ペットを飼っていた人ならば知っていると思いますが、イヌやネコもまたヒトと同じように吐きます。一方、研究者がよく使う実験動物であるネズミやウサギはけっして吐きません。吐くための脳回路が備わっていないからです。要するに〝制吐薬〞や〝吐き気止め薬〞の研究にはラットやマウスが使えないわけです。そこで嘔吐の研究にはイヌやネコ(ときにはヒト)を実験台として使わなければなりませんでした。これは*デメリットです。イヌやネコはネズミよりも大型の動物ですから大規模な飼育施設が必要ですし、そもそも一日に何匹(何人)も検査することができません。また効能を調べたい試薬や薬物も、多くの量が必要になります。つまり、嘔吐の研究の現場では「小型で嘔吐する動物」が必要とされていたのです。
-
そんな中、齋藤教授は当時、「スンクス」とよばれる体長一五センチメートルほどの小型の動物(南日本から台湾にかけて生息するモグラの一種)を用いての肝臓の研究をしていました。ある日教授は、*肝硬変がいかに生じるのかを調べるために、スンクスにアルコールを投与しました。するとスンクスが吐いたのです。驚いた教授は周囲に「スンクスは吐くぞ!」と興奮しながら言いました。すると周囲の人々は「何を今さら」と言った表情で 「そりゃ、そうですよ」と平然と答えたそうです。
-
このとき齋藤教授と周囲の研究者の違いはなんだったでしょうか。そうです。齋藤教授は「問題意識」をもっていたのです。嘔吐の研究には今どんな問題があって、何が望まれているのかを知っていたのです。一方、周囲の研究者たちはこれまでにも何度もスンクスが嘔吐する様子を見てきたにもかかわらず、それが嘔吐研究にどれほど重要な意味があるのかを理解していなかったのです。その後、スンクスが国際的な実験動物となって嘔吐研究に*貢献したのは言うまでもありません。
-
「発見」とは単に「初めて見る」という意味ではありません。「ただ見る」だけでは発見ではありません。目の前に見えている事実の重要性に気づいてこそ「発見」なのです。
-
重要性に気づくためには「問題意識」をもっていなければなりません。一体、自分は何を知りたいのか、世間が何を欲しているのか、何がまだ解明されていないのか、どんな事実がわかればその後どんな道が開けるのか。こうした問題意識をもっていなければ発見はありえません。
(池谷裕二『いま、この研究がおもしろい』)
注
- 統括
- ばらばらのものを一つにまとめること。
- 嘔吐
- はくこと。
- デメリット
- 欠点。短所。
- 肝硬変
- 肝臓の病気の一つ。
- 貢献
- 力をつくすこと。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
帰宅後に制服からし服に着替える。
のうの働きを良くするためにきちんと眠る。
人体もけいを使って筋肉の仕組みを学ぶ。
誕生日にふんぱつして高級なケーキを食べる。
進級して学習へのいよくが高まってきた。
Confirm Testの答え
- 答え
私
- 答え
脳
- 答え
模型
- 答え
奮発
- 答え
意欲
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章を「具体例を挙げている段落」と「筆者の主張を述べている段落」の二つに分けるとすると、「筆者の主張を述べている段落」は何段落から何段落になりますか。段落番号で答えなさい。 (完答)
- 筆者の主張を述べている段落 〜段落
Confirm Testの答え
- 答え
5〈〜〉6〈段落〉
(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
薬学部でAわたしが配属された当時、研究室を*統括されていた齋藤洋教授は、*嘔吐の研究で国際的な知名度を誇っていました。理由は「嘔吐する小型動物」を発見したからです。この意味がわかるでしょうか。これはとても画期的なことだったのです。
-
ヒトは乗り物酔いや食中毒などではしばしば吐きます。ペットを飼っていた人ならば知っていると思いますが、イヌやネコもまたヒトと同じように吐きます。一方、研究者がよく使う実験動物であるネズミやウサギはけっして吐きません。吐くためのBのう回路が備わっていないからです。要するに〝制吐薬〞や〝吐き気止め薬〞の研究にはラットやマウスが使えないわけです。そこで嘔吐の研究にはイヌやネコ(ときにはヒト)を実験台として使わなければなりませんでした。これは*デメリットです。イヌやネコはネズミよりも大型の動物ですから大規Cぼな飼育施設が必要ですし、そもそも一日に何匹(何人)も検査することができません。また効能を調べたい試薬や薬物も、多くの量が必要になります。つまり、嘔吐の研究の現場では「小型で嘔吐する動物」が必要とされていたのです。
-
そんな中、齋藤教授は当時、「スンクス」とよばれる体長一五センチメートルほどの小型の動物(南日本から台湾にかけて生息するモグラの一種)を用いての肝臓の研究をしていました。ある日教授は、*肝硬変がいかに生じるのかを調べるために、スンクスにアルコールを投与しました。するとスンクスが吐いたのです。驚いた教授は周囲に「スンクスは吐くぞ!」と興Dふんしながら言いました。すると周囲の人々は「何を今さら」と言った表情で 「そりゃ、そうですよ」と平然と答えたそうです。
-
このとき齋藤教授と周囲の研究者の違いはなんだったでしょうか。そうです。齋藤教授は「問題意識」をもっていたのです。嘔吐の研究には今どんな問題があって、何が望まれているのかを知っていたのです。一方、周囲の研究者たちはこれまでにも何度もスンクスが嘔吐する様子を見てきたにもかかわらず、それが嘔吐研究にどれほど重要な意味があるのかを理解していなかったのです。その後、スンクスが国際的な実験動物となって嘔吐研究に*貢献したのは言うまでもありません。
-
「発見」とは単に「初めて見る」という意味ではありません。「ただ見る」だけでは発見ではありません。目の前に見えている事実の重要性に気づいてこそ「発見」なのです。
-
重要性に気づくためには「問題意識」をもっていなければなりません。一体、自分は何を知りたいのか、世間が何をEほっしているのか、何がまだ解明されていないのか、どんな事実がわかればその後どんな道が開けるのか。こうした問題意識をもっていなければ発見はありえません。
(池谷裕二『いま、この研究がおもしろい』)
注
- 統括
- ばらばらのものを一つにまとめること。
- 嘔吐
- はくこと。
- デメリット
- 欠点。短所。
- 肝硬変
- 肝臓の病気の一つ。
- 貢献
- 力をつくすこと。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 私 B 脳 C 模 D 奮 E 欲 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
薬学部で私が配属された当時、研究室を*統括されていた齋藤洋教授は、*嘔吐の研究で国際的な知名度を誇っていました。理由は「嘔吐する小型動物」を発見したからです。この意味がわかるでしょうか。これはとても画期的なことだったのです。
-
ヒトは乗り物酔いや食中毒などではしばしば吐きます。ペットを飼っていた人ならば知っていると思いますが、イヌやネコもまたヒトと同じように吐きます。一方、研究者がよく使う実験動物であるネズミやウサギはけっして吐きません。吐くための脳回路が備わっていないからです。要するに〝制吐薬〞や〝吐き気止め薬〞の研究にはラットやマウスが使えないわけです。そこで嘔吐の研究にはイヌやネコ(ときにはヒト)を実験台として使わなければなりませんでした。これは*デメリットです。イヌやネコはネズミよりも大型の動物ですから大規模な飼育施設が必要ですし、そもそも一日に何匹(何人)も検査することができません。また効能を調べたい試薬や薬物も、多くの量が必要になります。つまり、嘔吐の研究の現場では「小型で嘔吐する動物」が必要とされていたのです。
-
そんな中、齋藤教授は当時、「スンクス」とよばれる体長一五センチメートルほどの小型の動物(南日本から台湾にかけて生息するモグラの一種)を用いての肝臓の研究をしていました。ある日教授は、*肝硬変がいかに生じるのかを調べるために、スンクスにアルコールを投与しました。するとスンクスが吐いたのです。驚いた教授は周囲に「スンクスは吐くぞ!」と興奮しながら言いました。すると周囲の人々は「何を今さら」と言った表情で 「そりゃ、そうですよ」と平然と答えたそうです。
-
このとき齋藤教授と周囲の研究者の違いはなんだったでしょうか。そうです。齋藤教授は「問題意識」をもっていたのです。嘔吐の研究には今どんな問題があって、何が望まれているのかを知っていたのです。一方、周囲の研究者たちはこれまでにも何度もスンクスが嘔吐する様子を見てきたにもかかわらず、それが嘔吐研究にどれほど重要な意味があるのかを理解していなかったのです。その後、スンクスが国際的な実験動物となって嘔吐研究に*貢献したのは言うまでもありません。
-
「発見」とは単に「初めて見る」という意味ではありません。「ただ見る」だけでは発見ではありません。目の前に見えている事実の重要性に気づいてこそ「発見」なのです。
-
重要性に気づくためには「問題意識」をもっていなければなりません。一体、自分は何を知りたいのか、世間が何を欲しているのか、何がまだ解明されていないのか、どんな事実がわかればその後どんな道が開けるのか。こうした問題意識をもっていなければ発見はありえません。
(池谷裕二『いま、この研究がおもしろい』)
注
- 統括
- ばらばらのものを一つにまとめること。
- 嘔吐
- はくこと。
- デメリット
- 欠点。短所。
- 肝硬変
- 肝臓の病気の一つ。
- 貢献
- 力をつくすこと。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
来週のわたしの誕生日には友達を呼ぶ。
小鳥のさえずりを聞くとのうの疲れが取れる。
毎年夏にはだいきぼな花火大会が行われる。
明日の旅行が楽しみでこうふんして眠れない。
世界中の多くの人々が平和をほっしている。
Practiceの答え
- 答え
私
- 答え
脳
- 答え
大規模
- 答え
興奮
- 答え
欲して
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章の要旨としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 齋藤教授の発見により、スンクスが国際的な実験動物となって嘔吐研究に貢献した。
- イ 齋藤教授が「問題意識」をもっていたからこそ、嘔吐する小動物の発見につながった。
- ウ 周囲の研究者がスンクスが嘔吐することの意味を理解していなかったように、「発見」とは「初めて見る」という意味ではない。
- エ 事実の重要性に気づくためには「問題意識」をもっていなければならず、「問題意識」をもっていなければ「発見」はありえない。
Lessonの答え
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章を「具体例を挙げている段落」と「筆者の主張を述べている段落」の二つに分けるとすると、「具体例を挙げている段落」は何段落から何段落ですか。段落番号で答えなさい。 (完答)
- 具体例を挙げている段落 〜段落
Practiceの答え
- 答え
1〈〜〉4〈段落〉
(完答)
21章 物語文
物語文の読み方
21-1 物語文17
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
笠原は野球部の中心選手であるが、気に入らないことがあると暴力をふるうので、キャプテンに立候補したが一票しか入らなかった。キャプテンになりそこなった笠原は、腹を立てて練習に出てこなくなった。
三年生だけが自転車で笠原の家にでむいた。農作業の手伝いで家にいないかもしれないと思ったけど、笠原は家にいた。部屋でプラモデルを作っていると母親が笠原を呼びにいった。
「なんだよ?」
玄関にでてきた笠原はふてぶてしくニヤニヤ笑った。バツの悪そうな笑いではない。
「野球部のことでちょっと話があってきたんだ。俺たちのことだから外で話そうぜ」
と東井がいい、笠原が外にでてきて東井がぼくたちの考えを伝えた。野球をやる気があるのかないのか、あるのなら休むときはちゃんと休む理由をキャプテンにいえ、やる気がないのなら部を辞めろ、と。笠原は一瞬うろたえたような表情をみせたけど、すぐに怒り狂ったものすごい形相に変わった。ぼくたちをにらみまわして縮みあがらせようとした。ぼくたちはひるまなかった。全員がひとつになっていたので恐怖心はわかなかったのだ。
「どうなんだ」
東井は真っ直ぐに笠原と向かいあっていった。二頭の恐竜は火花をちらしてにらみあった。ほんの短い時間だったけど、①重苦しい、危険が充満した長い時間に感じられた。どっちも一歩もひかない構えだ。東井のうしろにはぼくたち三年生が全員いたけど、東井も笠原もぼくたちは眼中にないといったようににらみあっている。あまりの迫力に、ぼくたちの口は接着剤でくっつけられたようにピタリと閉じられたままだ。
「イ、イ、いっしょに、ヤ、野球やろうぜ」
ふいに輪島の声が二人の間に割って入ったので、ぼくたちはびっくりして輪島をみた。輪島のやつが野球部のことで自分の意見を述べるなどついぞなかったことだ。なにをいいだすのかと、笠原と東井も輪島をみつめた。
「オ、オ、俺は、シ、試合にでられないと思うけどよ、ミ、みんなで、ケ、県大会にいって、ユ、ユ、優勝したいんだ。ヤ、辞めて、ホ、ほしくないんだ。ミ、ミ、みんなも、ソ、そうなんだ。イ、イ、いっしょにやりたくて、キ、きたんだ。イ、イ、いっしょに、ヤ、野球やろうぜ」
輪島がこのことをいわなかったら、ぼくたちの野球部は空中分解していたにちがいない。輪島の言葉は、俺たちはみんな野球が大好きな仲間じゃないか、という強い大きなくさびとなって、笠原とぼくたちをつないだ。ぼくたちの緊張がとけていった。全員の目つきがおだやかになっていった。
それでもこの出来事は笠原にとってはものすごい屈辱だった。怒りをこらえて顔が真っ赤になった。
「ちょっと熱っぽくて調子が悪かっただけだよ。熱がさがったら練習にでるよ。わかったらさっさと帰れ!」
笠原は捨てゼリフを吐き、玄関に入って乱暴にドアを閉めた。
帰り道、ぼくは自転車を走らせながらうれしくてしかたがなかった。笠原が戻ってくることになってほっとしたけれど、そのことがうれしかったのではない。輪島のことが無性にうれしかった。補欠の補欠だけど、②輪島は立派な野球部員だとみんなが認めた日だった。
(川上健一『翼はいつまでも』作問の都合上一部表記を変えてあります。)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
メンバーが足りず他のクラスから人数をおぎなった。
毎日欠かさず腕立て伏せとふっきんをする。
行事の準備のため授業がたんしゅくされる。
大きなピザを均等にぶんかつする。
私と比べて幼なじみの性格は慎重はだ。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「ついぞ〜ない」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア あんなひどい人にはついぞ会ったことがない。
- イ みんなやる気で、ついぞがんばれない。
- ウ 電車に乗ろうとしたがついぞ行けない。
- エ 明日はテストなのについぞ勉強しない。
Confirm Testの答え
- 答え
補った
- 答え
腹筋
- 答え
短縮
- 答え
分割
- 答え
派
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「重苦しい、危険が充満した長い時間」とありますが、このとき、その場はどんなふんいきでしたか。次のにあてはまることばを文中から二字で書きぬきなさい。
とてもしたふんいき。
Confirm Testの答え
- 答え
緊張
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「輪島は立派な野球部員だとみんなが認めた」とありますが、輪島のことをみんなが認めたのはなぜですか。次のにあてはまることばを、文中から十二字で書きぬきなさい。
輪島の言葉が、から。
Confirm Testの答え
- 答え
〈輪島の言葉が、〉笠原とぼくたちをつないだ〈から。〉
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
笠原は野球部の中心選手であるが、気に入らないことがあると暴力をふるうので、キャプテンに立候Aほしたが一票しか入らなかった。キャプテンになりそこなった笠原は、Bはらを立てて練習に出てこなくなった。
三年生だけが自転車で笠原の家にでむいた。農作業の手伝いで家にいないかもしれないと思ったけど、笠原は家にいた。部屋でプラモデルを作っていると母親が笠原を呼びにいった。
「なんだよ?」
玄関にでてきた笠原はふてぶてしくニヤニヤ笑った。バツの悪そうな笑いではない。
「野球部のことでちょっと話があってきたんだ。俺たちのことだから外で話そうぜ」
と東井がいい、笠原が外にでてきて東井がぼくたちの考えを伝えた。野球をやる気があるのかないのか、あるのなら休むときはちゃんと休む理由をキャプテンにいえ、やる気がないのなら部を辞めろ、と。笠原は一瞬うろたえたような表情をみせたけど、①すぐに怒り狂ったものすごい形相に変わった。ぼくたちをにらみまわしてCちぢみあがらせようとした。ぼくたちはひるまなかった。全員がひとつになっていたので恐怖心はわかなかったのだ。
「どうなんだ」
②東井は真っ直ぐに笠原と向かいあっていった。二頭の恐竜は火花をちらしてにらみあった。ほんの短い時間だったけど、重苦しい、危険が充満した長い時間に感じられた。どっちも一歩もひかない構えだ。東井のうしろにはぼくたち三年生が全員いたけど、東井も笠原もぼくたちは眼中にないといったようににらみあっている。あまりの迫力に、ぼくたちの口は接着剤でくっつけられたようにピタリと閉じられたままだ。
「イ、イ、いっしょに、ヤ、野球やろうぜ」
ふいに輪島の声が二人の間にDわって入ったので、ぼくたちはびっくりして輪島をみた。輪島のやつが野球部のことで自分の意見を述べるなどついぞなかったことだ。なにをいいだすのかと、笠原と東井も輪島をみつめた。
「オ、オ、俺は、シ、試合にでられないと思うけどよ、ミ、みんなで、ケ、県大会にいって、ユ、ユ、優勝したいんだ。ヤ、辞めて、ホ、ほしくないんだ。ミ、ミ、みんなも、ソ、そうなんだ。イ、イ、いっしょにやりたくて、キ、きたんだ。イ、イ、いっしょに、ヤ、野球やろうぜ」
輪島がこのことをいわなかったら、ぼくたちの野球部は空中分解していたにちがいない。輪島の言葉は、俺たちはみんな野球が大好きな仲間じゃないか、という強い大きなくさびとなって、笠原とぼくたちをつないだ。ぼくたちの緊張がとけていった。全員の目つきがおだやかになっていった。
それでもこの出来事は笠原にとってはものすごい屈辱だった。怒りをこらえて顔が真っ赤になった。
「ちょっと熱っぽくて調子が悪かっただけだよ。熱がさがったら練習にでるよ。わかったらさっさと帰れ!」
笠原は捨てゼリフを吐き、玄関に入って乱暴にドアを閉めた。
帰り道、ぼくは自転車を走らせながらうれしくてしかたがなかった。笠原が戻ってくることになってほっとしたけれど、そのことがうれしかったのではない。輪島のことが無性にうれしかった。ほ欠のほ欠だけど、輪島は立Eぱな野球部員だとみんなが認めた日だった。
(川上健一『翼はいつまでも』作問の都合上一部表記を変えてあります。)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「ついぞなかった」について、「ついぞ〜ない」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア つい最近まで〜したことがない。
- イ 今まで一度も〜したことがない。
- ウ どこか出かける前には〜しないと気がすまない。
- エ もう少しで〜できる。
Lessonの答え
- 答え
A 補 B 腹 C 縮 D 割 E 派 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
笠原は野球部の中心選手であるが、気に入らないことがあると暴力をふるうので、キャプテンに立候補したが一票しか入らなかった。キャプテンになりそこなった笠原は、腹を立てて練習に出てこなくなった。
三年生だけが自転車で笠原の家にでむいた。農作業の手伝いで家にいないかもしれないと思ったけど、笠原は家にいた。部屋でプラモデルを作っていると母親が笠原を呼びにいった。
「なんだよ?」
玄関にでてきた笠原はふてぶてしく①ニヤニヤ笑った。バツの悪そうな笑いではない。
「野球部のことでちょっと話があってきたんだ。俺たちのことだから外で話そうぜ」
と東井がいい、笠原が外にでてきて東井がぼくたちの考えを伝えた。野球をやる気があるのかないのか、あるのなら休むときはちゃんと休む理由をキャプテンにいえ、やる気がないのなら部を辞めろ、と。笠原は一瞬うろたえたような表情をみせたけど、すぐに怒り狂ったものすごい形相に変わった。ぼくたちをにらみまわして縮みあがらせようとした。ぼくたちはひるまなかった。全員がひとつになっていたので恐怖心はわかなかったのだ。
「どうなんだ」
②東井は真っ直ぐに笠原と向かいあっていった。二頭の恐竜は火花をちらしてにらみあった。ほんの短い時間だったけど、重苦しい、危険が充満した長い時間に感じられた。どっちも一歩もひかない構えだ。東井のうしろにはぼくたち三年生が全員いたけど、東井も笠原もぼくたちは眼中にないといったようににらみあっている。あまりの迫力に、ぼくたちの口は接着剤でくっつけられたようにピタリと閉じられたままだ。
「イ、イ、いっしょに、ヤ、野球やろうぜ」
ふいに輪島の声が二人の間に割って入ったので、ぼくたちはびっくりして輪島をみた。輪島のやつが野球部のことで自分の意見を述べるなどついぞなかったことだ。なにをいいだすのかと、笠原と東井も輪島をみつめた。
「オ、オ、俺は、シ、試合にでられないと思うけどよ、ミ、みんなで、ケ、県大会にいって、ユ、ユ、優勝したいんだ。ヤ、辞めて、ホ、ほしくないんだ。ミ、ミ、みんなも、ソ、そうなんだ。イ、イ、いっしょにやりたくて、キ、きたんだ。イ、イ、いっしょに、ヤ、野球やろうぜ」
輪島がこのことをいわなかったら、ぼくたちの野球部は空中分解していたにちがいない。輪島の言葉は、俺たちはみんな野球が大好きな仲間じゃないか、という強い大きなくさびとなって、笠原とぼくたちをつないだ。ぼくたちの緊張がとけていった。全員の目つきがおだやかになっていった。
それでもこの出来事は笠原にとってはものすごい屈辱だった。怒りをこらえて顔が真っ赤になった。
「ちょっと熱っぽくて調子が悪かっただけだよ。熱がさがったら練習にでるよ。わかったらさっさと帰れ!」
笠原は捨てゼリフを吐き、玄関に入って乱暴にドアを閉めた。
帰り道、ぼくは自転車を走らせながらうれしくてしかたがなかった。笠原が戻ってくることになってほっとしたけれど、そのことがうれしかったのではない。輪島のことが無性にうれしかった。補欠の補欠だけど、輪島は立派な野球部員だとみんなが認めた日だった。
(川上健一『翼はいつまでも』作問の都合上一部表記を変えてあります。)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
読書が好きなので図書委員にりっこうほした。
ごはんを食べすぎておなかがいっぱいになった。
あまりの恐怖で寿命がちぢむかと思った。
チョコレートをわって二人で分け合った。
運動会でリレーの選手がりっぱな走りを見せた。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、 A ・ B にあてはまる「今まで一度も〜したことがない。」を表すことばを、にひらがな三字と二字で書きなさい。 (完答)
- 彼のうわさは A 聞いたことも B 。
- A
- B
Practiceの答え
- 答え
立候補
- 答え
腹
- 答え
縮む
- 答え
割って
- 答え
立派
- 答え
- A ついぞ
- B ない
- (完答)
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「東井は真っ直ぐに笠原と向かいあっていった」について、この場面の東井と笠原を別のことばで表現している部分を、文中から五字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
二頭の恐竜
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「東井は真っ直ぐに笠原と向かいあっていった」について、東井と笠原を見守る「ぼくたち」の様子について、たとえを使って表現されている一文を文中からさがし、初めの五字を書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
あまりの迫
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「すぐに怒り狂ったものすごい形相に変わった」とありますが、笠原にとってもっとも腹が立ったのはどんなことだと考えられますか。「野球部」ということばを使って二十五字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
やる気がないのなら野球部を辞めろと言われたこと。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ニヤニヤ」という表現によって、笠原のどんな様子が強調されていますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア みんなが心配してくれていることを知って、喜んでいる様子。
- イ 野球部を辞めるつもりだったので、まったく関心がない様子。
- ウ 野球の練習をずる休みしていたことがばれ、はずかしがる様子。
- エ 自分を野球部に呼びもどしに来たのだろうと、仲間を見下している様子。
Practiceの答え
- 答え
エ
21-2 物語文18
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
映画がなかなか始まらないので、私と姉は波うちぎわへ行ってみた。
そして見たのだ、黒い海が一面に青白い光輝に満たされているのを。それはおとぎの世界の*燐光と言ってよかった。幼い魂を心底から*驚愕させるに足るあやしい輝きであった。
これは*夜光虫だ、と胸をときめかせながら私は思った。その現物に会うのは初めてだったが、それまでに少年読物か人の話かで、夜光虫という言葉だけは知っていたらしい。それにしても、夜の海辺へ散策に来ることも少なくなかったのに、夜光虫を見るのは初めての体験であった。しかも暗い広大な海をおおう大群にいきなり出会ったのだ。
二歳違いの姉はあるいはもう女学生になっていたかもしれない。そんな彼女もセーラー服のスカートを持ちあげて、波うちぎわでぼんやりとこの光輝に見入っていたようだ。私たちが何か言葉をかわしたかどうかはすっかり忘れてしまっている。
昆虫*マニアになったように生来好奇心の強かった私が、この自然の*あやなす神秘的な光景に姉の*何層倍も夢中になったのは当然のことだったろう。
私は半ズボンをはいていたが、そのズボンがぬれるのもかまわず海の中へ入って行って、何とかして夜光虫の正体を知ろうと夢中になった。その青白い光は黒い波頭に乗ってきて、すっととけたと思うと、ふたたび*幽鬼じみた輝きを波のまにまに漂わすのであった。うまく手のひらですくったと思った瞬間、その燐光は海水と共にこぼれ落ちてしまう。ともあれ、正体がまったくわからないため、なおさら海一面が*漠とした不可思議な美しさに満ち満ちていたと言える。さながら妖精たちのしわざかのように。暗い海上はその妖精の微小な冷光のため、一面青白く光り、その波頭に浜辺の灯火や赤と緑のネオンサインの色が映えて、いっそう美々しいものになっていた。
だが、ついに私はとらえたのだ、その幻覚とも*まがう燐光の源を。それは手のひらから滴り落ちたが、なおその一つ二つを私はしっかりと手ににぎりしめていた。
私は浜辺へ走って行って、映写機のかたわらにつけられた電灯の下で、わくわくする気持ちで調べてみた。正直に言ってがっかりした。幻滅と言ってもよかった。なぜなら砂にまじって手のひらにあったものは、米粒よりずっと小さな、白っぽい、中に黒点のある粒のようなものに過ぎなかったからだ。これがあの魔法の*光彩の主だとはとても信じられなかった……。
(北杜夫『母の影』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 燐光
- 自然に生じる青白い光。
- 驚愕
- ひどくおどろくこと。
- 夜光虫
- 海面に群れてうかぶ小さな生物。
- マニア
- ある物事に熱中している人。
- あやなす
- 美しくいろどる。
- 何層倍
- 何倍。
- 幽鬼
- ゆうれい。
- 漠とした
- はっきりとしない。
- まがう
- まちがえるほど似ている。
- 光彩
- きらきらと輝く美しい光。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
鏡にうつる姿を見ながら身支度をする。
なんだか嫌な予感がしてむな騒ぎがする。
学校祭を成功させるためにさくりゃくを立てた。
祖母からひでんのレシピを教えてもらう。
紅茶に少しだけさとうを入れて飲む。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「幻滅」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 幻滅をもって生活していこう。
- イ 勉強しなさいと怒られる前に幻滅する。
- ウ おかしを食べたくて幻滅に努力する。
- エ わたしたちはその結果に幻滅する。
Confirm Testの答え
- 答え
映る
- 答え
胸
- 答え
策略
- 答え
秘伝
- 答え
砂糖
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章の表現の特ちょうを述べたものとして適当なものを、次のア〜エからすべて選び、記号で答えなさい。 (完答)
- ア たとえを使って、情景や夜光虫の青白い光を印象的にえがいている文がある。
- イ 反復を使って、このときの「私」の感動を強調している文がある。
- ウ 体言止めを使って、神秘的で美しい情景を印象づけている文がある。
- エ 色を表すことばを多く使って、美しい情景を絵画的にえがいている文がある。
Confirm Testの答え
- 答え
ア・エ(順不同・完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
Aえい画がなかなか始まらないので、私と姉は波うちぎわへ行ってみた。
①そして見たのだ、黒い海が一面に青白い光輝に満たされているのを。それはおとぎの世界の*燐光と言ってよかった。幼い魂を心底から*驚愕させるに足るあやしい輝きであった。
これは*夜光虫だ、とBむねをときめかせながら私は思った。その現物に会うのは初めてだったが、それまでに少年読物か人の話かで、夜光虫という言葉だけは知っていたらしい。それにしても、夜の海辺へ散Cさくに来ることも少なくなかったのに、夜光虫を見るのは初めての体験であった。しかも暗い広大な海をおおう大群にいきなり出会ったのだ。
二歳違いの姉はあるいはもう女学生になっていたかもしれない。そんな彼女もセーラー服のスカートを持ちあげて、波うちぎわでぼんやりとこの光輝に見入っていたようだ。私たちが何か言葉をかわしたかどうかはすっかり忘れてしまっている。
昆虫*マニアになったように生来好奇心の強かった私が、この自然の*あやなす神Dぴ的な光景に姉の*何層倍も夢中になったのは当然のことだったろう。
私は半ズボンをはいていたが、そのズボンがぬれるのもかまわず海の中へ入って行って、何とかして夜光虫の正体を知ろうと夢中になった。その青白い光は黒い波頭に乗ってきて、すっととけたと思うと、ふたたび*幽鬼じみた輝きを波のまにまに漂わすのであった。うまく手のひらですくったと思った瞬間、その燐光は海水と共にこぼれ落ちてしまう。ともあれ、正体がまったくわからないため、なおさら海一面が*漠とした不可思議な美しさに満ち満ちていたと言える。さながら妖精たちのしわざかのように。暗い海上はその妖精の微小な冷光のため、一面青白く光り、その波頭に浜辺の灯火や赤と緑のネオンサインの色がはえて、いっそう美々しいものになっていた。
だが、ついに私はとらえたのだ、その幻覚とも*まがう燐光の源を。それは手のひらから滴り落ちたが、なおその一つ二つを私はしっかりと手ににぎりしめていた。
私は浜辺へ走って行って、えい写機のかたわらにつけられた電灯の下で、わくわくする気持ちで調べてみた。正直に言ってがっかりした。幻滅と言ってもよかった。なぜならEすなにまじって手のひらにあったものは、米粒よりずっと小さな、白っぽい、中に黒点のある粒のようなものに過ぎなかったからだ。これがあの魔法の*光彩の主だとはとても信じられなかった……。
(北杜夫『母の影』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 燐光
- 自然に生じる青白い光。
- 驚愕
- ひどくおどろくこと。
- 夜光虫
- 海面に群れてうかぶ小さな生物。
- マニア
- ある物事に熱中している人。
- あやなす
- 美しくいろどる。
- 何層倍
- 何倍。
- 幽鬼
- ゆうれい。
- 漠とした
- はっきりとしない。
- まがう
- まちがえるほど似ている。
- 光彩
- きらきらと輝く美しい光。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「幻滅」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 絶滅危惧種の動物たちを見に行けること。
- イ きれいな景色を求めて旅にでること。
- ウ 今まで見てきたことがすべてうそであること。
- エ 期待やあこがれで想像していたことが現実とは異なることを知り、がっかりすること。
Lessonの答え
- 答え
A 映 B 胸 C 策 D 秘 E 砂 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
映画がなかなか始まらないので、私と姉は波うちぎわへ行ってみた。
そして見たのだ、黒い海が一面に青白い光輝に満たされているのを。それはおとぎの世界の*燐光と言ってよかった。幼い魂を心底から*驚愕させるに足るあやしい輝きであった。
これは*夜光虫だ、と胸をときめかせながら私は思った。その現物に会うのは初めてだったが、それまでに少年読物か人の話かで、夜光虫という言葉だけは知っていたらしい。それにしても、夜の海辺へ散策に来ることも少なくなかったのに、夜光虫を見るのは初めての体験であった。しかも暗い広大な海をおおう大群にいきなり出会ったのだ。
二歳違いの姉はあるいはもう女学生になっていたかもしれない。そんな彼女もセーラー服のスカートを持ちあげて、波うちぎわでぼんやりとこの光輝に見入っていたようだ。私たちが何か言葉をかわしたかどうかはすっかり忘れてしまっている。
昆虫*マニアになったように生来好奇心の強かった私が、この自然の*あやなす神秘的な光景に姉の*何層倍も夢中になったのは当然のことだったろう。
私は半ズボンをはいていたが、そのズボンがぬれるのもかまわず海の中へ入って行って、何とかして夜光虫の正体を知ろうと夢中になった。その青白い光は黒い波頭に乗ってきて、すっととけたと思うと、ふたたび*幽鬼じみた輝きを波のまにまに漂わすのであった。うまく手のひらですくったと思った瞬間、その燐光は海水と共にこぼれ落ちてしまう。ともあれ、正体がまったくわからないため、なおさら海一面が*漠とした不可思議な美しさに満ち満ちていたと言える。さながら妖精たちのしわざかのように。暗い海上はその妖精の微小な冷光のため、一面青白く光り、その波頭に浜辺の灯火や赤と緑のネオンサインの色が映えて、いっそう美々しいものになっていた。
だが、①ついに私はとらえたのだ、その幻覚とも*まがう燐光の源を。それは手のひらから滴り落ちたが、なおその一つ二つを私はしっかりと手ににぎりしめていた。
私は浜辺へ走って行って、映写機のかたわらにつけられた電灯の下で、わくわくする気持ちで調べてみた。正直に言ってがっかりした。幻滅と言ってもよかった。なぜなら砂にまじって手のひらにあったものは、米粒よりずっと小さな、白っぽい、中に黒点のある粒のようなものに過ぎなかったからだ。これがあの魔法の*光彩の主だとはとても信じられなかった……。
(北杜夫『母の影』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 燐光
- 自然に生じる青白い光。
- 驚愕
- ひどくおどろくこと。
- 夜光虫
- 海面に群れてうかぶ小さな生物。
- マニア
- ある物事に熱中している人。
- あやなす
- 美しくいろどる。
- 何層倍
- 何倍。
- 幽鬼
- ゆうれい。
- 漠とした
- はっきりとしない。
- まがう
- まちがえるほど似ている。
- 光彩
- きらきらと輝く美しい光。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
休みの日にえいがを観に行く約束をした。
悲しいニュースにむねが締め付けられる思いがする。
川沿いをさんさくするとさまざまな発見がある。
世界中にはしんぴ的な景色がたくさんある。
真夏の海のすなは焼けるように熱い。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「期待やあこがれで想像していたことが現実とは異なることを知り、がっかりすること。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
都会の生活にする。
Practiceの答え
- 答え
映画
- 答え
胸
- 答え
散策
- 答え
神秘
- 答え
砂
- 答え
げんめつ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「そして見たのだ、黒い海が一面に青白い光輝に満たされているのを。」は倒置法の表現ですが、ふつうの語順に直して、一文で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
そして、黒い海が一面に青白い光輝に満たされているのを見たのだ。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ついに私はとらえたのだ、その幻覚ともまがう燐光の源を。」は倒置法の表現ですが、ふつうの語順に直して、一文で書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
その幻覚ともまがう燐光の源を、ついに私はとらえたのだ。
22章 文法
敬語
22-1 尊敬語・けんじょう語
Confirm Test
次のことばを、尊敬語に直しなさい。
来る
Confirm Testの答え
- 答え
いらっしゃる(おいでになる)
Confirm Test
次のことばを、けんじょう語に直しなさい。
来る
Confirm Testの答え
- 答え
参る(うかがう)
Confirm Test
次のことばを、A尊敬語と、Bけんじょう語に直しなさい。(完答)
いる
食べる
Confirm Testの答え
- 答え
- A いらっしゃる
- B おる
(完答)
- 答え
- A めしあがる
- B いただく
(完答)
Point
Lesson
Lesson
次のことばを、尊敬語に直しなさい。
言う
Lessonの答え
- 答え
おっしゃる(言われる)
Practice
次のことばを、尊敬語に直しなさい。
食べる
Practiceの答え
- 答え
めしあがる
Lesson
Lesson
次のことばを、けんじょう語に直しなさい。
言う
Lessonの答え
- 答え
申す(申し上げる)
Practice
次のことばを、けんじょう語に直しなさい。
食べる
Practiceの答え
- 答え
いただく
Lesson
Lesson
次のことばを、A尊敬語と、Bけんじょう語に直しなさい。(完答)
待つ
行く
Lessonの答え
- 答え
- A お待ちになる(待たれる)
- B お待ちする
(完答)
- 答え
- A いらっしゃる(お行きになる・行かれる)
- B 参る(うかがう)
(完答)
Practice
次のことばを、A尊敬語と、Bけんじょう語に直しなさい。(完答)
言う
見る
Practiceの答え
- 答え
- A おっしゃる(言われる)
- B 申す(申しあげる)
(完答)
- 答え
- A ごらんになる(見られる)
- B 拝見する
(完答)
22-2 ていねい語・敬語の見分け
Confirm Test
次の線部を、それぞれていねい語に直しなさい。(完答)
道が混んでいるので、ここで待とう。
Confirm Testの答え
- 答え
います・待ちましょう(完答)
Confirm Test
あとの線の敬語の種類を次のア〜ウから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 尊敬語
- イ けんじょう語
- ウ ていねい語
明日、わたしが書類をお持ちする予定だ。
彼女はいつもゆっくりと話します。
校長先生はいつも中庭で昼食をめしあがる。
社長の自宅に急いでうかがう。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
- 答え
ウ
- 答え
ア
- 答え
イ
Confirm Test
次の線を( )内の指示にしたがって書き直しなさい。
先生が教室に来る。(尊敬語に)
社長の自宅で食事を食べる。(けんじょう語に)
Confirm Testの答え
- 答え
来られる(いらっしゃる・おいでになる)
- 答え
いただく
Point
Lesson
Lesson
次の線部を、ていねい語に直しなさい。
これはあなたの本だ。
Lessonの答え
- 答え
です
Practice
次の線部を、ていねい語に直しなさい。
今日は雨がふっている。
Practiceの答え
- 答え
います
Lesson
Lesson
あとの線の敬語の種類を次のア〜ウから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 尊敬語
- イ けんじょう語
- ウ ていねい語
先生がおいでになる。
妹が転びました。
お客様をご案内する。
意見を申し上げる。
Lessonの答え
- 答え
ア
- 答え
ウ
- 答え
イ
- 答え
イ
Practice
あとの線の敬語の種類を次のア〜ウから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 尊敬語
- イ けんじょう語
- ウ ていねい語
お客様が代金をはらわれる。
お客様を校長室にご案内する。
お探しの商品はこちらにございます。
校長先生は五時ごろお帰りになる。
Practiceの答え
- 答え
ア
- 答え
イ
- 答え
ウ
- 答え
ア
Lesson
Lesson
次の線を( )内の指示にしたがって書き直しなさい。
お客様がおかしを食べる。(尊敬語に)
こちらから行きます。(けんじょう語に)
Lessonの答え
- 答え
めし上がる(お食べになる・食べられる)
- 答え
うかがい(まいり)
Practice
次の線を( )内の指示にしたがって書き直しなさい。
先生がくれる。(尊敬語に)
人気の歌を歌う。(ていねい語に)
Practiceの答え
- 答え
くださる
- 答え
歌います
23章 説明文
説明文の読み方
23-1 説明文19
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
いま苦労をしておけば、将来に楽ができる、といったことを言う人がある。ぼくは、このことばが、きらいだ。
ずっと苦労して、その①計画が達成できて、満足している人間なんて、ぼくはなりたくない。人間というものは、どんな計画だって、死によって中断されるだろう。きみたちの同年代で、突然に不意の死にあったりすると、まさしく中断といった感じだろうが、年をとったところで、②それは同じことだ。
人間というものは、いつでも、なにかを新しくやろうとしているほうがよい。もうすべて、計画をなしとげて、あとは老いと死を迎えるばかり、なんてのにならぬほうがよい。だから、そうして生きているかぎり、計画が達成されたあとは楽になる、なんて生き方はつまらない。
ただし、人間は年をとると、気が弱くなるものだから、自分の過去の苦労を美化して、現在を肯定しがちなものである。若いときに苦労したからこそ、現在の自分があるなどと言うおとなは、つまらないとは思うが、きみたちは若いのだから、彼らを軽蔑するよりは、その老いの弱さを、いたわってやってほしい。しかし、きみたちが、それにまきこまれて、現在の苦労が将来の安楽のためだなどとは、絶対に思ってほしくない。それは、きみが年をとって、心が弱くなってから、言うことばだ。
もちろん、人生には多少は苦しいこともあろうから、それはそれなりにやってよい。山を登るのに、汗をかくこともあろう。しかしぼくは、それを山頂をめざすためとばかり思うより、登り道のあれこれを、汗を流しながらも楽しむほうを好む。山頂の白雲に思いをはせることはあっても、それは夢でいろどりをそえるためで、やはり現在の登り道にこそ、楽しみはある。
山頂を望み、そして山頂に達することで満足するだけでは、山だっておもしろくあるまい。まして、人生は山登りではない。山頂なんて定まっていない。かりに山に似ていたとしても、となりの山に方向転換することだってあるし、山麓を巻いて進むことだってある。そして、それなりに、自分の人生を充実して生きるのであって、きまった頂上を目ざして、みんなが進むようなものではない。
かりに、五年後に死んでも、この今を充実して生きるべきことには、変わりはない。不確実な未来の安楽のために、現在があるのではない。夢というのは、将来での達成で報いられるより、なによりも、この現在を生きるためにある。
果樹は、その果実で評価される、といったことわざがあるが、それは人間の勝手だと思う。果樹が葉をしげらせ、花をさかせているのは、それが生であるからであって、将来に実った果実を人間に食ってもらうためではあるまい。きみたちにしても、きみたちの将来をお国などに役だてるために、いま勉強しているなどと、思うこともあるまい。なによりも、現在の生を、よりよく充実させることが問題なのだ。それは将来とのかかわりがあるにしても、あとで楽をするため、などではなくて、現在に張りのあることだけが、問題なのだ。
(森毅『まちがったっていいじゃないか』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
歴史の授業で有名なしょうぐんについて学んだ。
春になると木々にわかばが芽吹く。
漫画のかんまつには作者の言葉が書かれていた。
秋にはさまざまなじゅもくが美しく紅葉する。
公園のベンチでろうじんが本を読んでいる。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「美化」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア この小説は主人公を美化して描いている。
- イ もうすぐで今年も終わるし美化しよう。
- ウ 自分と他人を比べて美化する。
- エ 学校で美化するのが流行っている。
Confirm Testの答え
- 答え
将軍
- 答え
若葉
- 答え
巻末
- 答え
樹木
- 答え
老人
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「計画が達成」とありますが、計画を達成することは、山登りの例にたとえれば、どういうことですか。文中から八字で書きぬきなさい。
線②「それ」とはどういうことですか。文中のことばを使って二十字以内で書きなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
山頂に達すること
- 答え
死によって計画が中断されること。
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
いま苦労をしておけば、Aしょう来に楽ができる、といったことを言う人がある。ぼくは、このことばが、きらいだ。
ずっと苦労して、その計画が達成できて、満足している人間なんて、ぼくはなりたくない。人間というものは、どんな計画だって、死によって中断されるだろう。きみたちの同年代で、突然に不意の死にあったりすると、まさしく中断といった感じだろうが、年をとったところで、それは同じことだ。
人間というものは、いつでも、なにかを新しくやろうとしているほうがよい。もうすべて、計画をなしとげて、あとはBおいと死を迎えるばかり、なんてのにならぬほうがよい。だから、そうして生きているかぎり、計画が達成されたあとは楽になる、なんて生き方はつまらない。
ただし、人間は年をとると、気が弱くなるものだから、自分の過去の苦労を美化して、現在を肯定しがちなものである。Cわかいときに苦労したからこそ、現在の自分があるなどと言うおとなは、つまらないとは思うが、きみたちはわかいのだから、彼らを軽蔑するよりは、そのおいの弱さを、いたわってやってほしい。しかし、きみたちが、それにまきこまれて、現在の苦労がしょう来の安楽のためだなどとは、絶対に思ってほしくない。それは、きみが年をとって、心が弱くなってから、言うことばだ。
もちろん、人生には多少は苦しいこともあろうから、それはそれなりにやってよい。山を登るのに、汗をかくこともあろう。しかしぼくは、それを①山頂をめざすためとばかり思うより、登り道のあれこれを、汗を流しながらも楽しむほうを好む。山頂の白雲に思いをはせることはあっても、それは夢でいろどりをそえるためで、やはり現在の登り道にこそ、楽しみはある。
山頂を望み、そして山頂に達することで満足するだけでは、山だっておもしろくあるまい。まして、人生は山登りではない。山頂なんて定まっていない。かりに山に似ていたとしても、となりの山に方向転換することだってあるし、山麓をDまいて進むことだってある。そして、それなりに、自分の人生を充実して生きるのであって、きまった頂上を目ざして、みんなが進むようなものではない。
かりに、五年後に死んでも、この今を充実して生きるべきことには、変わりはない。不確実な未来の安楽のために、現在があるのではない。夢というのは、しょう来での達成で報いられるより、なによりも、この現在を生きるためにある。
果Eじゅは、その果実で評価される、といったことわざがあるが、それは人間の勝手だと思う。果じゅが葉をしげらせ、花をさかせているのは、それが生であるからであって、しょう来に実った果実を人間に食ってもらうためではあるまい。きみたちにしても、きみたちのしょう来をお国などに役だてるために、いま勉強しているなどと、思うこともあるまい。なによりも、現在の生を、よりよく充実させることが問題なのだ。それはしょう来とのかかわりがあるにしても、あとで楽をするため、などではなくて、現在に張りのあることだけが、問題なのだ。
(森毅『まちがったっていいじゃないか』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「美化」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 今まで見てきた中で一番美しいこと。
- イ 実際以上に美しいものとしてとらえること。
- ウ 歩んできた人生は人それぞれであること。
- エ 美しく見られようと努力すること。
Lessonの答え
- 答え
A 将 B 老 C 若 D 巻 E 樹 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
いま苦労をしておけば、将来に楽ができる、といったことを言う人がある。ぼくは、このことばが、きらいだ。
ずっと苦労して、その計画が達成できて、満足している人間なんて、ぼくはなりたくない。人間というものは、どんな計画だって、死によって中断されるだろう。きみたちの同年代で、突然に不意の死にあったりすると、まさしく中断といった感じだろうが、年をとったところで、それは同じことだ。
人間というものは、いつでも、なにかを新しくやろうとしているほうがよい。もうすべて、計画をなしとげて、あとは老いと死を迎えるばかり、なんてのにならぬほうがよい。だから、そうして生きているかぎり、計画が達成されたあとは楽になる、なんて生き方はつまらない。
ただし、人間は年をとると、気が弱くなるものだから、自分の過去の苦労を美化して、現在を肯定しがちなものである。若いときに苦労したからこそ、現在の自分があるなどと言うおとなは、つまらないとは思うが、きみたちは若いのだから、彼らを軽蔑するよりは、その老いの弱さを、いたわってやってほしい。しかし、きみたちが、それにまきこまれて、現在の苦労が将来の安楽のためだなどとは、絶対に思ってほしくない。それは、きみが年をとって、心が弱くなってから、言うことばだ。
もちろん、人生には多少は苦しいこともあろうから、それはそれなりにやってよい。山を登るのに、汗をかくこともあろう。しかしぼくは、それを山頂をめざすためとばかり思うより、登り道のあれこれを、汗を流しながらも楽しむほうを好む。山頂の白雲に思いをはせることはあっても、それは夢でいろどりをそえるためで、やはり現在の登り道にこそ、楽しみはある。
山頂を望み、そして山頂に達することで満足するだけでは、山だっておもしろくあるまい。まして、人生は山登りではない。山頂なんて定まっていない。かりに山に似ていたとしても、となりの山に方向転換することだってあるし、山麓を巻いて進むことだってある。そして、それなりに、自分の人生を充実して生きるのであって、きまった頂上を目ざして、みんなが進むようなものではない。
かりに、五年後に死んでも、この今を充実して生きるべきことには、変わりはない。不確実な未来の安楽のために、現在があるのではない。夢というのは、将来での達成で報いられるより、なによりも、この現在を生きるためにある。
果樹は、その①果実で評価される、といったことわざがあるが、それは人間の勝手だと思う。果樹が葉をしげらせ、花をさかせているのは、それが生であるからであって、将来に実った果実を人間に食ってもらうためではあるまい。きみたちにしても、きみたちの将来をお国などに役だてるために、いま勉強しているなどと、思うこともあるまい。なによりも、現在の生を、よりよく充実させることが問題なのだ。それは将来とのかかわりがあるにしても、あとで楽をするため、などではなくて、現在に張りのあることだけが、問題なのだ。
(森毅『まちがったっていいじゃないか』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
友達としょうらいの夢を語り合うのが好きだ。
親のわかいころの写真を見て不思議な気持ちになる。
今日の夕食はてまき寿司を作る予定だ。
秋にかじゅ園でりんご狩りを楽しんだ。
人がおいることは悲しいこととは限らない。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「実際以上に美しいものとしてとらえること。」を表すことばを漢字二字で書きなさい。
自分の過去をして話す。
Practiceの答え
- 答え
将来
- 答え
若い
- 答え
手巻
- 答え
果樹
- 答え
老いる
- 答え
美化
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「山頂をめざすためとばかり思うより、登り道のあれこれを、汗を流しながらも楽しむほうを好む」とありますが、これを言いかえたものとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 目的を達成するために苦しいことをたえるのではなく、今の苦労そのものを楽しむべきだ。
- イ 目的を達成するためには、物事は楽しく進めていかなくてはならない。
- ウ 目的を達成するためには、どんな手段を選んでも構わない。
- エ 若いときは、必死に目的ばかり追いかけるという意気ごみが必要である。
Lessonの答え
- 答え
ア
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「果実」とありますが、果樹にとっての果実は山登りでは何にあたりますか。文中から二字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
山頂(頂上)
23-2 説明文20
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
考えてみれば、海岸は昔は漁師たちだけのものであった。漁師たちは漁具や網干しの場所や、テングサやヒジキ、ワカメといった海藻の干し場として利用し、海岸を大切にしていた。内田さんがアカウミガメの研究をはじめた一九五〇年代は、特別の地域をのぞいては、日本の海岸はだれでも自由に利用していたが、アカウミガメの調査も人にじゃまされることなく行なうことができた。
しかしこのごろでは、砂浜にトラックやオフロードの車を乗り入れて走りまわり、産卵に上陸したウミガメを見つけ、大人四、五人で荷台にかつぎあげて走りさってしまう。またアカウミガメを調査しようと近づくと「これはおれのものだ」と主張されたり、アカウミガメに馬乗りになって「浦島太郎だ」と暗闇で叫んでいる男がいたりして、海岸はまさに無法地帯になっている。昆虫採集をしているとき、木にとまって鳴いているセミは最初に見つけた少年のものかもしれないが、海岸は公共のものでなければならないはずだ。
日本の海岸は夜中から明け方まで、アカウミガメを調査する者にとっても、アカウミガメにとっても危険に満ちた場所となってしまった。①海水浴や浜遊び、海岸近くのキャンプ場、そのための道路や駐車場、さらに夜釣りから花火や犬を連れての散歩にいたるまで、海の砂浜で夜中まで人間と出会わないときはなくなった。
古く江戸時代には、夜の砂浜はかたくなに人の出入りを拒絶してきたものだ。少なくとも太平洋戦争の前までは、まだ夜の海岸は闇の世界であり、アカウミガメはもちろん動物たちが自由に使える場所であった。
アカウミガメが繁殖できる条件は、静けさと暗闇と清潔さが保証されることである。上陸する母ガメばかりでなく、砂の中には卵や、ふ化してはい上がり、外に出ようと待っている子ガメたちがいるのだ。
明治時代になって、近代国家としての体裁が整ってくると、海岸が人間の住む陸地の最前線になって、自分たちの領域を守るための方策ばかりが考えられるようになった。それでも昔は、砂浜を残してクロマツを植えて防風林にしたり、川原の石を運んで積んだ堤防だったりしたが、しだいに海岸本来の役割を忘れて、海からの災害を防ぐための効率ばかりが考えられるようになった。海岸を生活の場としている動物のことなど考えてもみない時代がつづいた。
コンクリートの防波堤や波をやわらげるようなブロックはもちろんのこと、うめ立て、海浜道路の建設、さらに砂浜まで進出した養殖事業など、産業の発展とともに海岸は大きく姿を変えた。 市街地が広がり人間の生活が豊かになると、レクリエーションの場として、海岸の砂浜は完全に人に占領されてしまった。
それならアカウミガメと人間が共存する砂浜は考えられないのだろうか。少なくともその一部は、大昔から海辺をすみかとしている動物たちにも解放するべきである。
そのために二つの提案を内田さんはする。
一つは産卵する夏のあいだだけでも、アカウミガメの利用している砂浜の一定範囲を立入禁止にする。江ノ島や湘南海岸のように人の利用が多く長い砂浜でも、せいぜい四百〜五百メートルほど確保すれば、ウミガメはかならず産卵のためにここに集まってくると内田さんはいう。
二つめはウミガメ・タイムをつくる提案である。アカウミガメの上陸は日没後でそれも本州から九州の海岸なら六月下旬から八月までと考えて、午後八時から翌朝の六時までの時間、立入禁止区域をつくってほしい。アカウミガメと人の利用時間を明確に分ける提案である。それは人間と野生動物の共存をはっきりと示すことになるというのだ。
(高橋健『海の不思議を探る』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
自家製のうめぼしを作って食べる。
彼の知識は学者のいきに達している。
割れ物を素手で触るのはあぶない。
さいばん所は法律に基づいて判決を下す。
授業で作った工作がてんじされている。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「共存」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア プールにとびこんで共存する。
- イ 人間は自然と共存して生きている。
- ウ 洋服を買おうと共存する。
- エ 暑くて倒れそうだったので共存した。
Confirm Testの答え
- 答え
干し
- 答え
域
- 答え
危ない
- 答え
裁判
- 答え
展示
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまる接続語としてもっとも適当なものを、次のア〜カから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
- ア そして
- イ ところで
- ウ また
- エ しかし
- オ それとも
- カ なぜなら
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「海水浴や浜遊び、海岸近くのキャンプ場……海の砂浜で夜中まで人間と出会わないときはなくなった」とありますが、これは砂浜が人間にとってどんな場所になったということですか。文中から十字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
レクリエーションの場
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
考えてみれば、海岸は昔は漁師たちだけのものであった。漁師たちは漁具や網Aほしの場所や、テングサやヒジキ、ワカメといった海藻のほし場として利用し、海岸を大切にしていた。内田さんがアカウミガメの研究をはじめた一九五〇年代は、特別の地Bいきをのぞいては、日本の海岸はだれでも自由に利用していたが、アカウミガメの調査も人にじゃまされることなく行なうことができた。
このごろでは、砂浜にトラックやオフロードの車を乗り入れて走りまわり、産卵に上陸したウミガメを見つけ、大人四、五人で荷台にかつぎあげて走りさってしまう。またアカウミガメを調査しようと近づくと「これはおれのものだ」と主張されたり、アカウミガメに馬乗りになって「浦島太郎だ」と暗闇で叫んでいる男がいたりして、海岸はまさに無法地帯になっている。昆虫採集をしているとき、木にとまって鳴いているセミは最初に見つけた少年のものかもしれないが、海岸は公共のものでなければならないはずだ。
日本の海岸は夜中から明け方まで、アカウミガメを調査する者にとっても、アカウミガメにとってもCき険に満ちた場所となってしまった。海水浴や浜遊び、海岸近くのキャンプ場、そのための道路や駐車場、さらに夜釣りから花火や犬を連れての散歩にいたるまで、海の砂浜で夜中まで人間と出会わないときはなくなった。
古く江戸時代には、夜の砂浜はかたくなに人の出入りを拒絶してきたものだ。少なくとも太平洋戦争の前までは、まだ夜の海岸は闇の世界であり、アカウミガメはもちろん動物たちが自由に使える場所であった。
アカウミガメが繁殖できる条件は、静けさと暗闇と清潔さが保証されることである。上陸する母ガメばかりでなく、砂の中には卵や、ふ化してはい上がり、外に出ようと待っている子ガメたちがいるのだ。
明治時代になって、近代国家としての体Dさいが整ってくると、海岸が人間の住む陸地の最前線になって、自分たちの領いきを守るための方策ばかりが考えられるようになった。それでも昔は、砂浜を残してクロマツを植えて防風林にしたり、川原の石を運んで積んだ堤防だったりしたが、しだいに海岸本来の役割を忘れて、海からの災害を防ぐための効率ばかりが考えられるようになった。海岸を生活の場としている動物のことなど考えてもみない時代がつづいた。
コンクリートの防波堤や波をやわらげるようなブロックはもちろんのこと、うめ立て、海浜道路の建設、さらに砂浜まで進出した養殖事業など、産業の発Eてんとともに海岸は大きく姿を変えた。そして市街地が広がり人間の生活が豊かになると、レクリエーションの場として、海岸の砂浜は完全に人に占領されてしまった。
それならアカウミガメと人間が共存する砂浜は考えられないのだろうか。少なくとも①その一部は、大昔から海辺をすみかとしている動物たちにも解放するべきである。
そのために二つの提案を内田さんはする。
一つは産卵する夏のあいだだけでも、アカウミガメの利用している砂浜の一定範囲を立入禁止にする。江ノ島や湘南海岸のように人の利用が多く長い砂浜でも、せいぜい四百〜五百メートルほど確保すれば、ウミガメはかならず産卵のためにここに集まってくると内田さんはいう。
二つめはウミガメ・タイムをつくる提案である。アカウミガメの上陸は日没後でそれも本州から九州の海岸なら六月下旬から八月までと考えて、午後八時から翌朝の六時までの時間、立入禁止区いきをつくってほしい。アカウミガメと人の利用時間を明確に分ける提案である。それは人間と野生動物の共存をはっきりと示すことになるというのだ。
(高橋健『海の不思議を探る』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「共存」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 共に戦うと決めること。
- イ 一人で生きていくのは大変であること。
- ウ 二つ以上のものが同時に生存・存在すること。
- エ どちらかの利益になるようなことはしないということ。
Lessonの答え
- 答え
A 干 B 域 C 危 D 裁 E 展 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
考えてみれば、海岸は昔は漁師たちだけのものであった。漁師たちは漁具や網干しの場所や、テングサやヒジキ、ワカメといった海藻の干し場として利用し、海岸を大切にしていた。内田さんがアカウミガメの研究をはじめた一九五〇年代は、特別の地域をのぞいては、日本の海岸はだれでも自由に利用していたが、アカウミガメの調査も人にじゃまされることなく行なうことができた。
しかしこのごろでは、砂浜にトラックやオフロードの車を乗り入れて走りまわり、産卵に上陸したウミガメを見つけ、大人四、五人で荷台にかつぎあげて走りさってしまう。 アカウミガメを調査しようと近づくと「これはおれのものだ」と主張されたり、アカウミガメに馬乗りになって「浦島太郎だ」と暗闇で叫んでいる男がいたりして、海岸はまさに無法地帯になっている。昆虫採集をしているとき、木にとまって鳴いているセミは最初に見つけた少年のものかもしれないが、海岸は公共のものでなければならないはずだ。
日本の海岸は夜中から明け方まで、アカウミガメを調査する者にとっても、アカウミガメにとっても危険に満ちた場所となってしまった。海水浴や浜遊び、海岸近くのキャンプ場、そのための道路や駐車場、さらに夜釣りから花火や犬を連れての散歩にいたるまで、海の砂浜で夜中まで人間と出会わないときはなくなった。
古く江戸時代には、夜の砂浜はかたくなに人の出入りを拒絶してきたものだ。少なくとも太平洋戦争の前までは、まだ夜の海岸は闇の世界であり、アカウミガメはもちろん動物たちが自由に使える場所であった。
アカウミガメが繁殖できる条件は、静けさと暗闇と清潔さが保証されることである。上陸する母ガメばかりでなく、砂の中には卵や、ふ化してはい上がり、外に出ようと待っている子ガメたちがいるのだ。
明治時代になって、近代国家としての体裁が整ってくると、海岸が人間の住む陸地の最前線になって、自分たちの領域を守るための方策ばかりが考えられるようになった。それでも昔は、砂浜を残してクロマツを植えて防風林にしたり、川原の石を運んで積んだ堤防だったりしたが、しだいに海岸本来の役割を忘れて、海からの災害を防ぐための効率ばかりが考えられるようになった。①海岸を生活の場としている動物のことなど考えてもみない時代がつづいた。
コンクリートの防波堤や波をやわらげるようなブロックはもちろんのこと、うめ立て、海浜道路の建設、さらに砂浜まで進出した養殖事業など、産業の発展とともに海岸は大きく姿を変えた。そして市街地が広がり人間の生活が豊かになると、レクリエーションの場として、海岸の砂浜は完全に人に占領されてしまった。
それならアカウミガメと人間が共存する砂浜は考えられないのだろうか。少なくともその一部は、大昔から海辺をすみかとしている動物たちにも解放するべきである。
そのために二つの提案を内田さんはする。
一つは産卵する夏のあいだだけでも、アカウミガメの利用している砂浜の一定範囲を立入禁止にする。江ノ島や湘南海岸のように人の利用が多く長い砂浜でも、せいぜい四百〜五百メートルほど確保すれば、ウミガメはかならず産卵のためにここに集まってくると内田さんはいう。
二つめはウミガメ・タイムをつくる提案である。アカウミガメの上陸は日没後でそれも本州から九州の海岸なら六月下旬から八月までと考えて、午後八時から翌朝の六時までの時間、立入禁止区域をつくってほしい。アカウミガメと人の利用時間を明確に分ける提案である。それは人間と野生動物の共存をはっきりと示すことになるというのだ。
(高橋健『海の不思議を探る』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
洗濯物をベランダにほして乾かす。
関西のちいきの伝統文化に触れる。
高い場所での作業はとてもきけんだ。
下書きを丁寧に書き直し体さいを整えた。
科学技術のはってんが生活を豊かにする。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「二つ以上のものが同時に生存・存在すること」を表すことばを漢字二字で書きなさい。
動物と人間とがする。
Practiceの答え
- 答え
干して
- 答え
地域
- 答え
危険
- 答え
裁
- 答え
発展
- 答え
共存
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまる接続語としてもっとも適当なものを、次のア〜カから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
- ア だから
- イ ところで
- ウ また
- エ しかし
- オ それとも
- カ なぜなら
Lessonの答え
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまる接続語としてもっとも適当なものを、次のア〜カから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
- ア だから
- イ ところで
- ウ また
- エ しかし
- オ それとも
- カ なぜなら
Practiceの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「その一部」とありますが、何の一部を指していますか。「〜の一部。」につながることばを、文中から五字で書きぬきなさい。
の一部。
Lessonの答え
- 答え
海岸の砂浜〈の一部。〉
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「海岸を生活の場としている動物」と同じ意味をあらわしている部分を文中から十九字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
大昔から海辺をすみかとしている動物たち
23-3 説明文21
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
「なぜ勉強しなくちゃいけないの?」という疑問を、大人にぶつけてみようと思える時点で素晴らしい。
-
周りの大人の考えを受け入れたり、否定したりしながら、自分の基準を少しずつ作っていくことで、子どもはだんだんと大人になっていきます。だから、納得できないことがあったら何度でも大人に聞き直してほしい。問い詰めるくらいの気持ちでいい。そこで、納得できるまで説明しようとしてくれて、それでもわからなければ一緒に調べたり、考えたりしてくれる大人は、きっと頭のいい大人です。
-
逆に、面倒くさがって、「そういうものなの!」とか「いいから従>いなさい!」と言う大人は、あまり頭が良くないのかもしれません。そういう大人の言うことには、必ずしも従う必要はありません。自分はそういう大人にならないように気を付けましょう。①そのためにはやっぱり勉強しなければなりません。
-
勉強をすればするほど、周りの大人が本当に正しいことを言っているのか、間違ったことを言っているのか、自分で判断できるようになってきます。周りの大人の意見だけでは*心もとないと思ったときに、自分で必要な本を探して読むこともできるようになります。
-
そうやって自分で自分の基準を作り、自分で選べるようになることこそが、大人になるということです。そしてそれこそが自由になるということです。
-
たとえば電卓があれば、計算練習なんてしなくても正しい答えはわかるはず。それなのになぜ計算練習をしなければいけないのでしょうか。キミは疑問に感じるかもしれません。それもいい問いです。でもやっぱり、いきなり電卓に頼ってはダメなのです。
-
計算をするとき、人間の頭の中では、「1+1は2だから……」とか「3が5個あると、15になるから……」などと、算数のルールにのっとって、小さな理屈が積み上げられていきます。自分勝手なルールで計算をするわけにはいきません。これを大人は「論理的思考」と呼びます。「私がこう思うんだから、これが正しい!」という代わりに、誰にでもわかる理屈を積み重ねていって、わからなかったことを明らかにしていくための思考方法です。
-
論理的思考ができればみんながキミの話を納得してくれます。「自分の話がみんなにわかってもらえない」というときは、論理的思考が不十分なのかもしれません。
-
そして、計算練習をするということは、論理的思考の練習にほかならないのです。最初から電卓に頼っていたら、論理的思考は鍛えられません。それでは誰も自分の言うことをわかってくれません。そうなるとあなたは、自分の考えが正しいことを証明するために、常に電卓に頼ったり、自分よりも頭が良さそうな誰かに頼ったりするしかなくなります。自分の力では何もできない人になってしまうのです。
(田中優子『続 子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?』)
注
- 心もとない
- どこかたよりなくて不安である。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
習い事を続けるかいなかを相談をする。
おもちゃを箱にしゅうのうして片付けた。
じゅうじゅんでかしこい犬を飼っている。
さまざまなろんてんから問題と向き合う。
遠足の出発前にクラス全員のてんこをする。
Confirm Testの答え
- 答え
否
- 答え
収納
- 答え
従順
- 答え
論点
- 答え
点呼
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「そのため」はどんなことを指していますか。次のにあてはまることばを、文中から六字で書きぬきなさい。
になるため。
Confirm Testの答え
- 答え
頭のいい大人〈になるため。〉
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
「なぜ勉強しなくちゃいけないの?」という疑問を、大人にぶつけてみようと思える時点で素晴らしい。
-
周りの大人の考えを受け入れたり、Aひ定したりしながら、自分の基準を少しずつ作っていくことで、子どもはだんだんと大人になっていきます。だから、Bなっ得できないことがあったら何度でも大人に聞き直してほしい。問い詰めるくらいの気持ちでいい。そこで、なっ得できるまで説明しようとしてくれて、それでもわからなければ一緒に調べたり、考えたりしてくれる大人は、きっと頭のいい大人です。
-
逆に、面倒くさがって、「そういうものなの!」とか「いいからCしたがいなさい!」と言う大人は、あまり頭が良くないのかもしれません。そういう大人の言うことには、必ずしもしたがう必要はありません。自分はそういう大人にならないように気を付けましょう。そのためにはやっぱり勉強しなければなりません。
-
勉強をすればするほど、周りの大人が本当に正しいことを言っているのか、間違ったことを言っているのか、自分で判断できるようになってきます。周りの大人の意見だけでは*心もとないと思ったときに、自分で必要な本を探して読むこともできるようになります。
-
そうやって自分で自分の基準を作り、自分で選べるようになることこそが、大人になるということです。そしてそれこそが自由になるということです。
-
たとえば電卓があれば、計算練習なんてしなくても正しい答えはわかるはず。それなのになぜ計算練習をしなければいけないのでしょうか。キミは疑問に感じるかもしれません。それもいい問いです。でもやっぱり、いきなり電卓に頼ってはダメなのです。
-
計算をするとき、人間の頭の中では、「1+1は2だから……」とか「3が5個あると、15になるから……」などと、算数のルールにのっとって、小さな理屈が積み上げられていきます。自分勝手なルールで計算をするわけにはいきません。これを大人は「Dろん理的思考」とEよびます。「私がこう思うんだから、これが正しい!」という代わりに、誰にでもわかる理屈を積み重ねていって、わからなかったことを明らかにしていくための思考方法です。
-
ろん理的思考ができればみんながキミの話をなっ得してくれます。「自分の話がみんなにわかってもらえない」というときは、ろん理的思考が不十分なのかもしれません。
-
そして、計算練習をするということは、ろん理的思考の練習にほかならないのです。最初から電卓に頼っていたら、ろん理的思考は鍛えられません。それでは誰も自分の言うことをわかってくれません。そうなるとあなたは、自分の考えが正しいことを証明するために、常に電卓に頼ったり、自分よりも頭が良さそうな誰かに頼ったりするしかなくなります。①自分の力では何もできない人になってしまうのです。
(田中優子『続 子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?』)
注
- 心もとない
- どこかたよりなくて不安である。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 否 B 納 C 従 D 論 E 呼 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
「なぜ勉強しなくちゃいけないの?」という疑問を、大人にぶつけてみようと思える時点で素晴らしい。
-
周りの大人の考えを受け入れたり、否定したりしながら、自分の基準を少しずつ作っていくことで、子どもはだんだんと大人になっていきます。だから、納得できないことがあったら何度でも大人に聞き直してほしい。問い詰めるくらいの気持ちでいい。そこで、納得できるまで説明しようとしてくれて、それでもわからなければ一緒に調べたり、考えたりしてくれる大人は、きっと頭のいい大人です。
-
逆に、面倒くさがって、「そういうものなの!」とか「いいから従いなさい!」と言う大人は、あまり頭が良くないのかもしれません。そういう大人の言うことには、必ずしも従う必要はありません。自分はそういう大人にならないように気を付けましょう。そのためにはやっぱり勉強しなければなりません。
-
勉強をすればするほど、周りの大人が本当に正しいことを言っているのか、間違ったことを言っているのか、自分で判断できるようになってきます。周りの大人の意見だけでは*心もとないと思ったときに、自分で必要な本を探して読むこともできるようになります。
-
そうやって自分で自分の基準を作り、自分で選べるようになることこそが、大人になるということです。そしてそれこそが自由になるということです。
-
たとえば電卓があれば、計算練習なんてしなくても正しい答えはわかるはず。それなのになぜ計算練習をしなければいけないのでしょうか。キミは疑問に感じるかもしれません。それもいい問いです。でもやっぱり、いきなり電卓に頼ってはダメなのです。
-
計算をするとき、人間の頭の中では、「1+1は2だから……」とか「3が5個あると、15になるから……」などと、算数のルールにのっとって、小さな理屈が積み上げられていきます。自分勝手なルールで計算をするわけにはいきません。これを大人は「論理的思考」と呼びます。「私がこう思うんだから、これが正しい!」という代わりに、①誰にでもわかる理屈を積み重ねていって、わからなかったことを明らかにしていくための思考方法です。
-
論理的思考ができればみんながキミの話を納得してくれます。「自分の話がみんなにわかってもらえない」というときは、論理的思考が不十分なのかもしれません。
-
そして、計算練習をするということは、論理的思考の練習にほかならないのです。最初から電卓に頼っていたら、論理的思考は鍛えられません。それでは誰も自分の言うことをわかってくれません。そうなるとあなたは、自分の考えが正しいことを証明するために、常に電卓に頼ったり、自分よりも頭が良さそうな誰かに頼ったりするしかなくなります。自分の力では何もできない人になってしまうのです。
(田中優子『続 子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?』)
注
- 心もとない
- どこかたよりなくて不安である。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
この問題についてはひてい的な意見が多い。
先生の説明を聞いてなっとくした。
先生の助言にしたがって行動した。
ろんり的に考える力を身につける。
手を振って愛犬の名前をよんだ。
Practiceの答え
- 答え
否定
- 答え
納得
- 答え
従って
- 答え
論理
- 答え
呼んだ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「自分の力では何もできない人になってしまう」とありますが、どんな人が「自分の力では何もできない人になってしまう」と筆者は考えていますか。「〜人。」につながるように、文中から十一字で書きぬきなさい。
人。
Lessonの答え
- 答え
ろん理的思考が不十分な〈人。〉
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「誰にでもわかる理屈を積み重ねていって、わからなかったことを明らかにしていくための思考方法」はどんな言葉についての説明ですか。文中から五字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
論理的思考
24章 物語文
物語文の読み方
24-1 物語文19
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学五年生の「ぼく」のクラスでは、担任の古賀先生を中心にして、運動会の二人三脚リレーの練習に力を入れていた。
「ワンツ、ワンツ」
かけ声をかけながら、ひもでしばった足を交互に出す。ぼくも光太も足は速い方ではないけれど、ちょっと練習をしただけですぐにスピードがついた。リズムが合ったのだ。なにしろ、ぼくらはいちばんの友達同士だ。
ぼくらは放課後だけではなく、昼休みにも、欠かさず練習をした。そのかいあって、三日もすると、どこのペアにも負けないほどになった。
「ぼくら、強いよな」
「これならきっとスタートの組でいちばんとれるね」
身長順に並ぶと、クラスでいちばん前のぼくと、三番目の光太は第一走者ということになっていた。
「ぜってー、勝とうぜ」
「うん」
ぼくたちは、グータッチをしてちかいあった。
なのに、そのつぎの日のことだ。光太から、
「転校することになった」
と、きかされたのは。
学校へ行く途中だった。
「えっ?」
頭の中が白くなった。意味がわかった瞬間、目の奥からなみだがせりあがってきて、道路がゆれた。それをぼくは必死でこらえた。光太が歯をくいしばっていたからだ。ひとりで泣いたら恥ずかしい。ぼくの顔は真っ赤だったと思う。
あの日のことを思い出すと、鼻の奥がつんとした。まぎらわすために、ぼくはスコップを花だんの手前の地面に突きたてた。
ガツガツガツ。
「ワンツ、ワンツ」
グラウンドからきこえるかけ声が、大きくなっている。
かたい土をけずりながら、ちらっとグラウンドを見ると、谷川くんの姿が見えた。ペアの内藤くんとスタートの準備をしている。ぼくはすっと視線を落とした。
「光太のかわりを、真吾にたのもうと思うんだけど」
古賀先生がそう言ったのは、光太が転校したつぎの日だった。先生のとなりには、谷川真吾くんが立っていた。先生と身長があまり変わらない。
「スタートの順番がいちばんはなれているから、それがいいと思うんだ」
先生は大きな声で続けた。たしかに、谷川くんならぼくと走ったあとに、余裕を持って自分の番にそなえられる。だって、谷川くんは、クラスでいちばん背が高いから。しかも足の速さもクラスでいちばんだ。
「バランスが」
言いたい言葉が、出なかった。谷川くんの顔をそっと見てみた。きっとぼくと同じことを考えていたのだろう。①眉毛がさがっていた。
「心配するな。二人三脚はチームワークだ。練習すればなんとかなる」
「そうだよ、真吾。そっちがビリでもこっちが本番。おれらでばんかいすれば、クラスは勝つし」
先生のそばから、ひょっこり内藤くんが顔を出して、そんなことを言った。内藤くんは谷川くんと組む、クラスのアンカーだ。ぼくの胸はずんと重たくなった。
(まはら三桃『なみだの穴』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
クラスの発表会で、司会をたんとうすることになった。
桜なみきを歩くとはなびらが散ってくる。
全身を映し出せる大きな鏡をすがたみという。
しりょく検査を受けて、目の健康を確認する。
知らぬ間にはいごに友達が立っていた。
Confirm Testの答え
- 答え
担当
- 答え
並木
- 答え
姿見
- 答え
視力
- 答え
背後
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「眉毛がさがっていた」から読み取れる谷川くんの気持ちとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア いかり
- イ 不安
- ウ 悲しみ
- エ 期待
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学五年生の「ぼく」のクラスでは、Aたん任の古賀先生を中心にして、運動会の二人三脚リレーの練習に力を入れていた。
「ワンツ、ワンツ」
かけ声をかけながら、ひもでしばった足を交互に出す。ぼくも光太も足は速い方ではないけれど、ちょっと練習をしただけですぐにスピードがついた。リズムが合ったのだ。なにしろ、ぼくらはいちばんの友達同士だ。
ぼくらは放課後だけではなく、昼休みにも、欠かさず練習をした。そのかいあって、三日もすると、どこのペアにも負けないほどになった。
「ぼくら、強いよな」
「これならきっとスタートの組でいちばんとれるね」
身長順にBならぶと、クラスでいちばん前のぼくと、三番目の光太は第一走者ということになっていた。
「ぜってー、勝とうぜ」
「うん」
ぼくたちは、グータッチをしてちかいあった。
なのに、そのつぎの日のことだ。光太から、
「転校することになった」
と、きかされたのは。
学校へ行く途中だった。
「えっ?」
頭の中が白くなった。意味がわかった瞬間、目の奥からなみだがせりあがってきて、①道路がゆれた。それをぼくは必死でこらえた。光太が歯をくいしばっていたからだ。ひとりで泣いたら恥ずかしい。ぼくの顔は真っ赤だったと思う。
あの日のことを思い出すと、鼻の奥がつんとした。まぎらわすために、ぼくはスコップを花だんの手前の地面に突きたてた。
ガツガツガツ。
「ワンツ、ワンツ」
グラウンドからきこえるかけ声が、大きくなっている。
かたい土をけずりながら、ちらっとグラウンドを見ると、谷川くんのCすがたが見えた。ペアの内藤くんとスタートの準備をしている。ぼくはすっとDし線を落とした。
「光太のかわりを、真吾にたのもうと思うんだけど」
古賀先生がそう言ったのは、光太が転校したつぎの日だった。先生のとなりには、谷川真吾くんが立っていた。先生と身長があまり変わらない。
「スタートの順番がいちばんはなれているから、それがいいと思うんだ」
先生は大きな声で続けた。たしかに、谷川くんならぼくと走ったあとに、余裕を持って自分の番にそなえられる。だって、谷川くんは、クラスでいちばんEせが高いから。しかも足の速さもクラスでいちばんだ。
「バランスが」
言いたい言葉が、出なかった。谷川くんの顔をそっと見てみた。きっとぼくと同じことを考えていたのだろう。眉毛がさがっていた。
「心配するな。二人三脚はチームワークだ。練習すればなんとかなる」
「そうだよ、真吾。そっちがビリでもこっちが本番。おれらでばんかいすれば、クラスは勝つし」
先生のそばから、ひょっこり内藤くんが顔を出して、そんなことを言った。内藤くんは谷川くんと組む、クラスのアンカーだ。ぼくの胸はずんと重たくなった。
(まはら三桃『なみだの穴』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 担 B 並 C 姿 D 視 E 背 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学五年生の「ぼく」のクラスでは、担任の古賀先生を中心にして、運動会の二人三脚リレーの練習に力を入れていた。
「ワンツ、ワンツ」
かけ声をかけながら、ひもでしばった足を交互に出す。ぼくも光太も足は速い方ではないけれど、ちょっと練習をしただけですぐにスピードがついた。リズムが合ったのだ。なにしろ、ぼくらはいちばんの友達同士だ。
ぼくらは放課後だけではなく、昼休みにも、欠かさず練習をした。そのかいあって、三日もすると、どこのペアにも負けないほどになった。
「ぼくら、強いよな」
「これならきっとスタートの組でいちばんとれるね」
身長順に並ぶと、クラスでいちばん前のぼくと、三番目の光太は第一走者ということになっていた。
「ぜってー、勝とうぜ」
「うん」
ぼくたちは、グータッチをしてちかいあった。
なのに、そのつぎの日のことだ。光太から、
「転校することになった」
と、きかされたのは。
学校へ行く途中だった。
「えっ?」
頭の中が白くなった。意味がわかった瞬間、目の奥からなみだがせりあがってきて、道路がゆれた。それをぼくは必死でこらえた。光太が歯をくいしばっていたからだ。ひとりで泣いたら恥ずかしい。ぼくの顔は真っ赤だったと思う。
あの日のことを思い出すと、鼻の奥がつんとした。まぎらわすために、ぼくはスコップを花だんの手前の地面に突きたてた。
ガツガツガツ。
「ワンツ、ワンツ」
グラウンドからきこえるかけ声が、大きくなっている。
かたい土をけずりながら、ちらっとグラウンドを見ると、谷川くんの姿が見えた。ペアの内藤くんとスタートの準備をしている。ぼくはすっと視線を落とした。
「光太のかわりを、真吾にたのもうと思うんだけど」
古賀先生がそう言ったのは、光太が転校したつぎの日だった。先生のとなりには、谷川真吾くんが立っていた。先生と身長があまり変わらない。
「スタートの順番がいちばんはなれているから、それがいいと思うんだ」
先生は大きな声で続けた。たしかに、谷川くんならぼくと走ったあとに、余裕を持って自分の番にそなえられる。だって、谷川くんは、クラスでいちばん背が高いから。しかも足の速さもクラスでいちばんだ。
「バランスが」
言いたい言葉が、出なかった。谷川くんの顔をそっと見てみた。きっとぼくと同じことを考えていたのだろう。眉毛がさがっていた。
「①心配するな。二人三脚はチームワークだ。練習すればなんとかなる」
「②そうだよ、真吾。そっちがビリでもこっちが本番。おれらでばんかいすれば、クラスは勝つし」
先生のそばから、ひょっこり内藤くんが顔を出して、そんなことを言った。内藤くんは谷川くんと組む、クラスのアンカーだ。ぼくの胸はずんと重たくなった。
(まはら三桃『なみだの穴』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
新しい学年のたんにんの先生は厳しそうだ。
一列にならんで体育館へ移動する。
友達のすがたが見えたので名前を呼んだ。
先生が教室中の生徒のしせんを集める。
乗馬体験に参加して馬のせなかに乗った。
Practiceの答え
- 答え
担任
- 答え
並んで
- 答え
姿
- 答え
視線
- 答え
背中
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「道路がゆれた」とは、どんな状態を表現していますか。「目」ということばを使って十五字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
目になみだがたまっている状態。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「心配するな……なんとかなる」、線②「そうだよ……クラスは勝つし」とありますが、これらのことばを聞いた「ぼく」はどう思ったと考えられますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分と谷川くんのペアがビリになったとしても、他のペアにがんばってもらえばいいので、どうにかなりそうだ。
- イ 古賀先生の言うとおりで二人三脚はチームワークだから、谷川くんとペアを組んでもうまくいくにちがいない。
- ウ 谷川くんとペアを組むのは不安だし、内藤くんにも期待されていないことがわかって残念だ。
- エ 古賀先生も内藤くんも心配してくれてうれしいが、谷川くんとペアを組むなんて絶対に無理だ。
Practiceの答え
- 答え
ウ
24-2 物語文20
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
星野大地は、全校児童五人の小さな小学校に通っている。大地は学校で一人だけの小学四年生だったが、ある日、その小学校に猫田正夫という名前の四年生が転校してきた。
新しい転校生は頭がよすぎて気にいらないところもあったが、友達になろうと大地は決めた。お父さんが新しい仕事をしてしまうまでで、いついなくなってしまうかわからないにせよ、友達がいるだけ幸福だった。ネコタからも、友達になりたいという気持ちが大地に伝わってきた。
ネコタの家は、*星野牧場の前を通りすぎてなお十五分ぐらい歩いたところにある、牛乳工場の横にあった。学校から星野牧場まで歩いて三十分だから、四十五分はかかることになる。帰り道、大地と*みるくとはネコタといっしょになる。
大地は道ばたにあるフキの葉をとり、ちぎった茎のほうを空に向けて頭にかぶった。すぐにネコタもまねをした。
「東京にもフキはあるか。」
①ないだろうなと思いながらも、大地はたずねてみなければ気がすまない。
「そんなのないよ。」
「牧場に寄るか。猫がいっぱいいるぞ。ネズミをとるんだ。」
「いっていいかい。」
みょうにえんりょをするところが、大地には気にいらなかった。二人しかいない友達じゃないか。みるくは十メートルぐらいうしろをついてくる。いつもはみるくが先を歩く。それが今日から変わったことだ。
「いいに決まってるじゃないか。もしお母さんが心配するなら、うちから電話してもらうよ。」
「そんなことしなくていいよ。ママはいないんだから、パパと二人暮らしさ。パパは仕事だから、家に帰っても研究室からでてこないんだ。」
大地にはネコタがなんだか淋しそうに見えてくるのだった。(中略)
「それじゃぼくといっしょに牛の世話をしなよ。」
(中略)思いきって大地はいってみる。
「できるかなあ。」
教室ではあれほど自信にみなぎっていたネコタが、急に気弱そうにした。
「できるよ。ぼくが教えてあげるんだから。東京にも牛はいるんだろう。」
「いないよ。パパがよく牧場の話をしてくれるんだけど、実際にはいったことがないんだ。やらせてもらうかな。パパの仕事のこともよく理解したいし。」
やっぱり頭のいい子はいうことが違うなと大地は思うのだが、口にはださない。これで新しい転校生と友達になれることが決まったのだ。スキップを踏むようにして歩きながら振り返ると、みるくはやっぱり十メートルぐらいうしろをつまらなそうな顔をして歩いてくるのだった。
(立松和平『酪農家族』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 星野牧場
- 大地の両親が営んでいる牧場。
- みるく
- 大地の姉。小学六年生。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
牧場で牛のちちしぼり体験をする。
読み終えた本を図書館にきふした。
冬は日がくれるのが早く一日が短く感じる。
休み時間のさいに先生に質問をする。
先生が難しい問題のときかたを教えてくれた。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「みなぎる」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア みなぎるのも大変な仕事だ。
- イ 活気があふれ出してみなぎる都会。
- ウ データをみなぎることはできない。
- エ 明日はテストがあるのでみなぎるか心配。
Confirm Testの答え
- 答え
乳
- 答え
寄付
- 答え
暮れる
- 答え
際
- 答え
解
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ないだろうなと思いながらも、大地はたずねてみなければ気がすまない」とありますが、ここから大地のどんな気持ちがわかりますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア いろいろな質問をしてネコタを困らせたい。
- イ ネコタといろいろな話をしてみたい。
- ウ 東京よりこっちのほうがいい所だとじまんしたい。
- エ 東京はどんな所なのかを知りたくてたまらない。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
星野大地は、全校児童五人の小さな小学校に通っている。大地は学校で一人だけの小学四年生だったが、ある日、その小学校に猫田正夫という名前の四年生が転校してきた。
新しい転校生は頭がよすぎて気にいらないところもあったが、友達になろうと大地は決めた。お父さんが新しい仕事をしてしまうまでで、いついなくなってしまうかわからないにせよ、友達がいるだけ幸福だった。ネコタからも、友達になりたいという気持ちが大地に伝わってきた。
ネコタの家は、*星野牧場の前を通りすぎてなお十五分ぐらい歩いたところにある、牛Aにゅう工場の横にあった。学校から星野牧場まで歩いて三十分だから、四十五分はかかることになる。帰り道、大地と*みるくとはネコタといっしょになる。
大地は道ばたにあるフキの葉をとり、ちぎった茎のほうを空に向けて頭にかぶった。すぐにネコタもまねをした。
「東京にもフキはあるか。」
ないだろうなと思いながらも、大地はたずねてみなければ気がすまない。
「そんなのないよ。」
「牧場にBよるか。猫がいっぱいいるぞ。ネズミをとるんだ。」
「いっていいかい。」
みょうにえんりょをするところが、大地には気にいらなかった。二人しかいない友達じゃないか。みるくは十メートルぐらいうしろをついてくる。いつもはみるくが先を歩く。それが今日から変わったことだ。
「いいに決まってるじゃないか。もしお母さんが心配するなら、うちから電話してもらうよ。」
「そんなことしなくていいよ。ママはいないんだから、パパと二人Cぐらしさ。パパは仕事だから、家に帰っても研究室からでてこないんだ。」
大地にはネコタがなんだか淋しそうに見えてくるのだった。(中略)
「それじゃぼくといっしょに牛の世話をしなよ。」
(中略)思いきって大地はいってみる。
「できるかなあ。」
教室ではあれほど自信にみなぎっていたネコタが、急に気弱そうにした。
「できるよ。ぼくが教えてあげるんだから。東京にも牛はいるんだろう。」
「いないよ。パパがよく牧場の話をしてくれるんだけど、Dじっさいにはいったことがないんだ。やらせてもらうかな。パパの仕事のこともよくEりかいしたいし。」
やっぱり頭のいい子はいうことが違うなと大地は思うのだが、口にはださない。①これで新しい転校生と友達になれることが決まったのだ。スキップを踏むようにして歩きながら振り返ると、みるくはやっぱり十メートルぐらいうしろをつまらなそうな顔をして歩いてくるのだった。
(立松和平『酪農家族』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 星野牧場
- 大地の両親が営んでいる牧場。
- みるく
- 大地の姉。小学六年生。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「みなぎって」について、「みなぎる」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア みんなでどこかに遊びにいくこと。
- イ イベントなどで力を発揮すること。
- ウ 人を笑わせるのが得意なこと。
- エ 力や感情などがあふれるばかりにいっぱいになること。
Lessonの答え
- 答え
A 乳 B 寄 C 暮 D 実際 E 理解 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
星野大地は、全校児童五人の小さな小学校に通っている。大地は学校で一人だけの小学四年生だったが、ある日、その小学校に猫田正夫という名前の四年生が転校してきた。
新しい転校生は頭がよすぎて気にいらないところもあったが、友達になろうと大地は決めた。お父さんが新しい仕事をしてしまうまでで、いついなくなってしまうかわからないにせよ、友達がいるだけ幸福だった。ネコタからも、友達になりたいという気持ちが大地に伝わってきた。
ネコタの家は、*星野牧場の前を通りすぎてなお十五分ぐらい歩いたところにある、牛乳工場の横にあった。学校から星野牧場まで歩いて三十分だから、四十五分はかかることになる。帰り道、大地と*みるくとはネコタといっしょになる。
①大地は道ばたにあるフキの葉をとり、ちぎった茎のほうを空に向けて頭にかぶった。すぐにネコタもまねをした。
「東京にもフキはあるか。」
ないだろうなと思いながらも、大地はたずねてみなければ気がすまない。
「そんなのないよ。」
「牧場に寄るか。猫がいっぱいいるぞ。ネズミをとるんだ。」
「いっていいかい。」
みょうにえんりょをするところが、大地には気にいらなかった。二人しかいない友達じゃないか。みるくは十メートルぐらいうしろをついてくる。いつもはみるくが先を歩く。それが今日から変わったことだ。
「いいに決まってるじゃないか。もしお母さんが心配するなら、うちから電話してもらうよ。」
「そんなことしなくていいよ。ママはいないんだから、パパと二人暮らしさ。パパは仕事だから、家に帰っても研究室からでてこないんだ。」
大地にはネコタがなんだか淋しそうに見えてくるのだった。(中略)
「それじゃぼくといっしょに牛の世話をしなよ。」
(中略)思いきって大地はいってみる。
「できるかなあ。」
教室ではあれほど自信にみなぎっていたネコタが、急に気弱そうにした。
「できるよ。ぼくが教えてあげるんだから。東京にも牛はいるんだろう。」
「いないよ。パパがよく牧場の話をしてくれるんだけど、実際にはいったことがないんだ。やらせてもらうかな。パパの仕事のこともよく理解したいし。」
やっぱり頭のいい子はいうことが違うなと大地は思うのだが、口にはださない。これで新しい転校生と友達になれることが決まったのだ。スキップを踏むようにして歩きながら振り返ると、みるくはやっぱり十メートルぐらいうしろをつまらなそうな顔をして歩いてくるのだった。
(立松和平『酪農家族』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
- 星野牧場
- 大地の両親が営んでいる牧場。
- みるく
- 大地の姉。小学六年生。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
朝ごはんにはぎゅうにゅうとパンを食べます。
空が暗くなる前により道をせずに帰宅する。
祖父と祖母はふたりぐらしをしている。
緊張したが、じっさいは思ったより簡単だった。
予習をして授業を受けるとりかいがしやすくなる。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「力や感情などがあふれるばかりにいっぱいになる。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
みんなに応援してもらってどんどん力が 。
Practiceの答え
- 答え
牛乳
- 答え
寄り
- 答え
暮らし
- 答え
実際
- 答え
理解
- 答え
みなぎる
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「これで新しい転校生と友達になれることが決まったのだ」について、「これで」とありますが、大地はどうすることでネコタと「友達になれる」と考えたのですか。十五字以内で書きなさい。
線①「これで新しい転校生と友達になれることが決まったのだ」について、このとき大地はどんな気持ちだったと思われますか。十五字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
いっしょに牛の世話をすること。
- 答え
友達ができてうれしい気持ち。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「大地は道ばたにあるフキの葉をとり、ちぎった茎のほうを空に向けて頭にかぶった。すぐにネコタもまねをした」とありますが、ネコタのこの行動から、大地に対するどのような気持ちがわかりますか。文中から七字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
友達になりたい
24-3 物語文21
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ビーマン、グッチ、プーの小学六年生男子三人と女子のワンコは、アニマルズというグループを作った。四人だけでの旅行中に出会ったヘレンさんに富士山に連れていってもらい、ヘレンさんのマンションに帰ってきた。
窓の前に仏壇があり、そこに額入りの写真が置かれているのが見えた。ずいぶん大きめの額だったので、遠目にも写真の画像が確認できた。
ワンコもビーマンも、①思わず固唾をのんだ。やがて、その写真に引かれるように、足が動いた。床を踏みしめ、無意識のうちに隣室へと入っていった。
仏壇に飾られていたのは、ヘレンさんと小さな女の子が写った額だった。「入学式」と書かれた大きな看板の横に立ち、二人並んで、まぶしそうにほほ笑んでいる。
ヘレンさんは真珠のネックレスを、女の子は胸にピンクのカーネーションを、それぞれ飾っていた。春の光に包まれた、幸せそうな親子の写真だった。
それを目にして、ワンコにはさまざまなことが、一瞬にして理解できた。なぜヘレンさんが、アニマルズの中でとくに自分を気づかってくれたのか。肉野菜炒めを一緒に調理したとき、なぜあのような言葉を強く、自分にかけてくれたのかを。
ワンコはその場に両ひざをついた。そして顔を手でおおい、嗚咽をもらした。
ビーマンがすぐ横にしゃがみこんで、ワンコの背中をさすった。グッチも二人の後ろから、食い入るようなまなざしを仏壇に向けていた。
「買ってきたよ!」
プーとヘレンさんは、玄関で靴を脱ぐと、三人のほうに大きな箱をかざした。
ビーマンたちは、すでにきちんとテーブルの前にすわっていた。が、表情が硬い。
とくにワンコの目もとは赤くはれ、直前まで泣いていたことが一目瞭然だった。
ヘレンさんは数秒間、テーブルの前で立ちつくし、だまって三人の様子を見つめた。
夏から冬へ、季節が一変したかのように、室内の空気感が変わった。
最初に口を開いたのは、ビーマンだった。
「自分たち、偶然ですが、仏壇の写真を見てしまいました。すみません」
そう言って頭を下げた。ワンコとグッチもそれにならった。
プーには、なんのことかわからず、ケーキの箱を持ったまま固まってしまった。
その箱を受け取ってテーブルに置き、ヘレンさんはワンコの横にすわった。
「いいのよ。気にしないで。どうせ五分か十分後に、わたしから言うつもりだったんだから。ちょっと早いか遅いかのちがいよ」
「ほんとうですか?」とビーマンが言った。
「ほんとうよ。ケーキを切ったら、お仏壇にもあげようと思っていた。あなたのお友だちみたいな子が来たよ。みんなで富士山に登ってきたよって、報告かたがたね」
穏やかな表情はくずさず、静かな声でヘレンさんは語った。
あの写真の子は、生まれたときから難病を患っており、寿命は三年程度と医師から言われていたこと。それが、なんとか六歳まで生きながらえ、小学校の入学式に参加できたこと。その翌月に亡くなったので、あの写真が遺影のようになったこと。
「時間が経つのは早いものね。あれからもう、五年になる 」
(本田有明『ここではない、どこか遠くへ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
まどべのイスに座ってうたた寝をする。
風邪をひいたとき親がかんびょうをしてくれた。
先生の助言を得てむずかしい課題に向き合う。
戦争から逃れるためにぼうめいする人がいる。
祖父が生前にのこした言葉を思い出す。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「嗚咽」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 犬や猫と一緒に嗚咽した。
- イ 明日で小学校を卒業するので嗚咽になる。
- ウ 嗚咽して笑ったので頭が痛い。
- エ 愛犬の死を目の当たりにして悲しみのあまり嗚咽した。
Confirm Testの答え
- 答え
窓辺
- 答え
看病
- 答え
難しい
- 答え
亡命
- 答え
遺した
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「思わず固唾をのんだ」とありますが、このときの心情としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 感謝ととまどい。
- イ なつかしさと喜び。
- ウ 不安とあせり。
- エ おどろきときんちょう。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ビーマン、グッチ、プーの小学六年生男子三人と女子のワンコは、アニマルズというグループを作った。四人だけでの旅行中に出会ったヘレンさんに富士山に連れていってもらい、ヘレンさんのマンションに帰ってきた。
Aまどの前に仏壇があり、そこに額入りの写真が置かれているのが見えた。ずいぶん大きめの額だったので、遠目にも写真の画像が確認できた。
ワンコもビーマンも、思わず固唾をのんだ。やがて、その写真に引かれるように、足が動いた。床を踏みしめ、無意識のうちに隣室へと入っていった。
仏壇に飾られていたのは、ヘレンさんと小さな女の子が写った額だった。「入学式」と書かれた大きなBかん板の横に立ち、二人並んで、まぶしそうにほほ笑んでいる。
ヘレンさんは真珠のネックレスを、女の子は胸にピンクのカーネーションを、それぞれ飾っていた。春の光に包まれた、幸せそうな親子の写真だった。
それを目にして、ワンコにはさまざまなことが、一瞬にして理解できた。なぜ①ヘレンさんが、アニマルズの中でとくに自分を気づかってくれたのか。肉野菜炒めを一緒に調理したとき、なぜあのような言葉を強く、自分にかけてくれたのかを。
ワンコはその場に両ひざをついた。そして顔を手でおおい、嗚咽をもらした。
ビーマンがすぐ横にしゃがみこんで、ワンコの背中をさすった。グッチも二人の後ろから、食い入るようなまなざしを仏壇に向けていた。
「買ってきたよ!」
プーとヘレンさんは、玄関で靴を脱ぐと、三人のほうに大きな箱をかざした。
ビーマンたちは、すでにきちんとテーブルの前にすわっていた。が、表情が硬い。
とくにワンコの目もとは赤くはれ、直前まで泣いていたことが一目瞭然だった。
ヘレンさんは数秒間、テーブルの前で立ちつくし、だまって三人の様子を見つめた。
夏から冬へ、季節が一変したかのように、室内の空気感が変わった。
最初に口を開いたのは、ビーマンだった。
「自分たち、偶然ですが、仏壇の写真を見てしまいました。すみません」
そう言って頭を下げた。ワンコとグッチもそれにならった。
プーには、なんのことかわからず、ケーキの箱を持ったまま固まってしまった。
その箱を受け取ってテーブルに置き、ヘレンさんはワンコの横にすわった。
「いいのよ。気にしないで。どうせ五分か十分後に、わたしから言うつもりだったんだから。ちょっと早いか遅いかのちがいよ」
「ほんとうですか?」とビーマンが言った。
「ほんとうよ。ケーキを切ったら、お仏壇にもあげようと思っていた。あなたのお友だちみたいな子が来たよ。みんなで富士山に登ってきたよって、報告かたがたね」
穏やかな表情はくずさず、静かな声でヘレンさんは語った。
あの写真の子は、生まれたときからCなん病を患っており、寿命は三年程度と医師から言われていたこと。それが、なんとか六歳まで生きながらえ、小学校の入学式に参加できたこと。その翌月にDなくなったので、あの写真がEい影のようになったこと。
「時間が経つのは早いものね。あれからもう、五年になる 」
(本田有明『ここではない、どこか遠くへ』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「嗚咽」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 声をつまらせて泣くこと。むせび泣き。
- イ 犬や猫が鳴くこと。
- ウ 悲しいことを思いだして泣くこと。
- エ 人目を気にしないで大声で泣くこと。
Lessonの答え
- 答え
A 窓 B 看 C 難 D 亡 E 遺 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ビーマン、グッチ、プーの小学六年生男子三人と女子のワンコは、アニマルズというグループを作った。四人だけでの旅行中に出会ったヘレンさんに富士山に連れていってもらい、ヘレンさんのマンションに帰ってきた。
窓の前に仏壇があり、そこに額入りの写真が置かれているのが見えた。ずいぶん大きめの額だったので、遠目にも写真の画像が確認できた。
ワンコもビーマンも、思わず固唾をのんだ。やがて、その写真に引かれるように、足が動いた。床を踏みしめ、無意識のうちに隣室へと入っていった。
仏壇に飾られていたのは、ヘレンさんと小さな女の子が写った額だった。「入学式」と書かれた大きな看板の横に立ち、二人並んで、まぶしそうにほほ笑んでいる。
ヘレンさんは真珠のネックレスを、女の子は胸にピンクのカーネーションを、それぞれ飾っていた。春の光に包まれた、幸せそうな親子の写真だった。
それを目にして、ワンコにはさまざまなことが、一瞬にして理解できた。なぜヘレンさんが、アニマルズの中でとくに自分を気づかってくれたのか。肉野菜炒めを一緒に調理したとき、なぜあのような言葉を強く、自分にかけてくれたのかを。
ワンコはその場に両ひざをついた。そして顔を手でおおい、嗚咽をもらした。
ビーマンがすぐ横にしゃがみこんで、ワンコの背中をさすった。グッチも二人の後ろから、食い入るようなまなざしを仏壇に向けていた。
「買ってきたよ!」
プーとヘレンさんは、玄関で靴を脱ぐと、三人のほうに大きな箱をかざした。
ビーマンたちは、すでにきちんとテーブルの前にすわっていた。が、表情が硬い。
とくにワンコの目もとは赤くはれ、 が一目瞭然だった。
ヘレンさんは数秒間、テーブルの前で立ちつくし、だまって三人の様子を見つめた。
夏から冬へ、季節が一変したかのように、室内の空気感が変わった。
最初に口を開いたのは、ビーマンだった。
「自分たち、偶然ですが、仏壇の写真を見てしまいました。すみません」
そう言って頭を下げた。ワンコとグッチもそれにならった。
プーには、なんのことかわからず、ケーキの箱を持ったまま固まってしまった。
その箱を受け取ってテーブルに置き、ヘレンさんはワンコの横にすわった。
「いいのよ。気にしないで。どうせ五分か十分後に、わたしから言うつもりだったんだから。ちょっと早いか遅いかのちがいよ」
「ほんとうですか?」とビーマンが言った。
「ほんとうよ。ケーキを切ったら、お仏壇にもあげようと思っていた。あなたのお友だちみたいな子が来たよ。みんなで富士山に登ってきたよって、報告かたがたね」
穏やかな表情はくずさず、静かな声でヘレンさんは語った。
あの写真の子は、生まれたときから難病を患っており、寿命は三年程度と医師から言われていたこと。それが、なんとか六歳まで生きながらえ、小学校の入学式に参加できたこと。その翌月に亡くなったので、あの写真が遺影のようになったこと。
「時間が経つのは早いものね。あれからもう、五年になる 」
(本田有明『ここではない、どこか遠くへ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
旅館の部屋のまどから見える景色を味わう。
お店のかんばんにメニューが書かれている。
これからなんびょうを治す医者を目指す。
ペットがなくなるのはとても悲しいことだ。
現代はいでんしについての研究が進んできた。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「声をつまらせて泣くこと。むせび泣き。」を表すことばをひらがな三字で書きなさい。
遺体にすがってする。
Practiceの答え
- 答え
窓
- 答え
看板
- 答え
難病
- 答え
亡
- 答え
遺伝子
- 答え
おえつ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ヘレンさんが、アニマルズの中でとくに自分を気づかってくれた」とありますが、その理由としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ワンコを、知っている子どもだとかんちがいしていたから。
- イ ワンコに、なくなったむすめを重ね合わせてみていたから。
- ウ ワンコを、自分のむすめにしたいと考えていたから。
- エ ワンコに、むすめのことを教えてもらうつもりだったから。
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ひどく興奮していること
- イ 待ちくたびれていること
- ウ とても機嫌が悪いこと
- エ 直前まで泣いていたこと
Practiceの答え
- 答え
エ
25章 説明文
説明文の読み方
25-1 説明文22
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
『学校の怪談』という本が隠れた*ベストセラーと言っていいほど、よく売れているそうである。どこかの教室に幽霊がいた、というようなよくある話が書かれているようだが、これが意外と子どもたちに人気があり、驚くほどの売れゆきを示していると言う。
ある幼稚園の先生に次のよう相談をされたことがある。子どもたちが話をしてくれ、とよくせがむので、昔話など自分が覚えている話をしてやると、子どもたちは非常に喜ぶ。テレビのアニメなどで、もっと面白い話を見ていると思うのだが、先生の話を予想外に喜んで聴く。そして、そのなかで魔女が出てきたりするところなど、こわいところがあると、「こわい」と叫んで耳を手でふさいだり、隣の子どもにしがみついたりしている。これはよくなかったかな、と思っていると、子どもたちが、「先生、あのこわい話をして」とせがむのである。
先生が疑問に思われるのは、「どうして、子どもは『こわい、こわい』と騒ぎながら、何度も聴きたがるのでしょう」ということである。そして、そもそも子どもにそれほどこわい話をしてもいいものだろうか、ということである。子どもたちは何度も同じ話を聞いて、こわいところはもうすでに知っている。そして、それを心待ちしているようにさえ見えるが、①そこに話が来ると、「キャー」と叫んだりする。何とも不思議な現象だ、と先生は*いぶかしがられるのである。
人間にはいろいろな感情がある。喜怒哀楽などというが、それはもっと細かく分けられる。その感情を体験し、自分がそのような感情のなかにいるということを意識するのは、六歳くらいまでの子どもでも可能であり、それを体験することは子どもの情緒の発達にとって非常に大切なことである。
ただ、悲しみや怒りなどの感情があまりに強いときは、子どもがそれに耐えられず、情緒の発達というより、むしろ破壊的な結果になってしまう。その上、親としては、子どもに悲しみや恐怖などはなるべく味わわせたくない気持ちがあるので、そのような体験をさせないようにする。 、このあたりが難しいところで、子どもが十分に育ってゆくためには、そのような否定的な感情を体験することも必要なのである。
子どもの心が自然に流れる限り、「こわい」感情体験もしたくなるのは当然である。そのようなマイナスの感情を体験してこそ感情が豊かになってゆくのだ。しかし、マイナスの感情が強くなりすぎると危険性が高くなる。そこで、子どもたちの信頼する大人にこわい話をしてもらうことは、人間関係によって安全感を確保しながら、「こわい」体験ができる――ときにはそれを楽しめる――というわけで、これは子どもにとって非常に好都合な状況なのである。従って、子どもは自分の好きな大人にこわい話をせがむことになる。
(河合隼雄『おはなし おはなし』)
注
| ベストセラー | ある期間中に最も多く売れた本。 |
| いぶかしがられる | 「いぶかしい」は、どこか変なところがあって、疑わしいという意味。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
よう稚園児が横断歩道をわたる。
ぎもんを抱いたらすぐに調べる。
なんいどが高い問題が解けると嬉しい。
きけんせいのある行動はさける。
警察犬はじゅうじゅんでよく訓練されている。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「情緒」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 情緒があるなら頑張れる。
- イ テストの前の日は情緒が不安定になる。
- ウ 情緒的に考えてやめた方がいいと思うよ。
- エ テレビがおもしろかったので情緒に見ていた。
Confirm Testの答え
- 答え
幼
- 答え
疑問
- 答え
難易度
- 答え
危険性
- 答え
従順
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまる接続語としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア つまり
- イ なぜなら
- ウ しかし
- エ たとえば
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「そこ」とはどこを指していますか。文中から六字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
こわいところ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
『学校の怪談』という本が隠れた*ベストセラーと言っていいほど、よく売れているそうである。どこかの教室に幽霊がいた、というようなよくある話が書かれているようだが、これが意外と子どもたちに人気があり、驚くほどの売れゆきを示していると言う。
あるAよう稚園の先生に次のような相談をされたことがある。子どもたちが話をしてくれ、とよくせがむので、昔話など自分が覚えている話をしてやると、子どもたちは非常に喜ぶ。テレビのアニメなどで、もっと面白い話を見ていると思うのだが、先生の話を予想外に喜んで聴く。そして、そのなかで魔女が出てきたりするところなど、こわいところがあると、「こわい」と叫んで耳を手でふさいだり、隣の子どもにしがみついたりしている。これはよくなかったかな、と思っていると、子どもたちが、「先生、あのこわい話をして」とせがむのである。
先生がBぎ問に思われるのは、「どうして、子どもは『こわい、こわい』と騒ぎながら、何度も聴きたがるのでしょう」ということである。そして、そもそも子どもにそれほどこわい話をしてもいいものだろうか、ということである。子どもたちは何度も同じ話を聞いて、こわいところはもうすでに知っている。そして、それを心待ちしているようにさえ見えるが、そこに話が来ると、「キャー」と叫んだりする。何とも不思議な現象だ、と先生は*いぶかしがられるのである。
人間にはいろいろな感情がある。喜怒哀楽などというが、それはもっと細かく分けられる。その感情を体験し、自分がそのような感情のなかにいるということを意識するのは、六歳くらいまでの子どもでも可能であり、それを体験することは子どもの情緒の発達にとって非常に大切なことである。
ただ、悲しみや怒りなどの感情があまりに強いときは、子どもがそれに耐えられず、情緒の発達というより、むしろ破壊的な結果になってしまう。その上、親としては、子どもに悲しみや恐怖などはなるべく味わわせたくない気持ちがあるので、そのような体験をさせないようにする。しかし、このあたりがCむずかしいところで、子どもが十分に育ってゆくためには、そのような①否定的な感情を体験することも必要なのである。
子どもの心が自然に流れる限り、「こわい」感情体験もしたくなるのは当然である。そのようなマイナスの感情を体験してこそ感情が豊かになってゆくのだ。しかし、マイナスの感情が強くなりすぎるとDき険性が高くなる。 、子どもたちの信頼する大人にこわい話をしてもらうことは、人間関係によって安全感を確保しながら、「こわい」体験ができる――ときにはそれを楽しめる――というわけで、これは子どもにとって非常に好都合な状況なのである。Eしたがって、子どもは自分の好きな大人にこわい話をせがむことになる。
(河合隼雄『おはなし おはなし』)
注
| ベストセラー | ある期間中に最も多く売れた本。 |
| いぶかしがられる | 「いぶかしい」は、どこか変なところがあって、疑わしいという意味。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「情緒」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 感動的な映画を見て、心が動かされること。
- イ 退屈で何もしたくない様子。
- ウ お腹が空いて元気が出ない様子。
- エ できごとに触れて起こるさまざまな微妙な感情。
Lessonの答え
- 答え
A 幼 B 疑 C 難 D 危 E 従 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
『学校の怪談』という本が隠れた*ベストセラーと言っていいほど、よく売れているそうである。どこかの教室に幽霊がいた、というようなよくある話が書かれているようだが、これが意外と子どもたちに人気があり、驚くほどの売れゆきを示していると言う。
ある幼稚園の先生に次のような相談をされたことがある。子どもたちが話をしてくれ、とよくせがむので、昔話など自分が覚えている話をしてやると、子どもたちは非常に喜ぶ。テレビのアニメなどで、もっと面白い話を見ていると思うのだが、先生の話を予想外に喜んで聴く。そして、そのなかで魔女が出てきたりするところなど、こわいところがあると、「こわい」と叫んで耳を手でふさいだり、隣の子どもにしがみついたりしている。これはよくなかったかな、と思っていると、子どもたちが、「先生、あのこわい話をして」とせがむのである。
先生が疑問に思われるのは、「どうして、子どもは『こわい、こわい』と騒ぎながら、何度も聴きたがるのでしょう」ということである。そして、そもそも子どもにそれほどこわい話をしてもいいものだろうか、ということである。子どもたちは何度も同じ話を聞いて、こわいところはもうすでに知っている。 、それを心待ちしているようにさえ見えるが、そこに話が来ると、「キャー」と叫んだりする。何とも不思議な現象だ、と先生は*いぶかしがられるのである。
人間にはいろいろな感情がある。喜怒哀楽などというが、それはもっと細かく分けられる。その感情を体験し、自分がそのような感情のなかにいるということを意識するのは、六歳くらいまでの子どもでも可能であり、それを体験することは①子どもの情緒の発達にとって非常に大切なことである。
ただ、悲しみや怒りなどの感情があまりに強いときは、子どもがそれに耐えられず、情緒の発達というより、むしろ破壊的な結果になってしまう。その上、親としては、子どもに悲しみや恐怖などはなるべく味わわせたくない気持ちがあるので、そのような体験をさせないようにする。しかし、このあたりが難しいところで、子どもが十分に育ってゆくためには、そのような否定的な感情を体験することも必要なのである。
子どもの心が自然に流れる限り、「こわい」感情体験もしたくなるのは当然である。そのようなマイナスの感情を体験してこそ感情が豊かになってゆくのだ。しかし、マイナスの感情が強くなりすぎると危険性が高くなる。そこで、子どもたちの信頼する大人にこわい話をしてもらうことは、人間関係によって安全感を確保しながら、「こわい」体験ができる――ときにはそれを楽しめる――というわけで、これは子どもにとって非常に好都合な状況なのである。従って、子どもは自分の好きな大人にこわい話をせがむことになる。
(河合隼雄『おはなし おはなし』)
注
| ベストセラー | ある期間中に最も多く売れた本。 |
| いぶかしがられる | 「いぶかしい」は、どこか変なところがあって、疑わしいという意味。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
常に規則にしたがって作業をする。
むずかしい応用問題に挑戦する。
野生生物にきがいを加えられる恐れがある。
ようじ教育の重要性が注目される。
情報が多すぎて、ぎ心暗鬼になる。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「できごとに触れて起こるさまざまな微妙な感情。」を表すことばをひらがな五字で書きなさい。
私はいつもが安定しているとほめられる。
Practiceの答え
- 答え
従っ
- 答え
難しい
- 答え
危害
- 答え
幼児
- 答え
疑
- 答え
じょうちょ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまる接続語としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア そこで
- イ なぜなら
- ウ しかし
- エ たとえば
Lessonの答え
- 答え
ア
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまる接続語としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア つまり
- イ そして
- ウ しかし
- エ たとえば
Practiceの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「否定的な感情」とありますが、具体的にはどのような感情ですか。次のにあてはまることばを、文中から書きぬきなさい。(完答)
やや、などの感情。
Lessonの答え
- 答え
悲しみ・怒り・恐怖(「怒り」と「恐怖」は逆でもよい)
(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「子どもの情緒の発達」とあるが、子どもの情緒が発達するとはどういうことかを説明した次の文の にあてはまることばを、文中から十一字で書きぬきなさい。
子どもの こと。
Practiceの答え
- 答え
感情が豊かになってゆく
25-2 説明文23
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
タンチョウもコウノトリも、体が白と黒のツートンカラーです。タンチョウの頭が、皮膚がむきだしになっていて赤い以外、外見はそっくりなので、まちがえるのもしかたないかもしれませんね。
豊岡市がある兵庫県北部の但馬地方は、コウノトリが多く生息しているところとして、江戸時代から広く知られていました。おどろくことに、①コウノトリの本家ともいえる但馬地方でも、一九五〇年代のなかばごろまでは「ツル」と呼んでいたのです。
福井県の若狭地方ではそのむかし、コウノトリを「チョウセンヅル」と呼んでいました。
このようにコウノトリには、多くの土地で、「ツル」と呼ばれてきた歴史があります。日本のあちらこちらに「鶴」のつく地名がありますが、それらがすべて、タンチョウを意味するものではありません。あんがい、コウノトリにちなんだ土地も多いのです。
しかし、そんなそっくりなタンチョウとコウノトリにも、鳴き声という決定的なちがいがあります。
タンチョウは「トゥルルー、トゥルルー」と鳴きます。
じゃあ、コウノトリは、どんな鳴き声なのでしょうか?
じつは、コウノトリは鳥の中でもひじょうにめずらしく、鳴かない鳥なのです。コウノトリの仲間はひなの一時期をのぞいて、まったく鳴くことができません。
けれども鳴けないと、「ここは、ぼくのなわばりだ」とか、「わたしはあなたのことが好きよ」とか、仲間同士のコミュニケーションがとれなくて困ります。そこで、かれらが身につけたコミュニケーション手段が、クラッタリングです。
クラッタリングとは、上下のくちばしをカスタネットのようにカタカタカタ……とはげしく打ち鳴らして音を出し、自分の意思を相手に伝えることです。コウノトリは、あいさつ、求愛、威嚇など、すべてをこのクラッタリングで表現します。
みなさんも、むかしばなしの「ツルのおんがえし」を知っているでしょう。わなにかかっているところを助けられたツルが女の人に姿をかえ、嫁に来て、自分の羽根で織物を織っておんがえしするという、あの有名なお話です。
はたして、わなにかかったのはほんとうにツルだったのでしょうか? よく考えてみてください。
ツルは雑食で、人のいない湿地にすんでいます。いっぽう、肉食のコウノトリにとっては、水田は願ってもない「人工の狩り場」。田んぼにさえ行けば、ドジョウ、フナ、カエルなど、大好物のえさがうらしていました。
すると、田んぼや畑を荒らす動物をつかまえるわなにかかったのは、ツルではなく、ほんとうは田んぼにいたコウノトリだったのではないでしょうか。
カッタン、コットン。ツルがはたを織って、おんがえしをするのでしたね。カッタン、コットンって、コウノトリがくちばしをカタカタカタ……と鳴らす、クラッタリングの音から想像したと考えられませんか。
「ツルのおんがえし」は、ほんとうは「コウノトリのおんがえし」じゃなかったのかな? そのほうが、はるかにつじつまが合うように思えてなりませんが……。
みなさんは、どう思いますか?
(キム・ファン『きみの町にコウノトリがやってくる』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
遠くから手を振って友達をよぶ。
友人がうつむいてこまった顔をした。
目的達成のためのしゅだんを考える。
試合に向かう選手のゆうしを見守る。
心地良くくらすための工夫をする。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「一時期」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 私たちは一時期、一緒に住んでいた。
- イ 私の友達は一時期に多い。
- ウ 暑い日は外に出るのが大変なので一時期にやめる。
- エ テレビを見ながら一時期に取り組む。
Confirm Testの答え
- 答え
呼ぶ
- 答え
困った
- 答え
手段
- 答え
勇姿
- 答え
暮らす
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「コウノトリの本家ともいえる……『ツル』と呼んでいた」とありますが、ここからどんなことがわかりますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア コウノトリとツルは外見がそっくりであること。
- イ コウノトリとツルは同じところにすんでいること。
- ウ コウノトリをツルと呼ぶ地方がとても多いこと。
- エ コウノトリはツルの仲間であること。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
タンチョウもコウノトリも、体が白と黒のツートンカラーです。タンチョウの頭が、皮膚がむきだしになっていて赤い以外、外見はそっくりなので、まちがえるのもしかたないかもしれませんね。
豊岡市がある兵庫県北部の但馬地方は、コウノトリが多く生息しているところとして、江戸時代から広く知られていました。おどろくことに、コウノトリの本家ともいえる但馬地方でも、一九五〇年代のなかばごろまでは「ツル」とAよんでいたのです。
福井県の若狭地方ではそのむかし、コウノトリを「チョウセンヅル」とよんでいました。
このようにコウノトリには、多くの土地で、「ツル」とよばれてきた歴史があります。日本のあちらこちらに「鶴」のつく地名がありますが、それらがすべて、タンチョウを意味するものではありません。あんがい、コウノトリにちなんだ土地も多いのです。
しかし、そんなそっくりなタンチョウとコウノトリにも、鳴き声という決定的なちがいがあります。
タンチョウは「トゥルルー、トゥルルー」と鳴きます。
じゃあ、コウノトリは、どんな鳴き声なのでしょうか?
じつは、コウノトリは鳥の中でもひじょうにめずらしく、鳴かない鳥なのです。コウノトリの仲間はひなの一時期をのぞいて、まったく鳴くことができません。
けれども鳴けないと、「ここは、ぼくのなわばりだ」とか、「わたしはあなたのことが好きよ」とか、仲間同士のコミュニケーションがとれなくてBこまります。そこで、かれらが身につけたコミュニケーション手Cだんが、クラッタリングです。
クラッタリングとは、上下のくちばしをカスタネットのようにカタカタカタ……とはげしく打ち鳴らして音を出し、自分の意思を相手に伝えることです。コウノトリは、あいさつ、求愛、威嚇など、すべてをこのクラッタリングで表現します。
みなさんも、むかしばなしの「ツルのおんがえし」を知っているでしょう。わなにかかっているところを助けられたツルが女の人にDすがたをかえ、嫁に来て、自分の羽根で織物を織っておんがえしするという、あの有名なお話です。
はたして、わなにかかったのはほんとうにツルだったのでしょうか? よく考えてみてください。
ツルは雑食で、人のいない湿地にすんでいます。いっぽう、肉食のコウノトリにとっては、水田は願ってもない「人工の狩り場」。田んぼにさえ行けば、ドジョウ、フナ、カエルなど、大好物のえさがうじゃうじゃいるのだから、とうぜん、人里でEくらしていました。
すると、田んぼや畑を荒らす動物をつかまえるわなにかかったのは、ツルではなく、ほんとうは田んぼにいたコウノトリだったのではないでしょうか。
カッタン、コットン。ツルがはたを織って、おんがえしをするのでしたね。カッタン、コットンって、コウノトリがくちばしをカタカタカタ……と鳴らす、クラッタリングの音から想像したと考えられませんか。
「ツルのおんがえし」は、ほんとうは「コウノトリのおんがえし」じゃなかったのかな? そのほうが、はるかにつじつまが合うように思えてなりませんが……。
①みなさんは、どう思いますか?
(キム・ファン『きみの町にコウノトリがやってくる』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「一時期」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 映画を見て、心が動かされること。
- イ 季節ごとに自分の気分が変わってしまうようす。
- ウ 一回だけ人を好きになること。
- エ ある一定の期間。しばらくの間。
Lessonの答え
- 答え
A 呼 B 困 C 段 D 姿 E 暮 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
タンチョウもコウノトリも、体が白と黒のツートンカラーです。タンチョウの頭が、皮膚がむきだしになっていて赤い以外、外見はそっくりなので、まちがえるのもしかたないかもしれませんね。
豊岡市がある兵庫県北部の但馬地方は、コウノトリが多く生息しているところとして、江戸時代から広く知られていました。おどろくことに、コウノトリの本家ともいえる但馬地方でも、一九五〇年代のなかばごろまでは「ツル」と呼んでいたのです。
福井県の若狭地方ではそのむかし、コウノトリを「チョウセンヅル」と呼んでいました。
このようにコウノトリには、多くの土地で、「ツル」と呼ばれてきた歴史があります。日本のあちらこちらに「鶴」のつく地名がありますが、それらがすべて、タンチョウを意味するものではありません。あんがい、コウノトリにちなんだ土地も多いのです。
しかし、そんなそっくりなタンチョウとコウノトリにも、鳴き声という決定的なちがいがあります。
タンチョウは「トゥルルー、トゥルルー」と鳴きます。
じゃあ、コウノトリは、どんな鳴き声なのでしょうか?
じつは、コウノトリは鳥の中でもひじょうにめずらしく、鳴かない鳥なのです。コウノトリの仲間はひなの一時期をのぞいて、まったく鳴くことができません。
けれども鳴けないと、「ここは、ぼくのなわばりだ」とか、「わたしはあなたのことが好きよ」とか、①仲間同士のコミュニケーションがとれなくて困ります。そこで、かれらが身につけたコミュニケーション手段が、クラッタリングです。
クラッタリングとは、上下のくちばしをカスタネットのようにカタカタカタ……とはげしく打ち鳴らして音を出し、自分の意思を相手に伝えることです。コウノトリは、あいさつ、求愛、威嚇など、すべてをこのクラッタリングで表現します。
みなさんも、むかしばなしの「ツルのおんがえし」を知っているでしょう。わなにかかっているところを助けられたツルが女の人に姿をかえ、嫁に来て、自分の羽根で織物を織っておんがえしするという、あの有名なお話です。
はたして、わなにかかったのはほんとうにツルだったのでしょうか? よく考えてみてください。
ツルは雑食で、人のいない湿地にすんでいます。いっぽう、肉食のコウノトリにとっては、水田は願ってもない「人工の狩り場」。田んぼにさえ行けば、ドジョウ、フナ、カエルなど、大好物のえさがうじゃうじゃいるのだから、とうぜん、人里で暮らしていました。
すると、田んぼや畑を荒らす動物をつかまえるわなにかかったのは、ツルではなく、ほんとうは田んぼにいたコウノトリだったのではないでしょうか。
カッタン、コットン。ツルがはたを織って、おんがえしをするのでしたね。カッタン、コットンって、コウノトリがく
ちばしをカタカタカタ……と鳴らす、クラッタリングの音から想像したと考えられませんか。
「ツルのおんがえし」は、ほんとうは「コウノトリのおんがえし」じゃなかったのかな? そのほうが、はるかにつじつまが合うように思えてなりませんが……。
みなさんは、どう思いますか?
(キム・ファン『きみの町にコウノトリがやってくる』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
くらしやすい部屋を探して借りる。
夏が終わってセミがすがたを消した。
こきゅうを整えて心を落ち着かせる。
協力してこんなんな課題に取り組む。
あせらずだんかい的に学習を進める。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「ある一定の期間。しばらくの間。」を表すことばを漢字三字で書きなさい。
私はパンケーキを食べるのに夢中だった。
Practiceの答え
- 答え
暮らし
- 答え
姿
- 答え
呼吸
- 答え
困難
- 答え
段階
- 答え
一時期
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「みなさんは、どう思いますか?」とありますが、筆者は「ツルのおんがえし」についてどう考えていますか。四十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
わなにかかったのは、ツルではなくコウノトリだと考えるほうがつじつまが合う。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「仲間同士のコミュニケーション」について、コウノトリは「仲間同士のコミュニケーション」のために、どんな方法を使いますか。文中から七字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
クラッタリング
25-3 説明文24
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
表情や視線とともに大切なことが、体の動き(しぐさ)や姿勢です。これも文化によっていろいろと違っています。(中略)
-
以前、ブルガリアで英語を教えていた先生から、ブルガリアでは、「はい、そうです」の時に首を横に振り、「いいえ」の時に首を縦に振るということを聞いて驚いたことがあります。うなずくしぐさでさえ、違いがある場合があるようです。
-
首を縦に振るか横に振るかということは誤解のもとになると思われますし、その理由を考えるのもむずかしいのですが、中には理由を聞くと、なるほどと思うこともあります。日本では相手に舌を出すのは「あかんべえ」のサインです(ちなみに、「あかんべえ」は「赤目」が語源といいますから、「あかんべえ」の場合には目の端の下も下げて赤いところを見せるのが普通です)。舌を出しておもしろい顔をするというのが基本的な意味で、それが、相手をあざけるときにも使われるのでしょう。
-
一方、チベットでは、例えば高僧などを迎えたとき、伝統的には、相手に敬意を払うために、少し口を開けて自分の舌を出すという習慣があるそうです。いわゆる「あかんべえ」とは違いますが、少し舌を出すというのは知らない人にとって意外なしぐさに思えます。しかし、私はあなたには噓を言ったりせず、真心をささげます、というサインなのだそうです。もちろん、あかんべえとは全く違うわけです。舌を見せるというと不思議ですが、理由を聞くとなるほどと思います。
-
座り方ひとつをとってもいろいろな文化的意味があります。アメリカでは、机の上に足をのせるような姿勢をとることもしばしばあるようです。これは行儀のいい姿勢ではないにせよ、リラックスした姿勢の一種というとらえ方があるようです。映画などでもよく見かけます。しかし、日本などではめったにそのような姿勢をしません。日本では大変行儀の悪い感じがするのではないでしょうか。この姿勢は、日本とアメリカで、失礼だと受け取られる度合いは少し違うようです。さらに、①もしタイで相手に足の裏を見せる座り方をするとすると、極めて失礼なことになるといいます。文化の違いに無関心でいると、気づかないうちにとても失礼なことをしてしまうというようなことはよくあるので、注意が必要です。
-
また、正座は日本ではお行儀のいい座り方ですが、韓国では、どちらかと言えば罪人の座り方というイメージがあるそうです。また、日本では、横座りというのでしょうか、正座を横に崩したような座り方で座るのは、比較的女性が多いようで、男性はあまりそのような座り方をしませんが、タイでは、礼儀正しい座り方として、男も女も、この正座を横に崩したような横座りをします。ちなみに、タイでは、正式な挨拶をする場合には両手をそろえて仏様を拝むようにします。
-
文化によって体の部分の意味付けが違う場合もあります。例えば、インドネシアの多くの地域では、よその人の頭を左手で触ったりすると失礼なんだそうです。右手はきれいな手ですが、左手は汚い手だからです(例えばトイレで汚い物を触る場合は左手を使います)。人にものを渡すときも、基本的には右手で渡さないと失礼になります(左手を右腕に添えるともっと礼儀正しい)。一方、頭や顔はとても大切な部分で、いちばんきれいにしておくべき部分です(だからスカーフや帽子をかぶります)。そんな大切な部分を、汚い手である左手で触ったりしては、大変失礼なことになってしまうのです。
-
このように、姿勢やしぐさもコミュニケーションを成り立たせている重要な要素なのです。
(森山卓郎『コミュニケーションの日本語』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
はがきにたて書きで手紙を書く。
ごかいを生まないように言葉を選ぶ。
友人の文章力にけいいを抱く。
きじょうの空論に過ぎない話をする。
合格を祈り、神社で手を合わせておがむ。
Confirm Testの答え
- 答え
縦
- 答え
誤解
- 答え
敬意
- 答え
机上
- 答え
拝む
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「もしタイで相手に足の裏を……極めて失礼なことになるといいます」とありますが、タイではどのような座り方が行儀のよい座り方なのですか。文中から十四字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
正座を横に崩したような横座り(正座を横に崩したような座り方)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
表情や視線とともに大切なことが、体の動き(しぐさ)や姿勢です。これも文化によっていろいろと違っています。(中略)
-
以前、ブルガリアで英語を教えていた先生から、ブルガリアでは、「はい、そうです」の時に首を横に振り、「いいえ」の時に首をAたてに振るということを聞いて驚いたことがあります。うなずくしぐさでさえ、違いがある場合があるようです。
-
首をたてに振るか横に振るかということはBご解のもとになると思われますし、その理由を考えるのもむずかしいのですが、中には理由を聞くと、なるほどと思うこともあります。日本では①相手に舌を出すのは「あかんべえ」のサインです(ちなみに、「あかんべえ」は「赤目」が語源といいますから、「あかんべえ」の場合には目の端の下も下げて赤いところを見せるのが普通です)。舌を出しておもしろい顔をするというのが基本的な意味で、それが、相手をあざけるときにも使われるのでしょう。
-
一方、チベットでは、例えば高僧などを迎えたとき、伝統的には、相手にCけい意を払うために、少し口を開けて自分の舌を出すという習慣があるそうです。いわゆる「あかんべえ」とは違いますが、少し舌を出すというのは知らない人にとって意外なしぐさに思えます。しかし、私はあなたには噓を言ったりせず、真心をささげます、というサインなのだそうです。もちろん、あかんべえとは全く違うわけです。舌を見せるというと不思議ですが、理由を聞くとなるほどと思います。
-
座り方ひとつをとってもいろいろな文化的意味があります。アメリカでは、Dつくえの上に足をのせるような姿勢をとることもしばしばあるようです。これは行儀のいい姿勢ではないにせよ、リラックスした姿勢の一種というとらえ方があるようです。映画などでもよく見かけます。しかし、日本などではめったにそのような姿勢をしません。日本では大変行儀の悪い感じがするのではないでしょうか。この姿勢は、日本とアメリカで、失礼だと受け取られる度合いは少し違うようです。さらに、もしタイで相手に足の裏を見せる座り方をするとすると、極めて失礼なことになるといいます。文化の違いに無関心でいると、気づかないうちにとても失礼なことをしてしまうというようなことはよくあるので、注意が必要です。
-
また、正座は日本ではお行儀のいい座り方ですが、韓国では、どちらかと言えば罪人の座り方というイメージがあるそうです。また、日本では、横座りというのでしょうか、正座を横に崩したような座り方で座るのは、比較的女性が多いようで、男性はあまりそのような座り方をしませんが、タイでは、礼儀正しい座り方として、男も女も、この正座を横に崩したような横座りをします。ちなみに、タイでは、正式な挨拶をする場合には両手をそろえて仏様をEおがむようにします。
-
文化によって体の部分の意味付けが違う場合もあります。例えば、インドネシアの多くの地域では、よその人の頭を左手で触ったりすると失礼なんだそうです。右手はきれいな手ですが、左手は汚い手だからです(例えばトイレで汚い物を触る場合は左手を使います)。人にものを渡すときも、基本的には右手で渡さないと失礼になります(左手を右腕に添えるともっと礼儀正しい)。一方、頭や顔はとても大切な部分で、いちばんきれいにしておくべき部分です(だからスカーフや帽子をかぶります)。そんな大切な部分を、汚い手である左手で触ったりしては、大変失礼なことになってしまうのです。
-
このように、姿勢やしぐさもコミュニケーションを成り立たせている重要な要素なのです。
(森山卓郎『コミュニケーションの日本語』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 縦 B 誤 C 敬 D 机 E 拝 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
表情や視線とともに大切なことが、体の動き(しぐさ)や姿勢です。これも文化によっていろいろと違っています。(中略)
-
以前、ブルガリアで英語を教えていた先生から、ブルガリアでは、「はい、そうです」の時に首を横に振り、「いいえ」の時に首を縦に振るということを聞いて驚いたことがあります。うなずくしぐさでさえ、違いがある場合があるようです。
-
首を縦に振るか横に振るかということは誤解のもとになると思われますし、その理由を考えるのもむずかしいのですが、中には理由を聞くと、なるほどと思うこともあります。日本では相手に舌を出すのは「あかんべえ」のサインです(ちなみに、「あかんべえ」は「赤目」が語源といいますから、「あかんべえ」の場合には目の端の下も下げて赤いところを見せるのが普通です)。舌を出しておもしろい顔をするというのが基本的な意味で、それが、相手をあざけるときにも使われるのでしょう。
-
一方、チベットでは、例えば高僧などを迎えたとき、伝統的には、相手に敬意を払うために、少し口を開けて自分の舌を出すという習慣があるそうです。いわゆる「あかんべえ」とは違いますが、少し舌を出すというのは知らない人にとって意外なしぐさに思えます。しかし、私はあなたには噓を言ったりせず、真心をささげます、というサインなのだそうです。もちろん、あかんべえとは全く違うわけです。舌を見せるというと不思議ですが、理由を聞くとなるほどと思います。
-
座り方ひとつをとってもいろいろな文化的意味があります。アメリカでは、机の上に足をのせるような姿勢をとることもしばしばあるようです。これは行儀のいい姿勢ではないにせよ、リラックスした姿勢の一種というとらえ方があるようです。映画などでもよく見かけます。しかし、日本などではめったにそのような姿勢をしません。日本では大変行儀の悪い感じがするのではないでしょうか。①この姿勢は、日本とアメリカで、失礼だと受け取られる度合いは少し違うようです。さらに、もしタイで相手に足の裏を見せる座り方をするとすると、極めて失礼なことになるといいます。文化の違いに無関心でいると、気づかないうちにとても失礼なことをしてしまうというようなことはよくあるので、注意が必要です。
-
また、正座は日本ではお行儀のいい座り方ですが、韓国では、どちらかと言えば罪人の座り方というイメージがあるそうです。また、日本では、横座りというのでしょうか、正座を横に崩したような座り方で座るのは、比較的女性が多いようで、男性はあまりそのような座り方をしませんが、タイでは、礼儀正しい座り方として、男も女も、この正座を横に崩したような横座りをします。ちなみに、タイでは、正式な挨拶をする場合には両手をそろえて仏様を拝むようにします。
-
文化によって体の部分の意味付けが違う場合もあります。例えば、インドネシアの多くの地域では、よその人の頭を左手で触ったりすると失礼なんだそうです。右手はきれいな手ですが、左手は汚い手だからです(例えばトイレで汚い物を触る場合は左手を使います)。人にものを渡すときも、基本的には右手で渡さないと失礼になります(左手を右腕に添えるともっと礼儀正しい)。一方、頭や顔はとても大切な部分で、いちばんきれいにしておくべき部分です(だからスカーフや帽子をかぶります)。そんな大切な部分を、汚い手である左手で触ったりしては、大変失礼なことになってしまうのです。
-
このように、姿勢やしぐさもコミュニケーションを成り立たせている重要な要素なのです。
(森山卓郎『コミュニケーションの日本語』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
はいけんした資料を先生にお返しする。
帰宅後はつくえに向かって勉強する。
教習所で、じゅうれつ駐車の練習をした。
先生の説明をあやまって理解していた。
先祖をうやまう気持ちが芽生える。
Practiceの答え
- 答え
拝見
- 答え
机
- 答え
縦列
- 答え
誤って
- 答え
敬う
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「相手に舌を出す」について、日本では、相手に舌を出すのはどんなときですか。文中のことばを使って二十五字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
おもしろい顔をするときや、相手をあざけるとき。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この姿勢は、日本とアメリカで、失礼だと受け取られる度合いは少し違うようです」について、「この姿勢」とは、どんな姿勢を指していますか。文中から十四字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
机の上に足をのせるような姿勢
26章 物語文
物語文の読み方
26-1 物語文22
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
初めはテレビを禁じられたことに、ひどく反発した。友達が皆見ているのだから自分も見せてもらわなければ困ると泣きわめいた。*その当時も、太郎の家には、古いテレビがあるにはあったのだが、ある日太郎が、
「テレビ無しでなんか生きられないよう」
とだだをこねると、山本正二郎は①*突如として、テレビを持ち上げるや、庭の敷石に向って、それを叩きつけた。
「テレビが無いと生きていられないかどうかやってみろ!」
父があのように重い物を、あれほど軽々と持ち上げたのを太郎が見たのはその時が初めてで最後である。母は、その出来事に対してとりなしてくれもしなかった。おまけに彼女は、物ぐさだから、庭にちらかった*醜怪きわまるテレビの残骸をなんと一カ月近くもとりかたづけなかったのだ。太郎は毎日家に帰ってくると、庭にちらかっているガラスの破片がキラキラ光るのを見ながらおやつを食べていた。悲しかった。あんな物わかりの悪い親なんか死んじまえばいいとも思った。しかし、そのうちに、太郎は、あの箱の中に映しだされる、幻のようなものにあんなにも執着していた自分がふとおかしくなった。と同時に、母達まで、テレビが見られなくなったことを太郎は少し気の毒に思った。
「ごめんよね。母さん」
太郎はある日*縁側にねそべりながら母の信子に言った。
「なにが」
「家にテレビがなくなっちゃってさ」
「私は、あんなもの見ているヒマないから、あったって、なくったって同じだね。太郎もかわいそうだけど、どこの家だって、何かが揃ってないものなのよ。太郎がテレビがほしかったら、早く自分で稼いで、物わかりの良い嫁さんもらって、テレビを五台でも十台でも買って、何日でもぶっつづけで、見たいだけ見ておいでよ」
母は、そう言ってからあらためて太郎に尋ねたのであった。
「テレビが無いと学校へ行って本当に友達と話に困る?」
「それほどでもないやな」
(曽野綾子『太郎物語』)
注
| その当時 | 太郎が小学校三年生のとき。 |
| 突如 | 急に。とつぜん。 |
| 醜怪きわまる | みにくくて不気味でたまらない。 |
| 縁側 | 部屋の外側につくった細長い板じき。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
こまったときには先生に相談する。
割れたガラスのはへんに注意する。
わたしには同じ夢を目指す仲間がいる。
えいぞう制作や編集の仕事に興味がある。
海や山ではどくのある生物に注意する。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「物ぐさ」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 私は物ぐさなので片付けが苦手だ。
- イ 物ぐさの状態になるまでやり続ける。
- ウ 落とし物をして物ぐさになる。
- エ 記号の問題は物ぐさだ。
Confirm Testの答え
- 答え
困った
- 答え
破片
- 答え
私
- 答え
映像
- 答え
毒
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「突如として、テレビを持ち上げるや、庭の敷石に向って、それを叩きつけた」とありますが、このときの父の気持ちとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 親に反抗する太郎を情けなく思い、自分の教育が悪かったと反省している。
- イ 自分にはむかう太郎にいらいらして、こらしめてやろうと思っている。
- ウ テレビを見たがる太郎に腹を立て、テレビにこだわる気持ちを捨てさせたいと思っている。
- エ 親の言うことをすなおに聞かない太郎に、親としての威厳を傷つけられたと感じている。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
初めはテレビを禁じられたことに、ひどく反発した。友達が皆見ているのだから自分も見せてもらわなければAこまると泣きわめいた。*その当時も、太郎の家には、古いテレビがあるにはあったのだが、ある日太郎が、
「テレビ無しでなんか生きられないよう」
とだだをこねると、山本正二郎は、*突如として、テレビを持ち上げるや、庭の敷石に向って、それを叩きつけた。
「テレビが無いと生きていられないかどうかやってみろ!」
父があのように重い物を、あれほど軽々と持ち上げたのを太郎が見たのはその時が初めてで最後である。母は、その出来事に対してとりなしてくれもしなかった。おまけに彼女は、物ぐさだから、庭にちらかった*醜怪きわまるテレビの残骸をなんと一カ月近くもとりかたづけなかったのだ。太郎は毎日家に帰ってくると、庭にちらかっているガラスの破Bへんがキラキラ光るのを見ながらおやつを食べていた。悲しかった。あんな物わかりの悪い親なんか死んじまえばいいとも思った。しかし、そのうちに、太郎は、あの箱の中にCうつしだされる、幻のようなものにあんなにも執着していた自分がふとおかしくなった。と同時に、母達まで、テレビが見られなくなったことを太郎は少し気のDどくに思った。
「ごめんよね。母さん」
太郎はある日*縁側にねそべりながら母の信子に言った。
「なにが」
「家にテレビがなくなっちゃってさ」
「Eわたしは、あんなもの見ているヒマないから、あったって、なくったって同じだね。太郎もかわいそうだけど、どこの家だって、何かが揃ってないものなのよ。太郎がテレビがほしかったら、早く自分で稼いで、物わかりの良い嫁さんもらって、テレビを五台でも十台でも買って、何日でもぶっつづけで、見たいだけ見ておいでよ」
母は、そう言ってからあらためて太郎に尋ねたのであった。
「テレビが無いと学校へ行って本当に友達と話に困る?」
「それほどでもないやな」
(曽野綾子『太郎物語』)
注
| その当時 | 太郎が小学校三年生のとき。 |
| 突如 | 急に。とつぜん。 |
| 醜怪きわまる | みにくくて不気味でたまらない。 |
| 縁側 | 部屋の外側につくった細長い板じき。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「物ぐさ」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア めんどうがること。その性質・人や、そのさま。
- イ 物を大事にすること。
- ウ 腐るまでものを捨てないこと。
- エ いっぱいいっぱいになって忘れる様子。
Lessonの答え
- 答え
A 困 B 片 C 映 D 毒 E 私 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
初めはテレビを禁じられたことに、ひどく反発した。友達が皆見ているのだから自分も見せてもらわなければ困ると①泣きわめいた。*その当時も、太郎の家には、古いテレビがあるにはあったのだが、ある日太郎が、
「テレビ無しでなんか生きられないよう」
とだだをこねると、山本正二郎は、*突如として、テレビを持ち上げるや、庭の敷石に向って、それを叩きつけた。
「テレビが無いと生きていられないかどうかやってみろ!」
父があのように重い物を、あれほど軽々と持ち上げたのを太郎が見たのはその時が初めてで最後である。母は、その出来事に対してとりなしてくれもしなかった。おまけに彼女は、物ぐさだから、庭にちらかった*醜怪きわまるテレビの残骸をなんと一カ月近くもとりかたづけなかったのだ。太郎は毎日家に帰ってくると、庭にちらかっているガラスの破片がキラキラ光るのを見ながらおやつを食べていた。悲しかった。あんな物わかりの悪い親なんか死んじまえばいいとも思った。しかし、そのうちに、太郎は、あの箱の中に映しだされる、幻のようなものにあんなにも執着していた自分がふとおかしくなった。と同時に、母達まで、テレビが見られなくなったことを太郎は少し気の毒に思った。
「ごめんよね。母さん」
太郎はある日*縁側にねそべりながら母の信子に言った。
「なにが」
「家にテレビがなくなっちゃってさ」
「私は、あんなもの見ているヒマないから、あったって、なくったって同じだね。太郎もかわいそうだけど、どこの家だって、何かが揃ってないものなのよ。太郎がテレビがほしかったら、早く自分で稼いで、物わかりの良い嫁さんもらって、テレビを五台でも十台でも買って、何日でもぶっつづけで、見たいだけ見ておいでよ」
母は、そう言ってからあらためて太郎に尋ねたのであった。
「テレビが無いと学校へ行って本当に友達と話に困る?」
「それほどでもないやな」
(曽野綾子『太郎物語』)
注
| その当時 | 太郎が小学校三年生のとき。 |
| 突如 | 急に。とつぜん。 |
| 醜怪きわまる | みにくくて不気味でたまらない。 |
| 縁側 | 部屋の外側につくった細長い板じき。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
病院でげどく薬を処方される。
かためんだけ印刷されたプリントを読む。
こんなんと向き合ったことが学びとなる。
しじょうを挟まずに判断する力がある。
新しい服を着て鏡に自分の姿をうつす。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「めんどうがること。その性質・人や、そのさま。」を表すことばを三字で書きなさい。
私はなので嫌なことは後回しにしてしまう。
Practiceの答え
- 答え
解毒
- 答え
片面
- 答え
困難
- 答え
私情
- 答え
映す
- 答え
物ぐさ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
父にテレビをこわされたあとの太郎の気持ちの変化をまとめた次の文の a〜eにあてはまることばを、文中から書きぬきなさい。それぞれ指定された字数のことばを書きぬくこと。(完答)
・こわれたテレビの破片を見ていると a(五字) 。
・ b(七字) 親に、腹が立った。
→テレビに映しだされる c(一字) のようなものに執着していた自分が、ふと d(四字) なった。
→母たちに対し e(四字) に思う気持ちが出てきた。
- a
- b
- c
- d
- e
Lessonの答え
- 答え
- a 悲しかった
- b 物わかりの悪い
- c 幻
- d おかしく
- e 気のどく
- (完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「泣きわめいた」とありますが、このとき太郎はどんな気持ちをもっていましたか。次のにあてはまることばを、文中から書きぬきなさい。(完答)
を禁じられたことに対する。
Practiceの答え
- 答え
テレビ・反発(完答)
26-2 物語文23
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学三年生の「私」たちは、学芸会で『青い鳥』という劇を演じた。初めてのけいこの日、「私」はミチル役のエミ子のかわいさにおどろいた。それから、下校時にはエミ子のあとを友人のモッちゃんとついていった。
坂道をのぼりつめると女の子は左右に別れていく。それを百メートルほどうしろから私とモッちゃんがそっとついていく。
彼女が私たちの尾行に気づきはじめたのはこの頃のようだ。それは彼女とその友だちが時々、こちらをふりかえり、さも不快げに足を早めたり、一人になると走るようにして赤レンガづくりの自分の家に姿を消すことで私にもよくわかった。
自分が嫌われているという予感と、そうでないかもしれないという希望的な観測で私はくるしんだ。九歳の子供の初恋も大人の恋愛とそんなに違いはない。①同じような心理に悩み、同じようにふかいため息をつくのである。私はついに決心をした。彼女に声をかけようと思ったのだ。ある日、アカシヤの花の舞う坂道でモッちゃんと声をそろえて叫んだのだった。
「なんだ。偉そうにすな。ミチルの役をやったぐらいで」
それが私の愛の言葉だった。心とはまったく*裏腹のこの言葉を百メートル先に歩いている彼女にかけることで、自分に関心をひこうとしたのである。
「なんだ」モッちゃんは私の真似をして、もっと大きな声を出した。
「偉そうにすな。ミチルの役をやったぐらいで」
早川エミ子は赤いかばんを背でふりながら走りはじめた。私の本当の心を知らず、二人のいじめっ子が自分をいじめるために追いかけていると錯覚したのである。
「なんだ。なんだ」
私は靴で石をやけくそになって蹴った。モッちゃんも真似をした。
「なんだ。なんだ」
その翌日から早川エミ子とその友だちとは私たちをまったく*黙殺した。ふり向きもしなかった。私はたまらなくなり小石をひろって彼女たちに投げた。モッちゃんはもっと大きな石を放った。これっぽっちも彼女をいじめようという気持ちは私にはなく、ただ彼女がこの気持ちを少しも理解してくれない悲しみが、そんな行為にさせたのだ。
(遠藤周作『初恋』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
| 裏腹 | 気持ちと行動が逆であること。 |
| 黙殺 | 無視して、とり合わないこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
声の大きさでげきの主役を決める。
いつの間にか猫のすがたが見えなくなった。
ていきょうされるサービスが素晴らしい旅館。
いつもせなかを伸ばして椅子に座る。
寝る前によくじつの時間割を確認する。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「錯覚」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 身長差があるように見えるが目の錯覚だ。
- イ 錯覚に騙されないで生きていく。
- ウ みんなのために錯覚する。
- エ あと少しだと錯覚に気づく。
Confirm Testの答え
- 答え
劇
- 答え
姿
- 答え
提供
- 答え
背中
- 答え
翌日
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「同じような心理に悩み、同じようにふかいため息をつく」とありますが、それはどんな心理ですか。文中から三十六字でさがし、初めと終わりの五字を書きぬきなさい。(完答)
〜
Confirm Testの答え
- 答え
自分が嫌わ〈〜〉望的な観測(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学三年生の「私」たちは、学芸会で『青い鳥』というAげきを演じた。初めてのけいこの日、「私」はミチル役のエミ子のかわいさにおどろいた。それから、下校時にはエミ子のあとを友人のモッちゃんとついていった。
坂道をのぼりつめると女の子は左右に別れていく。それを百メートルほどうしろから私とモッちゃんがそっとついていく。
彼女が私たちの尾行に気づきはじめたのはこの頃のようだ。それは彼女とその友だちが時々、こちらをふりかえり、さも不快げに足を早めたり、一人になると走るようにして赤レンガづくりの自分の家にBすがたを消すことで私にもよくわかった。
自分が嫌われているという予感と、そうでないかもしれないという希望的な観測で私はくるしんだ。九歳の子Cどもの初恋も大人の恋愛とそんなに違いはない。同じような心理に悩み、同じようにふかいため息をつくのである。私はついに決心をした。彼女に声をかけようと思ったのだ。ある日、アカシヤの花の舞う坂道でモッちゃんと声をそろえて叫んだのだった。
「なんだ。偉そうにすな。ミチルの役をやったぐらいで」
それが私の愛の言葉だった。心とはまったく*裏腹のこの言葉を百メートル先に歩いている彼女にかけることで、自分に関心をひこうとしたのである。
「なんだ」モッちゃんは私の真似をして、もっと大きな声を出した。
「偉そうにすな。ミチルの役をやったぐらいで」
早川エミ子は赤いかばんをDせでふりながら走りはじめた。私の本当の心を知らず、二人のいじめっ子が自分をいじめるために追いかけていると錯覚したのである。
「なんだ。なんだ」
私は靴で石をやけくそになって蹴った。モッちゃんも真似をした。
「なんだ。なんだ」
そのEよく日から早川エミ子とその友だちとは私たちをまったく*黙殺した。ふり向きもしなかった。①私はたまらなくなり小石をひろって彼女たちに投げた。モッちゃんはもっと大きな石を放った。これっぽっちも彼女をいじめようという気持ちは私にはなく、ただ彼女がこの気持ちを少しも理解してくれない悲しみが、そんな行為にさせたのだ。
(遠藤周作『初恋』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
| 裏腹 | 気持ちと行動が逆であること。 |
| 黙殺 | 無視して、とり合わないこと。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「錯覚」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 発達している能力。
- イ 人を笑わせること。
- ウ 思い違い勘違い。
- エ 即座に行動できる力。
Lessonの答え
- 答え
A 劇 B 姿 C 供 D 背 E 翌 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学三年生の「私」たちは、学芸会で『青い鳥』という劇を演じた。初めてのけいこの日、「私」はミチル役のエミ子のかわいさにおどろいた。それから、下校時にはエミ子のあとを友人のモッちゃんとついていった。
坂道をのぼりつめると女の子は左右に別れていく。それを百メートルほどうしろから私とモッちゃんがそっとついていく。
彼女が私たちの尾行に気づきはじめたのはこの頃のようだ。それは彼女とその友だちが時々、こちらをふりかえり、さも不快げに足を早めたり、一人になると走るようにして赤レンガづくりの自分の家に姿を消すことで私にもよくわかった。
自分が嫌われているという予感と、そうでないかもしれないという希望的な観測で私はくるしんだ。九歳の子供の初恋も大人の恋愛とそんなに違いはない。同じような心理に悩み、同じようにふかいため息をつくのである。私はついに決心をした。彼女に声をかけようと思ったのだ。ある日、アカシヤの花の舞う坂道でモッちゃんと声をそろえて叫んだのだった。
「①なんだ。偉そうにすな。ミチルの役をやったぐらいで」
それが私の愛の言葉だった。心とはまったく*裏腹のこの言葉を百メートル先に歩いている彼女にかけることで、自分に関心をひこうとしたのである。
「なんだ」モッちゃんは私の真似をして、もっと大きな声を出した。
「偉そうにすな。ミチルの役をやったぐらいで」
早川エミ子は赤いかばんを背でふりながら走りはじめた。私の本当の心を知らず、二人のいじめっ子が自分をいじめるために追いかけていると錯覚したのである。
「なんだ。なんだ」
私は靴で石をやけくそになって蹴った。モッちゃんも真似をした。
「なんだ。なんだ」
その翌日から早川エミ子とその友だちとは私たちをまったく*黙殺した。ふり向きもしなかった。私はたまらなくなり小石をひろって彼女たちに投げた。モッちゃんはもっと大きな石を放った。これっぽっちも彼女をいじめようという気持ちは私にはなく、ただ彼女がこの気持ちを少しも理解してくれない悲しみが、そんな行為にさせたのだ。
(遠藤周作『初恋』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
| 裏腹 | 気持ちと行動が逆であること。 |
| 黙殺 | 無視して、とり合わないこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
よくあさ早起きをするために早く寝る。
アドバイスでげきてきな変化を遂げた。
面接では服装や髪型のようしを整える。
墓参りに行き、花や線香をそなえる。
写真のはいけいに映る景色が美しい。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「思い違い勘違い。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
自分が天才だとする。
Practiceの答え
- 答え
翌朝
- 答え
劇的
- 答え
容姿
- 答え
供える
- 答え
背景
- 答え
さっかく
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「私はたまらなくなり小石をひろって彼女たちに投げた」とありますが、このときの「私」の気持ちを文中のことばを使って二十五字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
エミ子が自分の気持ちを理解してくれなくて悲しい。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「なんだ。偉そうにすな。ミチルの役をやったぐらいで」について、「私」がこのことばをエミ子に向かって叫んだのはなぜですか。次の a・bにあてはまることばを、aは四字、bは文中から十二字で書きぬきなさい。
その言葉は「私」にとっては a であり、心とはまったく裏腹の言葉をエミ子にかけることによって、 b から。
a
b
Practiceの答え
- 答え
- a 愛の言葉
- b 自分に関心をひこうとした
27章 文法
同訓異字
27-1 同訓異字
Confirm Test
次の線部の漢字の使い方として正しいものを選び、記号で答えなさい。
ア やっと家に代えることができた。
イ 予定を代えるわけにはいかない。
ウ 正気に代えるのを待とう。
エ 命に代えることはできない。
ア 年が空ける。
イ 戸を空ける。
ウ 小さなあなを空ける。
エ 新しく店を空ける。
ア ストップウォッチで計る。
イ ビーカーで計る。
ウ じょうぎで計る。
エ バネばかりで計る。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
- 答え
ウ
- 答え
ア
Confirm Test
次の( )内のことばを、にあてはまるよう漢字で書きなさい。(完答)
(なく)
- ① 子どもがく。
- ② 小鳥がく。
(さす)
- ① 右をして安全を確認する。
- ② 部屋に朝日がしこむ。
(さめる)
- ① つくえに置いたごはんがめる。
- ② 夜中に目がめる。
Confirm Testの答え
- 答え
①泣 ②鳴 (完答)
- 答え
①指 ②差 (完答)
- 答え
①冷 ②覚 (完答)
Confirm Test
次の線部のかたかなを漢字に直しなさい。
サイシンのカメラを買う。
サイシンの注意をはらう。
Confirm Testの答え
- 答え
最新
- 答え
細心
Point
Lesson
Lesson
次の線部の漢字の使い方として正しいものを選び、記号で答えなさい。
ア 時間を計る。
イ 重さを計る。
ウ 高さを計る。
ア すがたを表す。
イ 正体を表す。
ウ 気持ちを表す。
Lessonの答え
- 答え
ア
- 答え
ウ
Practice
次の線部の漢字の使い方として正しいものを選び、記号で答えなさい。
ア 身につける。
イ 身を結ぶ。
ウ 身の無い話だ。
ア よく気が着く。
イ 手紙が着く。
ウ よごれが着く。
エ 貯金の利息が着く。
Practiceの答え
- 答え
ア
- 答え
イ
Lesson
Lesson
次の線部のかたかなを漢字で書き分けなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
① 開 ② 空 ③ 明 (完答)
- 答え
① 暑 ② 熱 (完答)
Practice
次のにあてはまる漢字を書きなさい。(完答)
Practiceの答え
- 答え
① 建 ② 立 (完答)
- 答え
① 速 ② 早 (完答)
- 答え
① 登 ② 上 (完答)
Lesson
Lesson
次の線部のかたかなを漢字に直しなさい。
世界でサイショウの国。
事故の件数は過去サイショウとなった。
Lessonの答え
- 答え
最小
- 答え
最少
Practice
次の線部のかたかなを漢字に直しなさい。
五年生をタイショウにしている。
タイショウ的な性格だ。
Practiceの答え
- 答え
対象
- 答え
対照
28章 説明文
説明文の読み方
28-1 説明文25
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ニホンジカをはじめとする野生の有害獣を駆除する方法は、2とおりある。
ひとつは「銃猟」で、山に入ってライフル銃などで直接ねらって撃つ方法だ。今回、大将の藤河さんたちが行ったのがこの方法で、猟師がニホンジカの生息域に分け入って、発見から追い込み迎え撃つ。
そして、もうひとつは「わな猟」で、わなを仕掛けて獲物を捕獲する方法だ。どちらも、国が認める狩猟免許が必要だ。「第一種銃猟免許」「第二種銃猟免許」「わな猟免許」の3種があり、それぞれ扱うことのできる狩猟道具が異なる。
大将の藤河さんが取得しているのは第一種銃猟免許で、山での狩りにはライフル銃を使用する。同時にわな猟免許も取得している大将は、「箱わな」や「くくりわな」も仕掛ける。
箱わなは、大きな檻の中にエサをまいて野生動物をおびき寄せ、獲物が檻の中に入ったら扉が閉まり、閉じ込めるしくみになっている。獲物に合わせた大小さまざまなサイズがあり、大きい箱わなであればニホンジカやイノシシも捕らえられる。
また、サルなどは一定期間の餌づけをして集団捕獲もできたりするすぐれものだ。ただ安価なものではなく、場所移動も容易ではないため、先に場所を見極め、獲物が確実に出る地域に設置することが捕獲成功の秘訣となる。この箱わなの設置場所は、住民らの鹿の目撃情報などによって決められているという。
くくりわなは、ニホンジカやイノシシが通る「けもの道」に穴を掘って仕掛け、落ち葉や枝をかけて、わなが完全に隠れるように設置する。知らずに通った動物の足にワイヤーが引っかかり、逃げられなくするしくみだ。値段も安く手軽に設置できるので、駆除には広く利用されるという。野生動物は、山の中を縦横無尽に動き回るわけではない。猟犬に追いつめられた動物は、必ず「けもの道」を通る。
長い間、この「けもの道」の把握は、猟師たちの経験とかんにゆだねられてきた。猟師たちが日々山の中を歩いた距離は、そのまま山の知識の蓄積となる。しかし、猟師たちの高齢化が進み、後継者がなかなか育たないこともあって、これまでの手法での有害獣駆除には限界が見えていた。
そこで、AI技術を使った取り組みが全国各地ではじまっている。ドローンを飛ばし、上空からニホンジカやイノシシの頭数を調査して、正確な「けもの道」を割り出して、わなを仕掛ける試みだ。
その結果、捕獲数はかなり増えたが、 、地上で捕獲する人手は不足したままで、年間目標としている捕獲数にはまだまだ届かない。やはり問題は、ニホンジカだ。頭数も多く行動範囲も広いため、捕獲は容易ではない。
①この問題を解決するため、赤外線カメラ搭載のドローンを飛ばし、上空から動物を見つけることができない場所での個体生息数調査に役立てる取り組みもはじまっているという。
(中略)
猟師たちが培った知恵と、最新の技術を総動員して、野生動物と人間の共存のため、自然の生態系の維持のため、この問題にあたらなければならない。
(今西乃子『命の境界線』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
新しいチームのたいしょうを任された。
姉の知識は専門的ないきに達している。
何事も成功のひ訣は継続することだ。
冬になると動物があなの中で冬眠する。
犬が庭でじゅうおう無尽に走り回る。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「後継者」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 後継者の遊びは難しい。
- イ 家業の後継者はだれになるだろうか。
- ウ パソコンの操作が難しいので後継者を頼る。
- エ ペンとノートを後継者に集める。
Confirm Testの答え
- 答え
大将
- 答え
域
- 答え
秘
- 答え
穴
- 答え
縦横
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア たとえば
- イ なぜなら
- ウ それでも
- エ そこで
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この問題」とは、どんな問題ですか。次のにあてはまることばを、文中から書きぬきなさい。(完答)
ニホンジカはも多くも広いので、によるからの調査でも、たくさん捕獲できないという問題。
Confirm Testの答え
- 答え
頭数・行動範囲・ドローン・上空(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
①ニホンジカをはじめとする野生の有害獣を駆除する方法は、2とおりある。
ひとつは「銃猟」で、山に入ってライフル銃などで直接ねらって撃つ方法だ。今回、大Aしょうの藤河さんたちが行ったのがこの方法で、猟師がニホンジカの生息Bいきに分け入って、発見から追い込み迎え撃つ。
そして、もうひとつは「わな猟」で、わなを仕掛けて獲物を捕獲する方法だ。どちらも、国が認める狩猟免許が必要だ。「第一種銃猟免許」「第二種銃猟免許」「わな猟免許」の3種があり、それぞれ扱うことのできる狩猟道具が異なる。
大しょうの藤河さんが取得しているのは第一種銃猟免許で、山での狩りにはライフル銃を使用する。同時にわな猟免許も取得している大しょうは、「箱わな」や「くくりわな」も仕掛ける。
箱わなは、大きな檻の中にエサをまいて野生動物をおびき寄せ、獲物が檻の中に入ったら扉が閉まり、閉じ込めるしくみになっている。獲物に合わせた大小さまざまなサイズがあり、大きい箱わなであればニホンジカやイノシシも捕らえられる。
また、サルなどは一定期間の餌づけをして集団捕獲もできたりするすぐれものだ。ただ安価なものではなく、場所移動も容易ではないため、先に場所を見極め、獲物が確実に出る地域に設置することが捕獲成功のCひ訣となる。この箱わなの設置場所は、住民らの鹿の目撃情報などによって決められているという。
くくりわなは、ニホンジカやイノシシが通る「けもの道」にDあなを掘って仕掛け、落ち葉や枝をかけて、わなが完全に隠れるように設置する。知らずに通った動物の足にワイヤーが引っかかり、逃げられなくするしくみだ。値段も安く手軽に設置できるので、駆除には広く利用されるという。野生動物は、山の中をEじゅう横無尽に動き回るわけではない。猟犬に追いつめられた動物は、必ず「けもの道」を通る。
長い間、この「けもの道」の把握は、猟師たちの経験とかんにゆだねられてきた。猟師たちが日々山の中を歩いた距離は、そのまま山の知識の蓄積となる。しかし、猟師たちの高齢化が進み、後継者がなかなか育たないこともあって、これまでの手法での有害獣駆除には限界が見えていた。
、AI技術を使った取り組みが全国各地ではじまっている。ドローンを飛ばし、上空からニホンジカやイノシシの頭数を調査して、正確な「けもの道」を割り出して、わなを仕掛ける試みだ。
その結果、捕獲数はかなり増えたが、それでも、地上で捕獲する人手は不足したままで、年間目標としている捕獲数にはまだまだ届かない。やはり問題は、ニホンジカだ。頭数も多く行動範囲も広いため、捕獲は容易ではない。
この問題を解決するため、赤外線カメラ搭載のドローンを飛ばし、上空から動物を見つけることができない場所での個体生息数調査に役立てる取り組みもはじまっているという。
(中略)
猟師たちが培った知恵と、最新の技術を総動員して、野生動物と人間の共存のため、自然の生態系の維持のため、この問題にあたらなければならない。
(今西乃子『命の境界線』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「後継者」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分のとなりにいつもいる人。
- イ いつも考え事をしている人。
- ウ 周りの人から頼りにされている人。
- エ 事業や地位、財産などを受け継ぐ人。
Lessonの答え
- 答え
A 将 B 域 C 秘 D 穴 E 縦 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ニホンジカをはじめとする野生の有害獣を駆除する方法は、2とおりある。
ひとつは「銃猟」で、山に入ってライフル銃などで直接ねらって撃つ方法だ。今回、大将の藤河さんたちが行ったのがこの方法で、猟師がニホンジカの生息域に分け入って、発見から追い込み迎え撃つ。
、もうひとつは「わな猟」で、わなを仕掛けて獲物を捕獲する方法だ。どちらも、国が認める狩猟免許が必要だ。「第一種銃猟免許」「第二種銃猟免許」「わな猟免許」の3種があり、それぞれ扱うことのできる狩猟道具が異なる。
大将の藤河さんが取得しているのは第一種銃猟免許で、山での狩りにはライフル銃を使用する。同時にわな猟免許も取得している大将は、「箱わな」や「くくりわな」も仕掛ける。
箱わなは、大きな檻の中にエサをまいて野生動物をおびき寄せ、獲物が檻の中に入ったら扉が閉まり、閉じ込めるしくみになっている。獲物に合わせた大小さまざまなサイズがあり、大きい箱わなであればニホンジカやイノシシも捕らえられる。
また、サルなどは一定期間の餌づけをして集団捕獲もできたりするすぐれものだ。ただ安価なものではなく、場所移動も容易ではないため、先に場所を見極め、獲物が確実に出る地域に設置することが捕獲成功の秘訣となる。この箱わなの設置場所は、住民らの鹿の目撃情報などによって決められているという。
くくりわなは、ニホンジカやイノシシが通る「けもの道」に穴を掘って仕掛け、落ち葉や枝をかけて、わなが完全に隠れるように設置する。知らずに通った動物の足にワイヤーが引っかかり、逃げられなくするしくみだ。値段も安く手軽に設置できるので、駆除には広く利用されるという。野生動物は、山の中を縦横無尽に動き回るわけではない。猟犬に追いつめられた動物は、必ず「けもの道」を通る。
長い間、この「けもの道」の把握は、猟師たちの経験とかんにゆだねられてきた。猟師たちが日々山の中を歩いた距離は、そのまま山の知識の蓄積となる。しかし、猟師たちの高齢化が進み、後継者がなかなか育たないこともあって、
①これまでの手法での有害獣駆除には限界が見えていた。
そこで、AI技術を使った取り組みが全国各地ではじまっている。ドローンを飛ばし、上空からニホンジカやイノシシの頭数を調査して、正確な「けもの道」を割り出して、わなを仕掛ける試みだ。
その結果、捕獲数はかなり増えたが、それでも、地上で捕獲する人手は不足したままで、年間目標としている捕獲数にはまだまだ届かない。やはり問題は、ニホンジカだ。頭数も多く行動範囲も広いため、捕獲は容易ではない。
この問題を解決するため、赤外線カメラ搭載のドローンを飛ばし、上空から動物を見つけることができない場所での個体生息数調査に役立てる取り組みもはじまっているという。
(中略)
猟師たちが培った知恵と、最新の技術を総動員して、野生動物と人間の共存のため、自然の生態系の維持のため、この問題にあたらなければならない。
(今西乃子『命の境界線』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
国語のノートにたてがきで記入する。
しょうらいの自分の生き方を想像する。
自由にボール遊びができるあなばの公園。
ちいき社会を守る活動に参加する。
絶対にひみつを守ることは難しい。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「事業や地位、財産などを受け継ぐ人。」を表すことばをひらがな六字で書きなさい。
私の家族はを選べずにもめている。
Practiceの答え
- 答え
縦書き
- 答え
将来
- 答え
穴場
- 答え
地域
- 答え
秘密
- 答え
こうけいしゃ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア たとえば
- イ なぜなら
- ウ しかし
- エ そこで
Lessonの答え
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア たとえば
- イ さて
- ウ しかし
- エ そして
Practiceの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ニホンジカを……駆除する方法は、2とおりある」とありますが、どんな方法ですか。文中から二つ、二十三字と十六字でさがし、初めと終わりの五字を書きぬきなさい。(完答)
〜
〜
Lessonの答え
- 答え
- 山に入って〈〜〉て撃つ方法
- わなを仕掛〈〜〉獲する方法
(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「これまでの手法」とは、どんなやり方のことですか。三十字以内で書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
猟師たちの経験とかんにたよってけもの道を把握するやり方。
28-2 説明文26
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「心の時代」ということが最近よく言われるようになった。これはいったいどういう意味だろうか。一般的に何となく感じられていることとしては、現在は物質的な豊かさは急に増加してきたが、考えてみると、心という点では非常に貧しくなってきている。だから、心を大切にすることに努めねばならぬ時代だ、ということになるだろう。そして、昔はもっと心を大切にしていたのに、現在は心の問題を忘れたり、心を軽視する傾向が強い、と嘆く人も多い。しかし、果たして本当にそうだろうか。
たとえば、昔は家族の間に心の触れ合いがあったが、今はなくなってしまったと嘆く人がいる。確かにその人の生き方を見ていると、子ども時代は田舎で育ち、昔の日本式の家で、家族がいつも一緒になって生きてきた、という感じだったのに、都会に出てきてマンションに住み、妻と一人の子どもと住んでいるが、それぞれが個室に引き込んだりして、家族の接触は急激に薄れている。確かに心の触れ合いは少なくなっている。しかし、ここで非常に大切なことは、昔の生き方をやめ、今のような生き方を望んだのも、この人の「心」であるという事実である。昔はよかったと嘆くのも、この人の心だが、①現代の生き方を選んだのもこの人の心である。ここに心の問題の難しさがある。それは*一筋縄では簡単に答えを引き出してこれぬことなのだ。
現代に生きる大半の日本人の「心」は物質的豊かさを望み、努力をし、それは大分成功したと言っていいだろう。そのことを忘れてしまって、「心の時代」だから物質的なことを*蔑視するとしたら、あるいは、昔はよかったと嘆いてばかりいるとしたら、それは全くばかげたことと言わねばならない。何も現代になって、人間の心が急に貧しくなったなどということはないのだ。要は急激に豊かになった物に見合うだけの心の在り方、という点で*配慮が足りなかったのではなかろうか。物質的急成長にふさわしい心の成長という点で、後れを取っているとでも言うべきであろうか。
心の時代だから物はどうでもいいとか、経済や自然科学の成長をとやかく言うのはおかしいのではないだろうか。
物か心かと*二者択一的に考え、心を取って物を捨てる式の「心の時代」ではなく、物も心もどちらも大切であるが、物の方が目に見え過ぎるので、目に見えない方を強調するために「心の時代」というのだ、と考える方がはるかに*妥当であろう。
(河合隼雄『対話する人間』)
注
| 一筋縄 | ふつうの方法。 |
| 蔑視 | さげすむこと。見くだすこと。 |
| 配慮 | 心をくばること。心づかい。 |
| 二者択一 | 二つのものの中から一つを選ぶこと。 |
| 妥当 | 道理に無理なくあてはまること。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
わすれることのできない思い出ができた。
きゅうげきな温度変化に備えた服を着る。
かんたんな料理から作る練習を始める。
兄は大学でけいざい学部に所属している。
希望をすてずにできることにはげむ。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「嘆く」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 動画を見ようと嘆いて過ごす。
- イ 放課後に友達と嘆く。
- ウ 自分の悲しい運命を嘆く。
- エ テレビに出ようと嘆く。
Confirm Testの答え
- 答え
忘れる
- 答え
急激
- 答え
簡単
- 答え
経済
- 答え
捨て
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「現代の生き方」とは、どのような生き方ですか。次のにあてはまることばを、文中から書きぬきなさい。(完答)
には豊かであるが、家族とのが少ない生き方。
Confirm Testの答え
- 答え
物質的・心の触れ合い(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「心の時代」ということが最近よく言われるようになった。これはいったいどういう意味だろうか。一般的に何となく感じられていることとしては、現在は物質的な豊かさは急に増加してきたが、考えてみると、心という点では非常に貧しくなってきている。だから、心を大切にすることに努めねばならぬ時代だ、ということになるだろう。そして、昔はもっと心を大切にしていたのに、現在は心の問題をAわすれたり、心を軽視する傾向が強い、と嘆く人も多い。しかし、果たして本当にそうだろうか。
たとえば、昔は家族の間に心の触れ合いがあったが、今はなくなってしまったと嘆く人がいる。確かにその人の生き方を見ていると、子ども時代は田舎で育ち、昔の日本式の家で、家族がいつも一緒になって生きてきた、という感じだったのに、都会に出てきてマンションに住み、妻と一人の子どもと住んでいるが、それぞれが個室に引き込んだりして、家族の接触は急Bげきに薄れている。確かに心の触れ合いは少なくなっている。しかし、ここで非常に大切なことは、昔の生き方をやめ、今のような生き方を望んだのも、この人の「心」であるという事実である。昔はよかったと嘆くのも、この人の心だが、現代の生き方を選んだのもこの人の心である。ここに心の問題の難しさがある。それは*一筋縄ではCかん単に答えを引き出してこれぬことなのだ。
現代に生きる大半の日本人の「心」は物質的豊かさを望み、努力をし、それは大分成功したと言っていいだろう。そのことを忘れてしまって、「心の時代」だから物質的なことを*蔑視するとしたら、あるいは、昔はよかったと嘆いてばかりいるとしたら、①それは全くばかげたことと言わねばならない。何も現代になって、人間の心が急に貧しくなったなどということはないのだ。要は急激に豊かになった物に見合うだけの心の在り方、という点で*配慮が足りなかったのではなかろうか。物質的急成長にふさわしい心の成長という点で、後れを取っているとでも言うべきであろうか。
心の時代だから物はどうでもいいとか、経Dざいや自然科学の成長をとやかく言うのはおかしいのではないだろうか。
物か心かと*二者択一的に考え、心を取って物をEすてる式の「心の時代」ではなく、物も心もどちらも大切であるが、物の方が目に見え過ぎるので、目に見えない方を強調するために「心の時代」というのだ、と考える方がはるかに*妥当であろう。
(河合隼雄『対話する人間』)
注
| 一筋縄 | ふつうの方法。 |
| 蔑視 | さげすむこと。見くだすこと。 |
| 配慮 | 心をくばること。心づかい。 |
| 二者択一 | 二つのものの中から一つを選ぶこと。 |
| 妥当 | 道理に無理なくあてはまること。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「嘆く」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ひどく悲しむ。悲しんで泣く。悲嘆にくれる。
- イ 日によって自分の気分が変わってしまうようす。
- ウ 周りの人からどのように見られているのかな気になること。
- エ 美しくなるために努力すること。
Lessonの答え
- 答え
A 忘 B 激 C 簡 D 済 E 捨 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「①心の時代」ということが最近よく言われるようになった。これはいったいどういう意味だろうか。一般的に何となく感じられていることとしては、現在は物質的な豊かさは急に増加してきたが、考えてみると、心という点では非常に貧しくなってきている。だから、心を大切にすることに努めねばならぬ時代だ、ということになるだろう。そして、昔はもっと心を大切にしていたのに、現在は心の問題を忘れたり、心を軽視する傾向が強い、と嘆く人も多い。しかし、果たして本当にそうだろうか。
たとえば、昔は家族の間に心の触れ合いがあったが、今はなくなってしまったと嘆く人がいる。確かにその人の生き方を見ていると、子ども時代は田舎で育ち、昔の日本式の家で、家族がいつも一緒になって生きてきた、という感じだったのに、都会に出てきてマンションに住み、妻と一人の子どもと住んでいるが、それぞれが個室に引き込んだりして、家族の接触は急激に薄れている。確かに心の触れ合いは少なくなっている。しかし、ここで非常に大切なことは、昔の生き方をやめ、今のような生き方を望んだのも、この人の「心」であるという事実である。昔はよかったと嘆くのも、この人の心だが、現代の生き方を選んだのもこの人の心である。ここに心の問題の難しさがある。それは*一筋縄では簡単に答えを引き出してこれぬことなのだ。
現代に生きる大半の日本人の「心」は物質的豊かさを望み、努力をし、それは大分成功したと言っていいだろう。そのことを忘れてしまって、「心の時代」だから物質的なことを*蔑視するとしたら、あるいは、昔はよかったと嘆いてばかりいるとしたら、それは全くばかげたことと言わねばならない。何も現代になって、人間の心が急に貧しくなったなど
ということはないのだ。要は急激に豊かになった物に見合うだけの心の在り方、という点で*配慮が足りなかったのではなかろうか。物質的急成長にふさわしい心の成長という点で、後れを取っているとでも言うべきであろうか。
心の時代だから物はどうでもいいとか、経済や自然科学の成長をとやかく言うのはおかしいのではないだろうか。
物か心かと*二者択一的に考え、心を取って物を捨てる式の「心の時代」ではなく、物も心もどちらも大切であるが、物の方が目に見え過ぎるので、目に見えない方を強調するために「心の時代」というのだ、と考える方がはるかに*妥当であろう。
(河合隼雄『対話する人間』)
注
| 一筋縄 | ふつうの方法。 |
| 蔑視 | さげすむこと。見くだすこと。 |
| 配慮 | 心をくばること。心づかい。 |
| 二者択一 | 二つのものの中から一つを選ぶこと。 |
| 妥当 | 道理に無理なくあてはまること。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
情報をしゅしゃ選択をしながら判断する。
年末にはぼうねんかいが行われる。
食事中虫歯にげきつうが走る。
かんけつな文章で要点を伝える。
実家から野菜が送られてきたので買わずにすむ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「ひどく悲しむ。悲しんで泣く。悲嘆にくれる。」を表すことばをひらがな三字で書きなさい。
うまくいかないことがあってものをやめる。
Practiceの答え
- 答え
取捨
- 答え
忘年会
- 答え
激痛
- 答え
簡潔
- 答え
済む
- 答え
なげく
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「それは全くばかげたことと言わねばならない」とありますが、筆者はどんなことを「ばかげたこと」だと言っているのですか。七十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
日本人の「心」が物質的な豊かさを望んで努力したことを忘れて、「心の時代」だからと物質的なことを蔑視したり昔はよかったと嘆いたりすること。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「心の時代」とはどのような時代ということですか。文中から十九字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
心を大切にすることに努めねばならぬ時代
28-3 説明文27
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
幼いころのある光景が思い浮かびます。
父や母は親戚のところに行くとき、私も連れて行くことがありました。玄関を入って座敷に上がったとき、そこで不思議なことが始まります。親と親戚がなにやら聞いたこともない言葉、もぐもぐ、むにゃむにゃと意味不明の言葉を発しながら、何度も畳に額をこすりつける。
幼い私にはそれが挨拶だとは分からず、ひどく奇妙な儀式に思えて、じっと見入っていた記憶があります。
「大変ご無沙汰し……むにゃむにゃ、もぐもぐ、……お元気でなにより……むにゃむにゃ、もぐもぐ」
この呪文のような言葉の交換が終わると、神妙な顔つきが一変して、ふだんの笑顔にもどります。
「まあ、今年はずいぶんと冷えこむわねえ」
この変貌に私はついていけませんでした。年に一回は顔を合わせる間柄にもかかわらず、そんな儀式のような言葉のやりとりを繰り返す。昭和三〇年代の日本ではごくふつうの光景でした。
最近ではほとんど目にすることがなくなった挨拶です。
手紙でも時候の挨拶を目にすることがへりました。というより手紙自体をあまり出さなくなった。メールで時候の挨拶を目にすることはめったにありません。
こうした一見どうでもいい挨拶、なくても困らないような言葉のやりとりがなくなっていく背景には、*コミュニケーションにスピードと効率化を追求する情報社会の傾向が影響しているのでしょう。
私は一見無駄に見える挨拶などは、暴走する言葉を納める「鞘」のような役割を担っていたのではないかと考えます。言葉は放っておくと暴走する、ということをかつての人々は熟知していた。だからこそこうした 「無駄な言葉」によるやりとりで、言葉の暴走を食い止めようとしていたとも思います。
形式化された、定型化された言葉というのは、宗教的な場ではじつに当たり前に存在します。儀式と宗教活動の中心に、たとえば聖書、*コーランがあり、日本でも*経文や
*祝詞があります。
葬儀や結婚式という宗教化された儀式では人はどうしても感情的になります。言葉にならない、あるいは言葉を探し求めている感情は、自分の言葉に出会うと爆発したり、人を傷つけたりします。コントロールできない事態もあります。こうした儀式において、定型化された言葉の連なりをたよりにするのは、①言葉がともすればコントロール不能になるということを人々が知っていたからだ、と私は考えます。
「鞘」を失った言葉はときに暴走します。電子ネットワーク上の掲示板、2ちゃんねるなどでは、攻撃的で*露骨な
*誹謗中傷が吹きあれることがある。これも電子ネットワークという場が「鞘」を排除する性格があり、さらにそこには世間もクウキという秩序もないということからきています。
情報社会が生み出した新しい環境は、言葉が暴走しやすいようにできているのです。
(藤原智美『検索バカ』)
注
| コミュニケーション | ことばや文字などで、おたがいの気持ちや意見を伝え合うこと。 |
| コーラン | イスラム教の聖典。 |
| 経文 | 仏の教えが書いてある文章。お経。 |
| 祝詞 | 神の前で神主が読み上げることば。 |
| 露骨 | むきだしであること。 |
| 誹謗中傷 | でたらめな悪口を言いふらして、相手を傷つけること。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
祖母とざ敷で和菓子を食べる。
学校祭の準備でやくわり分担をする。
水が氷にじょうたい変化した。
基礎をじゅくちした研究者を目指す。
欧州のしゅうきょうや文化の歴史を調べる。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「神妙」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 私は神妙な友達がいる。
- イ 病院に着いた私に、彼は神妙な顔つきで話しかけた。
- ウ 今日の朝食は神妙な味だった。
- エ 明日からの旅行が神妙で、ワクワクして眠れない。
Confirm Testの答え
- 答え
座
- 答え
役割
- 答え
状態
- 答え
熟知
- 答え
宗教
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「言葉がともすればコントロール不能になる」とありますが、この状態を簡潔に言い表したことばを、文中から五字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
言葉の暴走
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
幼いころのある光景が思い浮かびます。
父や母は親戚のところに行くとき、私も連れて行くことがありました。玄関を入ってAざ敷に上がったとき、そこで不思議なことが始まります。親と親戚がなにやら聞いたこともない言葉、もぐもぐ、むにゃむにゃと意味不明の言葉を発しながら、何度も畳に額をこすりつける。
幼い私にはそれが挨拶だとは分からず、ひどく奇妙な儀式に思えて、じっと見入っていた記憶があります。
「大変ご無沙汰し……むにゃむにゃ、もぐもぐ、……お元気でなにより……むにゃむにゃ、もぐもぐ」
この呪文のような言葉の交換が終わると、神妙な顔つきが一変して、ふだんの笑顔にもどります。
「まあ、今年はずいぶんと冷えこむわねえ」
①この変貌に私はついていけませんでした。年に一回は顔を合わせる間柄にもかかわらず、そんな儀式のような言葉のやりとりを繰り返す。昭和三〇年代の日本ではごくふつうの光景でした。
最近ではほとんど目にすることがなくなった挨拶です。
手紙でも時候の挨拶を目にすることがへりました。というより手紙自体をあまり出さなくなった。メールで時候の挨拶を目にすることはめったにありません。
こうした一見どうでもいい挨拶、なくても困らないような言葉のやりとりがなくなっていく背景には、*コミュニケーションにスピードと効率化を追求する情報社会の傾向が影響しているのでしょう。
私は一見無駄に見える挨拶などは、暴走する言葉を納める「鞘」のような役Bわりを担っていたのではないかと考えます。言葉は放っておくと暴走する、ということをかつての人々はCじゅく知していた。だからこそこうした 「無駄な言葉」によるやりとりで、言葉の暴走を食い止めようとしていたとも思います。
形式化された、定型化された言葉というのは、Dしゅう教的な場ではじつに当たり前に存在します。儀式としゅう教活動の中心に、たとえば聖書、*コーランがあり、日本でも
*経文や*祝詞があります。
葬儀や結婚式というしゅう教化された儀式では人はどうしても感情的になります。言葉にならない、あるいは言葉を探し求めている感情は、自分の言葉に出会うと爆発したり、人を傷つけたりします。コントロールできない事Eたいもあります。こうした儀式において、定型化された言葉の連なりをたよりにするのは、言葉がともすればコントロール不能になるということを人々が知っていたからだ、と私は考えます。
「鞘」を失った言葉はときに暴走します。電子ネットワーク上の掲示板、2ちゃんねるなどでは、攻撃的で*露骨な
*誹謗中傷が吹きあれることがある。これも電子ネットワークという場が「鞘」を排除する性格があり、さらにそこには世間もクウキという秩序もないということからきています。
情報社会が生み出した新しい環境は、言葉が暴走しやすいようにできているのです。
(藤原智美『検索バカ』)
注
| コミュニケーション | ことばや文字などで、おたがいの気持ちや意見を伝え合うこと。 |
| コーラン | イスラム教の聖典。 |
| 経文 | 仏の教えが書いてある文章。お経。 |
| 祝詞 | 神の前で神主が読み上げることば。 |
| 露骨 | むきだしであること。 |
| 誹謗中傷 | でたらめな悪口を言いふらして、相手を傷つけること。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「神妙」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア もう少しで神様になれること。
- イ 季節ごとに気分が変わってしまうこと。
- ウ 神様から与えられたもののこと。
- エ 態度がおとなしく、すなおなこと。
Lessonの答え
- 答え
A 座 B 割 C 熟 D 宗 E 態 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
幼いころのある光景が思い浮かびます。
父や母は親戚のところに行くとき、私も連れて行くことがありました。玄関を入って座敷に上がったとき、そこで不思議なことが始まります。親と親戚がなにやら聞いたこともない言葉、もぐもぐ、むにゃむにゃと意味不明の言葉を発しながら、何度も畳に額をこすりつける。
幼い私にはそれが挨拶だとは分からず、ひどく奇妙な儀式に思えて、じっと見入っていた記憶があります。
「大変ご無沙汰し……むにゃむにゃ、もぐもぐ、……お元気でなにより……むにゃむにゃ、もぐもぐ」
この呪文のような言葉の交換が終わると、神妙な顔つきが一変して、ふだんの笑顔にもどります。
「まあ、今年はずいぶんと冷えこむわねえ」
この変貌に私はついていけませんでした。年に一回は顔を合わせる間柄にもかかわらず、そんな儀式のような言葉のやりとりを繰り返す。昭和三〇年代の日本ではごくふつうの光景でした。
最近ではほとんど目にすることがなくなった挨拶です。
手紙でも時候の挨拶を目にすることがへりました。というより手紙自体をあまり出さなくなった。メールで時候の挨拶を目にすることはめったにありません。
こうした一見どうでもいい挨拶、なくても困らないような言葉のやりとりがなくなっていく背景には、*コミュニケーションにスピードと効率化を追求する情報社会の傾向が影響しているのでしょう。
私は一見無駄に見える挨拶などは、①暴走する言葉を納める「鞘」のような役割を担っていたのではないかと考えます。言葉は放っておくと暴走する、ということをかつての人々は熟知していた。だからこそこうした 「無駄な言葉」によるやりとりで、言葉の暴走を食い止めようとしていたとも思います。
形式化された、定型化された言葉というのは、宗教的な場ではじつに当たり前に存在します。儀式と宗教活動の中心に、たとえば聖書、*コーランがあり、日本でも*経文や
*祝詞があります。
葬儀や結婚式という宗教化された儀式では人はどうしても感情的になります。言葉にならない、あるいは言葉を探し求めている感情は、自分の言葉に出会うと爆発したり、人を傷つけたりします。コントロールできない事態もあります。こうした儀式において、定型化された言葉の連なりをたよりにするのは、言葉がともすればコントロール不能になるということを人々が知っていたからだ、と私は考えます。
「鞘」を失った言葉はときに暴走します。電子ネットワーク上の掲示板、2ちゃんねるなどでは、攻撃的で*露骨な
*誹謗中傷が吹きあれることがある。これも電子ネットワークという場が「鞘」を排除する性格があり、さらにそこには世間もクウキという秩序もないということからきています。
情報社会が生み出した新しい環境は、言葉が暴走しやすいようにできているのです。
(藤原智美『検索バカ』)
注
| コミュニケーション | ことばや文字などで、おたがいの気持ちや意見を伝え合うこと。 |
| コーラン | イスラム教の聖典。 |
| 経文 | 仏の教えが書いてある文章。お経。 |
| 祝詞 | 神の前で神主が読み上げることば。 |
| 露骨 | むきだしであること。 |
| 誹謗中傷 | でたらめな悪口を言いふらして、相手を傷つけること。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
さまざまな仏教のしゅうはが存在する。
自分のざゆうの銘を心に留めておく。
わりびきの値札が貼られた商品。
昨日の彼のたいどはよくなかった。
じゅくれんの技術を持つ職人に憧れる。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「態度がおとなしく、すなおなこと。」を表すことばをひらがな五字で書きなさい。
私は知らない人ばかりだとな顔になる。
Practiceの答え
- 答え
宗派
- 答え
座右
- 答え
割引(割り引き)
- 答え
態度
- 答え
熟練
- 答え
しんみょう
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この変貌」とありますが、幼いころの筆者は親や親戚のどのような表情の変化についていけなかったのですか。次の a・bにあてはまることばを、文中からそれぞれ六字で書きぬきなさい。(完答)
挨拶をかわしているときの a と、挨拶が終わって b にもどったときの表情の変化。
- a
- b
Lessonの答え
- 答え
- a 神妙な顔つき
- b ふだんの笑顔
(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「暴走する言葉を納める『鞘』のような役割」を次のように説明する場合、 a・bにあてはまることばを、線①よりあとの文中からaは二字、bは六字で書きぬきなさい。(完答)
言葉にならない a を b する役割。
- a
- b
Practiceの答え
- 答え
- a 感情
- b コントロール
(完答)
29章 物語文
物語文の読み方
29-1 物語文24
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学五年生の淳司の父は、新聞販売店を営んでいる。淳司は、この日初めて新聞配達を手伝ったが、新聞を二部余らせて店にもどってきた。
「もう一ペん、行ってくること。後半の順路を一軒ずつたしかめてみるんだ。かならずわかる」
父の声は、ずしっと重かった。なにもそこまできびしくいわなくてもという顔の*滝山さんが、
「ぼくも、ついて行って、いっしょにまわりましょうか」
父にきいた。淳司を気のどくに思ってのことだろう。父はさえぎった。
「いや、その気持ちはおれにもあるんだが、淳司のためには手助けしないほうがいい。完投を目前にして、あとひとがんばりというピッチャーに、*リリーフをつぎ込むようなもんだろうさ。苦しくても、完投させてやりたいと思うのが、ほんとうの親心じゃないのかな」
「ウーン、なっとく。おやじさんのいうとおりだ。わるいけど、朝めしは先にいただきましょうや」
星崎さんは滝山さんや大熊さんに目くばせして、さっさと台所に引っ込んでしまった。淳司が自転車にもどりかけると、ミカがそっと呼びとめた。
「おにいちゃん、おなかすいてない?」
「それどころの話かよ。あたま、こんがらがってんだ」
淳司はカッカとしている自分をおさえて、なるべく冷静にいった。父や星崎さんたちが手助けしてくれないことを、うらむ気持ちがあった。なかったといえばうそになる。
「あたし、おにいちゃんがちゃんと配ってくるまで、朝ごはん食べないで待ってる。だから、くさらないで、配ってきて――」
「ぜーんぜん、くさっているわけなんてないだろ。引き受けた以上、泣きごといってたまるかよ。自分で解決するよ。そのかわり、配達料はしっかりもらおうと思っている。どんな仕事でもりんじは高いんだよな。割り増し料金をもらわなくちゃ、計算が合いやしないよ」
淳司は自転車のハンドルをとった。ここまでやったのだから、父たちの手を借りたくはない。気をとりなおした淳司は、もう一度〝*六区〞に急いだ。ミカのいってくれたことがうれしかった。
この朝、淳司は八時半すぎにようやくごはんにありつくことができた。入れ忘れの二部は、後半のコースの中ごろでめでたく解決をみた。アパートの『昭栄荘』に五部入れなくてはならなかったのに、三号室をとばしてしまったのだった。
あとの一部は、運送会社の事務所だった。門が閉まっていたので、ついうっかり素通りしてしまったのである。
「わかってみれば、つまんない単純なミスなんだよね。ちょっとしたさっかく。やっぱり、あがってたのかなあ」
淳司はごはんのおかわりをした。ミカはほんとうに淳司が帰るまで、朝ごはんを食べてなかった。母もだ。
「よくやったな。わからなくて、ふたまわりくらいしているんじゃないかと思った。最後の一部を入れたときはスカッとしたろ」
①父はさっきとはうってかわって、ほおをゆるめっぱなしだった。
(木暮正夫『街かどの夏休み』)
注
| 滝山さん | 新聞販売店のアルバイト。星崎さんと大熊さんも同様。 |
| リリーフ | 野球で、先発した投手(ピッチャー)に代わって試合に出る投手。 |
| 六区 | この日、淳司が配達を担当した区域。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
廊下で名前をよばれて振り返る。
深夜のタクシーはわりだかな料金がかかる。
お弁当をかばんに入れわすれて困った。
玄関の扉をしめて鍵をかける。
たんじゅんに見えて難しい問題に直面する。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「目くばせ」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 妹が何か言いたそうに目くばせしてきた。
- イ 雨の日は目くばせするのが楽しい。
- ウ 暑い時は目くばせしたくてもできない。
- エ 文章を考えるには目くばせするのが一番いい。
Confirm Testの答え
- 答え
呼ばれ
- 答え
割高
- 答え
忘れ
- 答え
閉め
- 答え
単純
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「父はさっきとはうってかわって、ほおをゆるめっぱなしだった」とありますが、このとき、父がほおをゆるめっぱなしだのはなぜですか。次の にあてはまることばを、「仕事」ということばを使って二十字以内で書きなさい。
淳司が ことを父親としてうれしく思ったから。
Confirm Testの答え
- 答え
自分の仕事を最後まで一人でやりとげた
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学五年生の淳司の父は、新聞販売店を営んでいる。淳司は、この日初めて新聞配達を手伝ったが、新聞を二部余らせて店にもどってきた。
「もう一ペん、行ってくること。後半の順路を一軒ずつたしかめてみるんだ。かならずわかる」
父の声は、ずしっと重かった。なにもそこまできびしくいわなくてもという顔の*滝山さんが、
「ぼくも、ついて行って、いっしょにまわりましょうか」
父にきいた。淳司を気のどくに思ってのことだろう。父はさえぎった。
「いや、その気持ちはおれにもあるんだが、淳司のためには手助けしないほうがいい。完投を目前にして、あとひとがんばりというピッチャーに、*リリーフをつぎ込むようなもんだろうさ。苦しくても、完投させてやりたいと思うのが、ほんとうの親心じゃないのかな」
「ウーン、なっとく。おやじさんのいうとおりだ。わるいけど、朝めしは先にいただきましょうや」
星崎さんは滝山さんや大熊さんに目くばせして、さっさと台所に引っ込んでしまった。淳司が自転車にもどりかけると、ミカがそっとAよびとめた。
「おにいちゃん、おなかすいてない?」
「それどころの話かよ。あたま、こんがらがってんだ」
淳司はカッカとしている自分をおさえて、なるべく冷静にいった。父や星崎さんたちが手助けしてくれないことを、うらむ気持ちがあった。なかったといえばうそになる。
「あたし、おにいちゃんがちゃんと配ってくるまで、朝ごはん食べないで待ってる。だから、くさらないで、配ってきて――」
「ぜーんぜん、くさっているわけなんてないだろ。引き受けた以上、泣きごといってたまるかよ。自分で解決するよ。そのかわり、配達料はしっかりもらおうと思っている。どんな仕事でもりんじは高いんだよな。Bわり増し料金をもらわなくちゃ、計算が合いやしないよ」
淳司は自転車のハンドルをとった。ここまでやったのだから、父たちの手を借りたくはない。気をとりなおした淳司は、もう一度〝*六区〞に急いだ。ミカのいってくれたことがうれしかった。
この朝、淳司は八時半すぎにようやくごはんにありつくことができた。入れCわすれの二部は、後半のコースの中ごろで①めでたく解決をみた。アパートの『昭栄荘』に五部入れなくてはならなかったのに、三号室をとばしてしまったのだった。
あとの一部は、運送会社の事務所だった。門がDしまっていたので、ついうっかり素通りしてしまったのである。
「わかってみれば、つまんない単Eじゅんなミスなんだよね。ちょっとしたさっかく。やっぱり、あがってたのかなあ」
淳司はごはんのおかわりをした。ミカはほんとうに淳司が帰るまで、朝ごはんを食べてなかった。母もだ。
「よくやったな。わからなくて、ふたまわりくらいしているんじゃないかと思った。最後の一部を入れたときはスカッとしたろ」
父はさっきとはうってかわって、ほおをゆるめっぱなしだった。
(木暮正夫『街かどの夏休み』)
注
| 滝山さん | 新聞販売店のアルバイト。星崎さんと大熊さんも同様。 |
| リリーフ | 野球で、先発した投手(ピッチャー)に代わって試合に出る投手。 |
| 六区 | この日、淳司が配達を担当した区域。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「目くばせ」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア テレビを見過ぎて目が痛くなること。
- イ 花粉で目がかゆいこと。
- ウ 走りまわって目をけがすること。
- エ 目を動かして、意思を伝えたり合図をしたりすること。
Lessonの答え
- 答え
A 呼 B 割 C 忘 D 閉 E 純 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学五年生の淳司の父は、新聞販売店を営んでいる。淳司は、この日初めて新聞配達を手伝ったが、新聞を二部余らせて店にもどってきた。
「もう一ペん、行ってくること。後半の順路を一軒ずつたしかめてみるんだ。かならずわかる」
父の声は、ずしっと重かった。なにもそこまできびしくいわなくてもという顔の*滝山さんが、
「ぼくも、ついて行って、いっしょにまわりましょうか」
父にきいた。淳司を気のどくに思ってのことだろう。父はさえぎった。
「いや、その気持ちはおれにもあるんだが、淳司のためには手助けしないほうがいい。完投を目前にして、あとひとがんばりというピッチャーに、*リリーフをつぎ込むようなもんだろうさ。苦しくても、①完投させてやりたいと思うのが、ほんとうの親心じゃないのかな」
「ウーン、なっとく。おやじさんのいうとおりだ。わるいけど、朝めしは先にいただきましょうや」
星崎さんは滝山さんや大熊さんに目くばせして、さっさと台所に引っ込んでしまった。淳司が自転車にもどりかけると、ミカがそっと呼びとめた。
「おにいちゃん、おなかすいてない?」
「それどころの話かよ。あたま、こんがらがってんだ」
淳司はカッカとしている自分をおさえて、なるべく冷静にいった。父や星崎さんたちが手助けしてくれないことを、うらむ気持ちがあった。なかったといえばうそになる。
「あたし、おにいちゃんがちゃんと配ってくるまで、朝ごはん食べないで待ってる。だから、くさらないで、配ってきて――」
「ぜーんぜん、くさっているわけなんてないだろ。引き受けた以上、泣きごといってたまるかよ。自分で解決するよ。そのかわり、配達料はしっかりもらおうと思っている。どんな仕事でもりんじは高いんだよな。割り増し料金をもらわなくちゃ、計算が合いやしないよ」
淳司は自転車のハンドルをとった。ここまでやったのだから、父たちの手を借りたくはない。気をとりなおした淳司は、もう一度〝*六区〞に急いだ。ミカのいってくれたことがうれしかった。
この朝、淳司は八時半すぎにようやくごはんにありつくことができた。入れ忘れの二部は、後半のコースの中ごろでめでたく解決をみた。アパートの『昭栄荘』に五部入れなくてはならなかったのに、三号室をとばしてしまったのだった。
あとの一部は、運送会社の事務所だった。門が閉まっていたので、ついうっかり素通りしてしまったのである。
「わかってみれば、つまんない単純なミスなんだよね。ちょっとしたさっかく。やっぱり、あがってたのかなあ」
淳司はごはんのおかわりをした。ミカはほんとうに淳司が帰るまで、朝ごはんを食べてなかった。母もだ。
「よくやったな。わからなくて、ふたまわりくらいしているんじゃないかと思った。最後の一部を入れたときはスカッとしたろ」
父はさっきとはうってかわって、ほおをゆるめっぱなしだった。
(木暮正夫『街かどの夏休み』)
注
| 滝山さん | 新聞販売店のアルバイト。星崎さんと大熊さんも同様。 |
| リリーフ | 野球で、先発した投手(ピッチャー)に代わって試合に出る投手。 |
| 六区 | この日、淳司が配達を担当した区域。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
美しいじゅんぱくのドレスを身にまとう。
こきゅうを整えて体の力を抜く。
年に一度のわりびきセールが行われる。
ぼう却曲線を活用した学習法に取り組む。
大会のへいかい式で選手に拍手を送る。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「目を動かして、意思を伝えたり合図をしたりすること。」を表すことばを四字で書きなさい。
彼は私にした。
Practiceの答え
- 答え
純白
- 答え
呼吸
- 答え
割引(割り引き)
- 答え
忘
- 答え
閉会
- 答え
目くばせ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「めでたく解決をみた」とありますが、それによって淳司が元気を取りもどしたことがよくわかる一文を文中からさがし、初めの五字を書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
淳司はごは
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「完投させてやりたい」とありますが、このときの淳司の場合でいうと、「完投する」ためにはどのようなことが必要ですか。次の にあてはまることばを、二十字以内で書きなさい。
後半の順路を一軒ずつたしかめて、 こと。
Practiceの答え
- 答え
入れ忘れの二部の新聞を自分で配達する
29-2 物語文25
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
算数の苦手な美央は、ハルくんに魔法をかけてもらったが、何の変化も感じない。しかし、そう答えるわけにいかないので「かるくなったかも。」と答えた。
「よっしゃあ。」
ハルくんはまたガッツポーズをつくった。
「かるくするのは、たいせつな魔法なのだ。」
得意げに胸をはる。
「そうなの?」
「ああ。ごちゃごちゃしているところが消えたわけであるからな。消すのは魔法の基本なのである。」
質問も、ハルくんのいうこともよくわからなかったが、美央はだまってきくことにした。
「人間というのは、ごちゃごちゃ考えすぎる生きものなのだ。いつも父さんがいっている。頭の中がごちゃごちゃしていると、できることまでできなくなってしまうのだ。」
「ごちゃごちゃ。」
「そう。盛田さんは、たとえば算数の時間に、なにを教わったかおぼえているか?」
「うーん。」
①美央はかしげかけた首を小さくふった。
「おぼえてないかも。」
算数の時間は、先生にあてられないようにとか、めぐちゃんに告げ口されないようにとか考えて、びくびくしている。授業の内容のことなんか、ちっともおぼえていなかった。
「ほんとだ。」
よくよく考えて美央は目を丸くした。まるで自分の心の中をのぞかれたみたいだった。
「うちの父さんは、魔法使いだからなーんでもわかるのだ。」
ハルくんは自慢そうに胸をはった。
「そういえば。」
美央はうなずきながら、バレーボールのことも考えてみた。
うまくできなかったときは、めぐちゃんがいたときだ。視線を感じただけで、びくついた。おばさんやお母さんの顔が頭の中でぐるぐるまわって、ボールまで怖くなった。
反対にうまくできたときは、算数ができたあとだった。先生からもほめられて、気分がよかった。めぐちゃんもいなかったし。
「ごちゃごちゃのせいでできることまでできなくなったら、もったいないである。」
ハルくんはいった。
「そうだね。」
美央はうなずく。算数はもともと苦手にしても、得意なバレーボールまでできなくなったのは、ごちゃごちゃ考えていて集中力がなくなったからかもしれない。
算数のせいでバレーの調子までわるくなるなんて、もったいないどころか、大損だ。
そう思ったとき、
レギュラーをとりたい。
美央の、おなかの底から熱い気持ちがわきあがってきた。
(まはら三桃『青がやってきた』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
勉強や運動はきほんが身につけば応用できる。
事前にこくちされていたテストを受ける。
こまめに授業のないようを復習する。
しせんを合わせておじぎをする。
余計な心配をしてそんした気分になる。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「胸をはる」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア たくさん練習したので胸をはる。
- イ 胸をはるのでついてきてください。
- ウ もう少しみんなで胸をはることが大切。
- エ 明日はみんなで胸をはる。
Confirm Testの答え
- 答え
基本
- 答え
告知
- 答え
内容
- 答え
視線
- 答え
損
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「美央はかしげかけた首を小さくふった」とありますが、ここからわかることとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 思い出そうとしたが思い出せなかったこと。
- イ なぜ思い出さないといけないのかわからないこと。
- ウ 授業中のことは思い出したくもないこと。
- エ 思い出したことは言いたくないこと。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
算数の苦手な美央は、ハルくんに魔法をかけてもらったが、何の変化も感じない。しかし、そう答えるわけにいかないので「かるくなったかも。」と答えた。
「よっしゃあ。」
ハルくんはまたガッツポーズをつくった。
「かるくするのは、たいせつな魔法なのだ。」
得意げに胸をはる。
「そうなの?」
「ああ。ごちゃごちゃしているところが消えたわけであるからな。消すのは魔法のAき本なのである。」
質問も、ハルくんのいうこともよくわからなかったが、美央はだまってきくことにした。
「人間というのは、ごちゃごちゃ考えすぎる生きものなのだ。いつも父さんがいっている。①頭の中がごちゃごちゃしていると、できることまでできなくなってしまうのだ。」
「ごちゃごちゃ。」
「そう。盛田さんは、たとえば算数の時間に、なにを教わったかおぼえているか?」
「うーん。」
美央はかしげかけた首を小さくふった。
「おぼえてないかも。」
算数の時間は、先生にあてられないようにとか、めぐちゃんにBつげ口されないようにとか考えて、びくびくしている。授業の内Cようのことなんか、ちっともおぼえていなかった。
「ほんとだ。」
よくよく考えて美央は目を丸くした。まるで自分の心の中をのぞかれたみたいだった。
「うちの父さんは、魔法使いだからなーんでもわかるのだ。」
ハルくんは自慢そうに胸をはった。
「そういえば。」
美央はうなずきながら、バレーボールのことも考えてみた。
うまくできなかったときは、めぐちゃんがいたときだ。Dし線を感じただけで、びくついた。おばさんやお母さんの顔が頭の中でぐるぐるまわって、ボールまで怖くなった。
反対にうまくできたときは、算数ができたあとだった。先生からもほめられて、気分がよかった。めぐちゃんもいなかったし。
「ごちゃごちゃのせいでできることまでできなくなったら、もったいないである。」
ハルくんはいった。
「そうだね。」
美央はうなずく。算数はもともと苦手にしても、得意なバレーボールまでできなくなったのは、ごちゃごちゃ考えていて集中力がなくなったからかもしれない。
算数のせいでバレーの調子までわるくなるなんて、もったいないどころか、大Eぞんだ。
そう思ったとき、
レギュラーをとりたい。
美央の、おなかの底から熱い気持ちがわきあがってきた。
(まはら三桃『青がやってきた』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「胸をはる」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 楽しいことを進んで行う人。
- イ 前に進むべきか、進まないで立ち止まるか迷っている様子。
- ウ 胸をそらせて、自信のある様子をする。得意になる。
- エ 好きなものを好きなだけ食べること。
Lessonの答え
- 答え
A 基 B 告 C 容 D 視 E 損 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
算数の苦手な美央は、ハルくんに魔法をかけてもらったが、何の変化も感じない。しかし、そう答えるわけにいかないので「かるくなったかも。」と答えた。
「よっしゃあ。」
ハルくんはまた①ガッツポーズをつくった。
「かるくするのは、たいせつな魔法なのだ。」
得意げに胸をはる。
「そうなの?」
「ああ。ごちゃごちゃしているところが消えたわけであるからな。消すのは魔法の基本なのである。」
質問も、ハルくんのいうこともよくわからなかったが、美央はだまってきくことにした。
「人間というのは、ごちゃごちゃ考えすぎる生きものなのだ。いつも父さんがいっている。頭の中がごちゃごちゃしていると、できることまでできなくなってしまうのだ。」
「ごちゃごちゃ。」
「そう。盛田さんは、たとえば算数の時間に、なにを教わったかおぼえているか?」
「うーん。」
美央はかしげかけた首を小さくふった。
「おぼえてないかも。」
算数の時間は、先生にあてられないようにとか、めぐちゃんに告げ口されないようにとか考えて、びくびくしている。授業の内容のことなんか、ちっともおぼえていなかった。
「ほんとだ。」
よくよく考えて美央は目を丸くした。まるで自分の心の中をのぞかれたみたいだった。
「うちの父さんは、魔法使いだからなーんでもわかるのだ。」
ハルくんは自慢そうに胸をはった。
「そういえば。」
美央はうなずきながら、バレーボールのことも考えてみた。
うまくできなかったときは、めぐちゃんがいたときだ。視線を感じただけで、びくついた。おばさんやお母さんの顔が頭の中でぐるぐるまわって、ボールまで怖くなった。
反対にうまくできたときは、算数ができたあとだった。先生からもほめられて、気分がよかった。めぐちゃんもいなかったし。
「ごちゃごちゃのせいでできることまでできなくなったら、もったいないである。」
ハルくんはいった。
「そうだね。」
美央はうなずく。算数はもともと苦手にしても、得意なバレーボールまでできなくなったのは、ごちゃごちゃ考えていて集中力がなくなったからかもしれない。
算数のせいでバレーの調子までわるくなるなんて、もったいないどころか、大損だ。
そう思ったとき、
レギュラーをとりたい。
美央の、おなかの底から熱い気持ちがわきあがってきた。
(まはら三桃『青がやってきた』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
準備運動は体のそんしょうを予防する。
きじゅんを満たしている製品を利用する。
桜は春が訪れたことをつげる花だ。
算数でようせきをもとめる計算をする。
しやを広げる意識を持つことが大切だ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「胸をそらせて、自信のある様子をする。得意になる。」を表すことばを四字で書きなさい。
球技大会は得意なので。
Practiceの答え
- 答え
損傷
- 答え
基準
- 答え
告げる
- 答え
容積
- 答え
視野
- 答え
胸をはる
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「頭の中がごちゃごちゃしていると、できることまでできなくなってしまう」とありますが、これを美央の算数の時間にあてはめて説明した次の文のにあてはまることばを、文中から書きぬきなさい。(完答)
にあてられないようにとか、めぐちゃんにされないようにと考えてしているせいで、ことをおぼえていない。
Lessonの答え
- 答え
先生・告げ口・びくびく・教わった(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ガッツポーズをつくった」とありますが、ハルくんが「ガッツポーズをつくった」のはなぜですか。二十字以内で書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
美央に魔法をかけることができたから。
29-3 物語文26
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
その犬を、町で最初に見かけたのは新聞配達の少年であった。いつものように、インクの匂いのぷんぷんする朝刊を自転車の荷台にどっさり積んで、さびたブレーキを遠慮がちに鳴らしながらまだ寝静まっている町へ降りていくと、しらしら明けの街道のむこうから とやってくるその犬に出会った。
大きな耳が顔の両側にだらりと垂れ下がっている赤犬であった。
新聞配達の少年は、町にすみついている犬は一匹残らず知っている。戸数二千数百、人口一万にも満たないちいさな港町である。どの路地にはどの犬がいて、それがどんな尾の振り方をするか、どんな吠え方をするかということまで、よく知っている。
彼は、その赤犬を一と目見て、あいつ、どこからか迷い込んできた他所者だなと思った。歩き方を見て、すぐにわかった。
ところどころひびの走っているコンクリートの街道には、魚市場から魚を運び出すトラックの荷台の両側からしたたり落ちる魚の血が染み込んで、幅の広いレールのような縞ができている。①赤犬は、珍しそうにその縞の匂いをかぎながらやってきたが、町にすみついている犬なら、仔犬でもそんな野暮な真似はしない。
すれ違って、なんて耳の大きな犬だと彼は思った。町にも赤犬はたくさんいるが、こんなに耳が垂れ下がったやつを見るのは初めてであった。もうすこし首を垂れると、鼻よりも先に耳が地面に届きそうだ。
彼は、なんとなくその耳に親しみをおぼえて、自転車のスピードを落とすと、赤犬の方へ口笛を一つ鳴らしてやった。すると、赤犬は突然思いがけない態度に出た。それまでは脇目も振らずに道をかぎながら歩いていたのに、急に我に返ったように立ち止まると、彼の方へ向き直って、*ちんちんをした。
それが、実に堂に入ったちんちんであった。腰がすわって、背骨がしゃんと伸びている。上げた前肢も、ちょっと内側に寄せて、胸の前で両手を組むようにしているところが、洒落ている。
少年はびっくりして、あやうくハンドルを切り損ねるところだった。思わず片足を地面に突いて、呆気にとられて見ていると、赤犬は、なんだ、無駄骨かというふうにちんちんをやめて、また魚の血の縞をかぎながらむこうへ歩きはじめた。
正直いって、彼はすこし気味が悪かったが、自分を励ますためにもういちど口笛を鳴らそうとした。けれども、どうしたことか口笛はうまく鳴らなかった。彼は、首を一つひねって、また自転車を走らせた。
おかしな犬だったな、と彼はペダルを踏みながら思った。あんな見事なちんちんをする犬、見たことがない。まるでサーカスの犬みたいな芸当をする。あの犬、まさかサーカスから逃げてきたんじゃあるまいな。
けれども、もうすぐ冬だというこんな季節にサーカスがやってくるはずがなかった。もちろん、近くの町にサーカスがきているといううわさも聞かない。
すると、どこかのいい家で厳しく仕付けられた犬なのだろうか。そんな犬が、どうしてこんな北国の殺風景な港町なんかに流れてきたんだろう。人に飼われていることにいや気がさして、*放浪の旅に出てきたのだろうか。あの犬は、確か首輪をしていなかった。よくも首輪から抜けてこられたものだ、あんな大きな耳をしていて。
(三浦哲郎『木戸が開く前に』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
| ちんちん | 犬が前あしを上げて、後ろあしだけで立つこと。 |
| 放浪 | さまよい歩くこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
電車をおりる前に忘れ物を確認する。
藤の花はたれ下がるようにして咲く。
布を植物の色でそめる伝統工芸がある。
検定試験の合否の結果が家にとどく。
うわのそらで名前を呼ばれてわれにかえる。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「しらしら」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア しらしら明けの海の景色を見に行く。
- イ しらしらに努力する。
- ウ ドーナツが食べたいからしらしらに行く。
- エ しらしらになるのが嫌だから静かにする。
Confirm Testの答え
- 答え
降りる
- 答え
垂れ
- 答え
染める
- 答え
届く
- 答え
我
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア だらり
- イ どっさり
- ウ のそのそ
- エ ぷんぷん
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「赤犬は、珍しそうにその縞の匂いをかぎながらやってきた」について、このときの犬の様子を説明したものとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 落ち着かない様子。
- イ おびえている様子。
- ウ たいくつそうな様子。
- エ 夢中になっている様子。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
その犬を、町で最初に見かけたのは新聞配達の少年であった。いつものように、インクの匂いの する朝刊を自転車の荷台にどっさり積んで、さびたブレーキを遠慮がちに鳴らしながらまだ寝静まっている町へAおりていくと、しらしら明けの街道のむこうからのそのそとやってくるその犬に出会った。
大きな耳が顔の両側にだらりとBたれ下がっている赤犬であった。
新聞配達の少年は、町にすみついている犬は一匹残らず知っている。戸数二千数百、人口一万にも満たないちいさな港町である。どの路地にはどの犬がいて、それがどんな尾の振り方をするか、どんな吠え方をするかということまで、よく知っている。
彼は、その赤犬を一と目見て、あいつ、どこからか迷い込んできた他所者だなと思った。歩き方を見て、すぐにわかった。
ところどころひびの走っているコンクリートの街道には、魚市場から魚を運び出すトラックの荷台の両側からしたたり落ちる魚の血がCしみ込んで、幅の広いレールのような縞ができている。赤犬は、珍しそうにその縞の匂いをかぎながらやってきたが、町にすみついている犬なら、仔犬でもそんな野暮な真似はしない。
すれ違って、なんて耳の大きな犬だと彼は思った。町にも赤犬はたくさんいるが、こんなに耳がたれ下がったやつを見るのは初めてであった。もうすこし首をたれると、鼻よりも先に耳が地面にDとどきそうだ。
彼は、なんとなくその耳に親しみをおぼえて、自転車のスピードを落とすと、赤犬の方へ口笛を一つ鳴らしてやった。すると、赤犬は突然思いがけない態度に出た。それまでは脇目も振らずに道をかぎながら歩いていたのに、急にEわれに返ったように立ち止まると、彼の方へ向き直って、*ちんちんをした。
それが、実に堂に入ったちんちんであった。腰がすわって、背骨がしゃんと伸びている。上げた前肢も、ちょっと内側に寄せて、胸の前で両手を組むようにしているところが、洒落ている。
①少年はびっくりして、あやうくハンドルを切り損ねるところだった。思わず片足を地面に突いて、呆気にとられて見ていると、赤犬は、なんだ、無駄骨かというふうにちんちんをやめて、また魚の血の縞をかぎながらむこうへ歩きはじめた。
正直いって、彼はすこし気味が悪かったが、自分を励ますためにもういちど口笛を鳴らそうとした。けれども、どうしたことか口笛はうまく鳴らなかった。彼は、首を一つひねって、また自転車を走らせた。
おかしな犬だったな、と彼はペダルを踏みながら思った。あんな見事なちんちんをする犬、見たことがない。まるでサーカスの犬みたいな芸当をする。あの犬、まさかサーカスから逃げてきたんじゃあるまいな。
けれども、もうすぐ冬だというこんな季節にサーカスがやってくるはずがなかった。もちろん、近くの町にサーカスがきているといううわさも聞かない。
すると、どこかのいい家で厳しく仕付けられた犬なのだろうか。そんな犬が、どうしてこんな北国の殺風景な港町なんかに流れてきたんだろう。人に飼われていることにいや気がさして、*放浪の旅に出てきたのだろうか。あの犬は、確か首輪をしていなかった。よくも首輪から抜けてこられたものだ、あんな大きな耳をしていて。
(三浦哲郎『木戸が開く前に』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
| ちんちん | 犬が前あしを上げて、後ろあしだけで立つこと。 |
| 放浪 | さまよい歩くこと。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「しらしら」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 白が似合う人を集めること。
- イ 何かあったときに素早く行動できること。
- ウ 明日の天気が何か予測する。
- エ 夜が明けて、だんだん明るくなっていくさま。
Lessonの答え
- 答え
A 降 B 垂 C 染 D 届 E 我 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
その犬を、町で最初に見かけたのは新聞配達の少年であった。いつものように、インクの匂いのぷんぷんする朝刊を自転車の荷台に 積んで、さびたブレーキを遠慮がちに鳴らしながらまだ寝静まっている町へ降りていくと、しらしら明けの街道のむこうからのそのそとやってくるその犬に出会った。
大きな耳が顔の両側にだらりと垂れ下がっている赤犬であった。
新聞配達の少年は、町にすみついている犬は一匹残らず知っている。戸数二千数百、人口一万にも満たないちいさな港町である。どの路地にはどの犬がいて、それがどんな尾の振り方をするか、どんな吠え方をするかということまで、よく知っている。
彼は、その赤犬を一と目見て、あいつ、どこからか迷い込んできた他所者だなと思った。歩き方を見て、すぐにわかった。
ところどころひびの走っているコンクリートの街道には、魚市場から魚を運び出すトラックの荷台の両側からしたたり落ちる魚の血が染み込んで、幅の広いレールのような縞ができている。①赤犬は、珍しそうにその縞の匂いをかぎながらやってきたが、町にすみついている犬なら、仔犬でもそんな野暮な真似はしない。
すれ違って、なんて耳の大きな犬だと彼は思った。町にも赤犬はたくさんいるが、こんなに耳が垂れ下がったやつを見るのは初めてであった。もうすこし首を垂れると、鼻よりも先に耳が地面に届きそうだ。
彼は、なんとなくその耳に親しみをおぼえて、自転車のスピードを落とすと、赤犬の方へ口笛を一つ鳴らしてやった。すると、赤犬は突然思いがけない態度に出た。それまでは脇目も振らずに道をかぎながら歩いていたのに、急に我に返ったように立ち止まると、彼の方へ向き直って、*ちんちんをした。
それが、実に堂に入ったちんちんであった。腰がすわって、背骨がしゃんと伸びている。上げた前肢も、ちょっと内側に寄せて、胸の前で両手を組むようにしているところが、洒落ている。
少年はびっくりして、あやうくハンドルを切り損ねるところだった。思わず片足を地面に突いて、呆気にとられて見ていると、赤犬は、なんだ、無駄骨かというふうにちんちんをやめて、また魚の血の縞をかぎながらむこうへ歩きはじめた。
正直いって、彼はすこし気味が悪かったが、自分を励ますためにもういちど口笛を鳴らそうとした。けれども、どうしたことか口笛はうまく鳴らなかった。彼は、首を一つひねって、また自転車を走らせた。
おかしな犬だったな、と彼はペダルを踏みながら思った。あんな見事なちんちんをする犬、見たことがない。まるでサーカスの犬みたいな芸当をする。あの犬、まさかサーカスから逃げてきたんじゃあるまいな。
けれども、もうすぐ冬だというこんな季節にサーカスがやってくるはずがなかった。もちろん、近くの町にサーカスがきているといううわさも聞かない。
すると、どこかのいい家で厳しく仕付けられた犬なのだろうか。そんな犬が、どうしてこんな北国の殺風景な港町なんかに流れてきたんだろう。人に飼われていることにいや気がさして、*放浪の旅に出てきたのだろうか。あの犬は、確か首輪をしていなかった。よくも首輪から抜けてこられたものだ、あんな大きな耳をしていて。
(三浦哲郎『木戸が開く前に』 問題作成の都合上一部表記を変えてあります。)
注
| ちんちん | 犬が前あしを上げて、後ろあしだけで立つこと。 |
| 放浪 | さまよい歩くこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
われ先にと行動する人の心理を理解する。
梅雨はこうすい量が多くなる季節だ。
郵送物のとどけ先の住所を確認する。
夕焼けで空がオレンジ色にそまる。
定規で紙にすいちょくな線を引く。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「夜が明けて、だんだん明るくなっていくさま。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
向こうの空からと夜が明ける。
Practiceの答え
- 答え
我
- 答え
降水
- 答え
届け
- 答え
染まる
- 答え
垂直
- 答え
しらしら
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア だらり
- イ どっさり
- ウ のそのそ
- エ ぷんぷん
Lessonの答え
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア だらり
- イ どっさり
- ウ のそのそ
- エ ぷんぷん
Practiceの答え
- 答え
イ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
①「少年はびっくりして、あやうくハンドルを切り損ねるところだった」について、どんなことにびっくりしたのですか。四十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
口笛を鳴らしたら、赤犬が突然彼の方に向き直って実に堂に入ったちんちんをしたこと。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
①「赤犬は、珍しそうにその縞の匂いをかぎながらやってきた」について、犬のその行動を新聞配達の少年はどんなふるまいだと感じましたか。文中から五字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
野暮な真似
30章 詩
詩の読み方
30-1 詩3
Confirm Test
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
北風 深尾須磨子
- にぎやかな北風だ
- 北風は神様以上に子供が好きで
- いつも子供たちの良い守り役だ
- 町の中でも 原っぱでも
- ピイヒョロ ピイヒョロと笛を吹き
- いつも子供たちをあつめている
- 紙芝居よりもおもしろい北風の笛に
- 子供たちは真赤になって手をたたく
- 北風が笛を吹けば吹くほど
- 子供たちの数はふえてゆく
- もしかすると子供たちは
- 北風の笛から生まれて来るのかも知れない
- 子供たちを火の子のようにはしゃがせて
- やがて北風は夕焼け空の方へ引きあげる――
- 夕焼け 小焼け
- 明日も天気だ *一天晴れだ
- また明日遊ぼうね
- 子供たちはしっかりと北風の約束をかかえて
- めいめい家に帰ってゆく
- 皆さん…… 夜すやすやと眠った子供たちが
- 微笑んでいるわけをごぞんじですか
- 子供たちは夢に北風の笛を 聴いているのです
注
| 一天晴れ | 空一面の青空。 |
この詩はいくつの連(まとまり)からできていますか。漢数字で答えなさい。
この詩の種類としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 口語自由詩
- イ 口語定型詩
- ウ 文語自由詩
- エ 文語定型詩
Confirm Testの答え
- 答え
六(連)
- 答え
ア
Confirm Test
Training1(または確認テスト1)の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
この詩で用いられている表現技法を、次のア〜オから二つ選び、記号で答えなさい。(完答)
- ア 直喩
- イ 倒置法
- ウ 擬人法
- エ 対句
- オ 省略
Confirm Testの答え
- 答え
ア・ウ(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
からたちの花 北原白秋
- からたちの花が咲いたよ。
- 白い白い花が咲いたよ。
- からたちのとげはいたいよ。
- 青い青い針のとげだよ。
- からたちは畑の垣根よ。
- いつもいつもとおる道だよ。
- からたちも秋はみのるよ。
- まろいまろい金のたまだよ。
- からたちのそばで泣いたよ。
- みんなみんなやさしかったよ。
- からたちの花が咲いたよ。
- 白い白い花が咲いたよ。
この詩はいくつの連(まとまり)からできていますか。漢数字で答えなさい。
この詩の種類としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 口語自由詩
- イ 口語定型詩
- ウ 文語自由詩
- エ 文語定型詩
Lessonの答え
- 答え
六(連)
- 答え
イ
Practice
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
頭と足 まど・みちお
- 生きものが 立っているとき
- その頭は きっと
- 宇宙のはてを ゆびさしています
- なんおくまんの 生きものが
- なんおくまんの 所に
- 立っていたと しても…
- 針山に さされた
- まち針たちの つまみのように
- めいめいに はなればなれに
- 宇宙のはての *ぼうぼうを…
- けれども そのときにも
- 足だけは
- みんな 地球の おなじ中心を
- ゆびさしています
- おかあさあん…
- と 声かぎり よんで
- まるで
- とりかえしの つかない所へ
- とんで行こうとする 頭を
- ひきとめて もらいたいかのように
注
| ぼうぼう | 広々として、はるかな様子。 |
この詩はいくつの連(まとまり)からできていますか。漢数字で答えなさい。
この詩の種類としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 口語自由詩
- イ 口語定型詩
- ウ 文語自由詩
- エ 文語定型詩
Practiceの答え
- 答え
四(連)
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
Lesson1(または理解度テスト1)の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
この詩で用いられている表現技法を、次のア〜オから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 直喩
- イ 省略法
- ウ くり返し
- エ 対句
- オ 倒置法
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
Practice1の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
この詩で用いられている表現技法を、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 直喩
- イ 倒置法
- ウ 対句
- エ 擬人法
Practiceの答え
- 答え
ア
31章 短歌
短歌の鑑賞
31-1 短歌4
Confirm Test
短歌と俳句について書かれた次の文章の A 〜 H にあてはまることばを書きなさい。(完答)
短歌は五・七・五・ A ・七の五句 B 音を基本の形式とする定型詩である。
俳句は五・七・ C の三句 D 音を基本の形式とする定型詩で、 E を一句に一つ入れるというきまりがある。また、「ぞ・や・かな・けり」などを「 F 」といい、句の切れ目や感動の中心を表す。
短歌・俳句ともに基本の形式よりも音数が多いものを「 G 」、少ないものを「 H 」という。
Confirm Testの答え
- 答え
- A 七 B 三十一 C 五
- D 十七 E 季語 F 切れ字
- G 字余り H 字足らず (完答)
Confirm Test
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
A ゆく秋の大和の国の薬師寺の
塔の上なる一ひらの雲佐々木信綱
-
B 向日葵は金の油を身にあびて
ゆらりと高し日のちひささよ前田夕暮
Aの短歌は何句切れですか。もっとも適当なものを、次のア〜オから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
- ア 初句切れ
- イ 二句切れ
- ウ 三句切れ
- エ 四句切れ
- オ 句切れなし
Bの短歌に使われている表現技法を、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 体言止め
- イ 反復
- ウ 倒置法
- エ 比喩
Confirm Testの答え
- 答え
オ
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
短歌について書かれた次の文章の A 〜 D にあてはまることばを書きなさい。
短歌は五・七・五・ A ・七の五句 B 音を基本の形式とする定型詩である。 基本の形式よりも音数が多いものを「 C 」、少ないものを「 D 」という。
Lessonの答え
- 答え
A 七 B 三十一 C 字余り D 字足らず
Practice
短歌について書かれた次の文章の A 〜 D にあてはまることばを書きなさい。
短歌は五・七・ A ・七・七の五句 B 音を基本の形式とする定型詩である。 基本の形式よりも音数が多いものを「 C 」、少ないものを「 D 」という。
Practiceの答え
- 答え
A 五 B 三十一 C 字余り D 字足らず
Point
Lesson
Lesson
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
A ふるさとの訛なつかし停車場の
人ごみの中にそを聴きにゆく石川啄木
-
B うすべにに葉はいちはやく萌えいでて
咲かむとすなり山桜花若山牧水
Aの短歌は何句切れですか。もっとも適当なものを、次のア〜オから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
- ア 初句切れ
- イ 二句切れ
- ウ 三句切れ
- エ 四句切れ
- オ 句切れなし
Bの短歌に使われている表現技法を、次のア〜オから二つ選び、記号で答えなさい。(完答)
- ア 擬人法
- イ 直喩
- ウ 倒置法
- エ 体言止め
- オ 反復
Lessonの答え
- 答え
イ
- 答え
ウ・エ(完答)
Practice
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
A 向日葵は金の油を身にあびて
ゆらりと高し日のちひささよ前田夕暮
-
B みちのくの母のいのちを一目見ん
一目みんとぞただにいそげる斎藤茂吉
Aの短歌は何句切れですか。もっとも適当なものを、次のア〜オから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
- ア 初句切れ
- イ 二句切れ
- ウ 三句切れ
- エ 四句切れ
- オ 句切れなし
Bの短歌に使われている表現技法を、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 擬人法
- イ 体言止め
- ウ 倒置法
- エ 反復
Practiceの答え
- 答え
エ
- 答え
エ
31-2 短歌5
Confirm Test
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
向日葵は金の油を身にあびて
ゆらりと高し日のちひささよ前田夕暮
この短歌の季節としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 春の終わり
- イ 夏の終わり
- ウ 秋の終わり
- エ 冬の終わり
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Confirm Test
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
向日葵は金の油を身にあびて
ゆらりと高し日のちひささよ前田夕暮
この短歌の鑑賞文の内容にあてはまるものを、次のア〜ウから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 重い病気でねこんでいる作者が愛するわが子を思う、心のさけびが表れている。
- イ えがくものを、大きなものから小さなものへとしぼっていきながら、晩秋の情景をえがいている。
- ウ 絵をかくときの遠近法のように、近くにあるものを大きく、遠くにあるものを小さくえがいている。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
うすべにに葉はいちはやく萌えいでて
咲かむとすなり山桜花若山牧水
この短歌の季節としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 春の初め
- イ 夏の初め
- ウ 秋の初め
- エ 冬の初め
Lessonの答え
- 答え
ア
Practice
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
うすべにに葉はいちはやく萌えいでて
咲かむとすなり山桜花若山牧水
この短歌の季節としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 春の初め
- イ 夏の初め
- ウ 秋の初め
- エ 冬の初め
Practiceの答え
- 答え
ア
Lesson
Lesson
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
隣室に書よむ子らの声聞けば
心に沁みて生きたかりけり島木赤彦
この短歌の鑑賞文の内容にあてはまるものを、次のア〜ウから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 重い病気でねこんでいる作者が愛するわが子を思う、心のさけびが表れている。
- イ えがくものを、大きなものから小さなものへとしぼっていきながら、晩秋の情景をえがいている。
- ウ 絵をかくときの遠近法のように、近くにあるものを大きく、遠くにあるものを小さくえがいている。
Lessonの答え
- 答え
ア
Practice
次の短歌を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
ゆく秋の大和の国の薬師寺の
塔の上なる一ひらの雲佐々木信綱
この短歌の鑑賞文の内容にあてはまるものを、次のア〜ウから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 重い病気でねこんでいる作者が愛するわが子を思う、心のさけびが表れている。
- イ えがくものを、大きなものから小さなものへとしぼっていきながら、晩秋の情景をえがいている。
- ウ 絵をかくときの遠近法のように、近くにあるものを大きく、遠くにあるものを小さくえがいている。
Practiceの答え
- 答え
イ
32章 説明文
説明文の読み方
32-1 説明文28
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
書道以外にも、毛を植えた絵画用の絵筆やブラシ(刷子、刷毛)はたくさんある。これらの筆やブラシが、書や絵画や*漆器などの道具として重要なのは言うまでもない。しかし、つぎのような意外な使われ方は、あまり知られていない。
江戸時代から毛筆の産地として名高い広島県の熊野町に、白鳳堂という毛筆を家業とする店がある。社長の高本和男さんは、一九七〇年代に実家から独立して、化粧用の筆をつくる会社をはじめた。最初は化粧品の付属物ていどの評価しか得られなかったが、努力のかいあって、いまでは国内だけではなく、世界中の*メーキャップアーティストに認められるようになった。「ぼかしがきれいに出る」とか「肌にやさしい」と評判で、従業員が六五人もいる立派な毛筆メーカーとなった。
台東区浅草にある宮川刷毛ブラシ製作所の宮川彰男さんは、刷毛の植毛の技がすぐれているとの理由で、二〇〇五(平成一七)年度の厚生労働省が決める*卓越した技能者(「現代の名工」)に選ばれた人である。版画の刷毛や、漆塗りなどの工芸に多用され、近くにある東京芸術大学の教授や学生にも愛用されている。
しかしそれだけではない。洋服や靴用、ヘアブラシやボディブラシもつくる。顧客リストからは、たとえば機械式時計のような精密機械用であったり、*耐薬性の医療用であったり、静電気除去ブラシであったりと、高度な技術分野で使われることがわかる。
宮川彰男さんは一九二六(大正一五)年生まれ。一九四〇(昭和一五)年にブラシ店に*丁稚奉公して以来、刷毛やブラシをつくりつづけ、いまでは日本の植毛技術の第一人者となった。その①宮川さんの伝統工芸的な技が、現代産業を支える道具として生きているところがおもしろい。
このように、道具は生まれた当初とはまったく異なる使われ方をすることがある。道具のひとり歩き、とでも言えばいいのかもしれない。
ひとり歩きが、道具を不幸にすることもある。わたしが子どものころは、筆箱にはかならずナイフ(主に肥後守と呼ばれるものであった)が入っていた。鉛筆を削るのも紙を切るのもナイフであった。小学校四年生の、図工の時間に、模型飛行機をつくった。紙袋のなかに胴体になる木や羽根になる竹ひごが入っているが、プロペラも一枚の板から削り出すというものであった。ナイフでプロペラに削る。中心にキリで穴をあけて、釘を芯棒にしてプロペラの回転のぐあいをたしかめながら削りつづけた。このようにしてナイフの使い方を訓練した。
いま子どもにはナイフを持たせない。危険だからという。しかし危険なのはナイフが悪いのではなくて、使い方が悪いだけである。それなのにナイフそのもの、つまり道具を悪としてしまった結果、ナイフを使えない子ども、それどころか家庭に包丁やまな板を持たない新婚夫婦がそうめずらしくない、といういびつな現象まで生んでしまった。これは道具の不幸である。
(小関智弘『道具にヒミツあり』)
注
| 漆器 | うるしをぬった器。 |
| メーキャップアーティスト | モデルや俳優などに化粧をする技術者。 |
| 卓越 | 他よりもはるかにすぐれていること。 |
| 耐薬性 | ここでは、薬品による物質の変化にたえる性質ということ。 |
| 丁稚奉公 | 少年のうちから、商家に住みこんではたらくこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
お店のじゅうぎょういんが迷子を保護する。
部屋のもよう替えをして気分が良い。
寺社仏閣のりっぱな庭園を見学した。
せいみつな機械を取り扱う仕事に就く。
ことなる視点で考えることが大切だ。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「名高い」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 名高いので外では遊べないです。
- イ 東京タワーは名高い人気スポットです。
- ウ 扇風機は名高いので買えない。
- エ シールは名高いのに難しい。
Confirm Testの答え
- 答え
従業員
- 答え
模様
- 答え
立派
- 答え
精密
- 答え
異なる
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「宮川さんの伝統工芸的な技が、現代産業を支える道具として生きているところがおもしろい」について、筆者はどのような点を「おもしろい」と言っているのですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 単純な技術を複雑な分野に生かしている点。
- イ 地味な技術を派手な分野に生かしている点。
- ウ 古くからの技術を新しい分野に生かしている点。
- エ 職人一人の技術をさまざまな分野に生かしている点。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
書道以外にも、毛を植えた絵画用の絵筆やブラシ(刷子、刷毛)はたくさんある。これらの筆やブラシが、書や絵画や*漆器などの道具として重要なのは言うまでもない。しかし、つぎのような意外な使われ方は、あまり知られていない。
江戸時代から毛筆の産地として名高い広島県の熊野町に、白鳳堂という毛筆を家業とする店がある。社長の高本和男さんは、一九七〇年代に実家から独立して、化粧用の筆をつくる会社をはじめた。最初は化粧品の付属物ていどの評価しか得られなかったが、努力のかいあって、いまでは国内だけではなく、世界中の*メーキャップアーティストに認められるようになった。「ぼかしがきれいに出る」とか「肌にやさしい」と評判で、Aじゅう業員が六五人もいる立Bぱな毛筆メーカーとなった。
台東区浅草にある宮川刷毛ブラシ製作所の宮川彰男さんは、刷毛の植毛の技がすぐれているとの理由で、二〇〇五(平成一七)年度の厚生労働省が決める*卓越した技能者(「現代の名工」)に選ばれた人である。版画の刷毛や、漆塗りなどの工芸に多用され、近くにある東京芸術大学の教授や学生にも愛用されている。
しかしそれだけではない。洋服や靴用、ヘアブラシやボディブラシもつくる。顧客リストからは、たとえば機械式時計のような精Cみつ機械用であったり、*耐薬性の医療用であったり、静電気除去ブラシであったりと、高度な技術分野で使われることがわかる。
宮川彰男さんは一九二六(大正一五)年生まれ。一九四〇(昭和一五)年にブラシ店に*丁稚奉公して以来、刷毛やブラシをつくりつづけ、いまでは日本の植毛技術の第一人者となった。その①宮川さんの伝統工芸的な技が、現代産業を支える道具として生きているところがおもしろい。
このように、道具は生まれた当初とはまったくDことなる使われ方をすることがある。道具のひとり歩き、とでも言えばいいのかもしれない。
ひとり歩きが、道具を不幸にすることもある。わたしが子どものころは、筆箱にはかならずナイフ(主に肥後守と呼ばれるものであった)が入っていた。鉛筆を削るのも紙を切るのもナイフであった。小学校四年生の、図工の時間に、Eも型飛行機をつくった。紙袋のなかに胴体になる木や羽根になる竹ひごが入っているが、プロペラも一枚の板から削り出すというものであった。ナイフでプロペラに削る。中心にキリで穴をあけて、釘を芯棒にしてプロペラの回転のぐあいをたしかめながら削りつづけた。このようにしてナイフの使い方を訓練した。
いま子どもにはナイフを持たせない。危険だからという。しかし危険なのはナイフが悪いのではなくて、使い方が悪いだけである。それなのにナイフそのもの、つまり道具を悪としてしまった結果、ナイフを使えない子ども、それどころか家庭に包丁やまな板を持たない新婚夫婦がそうめずらしくない、といういびつな現象まで生んでしまった。これは道具の不幸である。
(小関智弘『道具にヒミツあり』)
注
| 漆器 | うるしをぬった器。 |
| メーキャップアーティスト | モデルや俳優などに化粧をする技術者。 |
| 卓越 | 他よりもはるかにすぐれていること。 |
| 耐薬性 | ここでは、薬品による物質の変化にたえる性質ということ。 |
| 丁稚奉公 | 少年のうちから、商家に住みこんではたらくこと。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「名高い」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア みんなと仲良く遊ぶ。
- イ 季節ごとに旬のご飯を作る。
- ウ 周りの人からどのように見られているのか気にする。
- エ 広く世間に名が知られている。有名である。
Lessonの答え
- 答え
A 従 B 派 C 密 D 異 E 模 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
書道以外にも、毛を植えた絵画用の絵筆やブラシ(刷子、刷毛)はたくさんある。これらの筆やブラシが、書や絵画や*漆器などの道具として重要なのは言うまでもない。しかし、つぎのような意外な使われ方は、あまり知られていない。
江戸時代から毛筆の産地として名高い広島県の熊野町に、白鳳堂という毛筆を家業とする店がある。社長の高本和男さんは、一九七〇年代に実家から独立して、化粧用の筆をつくる会社をはじめた。最初は化粧品の付属物ていどの評価しか得られなかったが、努力のかいあって、いまでは国内だけではなく、世界中の*メーキャップアーティストに認められるようになった。「ぼかしがきれいに出る」とか「肌にやさしい」と評判で、従業員が六五人もいる立派な毛筆メーカーとなった。
台東区浅草にある宮川刷毛ブラシ製作所の宮川彰男さんは、刷毛の植毛の技がすぐれているとの理由で、二〇〇五(平成一七)年度の厚生労働省が決める*卓越した技能者(「現代の名工」)に選ばれた人である。版画の刷毛や、漆塗りなどの工芸に多用され、近くにある東京芸術大学の教授や学生にも愛用されている。
しかしそれだけではない。洋服や靴用、ヘアブラシやボディブラシもつくる。顧客リストからは、たとえば機械式時計のような精密機械用であったり、*耐薬性の医療用であったり、静電気除去ブラシであったりと、高度な技術分野で使われることがわかる。
宮川彰男さんは一九二六(大正一五)年生まれ。一九四〇(昭和一五)年にブラシ店に*丁稚奉公して以来、刷毛やブラシをつくりつづけ、いまでは日本の植毛技術の第一人者となった。その宮川さんの伝統工芸的な技が、現代産業を支える道具として生きているところがおもしろい。
このように、道具は生まれた当初とはまったく異なる使われ方をすることがある。道具のひとり歩き、とでも言えばいいのかもしれない。
ひとり歩きが、道具を不幸にすることもある。わたしが子どものころは、筆箱にはかならずナイフ(主に肥後守と呼ばれるものであった)が入っていた。鉛筆を削るのも紙を切るのもナイフであった。①小学校四年生の、図工の時間に、模型飛行機をつくった。紙袋のなかに胴体になる木や羽根になる竹ひごが入っているが、プロペラも一枚の板から削り出すというものであった。ナイフでプロペラに削る。中心にキリで穴をあけて、釘を芯棒にしてプロペラの回転のぐあいをたしかめながら削りつづけた。このようにしてナイフの使い方を訓練した。
いま子どもにはナイフを持たせない。危険だからという。しかし危険なのはナイフが悪いのではなくて、使い方が悪いだけである。それなのにナイフそのもの、つまり道具を悪としてしまった結果、ナイフを使えない子ども、それどころか家庭に包丁やまな板を持たない新婚夫婦がそうめずらしくない、といういびつな現象まで生んでしまった。これは道具の不幸である。
(小関智弘『道具にヒミツあり』)
注
| 漆器 | うるしをぬった器。 |
| メーキャップアーティスト | モデルや俳優などに化粧をする技術者。 |
| 卓越 | 他よりもはるかにすぐれていること。 |
| 耐薬性 | ここでは、薬品による物質の変化にたえる性質ということ。 |
| 丁稚奉公 | 少年のうちから、商家に住みこんではたらくこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
温暖化の影響でいじょう気象が増えた。
世界遺産の建築物をもけいで作る。
じゅうらいの方法にとらわれない考え方をする。
若者の間ではでな服装が流行する。
日本とみっせつな関係にある国を調べる。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「広く世間に名が知られている。有名である。」を表すことばを三字で書きなさい。
彼女は歌手として。
Practiceの答え
- 答え
異常
- 答え
模型
- 答え
従来
- 答え
派手
- 答え
密接
- 答え
名高い
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「宮川さんの伝統工芸的な技が、現代産業を支える道具として生きているところがおもしろい」について、「宮川さんの伝統工芸的な技」とは、具体的には何を指していますか。文中から七字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
刷毛の植毛の技
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「小学校四年生の、図工の時間に、模型飛行機をつくった」とありますが、ナイフを使って模型飛行機をつくった経験を筆者がここで紹介したのは、どんなことを伝えるためだと考えられますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 子どものときの物づくりの経験は、いつまでも忘れないものだということ。
- イ 道具を使いこなせるようになるためには、子どものころから使う練習をしなくてはいけないということ。
- ウ 危険な道具であっても、使う練習を重ねることによって、安全に使いこなせるようになるということ。
- エ 道具を使いこなせるようになると、楽しいうえにとても便利だということ。
Practiceの答え
- 答え
ウ
32-2 説明文29
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
生物多様性条約では生物多様性を、「種内の多様性」「種の多様性」「①生態系の多様性」を含むものとして定義されている。
種内の多様性は、同じ種に属する個体同士の違いのことで、個性と呼ぶこともある。たとえば、私たちヒトは、一人一人顔立ちも体格も性格も体質も異なる。こういう個性の違いを、種内の多様性というのである。
種の多様性は、異なる種がどれくらいいるか、ということだ。たとえば、人類の種の多様性とは、人類に属する種がどれくらいいるか、ということだ。約七百万年前に人類が誕生してから、いろいろな人類の種が現れた。そして地球上には、たいてい何種もの人類が同時に生きていた。しかし、約四万年前にネアンデルタール人が絶滅すると、とうとう私たちヒトは一人ぼっちになってしまった。今の地球上には、人類はヒト一種しかいない。現在の人類の種の多様性は、極めて高い状態なのである。
生態系の多様性は、異なる種類の生態系がどれくらいあるか、ということだ。生態系にはさまざまなものがある。広大な森林や小さな池も、それぞれ一つの生態系を作っている。地球全体を一つの生態系とみなすこともできる。また、私たちの腸の中も、莫大な腸内細菌が一つの生態系を作っている。
ところで、生物多様性が高いというのは、たんに種数が多いという意味ではない。もちろん種数が多い方が生物多様性は高いのだが、それだけではないのだ。
たとえば、A島にもB島にも、ヒトと木という二種の生物が、合わせて一〇〇個体いたとしよう。A島にはヒトが五〇人いて、木は五〇本生えていた。一方B島では、ヒトが九九人いて、木は一本しか生えていなかった。この場合はB島よりもA島の方が、生物多様性が高いと考える。B島の生態系よりA島の生態系の方が、安定性が高いのは明らかだろう。なにしろB島では、木が一本枯れただけで、種が一つ消えてしまうのだから。このように生物多様性においては、種類の多さだけでなく、「均等度」も重要である。
さてB島では、均等度が低いために、生物多様性が低かった。この均等度が低いというのは「本が一本しかないから」ともいえるけれど、逆に「ヒトが九九人もいるから」ともいえる。つまり、一種が爆発的に増加するのも、やはり生物多様性を低くするのだ。現在の地球でもっとも深刻な問題は、ヒトが爆発的に増加していることなのである。このため地球という生態系は、著しく不安定になっている。
ヒトは、生物多様性の高い森林を、生物多様性の低い農地などに変えてきた。また、生物が何十億年もかけて化石燃料の形に変化させた二酸化炭素を、再び大気中へと解放してきた。このように、ヒトは環境を操作する能力が非常に高い。そのうえ人口が爆発的に増えているので、地球の多くの場所が、ヒトにとって都合がよいように変化させられてきた。
そのため、さまざまな生物が次々に絶滅しているのが現状である。生物多様性はどんどん減少しているのだ。たとえば、リョコウバトは、かつては北アメリカでもっとも個体数が多い鳥だった。五〇億羽ぐらい生息していた、という推定もある。ところがヨーロッパからの移民による開拓のために、リョコウバトのすみかである森林が減少した。そのうえ肉を食べるために乱獲された。その結果、十九世紀の百年間を通じてリョコウバトは激減し、ついに一九一四年に絶滅してしまった。
(更科功『若い読者に贈る美しい生物学講義』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
動物園でパンダの赤ちゃんがたんじょうした。
絵本で「あやつり人形」の物語を読む。
温かい飲み物はちょうの働きを良くする。
しんこくな事態に対処する方法を学ぶ。
休日のテーマパークはとてもこんざつしていた。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「推定」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア その化石はおよそ1万年前のものと推定された。
- イ 私の友達は推定が高い子が多い。
- ウ 食べ物を推定にしてはいけません。
- エ テレビがおもしろかったので推定に見ていた。
Confirm Testの答え
- 答え
誕生
- 答え
操り
- 答え
腸
- 答え
深刻
- 答え
混雑
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「生態系の多様性」は、どんなことを意味しますか。文中から書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
異なる種類の生態系がどれくらいあるか(、ということ)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
生物多様性条約では生物多様性を、「①種内の多様性」「種の多様性」「生態系の多様性」を含むものとして定義されている。
種内の多様性は、同じ種に属する個体同士の違いのことで、個性と呼ぶこともある。たとえば、私たちヒトは、一人一人顔立ちも体格も性格も体質も異なる。こういう個性の違いを、種内の多様性というのである。
種の多様性は、異なる種がどれくらいいるか、ということだ。たとえば、人類の種の多様性とは、人類に属する種がどれくらいいるか、ということだ。約七百万年前に人類がAたん生してから、いろいろな人類の種が現れた。そして地球上には、たいてい何種もの人類が同時に生きていた。しかし、約四万年前にネアンデルタール人が絶滅すると、とうとう私たちヒトは一人ぼっちになってしまった。今の地球上には、人類はヒト一種しかいない。現在の人類の種の多様性は、極めて高い状態なのである。
生態系の多様性は、異なる種類の生態系がどれくらいあるか、ということだ。生態系にはさまざまなものがある。広大な森林や小さな池も、それぞれ一つの生態系を作っている。地球全体を一つの生態系とみなすこともできる。また、私たちのBちょうの中も、莫大なちょう内細菌が一つの生態系を作っている。
ところで、生物多様性が高いというのは、たんに種数が多いという意味ではない。もちろん種数が多い方が生物多様性は高いのだが、それだけではないのだ。
たとえば、A島にもB島にも、ヒトと木という二種の生物が、合わせて一〇〇個体いたとしよう。A島にはヒトが五〇人いて、木は五〇本生えていた。一方B島では、ヒトが九九人いて、木は一本しか生えていなかった。この場合はB島よりもA島の方が、生物多様性が高いと考える。B島の生態系よりA島の生態系の方が、安定性が高いのは明らかだろう。なにしろB島では、木が一本枯れただけで、種が一つ消えてしまうのだから。このように生物多様性においては、種類の多さだけでなく、「均等度」も重要である。
さてB島では、均等度が低いために、生物多様性が低かった。この均等度が低いというのは「本が一本しかないから」ともいえるけれど、逆に「ヒトが九九人もいるから」ともいえる。つまり、一種が爆発的に増加するのも、やはり生物多様性を低くするのだ。現在の地球でもっとも深Cこくな問題は、ヒトが爆発的に増加していることなのである。このため地球という生態系は、著しく不安定になっている。
ヒトは、生物多様性の高い森林を、生物多様性の低い農地などに変えてきた。また、生物が何十億年もかけて化石燃料の形に変化させた二酸化炭素を、再び大気中へと解放してきた。このように、ヒトは環境をDそう作する能力が非常に高い。そのうえ人口が爆発的に増えているので、地球の多くの場所が、ヒトにとって都合がよいように変化させられてきた。
そのため、さまざまな生物が次々に絶滅しているのが現状である。生物多様性はどんどん減少しているのだ。たとえば、リョコウバトは、かつては北アメリカでもっとも個体数が多い鳥だった。五〇億羽ぐらい生息していた、という推定もある。ところがヨーロッパからの移民による開拓のために、リョコウバトのすみかである森林が減少した。そのうえ肉を食べるためにEらん獲された。その結果、十九世紀の百年間を通じてリョコウバトは激減し、ついに一九一四年に絶滅してしまった。
(更科功『若い読者に贈る美しい生物学講義』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「推定」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 感動的な話を聞いて心が動かされること。
- イ ある事実を手がかりにして、おしはかって決めること。
- ウ あと一歩のところでチャンスを逃すこと。
- エ 時間割を確認すること。
Lessonの答え
- 答え
A 誕 B 腸 C 刻 D 操 E 乱 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
生物多様性条約では生物多様性を、「種内の多様性」「①種の多様性」「生態系の多様性」を含むものとして定義されている。
種内の多様性は、同じ種に属する個体同士の違いのことで、個性と呼ぶこともある。たとえば、私たちヒトは、一人一人顔立ちも体格も性格も体質も異なる。こういう個性の違いを、種内の多様性というのである。
種の多様性は、異なる種がどれくらいいるか、ということだ。たとえば、人類の種の多様性とは、人類に属する種がどれくらいいるか、ということだ。約七百万年前に人類が誕生してから、いろいろな人類の種が現れた。そして地球上には、たいてい何種もの人類が同時に生きていた。しかし、約四万年前にネアンデルタール人が絶滅すると、とうとう私たちヒトは一人ぼっちになってしまった。今の地球上には、人類はヒト一種しかいない。現在の人類の種の多様性は、極めて高い状態なのである。
生態系の多様性は、異なる種類の生態系がどれくらいあるか、ということだ。生態系にはさまざまなものがある。広大な森林や小さな池も、それぞれ一つの生態系を作っている。地球全体を一つの生態系とみなすこともできる。また、私たちの腸の中も、莫大な腸内細菌が一つの生態系を作っている。
ところで、生物多様性が高いというのは、たんに種数が多いという意味ではない。もちろん種数が多い方が生物多様性は高いのだが、それだけではないのだ。
たとえば、A島にもB島にも、ヒトと木という二種の生物が、合わせて一〇〇個体いたとしよう。A島にはヒトが五〇人いて、木は五〇本生えていた。一方B島では、ヒトが九九人いて、木は一本しか生えていなかった。この場合はB島よりもA島の方が、生物多様性が高いと考える。B島の生態系よりA島の生態系の方が、安定性が高いのは明らかだろう。なにしろB島では、木が一本枯れただけで、種が一つ消えてしまうのだから。このように生物多様性においては、種類の多さだけでなく、「均等度」も重要である。
さてB島では、均等度が低いために、生物多様性が低かった。この均等度が低いというのは「本が一本しかないから」ともいえるけれど、逆に「ヒトが九九人もいるから」ともいえる。つまり、一種が爆発的に増加するのも、やはり生物多様性を低くするのだ。現在の地球でもっとも深刻な問題は、ヒトが爆発的に増加していることなのである。このため地球という生態系は、著しく不安定になっている。
ヒトは、生物多様性の高い森林を、生物多様性の低い農地などに変えてきた。また、生物が何十億年もかけて化石燃料の形に変化させた二酸化炭素を、再び大気中へと解放してきた。このように、ヒトは環境を操作する能力が非常に高い。そのうえ人口が爆発的に増えているので、地球の多くの場所が、ヒトにとって都合がよいように変化させられてきた。
そのため、さまざまな生物が次々に絶滅しているのが現状である。生物多様性はどんどん減少しているのだ。たとえば、リョコウバトは、かつては北アメリカでもっとも個体数が多い鳥だった。五〇億羽ぐらい生息していた、という推定もある。ところがヨーロッパからの移民による開拓のために、リョコウバトのすみかである森林が減少した。そのうえ肉を食べるために乱獲された。その結果、十九世紀の百年間を通じてリョコウバトは激減し、ついに一九一四年に絶滅してしまった。
(更科功『若い読者に贈る美しい生物学講義』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
あなたの行動は、現場にこんらんをまねく。
コンピュータのそうさ方法を学ぶ。
週末に家でたんじょう祝いをする。
ちょうない環境を整える食生活を心がける。
日常的にじこくを確認して行動する。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「ある事実を手がかりにして、おしはかって決めること。」を表すことばを漢字二字で書きなさい。
今年の冬は暖冬だとされる。
Practiceの答え
- 答え
混乱
- 答え
操作
- 答え
誕生
- 答え
腸内
- 答え
時刻
- 答え
推定
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「種内の多様性」は、どんなことを意味しますか。文中から書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
同じ種に属する個体同士の違い(のこと)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「種の多様性」は、どんなことを意味しますか。文中から書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
異なる種がどれくらいいるか(、ということ)
32-3 説明文30
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
このまま、人口増加や環境汚染が進めば、人はやがて地球に住めなくなるのではないかといわれている。人の数に対して、地球の大きさが対応しきれなくなるのだ。現代は人が爆発的に増えていて、急激に増えつづけた人は、やがて2050年ごろには90億人を突破するとみられている。増えすぎて全員が地球に住みつづけることができなくなったら、新しく住むことのできる場所を探さなければならない。
そんなとき、人が住むのにもっとも現実的だといわれているのが、地球のとなりにある火星だ。実際、民間のある企業では、①2017年から2027年のあいだに、希望者を募って火星への本格移住を支援する計画を立てている。片道切符で火星に行き、火星で永住するというこの無謀な計画に、なんと全世界から多数の応募があったそうだ。
この計画では片道切符だが、これで終わらず、今後大量に人が移動できる交通手段として、わたしたちでも利用できる安価な宇宙船の研究や、宇宙エレベーターなどの研究も進んでいる。
しかしなぜ、火星なのか? それは、地球からの近さも魅力ではあるが、どの惑星にもない地球との共通点が数多く見つかっていることもある。そのため、地球と火星の環境を似せて、火星を第二の地球とすることができるのではないか、と考えられているのだ。
ただし、現段階ではまだ地球の生命が生息できない環境であるため、地球の生命が住みやすいように火星の環境をつくり変える、テラフォーミングをおこなわなくてはならない。この計画、*フィクションのようだが、真面目に考えられている。火星の低すぎる温度を上げ、氷を溶かし、地球に似た環境につくり変えるのだ。
テラフォーミングをした前も後も、火星に行くのは「住む」ことが大きな目的となっている。そのため、どのような形であれ、火星は住宅街としての役割を期待されている。
いずれは、家だけでなく学校や仕事も火星で、火星で生まれ火星で死んでいくという、一度も地球に行ったことのない人が出てくるかもしれない。
夢みたいな話だが、しかしこれは、すぐそこにある未来の話なのだ。
火星は地球の近くにあるからか、地球の生命体が住むのに適していると思われる条件が、いくつもある。
まず火星の1日は、地球の1日とほとんど同じで、1日がほぼ24時間だ。火星に住んでも、明るくなったら起きて活動し、暗くなったら眠るという生活リズムをくずさずにすみそう。
地球より遠くを回っているので、火星の1年は、687日。地球でいうと、おおよそ2年となる。季節の流れがゆっくり感じられるだろう。
そして何より重要なのが、火星には大気があることだ。大気があるので、ほかの惑星ほど強烈な気温にはならない。平均気温はマイナス43度。マイナスとはいえ、2桁の数字なので、気温を上げる工夫の余地がある。大気の主成分は二酸化炭素で、酸素はほとんどない。
大きさは地球が直径1万2742キロメートルであるのに対して、火星は直径6779キロメートルと、地球とくらべて半分ほどの大きさだ。半分ほどの大きさのため、重力は地球の3分の1くらい。3分の1は地球よりは小さいものの、30キログラムが10キログラムになるということは、「ちょっと軽いかな?」と感じるくらいで、物を持つときも、自分の体重も、すこし軽さを感じるくらいではないだろうか。住宅環境などは工夫することでつくり変えることができるが、重力だけは絶対に変えることができない。そのため、宇宙ステーションや月にくらべて地球の重力に近いことも、火星の大きな魅力である。
このように地球と似た点が多く、地球生命が生息できる可能性が高いので、火星は移住先の最有力候補となったのだ。
(竹内薫『住んでみたい宇宙の話』)
注
| フィクション | つくりごと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
恥ずかしくなって頬が赤くそまる。
たくはいびんで荷物を受け取る。
新しい会社がきゅうげきな成長を遂げた。
友人への誕生日プレゼントをさがす。
目的地までのかたみち運賃を調べる。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「魅力」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 魅力を出してお茶を飲む。
- イ 明るい笑顔が彼の魅力の一つです。
- ウ 暑い日は外に出るのが大変なので魅力にする。
- エ 時計は魅力に置いておくのが良い。
Confirm Testの答え
- 答え
染まる
- 答え
宅配便
- 答え
急激
- 答え
探す
- 答え
片道
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「2017年から2027年のあいだに、希望者を募って火星への本格移住を支援する計画」とありますが、この計画について説明した次のア〜エのうち、正しいものをすべて選び、記号で答えなさい。(完答)
- ア 一度火星に行ったら、地球にもどることができない。
- イ 一度の移動で多くの人が火星に行くことができる。
- ウ 火星に移動するためにかかる費用が高い。
- エ 快適な生活を火星で送ることが保証されている。
Confirm Testの答え
- 答え
ア・ウ(順不同・完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
このまま、人口増加や環境汚Aせんが進めば、人はやがて地球に住めなくなるのではないかといわれている。人の数に対して、地球の大きさが対応しきれなくなるのだ。現代は人が爆発的に増えていて、急Bげきに増えつづけた人は、やがて2050年ごろには90億人を突破するとみられている。増えすぎて全員が地球に住みつづけることができなくなったら、新しく住むことのできる場所をCさがさなければならない。
そんなとき、人が住むのにもっとも現実的だといわれているのが、地球のとなりにある火星だ。実際、民間のある企業では、2017年から2027年のあいだに、希望者を募って火星への本格移住を支援する計画を立てている。Dかた道切符で火星に行き、火星で永住するというこの無謀な計画に、なんと全世界から多数の応募があったそうだ。
この計画ではかた道切符だが、これで終わらず、今後大量に人が移動できる交通手段として、わたしたちでも利用できる安価な宇宙船の研究や、宇宙エレベーターなどの研究も進んでいる。
しかしなぜ、火星なのか? それは、地球からの近さも魅力ではあるが、どの惑星にもない地球との共通点が数多く見つかっていることもある。そのため、地球と火星の環境を似せて、火星を第二の地球とすることができるのではないか、と考えられているのだ。
ただし、現段階ではまだ地球の生命が生息できない環境であるため、地球の生命が住みやすいように火星の環境をつくり変える、テラフォーミングをおこなわなくてはならない。この計画、*フィクションのようだが、真面目に考えられている。火星の低すぎる温度を上げ、氷を溶かし、地球に似た環境につくり変えるのだ。
テラフォーミングをした前も後も、火星に行くのは「住む」ことが大きな目的となっている。そのため、どのような形であれ、火星は住Eたく街としての役割を期待されている。
いずれは、家だけでなく学校や仕事も火星で、火星で生まれ火星で死んでいくという、一度も地球に行ったことのない人が出てくるかもしれない。
夢みたいな話だが、しかしこれは、すぐそこにある未来の話なのだ。
火星は地球の近くにあるからか、①地球の生命体が住むのに適していると思われる条件が、いくつもある。
まず火星の1日は、地球の1日とほとんど同じで、1日がほぼ24時間だ。火星に住んでも、明るくなったら起きて活動し、暗くなったら眠るという生活リズムをくずさずにすみそう。
地球より遠くを回っているので、火星の1年は、687日。地球でいうと、おおよそ2年となる。季節の流れがゆっくり感じられるだろう。
そして何より重要なのが、火星には大気があることだ。大気があるので、ほかの惑星ほど強烈な気温にはならない。平均気温はマイナス43度。マイナスとはいえ、2桁の数字なので、気温を上げる工夫の余地がある。大気の主成分は二酸化炭素で、酸素はほとんどない。
大きさは地球が直径1万2742キロメートルであるのに対して、火星は直径6779キロメートルと、地球とくらべて半分ほどの大きさだ。半分ほどの大きさのため、重力は地球の3分の1くらい。3分の1は地球よりは小さいものの、30キログラムが10キログラムになるということは、「ちょっと軽いかな?」と感じるくらいで、物を持つときも、自分の体重も、すこし軽さを感じるくらいではないだろうか。住たく環境などは工夫することでつくり変えることができるが、重力だけは絶対に変えることができない。そのため、宇宙ステーションや月にくらべて地球の重力に近いことも、火星の大きな魅力である。
このように地球と似た点が多く、地球生命が生息できる可能性が高いので、火星は移住先の最有力候補となったのだ。
(竹内薫『住んでみたい宇宙の話』)
注
| フィクション | つくりごと。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「魅力」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 情熱的な話を聞いて心が動かされること。
- イ 力任せに物事を進めること。
- ウ 周りの人から嫌われる様子。
- エ 人の心をひきつけて夢中にさせる力。
Lessonの答え
- 答え
A 染 B 激 C 探 D 片 E 宅 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
このまま、人口増加や環境汚染が進めば、人はやがて地球に住めなくなるのではないかといわれている。人の数に対して、地球の大きさが対応しきれなくなるのだ。現代は人が爆発的に増えていて、急激に増えつづけた人は、やがて2050年ごろには90億人を突破するとみられている。増えすぎて全員が地球に住みつづけることができなくなったら、新しく住むことのできる場所を探さなければならない。
そんなとき、人が住むのにもっとも現実的だといわれているのが、地球のとなりにある火星だ。実際、民間のある企業では、2017年から2027年のあいだに、希望者を募って火星への本格移住を支援する計画を立てている。片道切符で火星に行き、火星で永住するというこの無謀な計画に、なんと全世界から多数の応募があったそうだ。
この計画では片道切符だが、これで終わらず、今後大量に人が移動できる交通手段として、わたしたちでも利用できる安価な宇宙船の研究や、宇宙エレベーターなどの研究も進んでいる。
しかしなぜ、火星なのか? それは、地球からの近さも魅力ではあるが、どの惑星にもない地球との共通点が数多く見つかっていることもある。そのため、地球と火星の環境を似せて、火星を第二の地球とすることができるのではないか、と考えられているのだ。
ただし、現段階ではまだ地球の生命が生息できない環境であるため、地球の生命が住みやすいように火星の環境をつくり変える、①テラフォーミングをおこなわなくてはならない。この計画、*フィクションのようだが、真面目に考えられている。火星の低すぎる温度を上げ、氷を溶かし、地球に似た環境につくり変えるのだ。
テラフォーミングをした前も後も、火星に行くのは「住む」ことが大きな目的となっている。そのため、どのような形であれ、火星は住宅街としての役割を期待されている。
いずれは、家だけでなく学校や仕事も火星で、火星で生まれ火星で死んでいくという、一度も地球に行ったことのない人が出てくるかもしれない。
夢みたいな話だが、しかしこれは、すぐそこにある未来の話なのだ。
火星は地球の近くにあるからか、地球の生命体が住むのに適していると思われる条件が、いくつもある。
まず火星の1日は、地球の1日とほとんど同じで、1日がほぼ24時間だ。火星に住んでも、明るくなったら起きて活動し、暗くなったら眠るという生活リズムをくずさずにすみそう。
地球より遠くを回っているので、火星の1年は、687日。地球でいうと、おおよそ2年となる。季節の流れがゆっくり感じられるだろう。
そして何より重要なのが、火星には大気があることだ。大気があるので、ほかの惑星ほど強烈な気温にはならない。平均気温はマイナス43度。マイナスとはいえ、2桁の数字なので、気温を上げる工夫の余地がある。大気の主成分は二酸化炭素で、酸素はほとんどない。
大きさは地球が直径1万2742キロメートルであるのに対して、火星は直径6779キロメートルと、地球とくらべて半分ほどの大きさだ。半分ほどの大きさのため、重力は地球の3分の1くらい。3分の1は地球よりは小さいものの、30キログラムが10キログラムになるということは、「ちょっと軽いかな?」と感じるくらいで、物を持つときも、自分の体重も、すこし軽さを感じるくらいではないだろうか。住宅環境などは工夫することでつくり変えることができるが、重力だけは絶対に変えることができない。そのため、宇宙ステーションや月にくらべて地球の重力に近いことも、火星の大きな魅力である。
このように地球と似た点が多く、地球生命が生息できる可能性が高いので、火星は移住先の最有力候補となったのだ。
(竹内薫『住んでみたい宇宙の話』)
注
| フィクション | つくりごと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
子どもがランドセルをかたてで持つ。
じゅうたくのデザインを考える仕事に就く。
好きな芸能人が髪の毛を明るくそめた。
試合で見事にげきせんを制した。
たんきゅうしんを持って学び続ける。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「人の心をひきつけて夢中にさせる力。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
日本は旅行するのにのある場所だ。
Practiceの答え
- 答え
片手
- 答え
住宅
- 答え
染めた
- 答え
激戦
- 答え
探究心
- 答え
みりょく
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「地球の生命体が住むのに適していると思われる条件が、いくつもある」とありますが、次の 内はこの文章に挙げられている、火星が「地球の生命体が住むのに適していると思われる条件」をまとめたものです。 a・bにあてはまる内容を、文中のことばを使ってそれぞれ十五字以内で書きなさい。(完答)
- ・ a こと。
- ・ 火星の1年は地球の約2年であること。
- ・ 火星には大気があること。
- ・ 宇宙ステーションや月にくらべて、 b こと。
a
b
Lessonの答え
- 答え
- a 火星の1日は約24時間である
- b 火星の重力は地球の重力に近い
- (完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「テラフォーミング」とは、惑星の環境を変えて、人が住めるようにすることですが、火星に人が住めるようにするためのテラフォーミングとして、具体的にはどんなことが考えられていますか。文中のことばを使って二十字以内で書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
低すぎる温度を上げ、氷を溶かすこと。
33章 物語文
物語文の読み方
33-1 物語文27
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「ぼく」の家は両親が離婚し、母親のアルバイトで何とか暮らしていた。「ぼく」は、夏休みの宿題のため、母親が勤めるねじ工場に職場見学にきた。
「はい、わかりました。それから、二つ目は。この仕事の面白いこととか、やりがいのあることはなんですか?」
あるんだろうか、そんなこと……。
こっそり、そう思っていた。
「うちはね、わたしひとりでやってるから小回りがきくっていうかね。要望さえあれば、十本からでも特注のねじを作ってあげるの。どこにも売ってないねじね。だから、お客さんにはすごく喜ばれる」
そういえば、特注のねじのことは、母さんから一度ならず聞いたことがある。当然のように聞き流していたっけ。
「そうだね、そういうことだな、うれしいのは」
おじさんは、にんまりしてうなずいた。
「あの、特注のねじって、どういうのですか?」
「既製のねじでは間に合わない。そういうときにね、依頼が来る。
たとえば……そうだ、今思い出したのは、百五十年も前のドールハウスを博物館が復元するって話だったな。当時のねじなんて、どこにも売ってないだろう? 同じねじをって言われたけど、小さいし、さびついてて元の形がはっきりしないのにはまいったよ。
あとから、復元したドールハウスの写真を見せてもらったときにはうれしかったね。ドアとか窓なんか、ちゃんと開け閉めできるんだ。①あれ、今でも博物館にかざってあるんじゃないか?
素人が、うちみたいな小さな工場をどこでどうやって調べるのか、注文してくる人がけっこういる。アンティークの小物とか、模型とか、時計、オルゴールなんてこともある。こる人はどこまでもこるもんでね。修理するにも、前から使われていたのとおんなじねじを使いたいなんて、わがまま言ってくるわけ。組み立てちゃったら見えないのにさ。
そういう注文のときはお客の顔が見えるっていうか。売った買っただけじゃない。人と人との関係もあってさ。面白いよ」
「ふーん」
大きさがまちまちの無数の紙箱は、絶妙なバランスをとってうずたかく積まれていた。あらためて見回すと、ひと箱、ひと箱、どの箱にも、特別なねじと熱い思いが閉じこめられている気がした。
その瞬間、ぼくはうっかり、こつこつ物を作るっていいなあ、と思っていた。
うっかり……。
そう、うっかりだ。
ねじ工場なんて、きらいだったから。
ねじなんて……。
そう思っていたから。
知らずに思っていた。きっと。
「きょうは、ありがとうございました」
しゃくだけど、ぼくは素直に頭を下げた。
(中略)
帰りぎわ、事務室にいる母さんに声をかけた。
パソコンに張りつくようにして、一生懸命キーボードを操作している母さんは、夢中で仕事をしている女の人の顔だった。
(今井恭子『ギフト、ぼくの場合』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
大学生の兄は一人ぐらしをしている。
飛行機のそうじゅうに興味がある。
公務員としてつとめるのが目標だ。
まどを開けて空気の入れ替えをする。
船や飛行機のもけいを作って飾る。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「アンティーク」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 会議が終わったらアンティークにする。
- イ アンティークのものを買いに行く。
- ウ もう少しでアンティークになるところだ。
- エ 文章を考えるにはアンティークが一番いい。
Confirm Testの答え
- 答え
暮らし
- 答え
操縦
- 答え
勤める
- 答え
窓
- 答え
模型
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「あれ、今でも博物館にかざってあるんじゃないか?」とありますが、このときのおじさんの気持ちを表すことばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 疑問
- イ とまどい
- ウ 願望
- エ 自慢
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「ぼく」の家は両親が離婚し、母親のアルバイトで何とかAくらしていた。「ぼく」は、夏休みの宿題のため、母親がBつとめるねじ工場に職場見学にきた。
「はい、わかりました。それから、二つ目は。この仕事の面白いこととか、やりがいのあることはなんですか?」
あるんだろうか、そんなこと……。
こっそり、そう思っていた。
「うちはね、わたしひとりでやってるから小回りがきくっていうかね。要望さえあれば、十本からでも特注のねじを作ってあげるの。どこにも売ってないねじね。だから、お客さんにはすごく喜ばれる」
そういえば、特注のねじのことは、母さんから一度ならず聞いたことがある。当然のように聞き流していたっけ。
「そうだね、そういうことだな、うれしいのは」
おじさんは、にんまりしてうなずいた。
「あの、特注のねじって、どういうのですか?」
「既製のねじでは間に合わない。そういうときにね、依頼が来る。
たとえば……そうだ、今思い出したのは、百五十年も前のドールハウスを博物館が復元するって話だったな。当時のねじなんて、どこにも売ってないだろう? 同じねじをって言われたけど、小さいし、さびついてて元の形がはっきりしないのにはまいったよ。
あとから、復元したドールハウスの写真を見せてもらったときにはうれしかったね。ドアとかCまどなんか、ちゃんと開け閉めできるんだ。あれ、今でも博物館にかざってあるんじゃないか?
素人が、うちみたいな小さな工場をどこでどうやって調べるのか、注文してくる人がけっこういる。アンティークの小物とか、Dも型とか、時計、オルゴールなんてこともある。こる人はどこまでもこるもんでね。修理するにも、前から使われていたのとおんなじねじを使いたいなんて、わがまま言ってくるわけ。組み立てちゃったら見えないのにさ。
そういう注文のときはお客の顔が見えるっていうか。売った買っただけじゃない。人と人との関係もあってさ。面白いよ」
「ふーん」
大きさがまちまちの無数の紙箱は、絶妙なバランスをとってうずたかく積まれていた。あらためて見回すと、ひと箱、ひと箱、どの箱にも、特別なねじと熱い思いが閉じこめられている気がした。
その瞬間、①ぼくはうっかり、こつこつ物を作るっていいなあ、と思っていた。
うっかり……。
そう、うっかりだ。
ねじ工場なんて、きらいだったから。
ねじなんて……。
そう思っていたから。
知らずに思っていた。きっと。
「きょうは、ありがとうございました」
しゃくだけど、ぼくは素直に頭を下げた。
(中略)
帰りぎわ、事務室にいる母さんに声をかけた。
パソコンに張りつくようにして、一生懸命キーボードをEそう作している母さんは、夢中で仕事をしている女の人の顔だった。
(今井恭子『ギフト、ぼくの場合』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「アンティーク」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 外に出るのも大変な夏の暑い日。
- イ セットになったサッカーボール。
- ウ 赤ちゃんなのに落ち着いていること。
- エ 古美術品。骨董品。
Lessonの答え
- 答え
A 暮 B 勤 C 窓 D 模 E 操 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「ぼく」の家は両親が離婚し、母親のアルバイトで何とか暮らしていた。「ぼく」は、夏休みの宿題のため、母親が勤めるねじ工場に職場見学にきた。
「はい、わかりました。それから、二つ目は。この仕事の面白いこととか、やりがいのあることはなんですか?」
あるんだろうか、そんなこと……。
こっそり、そう思っていた。
「うちはね、わたしひとりでやってるから小回りがきくっていうかね。要望さえあれば、十本からでも特注のねじを作ってあげるの。どこにも売ってないねじね。だから、お客さんにはすごく喜ばれる」
そういえば、特注のねじのことは、母さんから一度ならず聞いたことがある。当然のように聞き流していたっけ。
「そうだね、そういうことだな、うれしいのは」
おじさんは、にんまりしてうなずいた。
「あの、特注のねじって、どういうのですか?」
「既製のねじでは間に合わない。そういうときにね、依頼が来る。
たとえば……そうだ、今思い出したのは、百五十年も前のドールハウスを博物館が復元するって話だったな。当時のねじなんて、どこにも売ってないだろう? 同じねじをって言われたけど、小さいし、さびついてて元の形がはっきりしないのにはまいったよ。
あとから、復元したドールハウスの写真を見せてもらったときにはうれしかったね。ドアとか窓なんか、ちゃんと開け閉めできるんだ。あれ、今でも博物館にかざってあるんじゃないか?
素人が、うちみたいな小さな工場をどこでどうやって調べるのか、注文してくる人がけっこういる。アンティークの小物とか、模型とか、時計、オルゴールなんてこともある。こる人はどこまでもこるもんでね。修理するにも、前から使われていたのとおんなじねじを使いたいなんて、①わがまま言ってくるわけ。組み立てちゃったら見えないのにさ。
そういう注文のときはお客の顔が見えるっていうか。売った買っただけじゃない。人と人との関係もあってさ。面白いよ」
「ふーん」
大きさがまちまちの無数の紙箱は、絶妙なバランスをとってうずたかく積まれていた。あらためて見回すと、ひと箱、ひと箱、どの箱にも、特別なねじと熱い思いが閉じこめられている気がした。
その瞬間、ぼくはうっかり、こつこつ物を作るっていいなあ、と思っていた。
うっかり……。
そう、うっかりだ。
ねじ工場なんて、きらいだったから。
ねじなんて……。
そう思っていたから。
知らずに思っていた。きっと。
「きょうは、ありがとうございました」
しゃくだけど、ぼくは素直に頭を下げた。
(中略)
帰りぎわ、事務室にいる母さんに声をかけた。
パソコンに張りつくようにして、一生懸命キーボードを操作している母さんは、夢中で仕事をしている女の人の顔だった。 (今井恭子『ギフト、ぼくの場合』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
明日、もしの結果が発表される。
機械をそうさするのが楽しい。
いつも丁寧なくらしを心がける。
きんべんな姿勢が成績を伸ばす。
まどぎわで読書をするのは心地よい。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「古美術品。骨董品。」を表すことばを、かたかな六字で書きなさい。
私の母はのものが好き。
Practiceの答え
- 答え
模試
- 答え
操作
- 答え
暮らし
- 答え
勤勉
- 答え
窓際
- 答え
アンティーク
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ぼくはうっかり、こつこつ物を作るっていいなあ、と思っていた」とありますが、「うっかり」とあることから、それまで「ぼく」がどう思っていたことがわかりますか。「ねじ工場」「やりがい」ということばを使って、三十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
ねじ工場の仕事なんて、やりがいがあるはずはない。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「わがまま言ってくる」とありますが、このときのおじさんの気持ちとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分勝手なので、相手にしたくない。
- イ 難しいが、何とか要望にこたえたい。
- ウ 無理なことを言われて、腹が立つ。
- エ ありがたいが、お断りしたい。
Practiceの答え
- 答え
イ
33-2 物語文28
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
その後、美月たちは、ますます露骨に薫を無視するようになった。そればかりか、薫の悪口がじわじわと広がって、無視する子が少しずつふえてしまった。
あたしは、機会を見つけては、ひと言ふた言、薫と口をきくようにしていた。なんといっても、自分のすぐ前の席なのだから。話してみると、別に感じ悪くもないし、たまに笑うと、愛嬌があってけっこうかわいい。でも、口が重いというのか、返事もぽつりぽつりとしか返ってこないから、ちょっとはりあいがないな、とは思った。
そんなふうにして何日かがすぎて、九月も後半に入ったころのこと。放課後、あたしは美月によびとめられた。そしてすぐに、グループの子たちにかこまれた。
「ねえ、なんで照葉は、薫と口きくの?」
「なんでって、なんで?」
「あの子、乱暴で、自分が悪いことしたのに、ちゃんとあやまらなかったんだからね。先生にいわれて、目をそらしたまま、ごめん、っていっただけなんだよ。それなのに、つきとばされたあゆりも、同じようにあやまらせられて、ひどいと思わない? ああいう子はね、みんなでこらしめないとダメなんだよ。反省してもらわなくちゃ。それが本人のためだと、あたし、思うけどな」
美月はまたつきとばされたといった。麻緒の話では、こづいたということだった。それだっていけないことだけれど、ニュアンスはずいぶんちがう。どっちが正しいのだろう。
「でも、あたし、つきとばしたっていうの、見たわけじゃないから」
「あたしのいうこと、信じないの?」
「そういうわけじゃないけど、なんの理由もなく、そんなことしないんじゃないかなあ」
「そんなの知らない。虫のいどころが悪かったのかもしれない。それでつきとばされちゃたまんないけどね」
「っていうかあ」
口をはさんだのは、つきとばされたというあゆりだ。
「薫って、キモイじゃん。女のくせに男みたいで。瑠奈のこと、じとっとした目で見てるんだよ」
その言葉をきいたとき、はっとした。たしかに、薫の視線は、しょっちゅう瑠奈にむいている。
「瑠奈、迷惑してるんだよね」
美月が、瑠奈に同意を求める。瑠奈は、あいまいに笑った。①少し、いらっとした。なんでこういうときに笑うのだろう。
「あいつ、男なんじゃないの」
「だからぁ、それいうと、キレちゃうんだよ」
あたしは、美月ではなく、あゆりにむかってきいた。
「あゆりは、そういうことをいったの?」
あゆりは決まり悪そうな顔で、視線をそらした。
「あのね、暴力をふるったのは薫なんだよ。照葉も、薫と口きかないでよ。薫のためなんだから」
それって、ほんとに、薫のためなのだろうか……。
それに、暴力ってなんだろう。なぐったりけったりすること? それだけじゃない。言葉による暴力というのだってある。とにかく、実際になにがあったのか、あたしは自分の目では見ていないから、いいとか悪いとか、いえない。
「美月の考えはわかったけど、あたしがどうするかは、あたしが決めるよ」
(濱野京子『ソーリ!』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
感情的で露こつな言動には注意が必要だ。
しょうりゃくした内容を確認する。
自分の本心をむしせず見つめる。
じっさいに体験することで多くの学びを得る。
きかいを得るために日頃から準備する。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「虫のいどころが悪い」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 彼女は朝からずっと虫のいどころが悪い。
- イ 虫のいどころが悪いので病院に行きます。
- ウ もう少し歩くと虫のいどころが悪い。
- エ 明日はみんなで虫のいどころが悪い。
Confirm Testの答え
- 答え
骨
- 答え
省略
- 答え
無視
- 答え
実際
- 答え
機会
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「少し、いらっとした」とありますが、瑠奈のどんな態度にいらっとしたのですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 照葉をばかにするような、無作法な態度。
- イ 薫をおとしめるような、攻撃的な態度。
- ウ 自分によっているような、ふてぶてしい態度。
- エ 美月のきげんをとるような、はっきりしない態度。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
その後、美月たちは、ますます露Aこつに薫を無Bしするようになった。そればかりか、薫の悪口がじわじわと広がって、無しする子が少しずつふえてしまった。
あたしは、Cき会を見つけては、ひと言ふた言、薫と口をきくようにしていた。なんといっても、自分のすぐ前の席なのだから。話してみると、別に感じ悪くもないし、たまに笑うと、愛嬌があってけっこうかわいい。でも、口が重いというのか、返事もぽつりぽつりとしか返ってこないから、ちょっとはりあいがないな、とは思った。
そんなふうにして何日かがすぎて、九月も後半に入ったころのこと。放課後、あたしは美月によびとめられた。そしてすぐに、グループの子たちにかこまれた。
「ねえ、なんで照葉は、薫と口きくの?」
「なんでって、なんで?」
「あの子、乱暴で、自分が悪いことしたのに、ちゃんとあやまらなかったんだからね。先生にいわれて、目をそらしたまま、ごめん、っていっただけなんだよ。それなのに、つきとばされたあゆりも、同じようにあやまらせられて、ひどいと思わない? ああいう子はね、①みんなでこらしめないとダメなんだよ。反Dせいしてもらわなくちゃ。それが本人のためだと、あたし、思うけどな」
美月はまたつきとばされたといった。麻緒の話では、こづいたということだった。それだっていけないことだけれど、ニュアンスはずいぶんちがう。どっちが正しいのだろう。
「でも、あたし、つきとばしたっていうの、見たわけじゃないから」
「あたしのいうこと、信じないの?」
「そういうわけじゃないけど、なんの理由もなく、そんなことしないんじゃないかなあ」
「そんなの知らない。虫のいどころが悪かったのかもしれない。それでつきとばされちゃたまんないけどね」
「っていうかあ」
口をはさんだのは、つきとばされたというあゆりだ。
「薫って、キモイじゃん。女のくせに男みたいで。瑠奈のこと、じとっとした目で見てるんだよ」
その言葉をきいたとき、はっとした。たしかに、薫のし線は、しょっちゅう瑠奈にむいている。
「瑠奈、迷惑してるんだよね」
美月が、瑠奈に同意を求める。瑠奈は、あいまいに笑った。少し、いらっとした。なんでこういうときに笑うのだろう。
「あいつ、男なんじゃないの」
「だからぁ、それいうと、キレちゃうんだよ」
あたしは、美月ではなく、あゆりにむかってきいた。
「あゆりは、そういうことをいったの?」
あゆりは決まり悪そうな顔で、し線をそらした。
「あのね、暴力をふるったのは薫なんだよ。照葉も、薫と口きかないでよ。薫のためなんだから」
それって、ほんとに、薫のためなのだろうか……。
それに、暴力ってなんだろう。なぐったりけったりすること? それだけじゃない。言葉による暴力というのだってある。とにかく、実Eさいになにがあったのか、あたしは自分の目では見ていないから、いいとか悪いとか、いえない。
「美月の考えはわかったけど、あたしがどうするかは、あたしが決めるよ」
(濱野京子『ソーリ!』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「虫のいどころが悪かった」とありますが、「虫のいどころが悪い」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 虫が次から次へと集まってくる様子。
- イ 本当に行きたいところに行けない状態。
- ウ 機嫌が悪く、ちょっとしたことも気に障る状態にある。不機嫌である。
- エ 悪いと思っているがついやってしまうこと。
Lessonの答え
- 答え
A 骨 B 視 C 機 D 省 E 際 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
その後、美月たちは、ますます露骨に薫を無視するようになった。そればかりか、薫の悪口がじわじわと広がって、無視する子が少しずつふえてしまった。
あたしは、機会を見つけては、ひと言ふた言、薫と口をきくようにしていた。なんといっても、自分のすぐ前の席なのだから。話してみると、別に感じ悪くもないし、たまに笑うと、愛嬌があってけっこうかわいい。でも、口が重いというのか、返事もぽつりぽつりとしか返ってこないから、ちょっとはりあいがないな、とは思った。
そんなふうにして何日かがすぎて、九月も後半に入ったころのこと。放課後、あたしは美月によびとめられた。そしてすぐに、グループの子たちにかこまれた。
「ねえ、なんで照葉は、薫と口きくの?」
「なんでって、なんで?」
「①あの子、乱暴で、自分が悪いことしたのに、ちゃんとあやまらなかったんだからね。先生にいわれて、目をそらしたまま、ごめん、っていっただけなんだよ。それなのに、つきとばされたあゆりも、同じようにあやまらせられて、ひどいと思わない? ああいう子はね、みんなでこらしめないとダメなんだよ。反省してもらわなくちゃ。それが本人のためだと、あたし、思うけどな」
美月はまたつきとばされたといった。麻緒の話では、こづいたということだった。それだっていけないことだけれど、ニュアンスはずいぶんちがう。どっちが正しいのだろう。
「でも、あたし、つきとばしたっていうの、見たわけじゃないから」
「あたしのいうこと、信じないの?」
「そういうわけじゃないけど、なんの理由もなく、そんなことしないんじゃないかなあ」
「そんなの知らない。虫のいどころが悪かったのかもしれない。それでつきとばされちゃたまんないけどね」
「っていうかあ」
口をはさんだのは、つきとばされたというあゆりだ。
「薫って、キモイじゃん。女のくせに男みたいで。瑠奈のこと、じとっとした目で見てるんだよ」
その言葉をきいたとき、はっとした。たしかに、薫の視線は、しょっちゅう瑠奈にむいている。
「瑠奈、迷惑してるんだよね」
美月が、瑠奈に同意を求める。瑠奈は、あいまいに笑った。少し、いらっとした。なんでこういうときに笑うのだろう。
「あいつ、男なんじゃないの」
「だからぁ、それいうと、キレちゃうんだよ」
あたしは、美月ではなく、あゆりにむかってきいた。
「あゆりは、そういうことをいったの?」
あゆりは決まり悪そうな顔で、視線をそらした。
「あのね、暴力をふるったのは薫なんだよ。照葉も、薫と口きかないでよ。薫のためなんだから」
それって、ほんとに、薫のためなのだろうか……。
それに、暴力ってなんだろう。なぐったりけったりすること? それだけじゃない。言葉による暴力というのだってある。とにかく、実際になにがあったのか、あたしは自分の目では見ていないから、いいとか悪いとか、いえない。
「美月の考えはわかったけど、あたしがどうするかは、あたしが決めるよ」
(濱野京子『ソーリ!』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
有名人と話すきかいを得た。
適切なはんせいは成長の糧となる。
ギプスでこっせつした腕を固定する。
今日は悪天候でしかいが悪い。
こくさい会議に参加する予定。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「機嫌が悪く、ちょっとしたことも気に障る状態にある。不機嫌である。」を表すことばを九字で書きなさい。
私は母とケンカしたので。
Practiceの答え
- 答え
機会
- 答え
反省
- 答え
骨折
- 答え
視界
- 答え
国際
- 答え
虫のいどころが悪い
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「みんなでこらしめないとダメなんだよ」とありますが、どのようにしてこらしめるのですか。十五字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
薫と口をきかないで無視する。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「あの子、乱暴で、自分が悪いことした」とありますが、美月は薫が何をしたと言っていますか。次のにあてはまることばを、文中から書きぬきなさい。(完答)
を。
Practiceの答え
- 答え
あゆり〈を〉つきとばした〈。〉(完答)
33-3 物語文29
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
帰りの学活がおわったとたん、あたしは、サワちゃんに背中をおされて、担任のオカッチをつかまえた。
「先生、これ見て」
あたしにかわって、サワちゃんが、生徒手帳の『赤毛証明』のページを見せた。
「ついにおされたね」
オカッチは、まゆをひそめて、ああ、って顔をした。
「ひどくない?」
あたしがいうと、オカッチは、あたりまえのようにこたえた。
「仕方ないよ。これがうちの学園のふつうなんだから」
ええええ?
あたしは、声にならなかった。となりに立つサワちゃんも、口をぽかんとあけている。
年齢はうちの母くらいのおばさんだけど、ものわかりのいい、フレンドリーな話し方で、距離が近いと思っていた、担任、オカッチ。
でも、やっぱり、三つ葉学園という組織の一員であることは、厳然たる事実なのだ。
「オカッチも、フツーのセンセだったね」
教室を出ていくオカッチの背中を見ながら、サワちゃんがぽつりといった。
「つまり、毎朝、これを見せないと校門をくぐれないというわけ。通行手形ってこと?」
しかも、オカッチの話によると、三つ葉学園中学では、現在、あたしたったひとりがおされているそうだ。
「なんか、江戸時代の関所みたいだねえ。やっぱり、おかしいよ」
サワちゃんが、①『赤毛証明』のはみだしそうなゴム印のあとをにらんでいる。
「*ゲニンは、現代に生きてないよ」
時代錯誤もいいところだ。
それをフツーだといいはるこの学園もおかしい。差別だ、差別だ!
ムカムカするけど、オカッチですらあの言い方じゃ、ゲニンや校長が取り消しにすることはまずないだろう。
あたしは、ふつうレベルのこの学園の中で、ふつうのクラスで、ふつうに中学校生活していたはずなのに。
クラスをぐるりと見まわした。
部活や帰宅で、のこっているクラスメイトはまばらだ。
「メッチャうけたー」
べったり仲よしコンビのユカとアズサが、昨日のバラエティ番組のことで、じゃれあうように大笑いしている。
スカート丈は、ひざ上二〇センチ以上。「ひざがかくれる長さ」といううちの学園の規定にはるかに違反している。
それでも、オカッチはなにもいわない。ユカとアズサともフレンドリーに話すけど、短いスカートのすそについてのおとがめはいっさいなし。
ユカたちは、朝校門をくぐるときは、規定の長さのスカートで、ゲニンの前をスルーする。そのあと、トイレで三回もウエストをまくりあげて、教室に入ってくる。光るリップやチークをつけているときもある。
それでオーケーなのに、あたしは『赤毛証明』だ。
毎朝、生徒手帳の印を見せて校門くぐるのなんて、ほんといやだ。学校来るのがつらくなりそう……。
登校拒否という文字がふとうかんだ。
(光丘真理『赤毛証明』)
注
| ゲニン | 生徒指導の先生のあだ名。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
たんにんの先生に進路について相談する。
ひてい的な意見にも耳をかたむける。
げんせんされた食材で料理を作る。
ごかいを招く発言に注意する。
掃除当番できたく時間が遅くなった。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「まゆをひそめる」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア マナーを守らない人に対してまゆをひそめる。
- イ まゆをひそめたらあと少しだ。
- ウ ドーナツが食べたいからまゆをひそめる。
- エ 家か学校でまゆをひそめる。
Confirm Testの答え
- 答え
担任
- 答え
否定
- 答え
厳選
- 答え
誤解
- 答え
帰宅
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「『赤毛証明』のはみだしそうなゴム印のあと」とありますが、ゴム印がはみだしそうなことから感じられることとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 『赤毛証明』の存在感の大きさ。
- イ 『赤毛証明』の必要のなさ。
- ウ 『赤毛証明』の決まりの重要さ。
- エ 『赤毛証明』の根拠の不明確さ。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
帰りの学活がおわったとたん、あたしは、サワちゃんに背中をおされて、Aたん任のオカッチをつかまえた。
「先生、これ見て」
あたしにかわって、サワちゃんが、生徒手帳の『赤毛証明』のページを見せた。
「ついにおされたね」
オカッチは、まゆをひそめて、ああ、って顔をした。
「ひどくない?」
あたしがいうと、オカッチは、あたりまえのようにこたえた。
「仕方ないよ。これがうちの学園のふつうなんだから」
ええええ?
あたしは、声にならなかった。となりに立つサワちゃんも、口をぽかんとあけている。
年齢はうちの母くらいのおばさんだけど、ものわかりのいい、フレンドリーな話し方で、距離が近いと思っていた、たん任、オカッチ。
でも、やっぱり、三つ葉学園という組織の一員であることは、Bげん然たる事実なのだ。
「オカッチも、フツーのセンセだったね」
教室を出ていくオカッチの背中を見ながら、サワちゃんがぽつりといった。
「つまり、毎朝、これを見せないと校門をくぐれないというわけ。通行手形ってこと?」
しかも、オカッチの話によると、三つ葉学園中学では、現在、あたしたったひとりがおされているそうだ。
「なんか、江戸時代の関所みたいだねえ。やっぱり、おかしいよ」
サワちゃんが、『赤毛証明』のはみだしそうなゴム印のあとをにらんでいる。
「*ゲニンは、現代に生きてないよ」
時代錯Cごもいいところだ。
それをフツーだといいはるこの学園もおかしい。差別だ、差別だ!
ムカムカするけど、オカッチですらあの言い方じゃ、ゲニンや校長が取り消しにすることはまずないだろう。
あたしは、ふつうレベルのこの学園の中で、ふつうのクラスで、ふつうに中学校生活していたはずなのに。
クラスをぐるりと見まわした。
部活や帰Dたくで、のこっているクラスメイトはまばらだ。
「メッチャうけたー」
べったり仲よしコンビのユカとアズサが、昨日のバラエティ番組のことで、じゃれあうように大笑いしている。
スカート丈は、ひざ上二〇センチ以上。「ひざがかくれる長さ」といううちの学園の規定にはるかに違反している。
それでも、オカッチはなにもいわない。ユカとアズサともフレンドリーに話すけど、短いスカートのすそについてのおとがめはいっさいなし。
ユカたちは、朝校門をくぐるときは、規定の長さのスカートで、ゲニンの前をスルーする。そのあと、トイレで三回もウエストをまくりあげて、教室に入ってくる。光るリップやチークをつけているときもある。
それでオーケーなのに、あたしは『赤毛証明』だ。
毎朝、生徒手帳の印を見せて校門くぐるのなんて、ほんといやだ。学校来るのがつらくなりそう……。
登校拒Eひという文字がふとうかんだ。
(光丘真理『赤毛証明』)
注
| ゲニン | 生徒指導の先生のあだ名。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「まゆをひそめて」とありますが、「まゆをひそめる」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 目標を達成するために努力する。
- イ 嫌なことが顔に出てしまう。
- ウ 明日大事なことがあるので天気を気にしている。
- エ 心配なことがあったり、他人の嫌な行為に不快を感じたりして顔をしかめる。
Lessonの答え
- 答え
A 担 B 厳 C 誤 D 宅 E 否 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
帰りの学活がおわったとたん、あたしは、サワちゃんに背中をおされて、担任のオカッチをつかまえた。
「先生、これ見て」
あたしにかわって、サワちゃんが、①生徒手帳の『赤毛証明』のページを見せた。
「ついにおされたね」
オカッチは、まゆをひそめて、ああ、って顔をした。
「ひどくない?」
あたしがいうと、オカッチは、あたりまえのようにこたえた。
「仕方ないよ。これがうちの学園のふつうなんだから」
ええええ?
あたしは、声にならなかった。となりに立つサワちゃんも、口をぽかんとあけている。
年齢はうちの母くらいのおばさんだけど、ものわかりのいい、フレンドリーな話し方で、距離が近いと思っていた、担任、オカッチ。
でも、やっぱり、三つ葉学園という組織の一員であることは、厳然たる事実なのだ。
「オカッチも、フツーのセンセだったね」
教室を出ていくオカッチの背中を見ながら、サワちゃんがぽつりといった。
「つまり、毎朝、これを見せないと校門をくぐれないというわけ。通行手形ってこと?」
しかも、オカッチの話によると、三つ葉学園中学では、現在、あたしたったひとりがおされているそうだ。
「なんか、江戸時代の関所みたいだねえ。やっぱり、おかしいよ」
サワちゃんが、『赤毛証明』のはみだしそうなゴム印のあとをにらんでいる。
「*ゲニンは、現代に生きてないよ」
時代錯誤もいいところだ。
それをフツーだといいはるこの学園もおかしい。差別だ、差別だ!
ムカムカするけど、オカッチですらあの言い方じゃ、ゲニンや校長が取り消しにすることはまずないだろう。
あたしは、ふつうレベルのこの学園の中で、ふつうのクラスで、ふつうに中学校生活していたはずなのに。
クラスをぐるりと見まわした。
部活や帰宅で、のこっているクラスメイトはまばらだ。
「メッチャうけたー」
べったり仲よしコンビのユカとアズサが、昨日のバラエティ番組のことで、じゃれあうように大笑いしている。
スカート丈は、ひざ上二〇センチ以上。「ひざがかくれる長さ」といううちの学園の規定にはるかに違反している。
それでも、オカッチはなにもいわない。ユカとアズサともフレンドリーに話すけど、短いスカートのすそについてのおとがめはいっさいなし。
ユカたちは、朝校門をくぐるときは、規定の長さのスカートで、ゲニンの前をスルーする。そのあと、トイレで三回もウエストをまくりあげて、教室に入ってくる。光るリップやチークをつけているときもある。
それでオーケーなのに、あたしは『赤毛証明』だ。
毎朝、生徒手帳の印を見せて校門くぐるのなんて、ほんといやだ。学校来るのがつらくなりそう……。
登校拒否という文字がふとうかんだ。
(光丘真理『赤毛証明』)
注
| ゲニン | 生徒指導の先生のあだ名。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
荷物を家までたくはいしてもらう。
無理な要求に対しては拒ひする。
たんとう者として責任を果たす。
げんじゅうな警備がされている施設。
ごじ脱字を修正する作業に取り組む。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「心配なことがあったり、また、他人の嫌な行為に不快を感じて顔をしかめる。」を表すことばをひらがな七字で書きなさい。
いつも悪口を言ってくる友達に。
Practiceの答え
- 答え
宅配
- 答え
否
- 答え
担当
- 答え
厳重
- 答え
誤字
- 答え
まゆをひそめる(まゆをひそめた)
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
生徒手帳に『赤毛証明』の印をおされたことは、「あたし」にはどんなことと感じられていますか。次のにあてはまることばを、文中から書きぬきなさい。
ではない生徒であるということ。
Lessonの答え
- 答え
ふつう(フツー)〈ではない生徒であるということ。〉
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「生徒手帳の『赤毛証明』のページを見せた」とありますが、オカッチにどんなことを期待しているのですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 『赤毛証明』が何なのかを説明してくれること。
- イ 『赤毛証明』のゴム印をおしてくれること。
- ウ 『赤毛証明』をおされたことを悲しんでくれること。
- エ 『赤毛証明』をおされたことにいきどおってくれること。
Practiceの答え
- 答え
エ